1980年代にイタリア(ミラノ)で生まれた、若者を象徴するカルチャー”パニナロ”。 始まりは、当時の裕福な家庭の子ども達が留学先としてアメリカに行き、そこで目にしたファッション・ファストフードをイタリアに持ち帰り、それがパニナロのスタイルに直結したのである。 今回はファストフードではなく、ファッションスタイルについて触れていきます。彼らの定番は、鮮やかなジャケットにリーバイスを穿き、ティンバーランドのブーツ。自分自身の最初の印象としては、ダサいなと思いましたが、深く知っていき、当時の写真を見ていくうちに、ダサさはあるけど、かっこいいなと思うようになりました。このバランスを表現するのって難しいと思いますし、私は、このパニナロのスタイルからは、たくさんのインスピレーションを受けたと思います。 彼らは、モンクレール・ストーンアイランドなど、複数のブランドを好んでいましたが、その中から今回ご紹介するのは、”Best Company”です。
1982年にオルメス・カレッティによって設立され、1992年までの短期間で終了してしまいます。アメリカのワーク・カレッジ・スポーツスタイルをベースにポップなカラーリングや大胆なグラフィック・刺繍が特徴的なイタリアのブランドです。 この羽織は、アメリカのベールボールシャツをサンプルにしており、生地には柔らかなスウェット素材を採用し、配色にはグレー×イエローの鮮やかなコントラストを効かせることで、イタリアブランドらしい遊び心と洗練を加えています。アメリカンスポーツ をイタリア流に再解釈するという姿勢は、Best Companyならではの持ち味だと思います。
バックプリントには、Newport Beach Californiaの文字、これは、アメリカ西海岸の高級リゾート地で、当時の若者にとってアメリカは一種の憧れで、自由でリッチなライフスタイルを具現化したものだと思います。
サイズはLサイズのゆったりとしたシルエットで、肩の力を抜いて着こなせる一方、裾や袖口のリブが全体を程よく引き締めてくれます。今回は、パ二ナロスタイルでデニムを合わせましたが、綺麗なスラックスを履いて、少しドレスに振ってもカッコイイですし、気温に合わせてインナーをフーディーやシャツに変えるだけで印象が大きく変わるんだろうなと思いました。各スタイルの中で、様々な合わせで楽しんでいただきたいです。
SURR 古川
△
個人インスタで自分なりに一応は積極的に私的な内容を書いているつもりなのですが、これはどうにもこうにもそこに書く気分になれない話。ずばり皆様は好きなブランドはありますか?
厳密に言うと好きな今のブランド,今のメーカー,今のクリエイション。ランウェイなのかプレゼンテーションなのかルックブックなのかで新作が発表されたらワクワクして、今期は何買おうかなアレ買おうかなと背中を追いかけられるような今のものってなにかありますでしょうか?そういう存在があるってなんというか心が励まされるというか暖められるというか、良いと思うんですよねシンプルにワクワクできますし。自分の軸として頼りになるし、極論ではありますがそれだけ買っていれば自分の中でちゃんと着地できるというある種の最後の手段が在るっていうのも有意義だと思う。だからとっても良いと思うんです、今の好きなブランドがあるって。解釈を広げるとしたら“この人が着ている服が欲しい”と思わせてくれるような好きな人だったり“この店で買いたい”と思わせてくれるような好きな店も含まれますね。
私は長らく背中を追い続けてきたファッションブランドがありましたが2021年に目の前から煙のように消えてしまい、ふと現れたと思ったら名前が同じ違うブランドになっていました。それ以来ランウェイを楽しみにしたり今期は何買おうかなアレ買おうかなと思えるような好きな今のブランドは私にはありません、まぁ元々ヴィンテージ贔屓だったので今のブランドに本腰を入れるタイプでは無かったのですが。でも楽しかった、今のブティックで今の洋服を買うという行為は。もしかしたらヴィンテージ贔屓だからこそ良い濃くて恋コントラストだったのかもしれません。でも今は無い、そのブティックはSURRから歩いて10分の距離に二箇所あるけど私にとっては違う。私はPRADA Uomoが好きのではなくミウッチャ・プラダのPRADA Uomoが好きなのだ。
ということで今期も粛々とミウッチャ・プラダによるVintage PRADA Uomoを御提案致です。区切りがはっきりしているし今のブランドとして数年前から特に勢いがあるmui muiやデザイン目線でキャッチーなPRADA Sportは今年もセレクションしていません、弊店は2025AWも見た目の要素性が少ない傾向(平たく言えば地味)ながらミウッチャ・プラダの震えるようなモード哲学のエナジーとシナジーの力強さが色濃く注がれたVintage PRADA Uomoの“ファーストライン”のみとなりますが御了承ください。
New 1995-early00s PRADA Uomo Selection
これは純粋な幸運なのですが1995年から1997年の最初期クリエイションが今回は多めと相成りました。成熟した完結された世界観だからこそ“いつのクリエイションか”よりもプロダクトとしての求心力と着る人の相性が重要ですが、御提案する弊店にとってはランウェイショーも行わずプレゼンテーションのみで発表され展開も世界3店舗という限られた規模であり、最初の数回のコレクションで後々のほとんど全ての雛形が存在したと言っても過言ではない最初期クリエイションはやはり特別。今回も凄いですよ、同ピリオドにも関わらず良い意味で方向性バラバラですもん。天才ミウッチャの感性はヴィンテージという存在でこれからも圧倒的に輝き続けます。
SURR 福留
△
この90年代アルマーニジーンズのレザーハーフコートは、厚みのあるブラウンレザーを贅沢に使用し、当時らしいオーバーサイズシルエットに仕立てられていて、しっとりとした艶感と部位ごとに異なるシボの表情が、レザー特有の奥行きを生み出しており、着込むほど、経年変化を存分に楽しめる素材感です。 ボタンを上まで留めれば前合わせが高めに立ち上がり、スタンドカラーのような表情を演出できる2WAY 仕様で、クラシカルなコートスタイルから、よりモダンな着こなしまで幅広く対応してくれます。
ロゴや装飾に頼らず、素材とパターンの力だけで魅せる点に、アルマーニらしいと思いました。 サイズ表記は50なんですが、オーバーサイズ設計ですので、丈の収まりが良く、全体のバランスが良いので、”着られている”ではなくて”着こなしてる”という印象を与えてくれます。 腰位置にはフラップ付きのポケットを備え、実用性とともにクラシックなワークテイストを感じさせるアクセントになり、ヴィンテージとしての雰囲気を纏いつつ、日常的に取り入れやすい万能性も兼ね備えた、時代を超えて現在でも通用する一着です。個人的に、今年はハーフ丈が気分なので、率直に欲しいって思いました。
流行ではなく普遍的な1着を是非に。
SURR 古川
△