小林が店長に就任し Diary も託すにあたってお願いした幾つかの中に “ たまに私的なことも綴るように ” という内容があります。これは店という空間は、それを主に携わる人間の “ 個 ” が極めて大きく作用するからであって、それをお客様にお伝えすることが店という空間そのものを、軸そのものをお伝えすることに繋がるという想いあってのことなのですが、実を申し上げますと私はこれまで “ 私的なことを綴る ” という行いがほとんど出来ておりません。
入社した当初、現在のような多コンセプトショップ体制ではなく旧 LAILA VINTAGE のみであった時代は、未熟ゆえに恥ずかしながら運営に精一杯な感があり、私的な出来事がほとんどございませんでした。稀に友人と食事や飲み会に出掛けたとて特出した出来事はなく、あったとてわざわざ綴るまでもない、いわゆる酒の席での失敗くらいなものですので、書くことが無かったと言えばそれまでなのですが、心の片隅には常に “ 何か私的なことを ” という想いがありつつ忙殺の月日が過ぎてゆくことで、いつしか “ 私的なことを綴る ” という行為そのものが “ 出来なく ” なってしまいました。出来ないと申しますか苦手と申しますか、出来事があってもどう綴ればよいのか、キーボードに手を置いても指がまるで進まなくなってしまったのです。
しかし、先日の小林店長 Diary に感化されましたので、本日は私的なことを綴らせて頂きす。彼は以前にミステリー小説しか読まない的なことを言っていましたが本当なのですね。私はその話を聞いた時に “ もっと色々読みゃあいーのに ” と口にした気がします。
彼が文学の話でしたので、私は音楽というか音の話を。お時間ございましたらお暇つぶしにでもして頂けたらと思います。
たいした趣味のない平々凡々俗人な私めですが、音楽を聴くのが一丁前に好きでして、学生時分には居眠りをする際にもオーディオテクニカのヘッドホンでマリリンマンソン等々を爆音で流しており、今となってはなぜそれで寝れていたのか不思議に思う次第です。今でも大抵イヤホンで音楽ないし音を聴きながら街を歩いているのですが、それは3日前に帰国したヨーロッパの旅でも同じくでした。
私の音楽ないし音の遍歴は現在に至るまで幾つかの 12 の段階を経ています。基本的に節操ございませんのでジャンルは問いませんでして、同じ音楽を聴き続けることが苦ではありませんので各段階全ての音楽をいまだに楽しんでいるのですが、最新にあたる 12 段階目のカテゴリーは “ 落語 ” です。
以前から推薦してくれる友人が居たり最近新しい音楽に出逢えていなかったり、なにより自身の言葉を精査したかったりで “ いっちょ聴いてみますか ” と気軽に踏み込んだ世界でしたが、これがまぁ面白い。語り手によって同じ内容でも印象が変わる点や同じ話を何度聴いても飽きない点がクラシックに通じるものがありまして、このような文化が 300 年前から受け継がれて続けているこの国で生まれ育ったことを喜ばしく感じずにはいられません。
先日の旅でもよく聴いておりました。セーヌ川を横目に文七の恋心に心打たれたり、ヴォージュ広場で佐平治に翻弄されたり、特急に揺られながら金兵衛の奔走を見守ったりと、イヤホンを耳に一人ほくそ笑むその姿はさぞ気色悪かったことと思います。
様々な寓話はどれも個性的で、何度聴いても飽きることがありません。どれも等しく楽しんでおりますが、最近よく聴くのは “ 大工調べ ” です。落語、私としては大変にお薦めな一つでございます。皆様も御縁ございましたら宜しければ。
P.S.
2014年の9月14日から活用しております SIGMA 社 の愛機。長きに渡る酷使がたたって遂に半再起不能状態に陥ってしまいましたので、一旦実家に帰らせて療養 ( メーカーで修理 ) してもらったところ見事に回復して本日から現場復帰です。彼を選んだきっかけは単純に “ 姿が格好良く、あわよくばモテるかもしれない ” という邪心でしたが、今では欠かせない存在。また宜しく。
P.S.2
前述の通り3日前にヨーロッパの旅から帰国致しました。今回も沢山の出逢い溢れる希有な時間を過ごし、結果を引き連れてまいりましたので、ご期待頂けましたら幸いです。
SURR by LAILA 福留
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「短いお別れ」で御座いました。
本日も快晴。季節の変わり目はワードローブを差し替えたりと愉しい時期です。
3日続けてのエントリーとなりますが、御付き合いの程を宜しくお願い申し上げます。
2017年 Spring&Summerのテーマとして詠わせて頂いてるは「原点回帰」
SURRという軸を再考した際、真っ先に脳裏を横切ったのはやはり「テーラード」で御座いました。
青年を男性に。男性を紳士に。そのベースとして設立当初よりご提案を続けさせて頂いておりますマストステージ。必要不可欠なカテゴリーであると我々は確かな自覚と認識の元、この度も様々な編集を施しましたが、衝動的にこれまた脳裏を横切ったひとつの想いとして、各所ディテールをじっくりご説明するよりまず、季節問わず“テーラードは良い”、と純粋にも感じて頂けましたら其れだけで。其処に尽きる想いでしょうか。有り難い事に当方Diaryを読み終えた後、クローゼットからお手持ちのジャケットを引っ張りだしブラッシングするも良し、春爛漫の陽気な時期を迎え新調するも良し、SURRに在中している2人の男性に相談するも良し。
弊店のみならず、我々にとっても「原点回帰」なもので。
新たにテーラードを選択する際、此れまたユニークに感じるのが十人十色ベクトルが異なる事。ある程度の“基準”なりひとつの拘りを持つことは大変に素晴らしくも紳士的であると感じる次第です。
視るべきはまず裏地か。
唯一無二の施しか。
重要視するは素材の選定。
たまには遠くから眺めながら。
パターンを愛し。
縫製に驚き。
確固たるブランディングに身を委ね。
パーツに視線を落とす。
時には悩み。
ディテールを信じる。
60-90s Tailored Jacket many pieces
後はフィッティングするのみ。
袖を通し、背中に纏わせ、鏡と向き合い、テーラードの重要性を少しばかりご認識頂けましたら。
SURR by LAILA 小林
03-5468-5966
[email protected]
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