今年の二月にヴィンテージデニムを御披露目した際にも若干緑を感じさせる緑とグレーの中間のようななんとも言えない(JIS慣用色名ではオリーヴドラブが一番的確でした)一本があったのですがこれで確定です、“Armani Jeansはヴィンテージ年代において緑色のジーンズをつくっていた” という事が。なんですか緑のジーンズって、控えめに言って超絶に最高ですよ。私は見たことありませんね、そういえばいつからかイギリス軍のとあるプロダクトに対してグリーンデニムって言葉が用いられるようになっていますが個人的にはそんなに緑味感じないし、これなんて完全に緑ですから穿いてる足一瞬見たらアレ?軍パンかな?って錯覚できるくらい緑ですからね。二月のそれは“緑を感じさせるジーンズ”でしたがこれは完全に“緑のジーンズ”です。
純イタリークリエイションならではのちょっと荒さを感じる質感としっかりとしたヴィンテージ年代ならではの風合いと良い意味でジーンズとしてプレーンな構築にしっかりに調和する緑という個性、もう一度言いますが控えめに言って超絶最高です。この時代から既にジーンズはジーンズでも“ファッションデザイナーが手がけるジーンズ”という立ち位置ですので明らかなる圧倒的なる作為的なシルエットバランスが特性であり魅力でして、端的に申しあげるとコンパクトな腰回りの構築とそれゆえに起点がしっかりと太いにも関わらずスッキリとシャープなレッグラインが特徴なのですが、そのおかげでスタンダードでプレーンにも関わらず洗練された自然体に綺麗なシルエットを描いてくれるものの、そのおかげで表記サイズよりも実寸値が二インチほど余裕で小さいという“これぞデザイナーズクリエイション!”と膝を叩きたくなるような我儘プロダクトに仕上がってくれていて、初めは“え…30表記なのに実寸が28インチくらいじゃないか”というサプライズプレゼントを否が応にも受け取らざるを得ないのですが、その我儘こそファッションデザイナーの業ですから弊店はそれも含めて惹かれていますし心から御薦めですのでなんら問題はございません。が、36サイズ表記という現実的なサイズ表記は嬉しい限り、余裕でポケットに手を突っ込めるぜなゆったりとした穿き方がまた素敵ですから。
New 80s Armani Jeans green jeans
正直に申しあげまして出逢った翌日に我慢できず数時間穿きました@ローマ、ブラウンブーツとのカラーコントラストがまた素敵でぇ…正直に言ったので許してくださいね。ちなみに私は身長的にも骨格的にもワンサイズ以上大きかったのでちゃんと我慢できましたがもしそうじゃなかったら、
この話はこれ以上はやめておきましょう。
SURR 福留
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例年通り御愛顧くださる皆様が普段とは異なるお出かけをさせる方が多い傾向にあることもあって弊店にとってはさほど大きな影響があるわけではないどころかいつも通りなんてこともしばしばにも関わらずやはり世の中的には良い意味で特別な連休感からお祭りというほどではありませんがどちらかと言えばハッピーな空気が漂いがち、ですよね?的な感じで弊店的にも一応と言うわけではありませんがハッピー感を漂わせたいなと例年通りいつもとはちょっと異なる気分と言うかチャンネルでのセレクションとなるゴールデンウィークの新作。今年もささやかながら御披露目すべく本日から金曜日までの三日間は毎日Diaryを更新して新作を御報告しようと思います。
まずは一足の靴。これまでSURRでは何度か“弊店がわざわざ挙げるのも野暮なのですが”という枕詞にて御提案してきたその文化における不朽の名作ないし絶対的な存在がありましたがこれもまさしくそれ。出逢った時にアラー久しぶりーと思いましたがいざ振り返ってみると前回が八年前前でその前がちょうど十年前でした。SURRにおいて三回目となるその分野において紛れも無い不朽の名作です。
フランスのパリジャンの国民靴と言って差し支えないですよね的な存在であり数年前に始動したVINTAGEの名を冠した新機軸によってヴィンテージカルチャーともより密接に繋がっている名門,J.M.Westonがゴルフ界における伝説的な存在であるブーマー兄弟から着想を得て1955年に設計したモデル,ゴルフ。ウェストンならではの美意識と特有の堅牢さとそれに伴う馴染んだ際の屈強な履き心地から足で稼ぐで御馴染みの新聞記者にも愛されたという、アラなんか良い感じに素敵エピソードじゃないのとグッと来させてくれちゃう名作です。かなり渋い風合いと色調はさすがヴィンテージの様相で、この育ち方はウェストンでしか,いやヴィンテージ・ウェストンでしか味わえないと言っても差し支えがありませんね。十年弱前に定番素材から姿を消し(まだオーダーなら手に入るのでしょうか)一部の人々において特出した魅力として語られるロシアンカーフですがこう育ってくれるという実例を改めて目の前にすると語られるのも納得というもの。素直に脱帽と言うか滅茶苦茶格好良いじゃんと、圧倒的な存在って語彙を無くさせることを思い出しましたよ。
New 80s J.M.Weston Russian calf GOLF
厳密にはブラウンカラーですが明るくなく、ブラックかと言われるとやっぱり全然違うダークトーン。この色味も超凄くない?
SURR 福留
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いつも御愛顧くださりありがとうございます、SURR福留です。昨朝買付の旅順が終わり帰国しました。いつも巡る土地もあれば初めての土地もあって御馴染みのコレクターもいれば初めましてのコレクターもいて当然ながら出逢える品々もハントできる品々も毎回異なるのが買付の旅順であり根幹的な楽しさ(生業・仕事において楽しいという言葉を用いることに幾ばくかの疑問を抱かずにはいられませんが、まぁここでは使わざるを得ません。買付の旅順におけるハントにはやはり高揚がつきもので、楽しいと想わざるを得ません)ですから今回も普段は出ないであろう脳内物質と普段は味わわない高度と移動距離における身体への負担の蠱惑的なマリアージュを如実に感じ続ける刺激的な二週間弱を過ごしてまいりました。今回もしっかりとセレクションが叶ったのですがいつも以上に親愛なる御客様方の顔が勝手ながら脳裏に浮かぶ回数が多くてなんだか新鮮というか驚きというか楽しいというか、な旅順でした。ちなみに昨日は(おそらく)初めて時差ボケ解消のために夜まで寝ない作戦が成功したので日本時間通りに熟睡することができ、時差ボケを感じておりません。ヨシヨシやっぱり効果的なんですね、勉強になりました。
ここ数回はカメラを持参しないことの方が多かったのですが今回はやっぱり趣味カメラを持って過ごしたいと思いました。個人的な趣味嗜好としてはそういうカメラはポケットに入れられるやつがよくて、となる今のMYバディたちは当てはまらないのでRICOHのアレに着地するのでしょうか結局のところなんだかんだで。アレ何世代?くらいになってるんでしょうか、風の噂では普通に買えない感じになってるんでしたっけ?昔使ってたのはどこに行ったんだろうか…
ということで今週の新作群は直感オンリーのアラカルト、ハントしたばかりなのでまだ湯気出てるくらいな感じです恐れ入りますが。
90s アクアスキュータム、裏地無しでシャツくらい軽やかなレザーでブラックオーヴァーダイで過去着用者によるカフスカットオフが施された面白さと個性がてんこ盛りな個体。でもしっかりと上品さと上質さを訴求してくれるのが流石アクアスキュータム。英国老舗と英国外で出逢うと明らかな“違い”を如実に感じさせてくれるので、良い。
1930s フレンチジレ、ヴェルヴェットを起毛を削ることで露出した下地によって散りばめられた星のような紋様を描くユニークなアプローチもまたアンティーク年代ならでは。特有のオーラは当然ながらあるしそれが迫力とファッションの強さに繋がっているけどシルエットとスタイル性が現代的なのでアンティークっぽさが無い、そんなアンティークを常に求めていますが基本的に全くもって出逢えません。それこそ1/1000とかな体感。
Vintage Hermes hommeで金ボタン×ミッドナイトブルーカラーの御手本のようなブレザー、まず出逢えません。しかもサマーウール、嬉し過ぎますね。
80s maloによるロウシルクのサマーセーターいわゆる洗えるやつですね、しかも時代性ならではのアメリカンなボンバーシルエットで当時のスタンダードですが時代を経ることでデザインシルエットとして捉えられるヤツと、これもまた嬉し過ぎますね。
ハンティング的でもワーク的でもありつつコットンリネンの絶妙で抜群な品の良さと美しさの調和はハイクラスでハイセンスなフレンチモードやフレンチエレガンスと同一な90s フレンチカジュアルプロダクト。これはサマープロダクトとして。
00s アルニスのこちらもリネンコットンのサマープロダクト。流石としか言いようがない要素性の集合体でして、様々なスタイルベクトルがある中でもシャープでスタイリッシュなハーフコートですから2025年の今なら様々な御身体に御提案が叶います。
白状しますが私はこれまでポケットいっぱいプロダクトに向き合うと惹かれて面白みを感じると同時にポケット多過ぎて逆に困らないかなという思いが去来していましたが、この一着と向き合うことでポケット多過ぎる=どこに何があるか迷子になるのではなく=各ポケットを⚪︎⚪︎用と明確に定義できて正確に把握できるということを知れました。買付の旅順というのは時と場合によって非常に過酷であり時と場合によってはそれに如実な危険性も伴うので安全かつ便利かつ状況に対して的確に過ごすことができて自分の心を励ませる装いというのはある意味最重要とも言える旅の要素性でこれまでにおいて様々な試行錯誤してきたのですが、このジャケットが歴代最強であり最高であることを今回の旅順で認識しました。でもこれじゃないですよ、同コンセプトプロダクトを幸いながら所有しているんです。ということで80s Renoma Parisのポケットいっぱいプロダクト、御推奨です。
あーなんか口が回らない的な感じで日本語を思い浮かべる頭がまだうまく回りませんがまぁこれも時差ボケの一つなので勝手に整うのを待つとします。ちなみにやっぱり口もまだ上手く回りませんでしたがあしからずです。
SURR 福留
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