
G-1だっけかG-2だっけか、いつも忘れちゃうんですけどとにかく偏愛なるアヴィエイターSTYLEのこの一着に出逢えたあたりでストロングキーワードがレザープロダクトとなり始め、そのまま帰結したのが前回の買付の旅順でした。弊店ではかねてより季節に問わず,と言いながらもやはり秋冬は特に積極的に御推奨するレザープロダクトですが、今期はファッションの流れ的にそれらが先立つ印象なのですが気のせいでしょうか。さりとてファッションの流れはあくまで流れですので例えばプレーンジーンズを好きで穿き続けていたらとあるタイミングで“今っぽいね”と言われるようになるのと同じくであくまで後天的なものではありますが、元々好きなものが気付いたら今っぽいと言われるような要素性になるというのは、まぁなんだかんだ良いのではないでしょうか。今っぽいって言われたいしね、一切言われないけど。




アルマーニ大先生も本当に好きだったんだろうな、このボンバージャケット型のレザープロダクトを って本当に思います。お好きな方でしたら目にされたこともあられるのではないでしょうか、ボンバージャケットをウエストギュンとしたバランスで着こなして往々にしてグローヴをつけた紳士が佇むアルマーニの広告の世界観、それにアヴィエイターSTYLEが採用されたのは一度や二度ではないはずです。良い意味で擦られた何度も何度も採用されたバランスそのものがヘリテージになっているかのような世界観で、これまた全てが高濃度で格好良いんだ。未見の方は是非“Armani ad”やら”Armani 90s ad”やらで検索なさってみてくださいな、キュンキュンしちゃいますよ。
1994AWのこちら、モ ッッッチモチのレザーに造形的に広めな身幅にコンパクトな着丈の“これぞ!”なボンバーシルエットにしっかりとしたライミングならではの立体感は、アルマーニが提唱し続け人々を魅了し続け近代のヴィンテージカルチャーにおいてより一層高く評価され昨今のモードデザインにおいて驚くほど積極的にサンプリングされている世界観のド・ド・ド・ド・ド真ん中、端的に言って完璧に近いバランスです。それゆえこれを出してくる時の親愛なるコレクターはそれはもうそれはもう誇らしげでした。私はそういった透かした目線はツンと突き放したくなってしまう性分なのですが、これは無理でしたね。猫にまたたび、女郎に小判、福留にアルマーニボンバージャケット です。

New 1994AW Emporio Armani Aviator-style leather bomber jacket
格好良過ぎる、格好良過ぎるって。今期の目玉の一つです。
SURR 福留
△
最近は気温も下がってきて、ニットを揃えられた方も多いのではないでしょうか? そろそろ次はコートを探したい、というお声も増えてきました。 そこで今回は、これからの季節におすすめ のウールやカシミヤ素材のコートをいくつかご紹介いたします。 軽くて柔らかな着心地のものから、しっかりとした暖かさを感じられるものまで、豊富に揃っております。 ぜひこの機会に、冬のお出かけがより楽しみになるコートを見つけてください。

裏地無しのダッフルコート。 ミッソーニらしいけどらしくないマルチカラーで、個人的に1番好きです。

シルエットは、体のラインは拾わず美しく見えるAラインの、王道でクラシックな1着。

今から70年前のbespokeのコート。 個性全開で好きです、実物はもっといいです。

スコットランド製の特級カシミヤ仕様。 エレガントで知的な雰囲気のあるチェスターフィールドコート。

裏返して着たくなるくらい主張の激しい裏地。 身幅たっぷりでオーバーサイズなんですが、縦にストンっと落ち感のあるコートです。

カシミヤにも匹敵するするほどの保温性と柔らかさのあるキャメルヘアーとピュアウールのコート。”高い防寒性・軽さ・信頼できるネーム”の嬉しい三拍子です。

全部いいです。是非、着比べてください。
SURR 古川
△

となると相当なオーヴァーサイズに感じられるかと思いますし実物を見ても相当にオーヴァーサイズに感じられるのですが、その実サイズ表記46であるこのコートは誰でも着られそうな寸値であるにも関わらず例えば48や50の身体にはしっかりとしっくりこないという的確なサイジングが成立しているのです。肩幅76cmで身幅70cmですからもちろん着ることはできるのですが、ふとした挙動で背中が突っ張ったりINにさほど着込めずざっくりとした羽織りコートとして成立しなかったりと、一見すると戸惑ってしまうかもしれませんが背骨を認識すればしっかりと御理解御納得頂けるはず。天才ジャンニ・ヴァルサーチェのメンズクリエイション最初期である80年代初頭の一着ですから。




後々に世を席巻したヴェルサーチェ帝国が築かれるより以前の規模が小さくだからこそ濃密かつ徹底的なクオリティー管理によって良い意味で“いわゆる”なGianni Versaceではない印象の最初期Gianni Versaceのメンズクリエイション、天才の略歴の中でも弊店はこの最初期を特に特別に想い扱っています。
強いて称するとしたらPコートと言ったところでしょうか、このウール80%×モヘア20%の上品さと古典感に満ち溢れた獣毛プロダクトは。でも前立ても不可思議過ぎるアシンメトリーだしポケットの位置は造形的だしレザーのボタンホールパイピングは素敵過ぎだしレインヨークはもはやレインヨークではない、本当に“強いて”なだけで完全な別もの,別言語もの,別次元もの。これだから私は想い続けるのです、鳴々ジャン兄が長生きしてくれていたらファッションデザイナーの勢力図はきっと変わっていたのだろうな と、もしかしたら今よりももっと素敵な世界になっていたかもな と。まぁそんなこと言っても仕方ありませんね。
なのでプロダクトで心を満たしましょうぞ。最初期Gianni Versaceのメンズクリエイションでしか得られない栄養素は確かに存在しますから。このコートにおいて語られるオーヴァーサイズは近代のただ大きいだけのオーヴァーサイズとは根本的に異なります。紳士服の歴史にあった重ね着をするため内側に空間を大きく配置するというレイヤードを目的とし哲学と美意識が詰まったオーヴァーサイズの概念に異国の天才,三宅 一生大先生から学んだKIMONOの世界観を注入した服飾史と文化が混ざり合った純然たるモードのオーヴァーサイズなのです。


New early80s Gianni Versace wool & mohair oversized design coat
以上を踏まえたうえで唯一無二のオーヴァーサイズコートとして御提案致します。MYサイズじゃなくて本当に良かったー。
SURR 福留
△
