やっとこさ処暑の季節だっていうのにこれまた暑い日々が続いておりますねぇ、でも今週もしっかりとしたAWを織り交ぜた新作群です。書くってのはやっぱり重要なメソッドですねもはや気分はすっかりと秋でして、毎日何かしらの羽織が欠かせませんよ私は。暑い時間帯もあるけどインナーやらで調整、ここでも全身ゲージ100ロジック(ジャケットが涼しさマイナス10だからインナーは特に軽量な涼しさ60、パンツも薄手で涼しさ50、靴下も穿かないから涼しさ10みたいな)を採用しています。サマーニットも引き続き活躍中、“さぁ、もはや汗かきたまえ。私が思い切り吸ってあげるから。そして思い切り洗濯したまえ”の気概、やっぱり良いじゃないか。
セットアップはセットアップでもスーツに非ず。そんなプロダクトが昔からやたらめったら好き、好きというかやたらめったらツボ。スウェットセットアップなんて最高ですよ、過去に二度しか御提案したことないけどあれらも本当に最高だったなぁ…あとアディダスセットアップも一度だけありました、覚えているよ。ジャン・シャルル・ド・カステルバジャックの圧倒的なモード哲学とイタリア老舗スポーツメーカーであるエレッセのド直球ド真面目な協業、昨今においてファッションとスポーツのコンビネーションは当たり前というかなんなら旬な感が(きっと)強いですが、この頃はその芽生えというかなんなら先駆けと言うか平たく言って相当に早かったのではないでしょうか。事実デザインの概念がありながらも軸足は思い切りスポーツでしてその点がやはり良い意味で近年と違う、動きやすさを重視したコンパクトな着丈も短めの袖丈もまさに時代性を反映させた“ガチ”のスポーツ。でもイエロー楽し過ぎるイエロー、素晴らしい。
これはセットアップではないのですがセットアップの感覚にて(なので上下別々でお求め頂けます)、SURR今季初のピュアカシミアはこれらにて封切りです。鳴々親愛過ぎるブルネロ・クチネリのニットプロダクトよ今年も私を思い切り楽しませておくれ。現代ではなかなかどうして出逢えないアメリカン・カルチャーの影響を特に色濃く反映させた丸いボンバーシルエットのデザインスタイル性、ライトな内モンゴル産カシミアの素材表情と街中で見かけない絶妙な芥子色が最高。初っ端から優勝セーター。
そしてこれよこれ、ピュアカシミアジョガーパンツやっとこさ出逢うことができました。おそらく私は数年前から店頭にてカシミア愛に加えてカシミアパンツの尊さを幾人もの御客様方にお伝えしている はず、だってだって大好きなんだものカシミアのパンツ、でも本当に本当に全くもって出逢えないんです各メーカーないしニットプロダクトに強いブランドにおいても“ピュア”カシミアパンツは必ずしも用意してくれているプロダクトではありませんから、新旧問わず本当に探せない。でもいつか御愛顧くださる皆様方にピュアカシミアパンツをと願い続けて幾年、やっとこさ叶いました。しかも親愛なるブルネロクチネリの肉厚内モンゴル産カシミア、100億満点でしょ。引き続き探し求め続けますが、個人感情的には最初で最後です“ピュア”カシミアパンツは
New Castelbajac & Brunello Cucinelli Set-up
もっと沢山のスウェットしかりニットしかりのスーツではないセットアップと出逢いたいなぁ。
SURR 福留
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2000年代初頭のARMANI JEANSのコットン・リネンのスポーツジャケット。 私自身、リネン100%の物を所有したことはなく、特有のネップ感のある表情は好きなんですが、ドライな肌触りが馴染めずに今現在に至るのですが、こちらは、コットン50%リネン40%ポリウレタン10%ですので、特有の表情は残しつつ、コットンの柔らかさが硬さやシワ感がやわらぎ、ポリウレタンによるストレッチ性により、着心地がラクで、身体の動きに自然についてくる1着で、リネンの良さを残しつつ馴染みのある肌触りですので、これなら欲しいって思いました。
スナップボタンにはFIOCCHI(フィオッキ)の刻印が見えましたが、FIOCCHIはイタリアの老舗金具メーカーでボタンからリベットまで金属パーツを手がけてきた名門で、その耐久性の高さから数々のメゾンご用達です。見えない部分なんですが、こういう細部のクオリティが全体の上質さに繋がるんだと思いました。
バックにはジッパー付きで、これによって機能のためのジップからデザイン性へと昇華しています。 ジップを閉じれば直線的なシルエットに、少し開ければ動きや軽やかさが出せる仕様で、大胆さがありながら、生地との調和で嫌味のない仕上がりで、クラシックな素材感の中にある遊びっていいですよね。
サイズ表記は50で、細身な私からしたらオーバーかと思ったのですが、そんなことはなく肩に沿って落ちてくれて、着丈も67CMほどで、丁度いいバランスで、身幅も後ろジップによって調節できますので、時期に合わせてインナーの枚数を増やせるのはこのサイズ感の強みだなと思いました。サイズ表記を見て判断することも大事ですが、やっぱり試着って大事だなと改めて思いました。 今気分のシャツ×ショーツのスタイルに羽織っただけなのですが、そのくらいがいいかなと思います。各々様々なスタイルがあると思いますが、今気分の夏の装いの上から羽織るほうが、自分の中の流行りを大事にしつつどこか新しい気持ちになれる気がします。
軽さと存在感、どちらも欲しい方に。
SURR 古川
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まぁ今年はキリ良く9月の最初旬からかなぁ、まだ暑いだろうけど流石に暦的に と秋を始める・匂わせる時期はそれくらいと少し前から薄ぼんやりと考えていました。そう、この生業において少し先を考えるというのはとてもお馴染みの思考回路なんです。とはいえ気温や気候や気分やエトセトラによってその思考は常に変化し続けるので弊店のような我流店は予定が有って無いようなものなのもお馴染みなのですが、今年はエトセトラが最大要因となってもっと早く秋を始める気分になりました。そのエトセトラは御客様方、そうそこの貴方や貴方や貴方です。
御来店くださる御愛顧くださる皆様方が時おり口にされる“早く秋が楽しみたいですね”のお言葉や対面して滲み出るそのオーラと空気感、私はすっかりやられてしまいました。でも暑い,夏だ,陽が沈んだらちょっと涼しくなってきた?いやまだ暑い,今日そんな暑さ厳しくないね,翌日またちゃんと暑い。ここ数日その繰り返しですが秋もそろそろ匂わせたい、だって来週頃にはもう処暑だし。ということで今週の新作群は見事にSSとAWのマリアージュとなりまして、最近の私もすっかり真夏と秋のMIXです。でも少し前より羽織りが全然辛くない,日によっては日中暑いけど全然着られる。やはり暦が進んでいますね。ちなみに今はアロハにリネンシルクのショーツに雪駄(LOVE)、そしてデニムジャケットにグリーンのカレ(インディゴ×グリーンLOVE)をターンナップカフスでこれを書いていますが太陽光が暑い。
そしてこれも個人的お馴染みなのですが、始める・スタート・皮切りとなると一層テンション上げたい。ということでマリアージュのうち“THE”なAW感となったアウター3点は個人的な趣味思考的に特に濃い3点と相成りましたとさ。
“これぞ”だけど“これぞ”じゃない、そんな甘美な矛盾が弊店は大好きですが、この近代モードデザインに影響を与えまくったこのラルフローレンもまさにその通り。ミリタリーカルチャーとスポーツカルチャー(ハンティング)の要素を融合させたマルチポケット設計はラルフローレンにおける90sヨーロッパ限定デザインという位置付けで化繊フェイスやダウン仕様など幾つかのバリエーションが存在するのですが、こちらはヴィンテージ感が活きたキャンバス素材でほんの少しだけ芯地が入ったライトな構築という良い意味で着易い個体。まぁ私がマルチポケット大好きという点は否めませんが服飾史目線で捉えてもスペシャルな一着です。
あのブランドかな?それともあのブランドかな?いえいえVintage Armani Jeansですよ。現デザイン,デザイナーから昨今特に色濃く感じるVintage Armani Jeansっぽさ、この流れはまだまだ続くんだそうなぁと薄ぼんやり考えちゃったりして。でもそれは仕方ない宿命であり必然、だってVintage Armani Jeans今っぽ過ぎるもん。“今っぽい”って私は良いことというか悪いことじゃないなって思うんです、元々素敵だったものを引き続きフラットに楽しんだら周りが“今っぽい”って思ってくれるってなんかラッキーじゃない?的な。しかしながらその実は明らかに作為的なオーヴァーサイズと大胆なまでの丸みのオリジナリティも一線を画す抜群のレザーテクスチャーも現代のそれらには比類がない。特にレザーテクスチャー,というかレザープロダクトは結局のところテクスチャー、この点においては論じようが無い。だってその答えが目の前にあるんだから。
これまで幾つかのハンティングジャケットを御提案してきて極々稀にプロダクトデザイン OF THE YEARレベルの特級品に出逢ってきましたが、すでに数年前から服飾史目線的にちゃんとしたハンティングジャケットなんてほぼ枯渇していたし、そもそもにおいてプロダクトデザイン OF THE YEARレベル なんてそれとは全くもって関係ない次元で皆無でしたから、イタリア奥地でこのジャケットに出逢えた時は本当に驚いたし嬉しかった、老舗のスポーツメーカーで一時代はアルマーニにも技術提供していたBelfe社による1940年代頃のハンティングジャケット。上が空いたコの字型という見たことのないボタン配置によって従来のフロントポケット位置とハンティング定番の背面ポケット位置に加えてマフポケット位置にもポケットを実現した独特過ぎる設計ゆえ胸ポケットと内ポケットも加えると合計7つという立派なマルチポケットに仕上がっています。その見事過ぎるプロダクトデザイン性にアンティーク年代特有のオーラ、そしてにも関わらず使用感をほとんど感じさせないフレッシュなコンディションムード、個人的にこれはARNYSよりもARNYSです、表現正しいか分かりませんが。ちなみに左肩にちょこんと付いた小さい枕みたいなパーツは銃のストラップを引っかけるためのもの、右利きの人って銃を左肩にかけるんですか?私左利きだしそもそもハンティングしたことないから(“まだ”ね)分かりません。教えて二瓶 鉄造さん、あぁ二瓶さんは銃を肩に掛けない派だっけか。
ということで来週頃には処暑だし皆様方のおかげで無事SURRの秋が始まりました。でも暑い、ということでどちらのチャンネルも携えて是非に。
SURR 福留
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