まぁ今年はキリ良く9月の最初旬からかなぁ、まだ暑いだろうけど流石に暦的に と秋を始める・匂わせる時期はそれくらいと少し前から薄ぼんやりと考えていました。そう、この生業において少し先を考えるというのはとてもお馴染みの思考回路なんです。とはいえ気温や気候や気分やエトセトラによってその思考は常に変化し続けるので弊店のような我流店は予定が有って無いようなものなのもお馴染みなのですが、今年はエトセトラが最大要因となってもっと早く秋を始める気分になりました。そのエトセトラは御客様方、そうそこの貴方や貴方や貴方です。
御来店くださる御愛顧くださる皆様方が時おり口にされる“早く秋が楽しみたいですね”のお言葉や対面して滲み出るそのオーラと空気感、私はすっかりやられてしまいました。でも暑い,夏だ,陽が沈んだらちょっと涼しくなってきた?いやまだ暑い,今日そんな暑さ厳しくないね,翌日またちゃんと暑い。ここ数日その繰り返しですが秋もそろそろ匂わせたい、だって来週頃にはもう処暑だし。ということで今週の新作群は見事にSSとAWのマリアージュとなりまして、最近の私もすっかり真夏と秋のMIXです。でも少し前より羽織りが全然辛くない,日によっては日中暑いけど全然着られる。やはり暦が進んでいますね。ちなみに今はアロハにリネンシルクのショーツに雪駄(LOVE)、そしてデニムジャケットにグリーンのカレ(インディゴ×グリーンLOVE)をターンナップカフスでこれを書いていますが太陽光が暑い。
そしてこれも個人的お馴染みなのですが、始める・スタート・皮切りとなると一層テンション上げたい。ということでマリアージュのうち“THE”なAW感となったアウター3点は個人的な趣味思考的に特に濃い3点と相成りましたとさ。
“これぞ”だけど“これぞ”じゃない、そんな甘美な矛盾が弊店は大好きですが、この近代モードデザインに影響を与えまくったこのラルフローレンもまさにその通り。ミリタリーカルチャーとスポーツカルチャー(ハンティング)の要素を融合させたマルチポケット設計はラルフローレンにおける90sヨーロッパ限定デザインという位置付けで化繊フェイスやダウン仕様など幾つかのバリエーションが存在するのですが、こちらはヴィンテージ感が活きたキャンバス素材でほんの少しだけ芯地が入ったライトな構築という良い意味で着易い個体。まぁ私がマルチポケット大好きという点は否めませんが服飾史目線で捉えてもスペシャルな一着です。
あのブランドかな?それともあのブランドかな?いえいえVintage Armani Jeansですよ。現デザイン,デザイナーから昨今特に色濃く感じるVintage Armani Jeansっぽさ、この流れはまだまだ続くんだそうなぁと薄ぼんやり考えちゃったりして。でもそれは仕方ない宿命であり必然、だってVintage Armani Jeans今っぽ過ぎるもん。“今っぽい”って私は良いことというか悪いことじゃないなって思うんです、元々素敵だったものを引き続きフラットに楽しんだら周りが“今っぽい”って思ってくれるってなんかラッキーじゃない?的な。しかしながらその実は明らかに作為的なオーヴァーサイズと大胆なまでの丸みのオリジナリティも一線を画す抜群のレザーテクスチャーも現代のそれらには比類がない。特にレザーテクスチャー,というかレザープロダクトは結局のところテクスチャー、この点においては論じようが無い。だってその答えが目の前にあるんだから。
これまで幾つかのハンティングジャケットを御提案してきて極々稀にプロダクトデザイン OF THE YEARレベルの特級品に出逢ってきましたが、すでに数年前から服飾史目線的にちゃんとしたハンティングジャケットなんてほぼ枯渇していたし、そもそもにおいてプロダクトデザイン OF THE YEARレベル なんてそれとは全くもって関係ない次元で皆無でしたから、イタリア奥地でこのジャケットに出逢えた時は本当に驚いたし嬉しかった、老舗のスポーツメーカーで一時代はアルマーニにも技術提供していたBelfe社による1940年代頃のハンティングジャケット。上が空いたコの字型という見たことのないボタン配置によって従来のフロントポケット位置とハンティング定番の背面ポケット位置に加えてマフポケット位置にもポケットを実現した独特過ぎる設計ゆえ胸ポケットと内ポケットも加えると合計7つという立派なマルチポケットに仕上がっています。その見事過ぎるプロダクトデザイン性にアンティーク年代特有のオーラ、そしてにも関わらず使用感をほとんど感じさせないフレッシュなコンディションムード、個人的にこれはARNYSよりもARNYSです、表現正しいか分かりませんが。ちなみに左肩にちょこんと付いた小さい枕みたいなパーツは銃のストラップを引っかけるためのもの、右利きの人って銃を左肩にかけるんですか?私左利きだしそもそもハンティングしたことないから(“まだ”ね)分かりません。教えて二瓶 鉄造さん、あぁ二瓶さんは銃を肩に掛けない派だっけか。
ということで来週頃には処暑だし皆様方のおかげで無事SURRの秋が始まりました。でも暑い、ということでどちらのチャンネルも携えて是非に。
SURR 福留
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連続でのご紹介になりますが、今回も夏の軽やかさをそのままに、秋の気配をほんのりと加えたスタイル。日差しの残る昼間から、少し涼しくなる夕暮れまで、長く心地よく過ごせるバランスを意識して組んでみましたので、是非ご覧ください。
Armani Jeansのストーンウォッシュされたショーツに軽快さと落ち着きを兼ね備えたレイヤードスタイル。Lacosteのグレー×ホワイト×レッドのボーダーポロシャツが程よいカジュアル感を演出し、その上に深みのあるHermesのリネンシャツを羽織ることで、全体に温もりのある色合いが広がります。襟元のブローチが、さりげないアクセントと個性を添え、カジュアルな装いに程よい存在感をプラスし、視線を惹きつけます。主張しすぎず、それでいて一目で印象に残るアクセントは、全体の配色やアイテムのバランスを引き締める重要な役割になるなと改めて感じました。 日差しのある時間帯から涼しい風が吹く夕暮れまで、快適に過ごせるバランスが魅力のスタイルです。
前を開けて風を通すと軽快さが引き立ち、ボタンを留めれば配色の調和が前面に出る、着方一つで印象が変わるのも魅力です。 シャツを閉じた時の落ち着いた印象とは対照的に、開けた着こなしは解放感があり、リゾートから街中までシーンを選ばず活躍します。計算されたレイヤード感と自然体のムード、その両方を楽しめます。
肩の力を抜きながらも計算された見せ方で、夏のおしゃれをもっと自由に、もっと気ままに楽しんでみてください。
SURR 古川
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本日ご紹介するのは、夏の軽快さと個性を両立させたスタイリング。 日常のコーディネートにすっと馴染みながらも、ちょっとした遊び心や個性を添えてくれる。そんな着こなしを、ぜひご覧ください。
Gucciのドレスシャツに、Maloの鮮やかなグリーンのショーツとDolce&Gabbanaのスイムショーツを重ねたスタイル。 ショーツを2枚履きすると、ウエスト辺に厚みが出るイメージでしたので、シャツはゆったりよりかは、体のラインがわかるくらいタイトにすることで、窮屈な印象を無くし、カジュアル過ぎずに自然に馴染むかと思います。シャツ×ショーツのシンプルなスタイルですが、2枚履きすることで、ウエスト付近に目線が行くので、いつもより気持ちハイウエストで履いいただくと自然とスタイルアップになりますし、このバランスだからこそ、立体感と動きを楽しんで貰いたいです。
このスタイルを長く楽しんで頂きたいでの、少し早いですが、秋口の装いとして、羽織をプラスしたスタイルもご紹介いたします。
紹介したスタイルに、U.S.NAVY MESF (海上遠征保安部隊)が暑熱地帯での任務に着用し、港や艦の防衛に使用した実戦由来の一着をプラス。砂漠や乾燥地帯での任務を想定したリップストップ生地は軽量かつ耐久性に優れ、秋口の羽織りとしても最適で、例年通り気温が安定しない秋口でもストレスなく着用していただけます。 ピンクを基調とした独特のカラーリングが、ミリタリーの力強さに柔らかなニュアンスを加え、ベースのスタイルにより奥行きと季節感をもたらしてくれます。
今時期、季節の変わり目を軽やかに、楽しませてくれるスタイルのご紹介でした。
SURR 古川
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