迷ったらこれ / Diary1377
11.2.2026

 

2026年も気づけば1ヶ月半が経ち、年明けから山に登ったり、朝まで飲み明かしたり、長く聴いてきたアーティストのライブに足を運んだりと、振り返るととても充実した良いスタートを切れたと感じています。一方で、洋服はなかなか買えていないのですが、「こんなものが欲しい」というイメージはいくつかあり、あとはタイミング次第かなと思っています。 その中のひとつがニットポロです。ほどよく厚みがあり、さりげない個性はありつつも、あくまでシンプルなものに惹かれています。そんな中、まさに「これだ」と思える一着が弊店にあり、それをきっかけに改めてポロシャツの魅力を感じました。今回は、そちらをご紹介いたします。

 

 

 

 

Brunello Cucinelliのワンボタン仕様のウールカシミヤニットポロシャツ。 厚みのある、ややざらつきを感じる生地感に、ミニマルなワンボタンのデザインがとても印象的で、率直にカワイイ一着だと感じました。派手さはありませんが、細部にさりげない個性があり、「シンプルながら一癖ある」という言葉がしっくりきます。 このようなニットポロを探されている方は、きっと多いのではないでしょうか。 リブの締まりも程よく、インナーとしても使いやすそうで、幅広いスタイリングで活躍してくれる一着だと思います。

 

ワンボタンのデザインに目が行きがちですが、実はこのやや大きめに設計された襟も、大きな魅力のひとつです。主張しすぎることはありませんが、着用した際に自然と存在感があり、全体のバランスを整えてくれます。 ボタンを大胆に開け、襟を立てるようにしてアウターの中に重ねるスタイルもおすすめで、首元に程よいボリュームと変化が生まれ、いつもの着こなしにさりげないアクセントを加えてくれますし、出番の多いアウターの気分を変えたいときのアレンジとしても取り入れやすいかなと思います。

春先の提案として、テーラードジャケットのインナーに取り入れるのもかなりおすすめです。程よく力の抜けた表情が加わり、ドレススタイルの中に自然な抜け感を演出してくれます。ドレスの中にある抜け感っていいですよね、その役割を過不足なく担ってくれる一着だと思います。

 

 

まだまだ寒いけど春物も気になるって方にオススメですよ。

 

 

SURR 古川

“Sartoria” Attolini / Diary1376
6.2.2026

サルトリア工房“LONDON HOUSE”出身で1930年代に考案したアンコンストラクテッド構築によって英国様式であったイタリアの仕立てにナポリ様式という独自性を付与し、結果的にそれが新たな文化となった世界三代仕立てブランドの一つでありその中で最も小規模アトリエゆえの希少性で知られるアットリーニ。弊店はそんなアットリーニを仕立て=テーラー=サルトリアの文化における最高位として認識し尊敬し憧れて続けてきました。

 

 

“人間の身体は不完全であるからこそ不完全な服を仕立てるのが優れたサルト”という哲学によって30年代にアンコンストラクテッドを考案した初代アットリーニであるヴィンツェンツォさん、非構築的手法による構築という禅問答のような技術力は全てを手縫いで仕上げることでも知られ、ハンギングの状態では従来のシルエットが出ないため本来では生じない箇所に皺が寄り浮かない箇所が浮くという現象が視認できるのですがそれで正解であり、身体を包むと全てが解消され驚くほどに軽やかで滑らかな,寝られるほどの着心地を産み出すことで世界中の仕立てを愛する人々を熱狂させてきました。

そのアットリーニによるナポリ様式のサルトリア文化はそれこそ弊店がこれまでに何度か言葉や文字にしてきた幾つかと同じく“わざわざ我々が御提案するものではない”=既に絶対的な存在であることは一ミリも疑いようがありませんし、餅は餅屋理論でいったら特級ですし、弊店を御愛顧くださる中にはその文化におけるスペシャリストも多数いてくださいますし掘り下げの興味深さもそれゆえの独特さも尋常ではありません。それがサルト最高位のアットリーニとなると特級度合いも興味深さも独特さもとにかく尋常ならざるもので真正面から向き合うと骨の髄まで魅了され抜け出せません、きっと身に付ける様々も生き方も所作も立ち居振る舞いも必然的に決まってくると思います。

そんな真面目で絶対的な文化に触れると弊店が自分がいかに不良であるか、服飾史を積み重ねてきたファッションデザイナー達がいかに不良であるかを改めて認識するのです。もちろんここでの不良という言葉はネガティヴなものではなく、歴代のファッションデザイナー達はそれら仕立ての文化もしっかりと学んで理解したうえで時に変えたり時に壊したりしていましたので、それは適材適所であり適者生存でしっかりと棲み分けできている文化の違いでありいずれも正解で正義であると改めて思います。

元々スーツスタイルONLYだったこともあって敬愛していましたが、とあるファッションデザイナーとの秘密裏な繋がりを知ってから一層好きになり憧れにまで昇華したアットリーニ、11年前に一着だけ御提案して以来となりますが今のような時代だからこそ改めて不良の立場で御提案したく僭越ながらセレクション致しました。

 

 

ヴァージンウール,フランネルウール,ピュアコットン,ピュアシルク,カシミア×コットン、90年代から2000年初頭まで分布した“Sartoria” Attoliniの仕立ては素材感のみならず色調もサイズ感もシルエットバランスも様々。きっと真正面から向き合う際にはフィッティングやインナーやサイズ感などなどに様々な慣習,時にマナー,時に決まりごとがあることと思いますが、きっと弊店は勝手ながらそれらを認識したうえで皆様方が楽しいと思って頂けるか否かを最優先にさせて頂くことになるであろうと想像しています。もしかしたらそれはサルトと真正面から向き合う人々にとっては非常識かもしれない、もしかしたらヴィンツェンツォさんもその息子で現当主であるチェザレさんも怒るかもしれない。でも弊店は真正面から不良なのでファッションは自由であるべきものでファッションは楽しいと感じられるものであることを優先し、北青山の裏路地のマンションの一室でヴィンテージ・アットリーニをひっそりと御提案しようと思います。

 

 

 

 

 

New “Sartoria” Attolini Selection

 

普通にテーラードジャケットをサラッと羽織っている方が目立つという楽しい楽しい時代になって少し経ちますね。弊店にとって欠かせない要素の一つであるテーラードジャケットにアットリーニ一族というNEWメンバーが追加です。

 

 

SURR 福留

今欲しいアウター / Diary1375
5.2.2026

 

春物が少しずつ気になり始める季節ではありますが、朝晩の冷え込みや日によって変わる気温を考えると、まだまだアウターを手放せないという方も多いのではないでしょうか。実際、私自身も含め、今の時期は「春らしさ」と「防寒性」のどちらも妥協したくないと感じている方が多いように思います。 そこで今回は、インナーを調節することで冬から春先まで長く着用でき、オンタイムで即戦力として活躍してくれるハーフコートをご紹介いたします。

 

ピエール・カルダンの中でも、特に実験的なアプローチが際立ち、デザイン性の高さが魅力となっている「ESPACE」(エスパス)というラインのデザインハーフコート。随所に前衛性を感じさせながらも、可変的な首元の仕様は決してやり過ぎた印象はなく、日常のスタイリングにも自然に取り入れやすいバランスで、シルエットはカジュアルに寄り過ぎることなく、すっきりとスタイリッシュで、どこかドレッシーな雰囲気も感じました。また、ライニングには軽量なパデッドを採用しており、寒暖差の大きい春先の不安定な気温にも柔軟に対応してくれる点も魅力です。

今の時期のインナーには、カシミヤの上にカシミヤを重ねる、いわゆる“カシミヤONカシミヤ”のレイヤードを取り入れています。最近はほとんどこの組み合わせばかりで、完成度の高い着心地で、肌に直接触れてもストレスがなく、柔らかさと軽さがありながら、保温性も申し分なく、シンプルに言ってしまえばとにかく暖かいのが魅力です。 今の時期によく耳にするヒートテックなどの機能性インナーも、防寒性という点では非常に優れていると思いますが、個人的には一枚で見せることのできる「魅せられるインナー」を選びたいと考えています。アウターを脱いだ際や、レイヤードの隙間から覗いたときにも様になるインナーの方が、スタイリング全体の完成度を高めてくれるように感じます。

個人的には、春先になると自然とシャツを手に取る機会が増え、つい出番が多くなってしまいます。軽やかさがありながらも、きちんとした印象を与えてくれるシャツは、季節の変わり目のスタイリングにおいて欠かせない存在だと感じています。昨年は、サックスブルーのシャツを探している方を店頭でも多く見かけましたし、各コレクションや街中でも目にする機会が多かったように思います。 今年はそこから少し気分を変えて、トーンを抑えたラベンダーカラーなどを選ぶのも良いのではないかと感じています。淡い色味でありながら、ほんのりと個性があり、春らしさも程よく演出してくれる点が魅力です。襟元をラフに開けてみたり、アウターやニットの袖口からあえてシャツの袖を覗かせたりと、着こなし次第で表情が大きく変わるのもシャツの楽しさのひとつ。細かなバランスを意識することで、スタイリング全体に奥行きが生まれ、春先ならではの装いを存分に楽しめると思います。

 

 

気になりましたら是非に。

 

 

SURR 古川

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