オリジンヴィンテージ,ワークだったりミリタリーだったりアメリカンプロダクトだったりと、ヴィンテージファッションがある程度根付いた頃から在る文化のヴィンテージを勝手ながら弊店ではこう呼んでいます。まぁクラッシックなヴィンテージですかね、もしくは平たく言うと“ベタ”ないし“王道”なヴィンテージでしょうか。の、レザープロダクトを前回セレクションしたのが丸々一年前くらいで、その頃は本当に幸運なことに直前の買い付け旅順でしっかりと出逢うことができたので弊店としては相当数のラインナップが叶いましたが今期は予想通りと言ってはなんですが、そうはいきません。でも一着でも二着でも出逢えただけ幸運に思えるのが正直なところ、負け惜しみでもざれごとやうわごとじゃなくてね。ヴィンテージカルチャーで上質な品々に出逢うのってかねてより本当に大変ですから、それは昨今特に感じるヴィンテージの流れ(ありますよね?)とは大筋関係はございません、元々上質な品々に,“ちゃんとした”品々に出逢うのって本当に大変なんです。
なのでこんな時代にも関わらず親愛なるコレクターのもとでフランス空軍のアヴィエイタージャケットと出逢えた時は本当に嬉しかった。しかも三着まとめて、しかも一着は着脱式襟完備で一着はこれまでに出逢ったことがない“とある個性”を秘めた非王道個体で。このフランス空軍のアヴィエイタージャケットを初めて目にした時の衝撃ったら今でも忘れていません、“何これクッソカッケーじゃん!” “しかも軍モノなの?超デザインカッケー!” “うわ着てもカッケー!”。今でも全く同じくに思います。こういった幾つかの服飾史に濃密な影響を与えたオリジンのおかげでヴィンテージがどんどんと好きになっていったんだよなぁ。
この文化に置いて実は相当に細かく細分化されているので個体によって著しく諸々が異なるダブルブレスト構築の政府関連企業及び国営企業のためのフレンチワーク・レザーコート個体、これは本当に“当たり”です。テーラードジャケットを若干香らせるスタイリッシュでスッキリとした雰囲気ながらしっかりとガバッと羽織るコートで居てくれるシルエットバランス、オリジンヴィンテージらしくある程度着込まれていますがおかげで生じているこの時代の最上質なシープレザーならではの異常なまでに美しい迫力のテクスチャー。そういえば昨年オリジンヴィンテージのレザープロダクトをセレクションした際あまりにもコンディションが良過ぎてボタンが留められないなどの支障をきたしてコンディションが良いことが現代の着こなしに置いてマイナスになるという異常な逆転現象が巻き起こっていたなぁ。これはその逆、即心地良く身体を守れるヴィンテージコート。
90年代フランスのアノニマスデザインレザーコート、その旅順においてBEST3に位置したハイライトの出逢いでした。Anne Marie Berreta hommeかな?Claude Monatanaかな?Thierry Mugler hommeかな?それらいずれかではありませんが、それらいずれもを内包したモードデザインの歴史が産んだギミックギンギンの謎のクリエイションでヴィンテージハーフコートという楽しい個性、しかもしっかりと上質なバッファローレザーの大迫力でちゃんとヴィンテージの風合いが感じられる、かつちゃんと重過ぎない。良い意味でこれまでに弊店で御提案してきたヴィンテージプロダクトと異なるベクトルでそれが何より楽しい。そういえば何周もして逆に最近使ってないかも“モードな”って形容、これは素直に思える“モードな”ヴィンテージレザー。
New 50−90s French Vintage Leather Selection
SURR 福留
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元バレンシアガアーティスティックディレクターデムナによるグッチのファーストコレクション。このコレクションで印象的だったのは、足元のバランスです。ルーズなロング丈のパンツを貯めて履く、挑発的な造形でありながら、全体に不思議な調和と落ち着きを感じさせるのは、やはりパンツと靴のバランスに秘密があるように思います。 今回は足元を自分なりに解釈し、店頭の商品でスタイリングを組んでみました。
足元に余白を持たせながらも、だらしなく見せないのは、この靴の持つフォルムとバランス感覚。パンツの裾がわずかに靴の甲に触れ、自然に生まれる“たるみ”がラフさを演出しつつも、ホースビットの存在感がラグジュアリーな雰囲気を保ってくれる。落ち着きと品の両立を叶える足元だなと思いました。
結局のところ、このスタイルで一番語っているのは、服そのものではなく「バランス」なのだと思います。そんなことを改めて感じさせてくれる装いでした。
パンツは私物ですが、ジャケット・ローファーはご案内できますので、気になりましたら是非に。
SURR 古川
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ニットだニットだ言うようになってから,都内随一のニット好きないしMr.カーディガンを自称するようになってから,全身カシミアまであと靴のみとざれごとを言うようになってから,毎年一枚は自分にとって最高なセーターをGETしてじっくりと時間をかけて七着くらいまで集めて季節が巡ったらそれらを外に干して風を当てカシミアの虹をかけてやってくださいなとうわごとを言うようになってから数年経ちますから、今年も現時点で既に数人の親愛なる皆様方に“そろそろですか?”と問うて頂いたので必要以上に口にはしないが問われたら真実を述べる派の私は正直に答えました、“はいそうです”と。
ちなみにこういった嗜好季節行事に触れる際にはいつからかを自分の中で振り返るのが地味に好きなので履歴を軽く探ってみたのですがイマイチ分からず。Vintage Knit Selectionという感覚はおそらく本当にずっと私の中に在り続けるのだと思います、事実ずっと着てるしね。
ということでVintage Knit Selection25-26AWです。24−25AWにおいては本当に本当に幸せなことに困るほどの良縁が重なり(本当に)過去最高着数の御提案が叶いましたので今年は昨期には届かないかもしれませんが当然過去の自分を超えることを目指してしっかりとたっぷりと御提案できるように精一杯努めますので、またざれごと言ってんのかSURRは、仕方ねぇな的な感じで少なくとも虹の一色を増やす御手伝いをさせて頂けましたら幸いです。
New Vintage Knit Selection 25-26AW Pt.1
今期は必ずもう一回はセレクションしたいので今回はPt.1表記。
SURR 福留
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