生産背景 / Diary1440
23.9.2026

私はつくづくアメリカンヴィンテージを知らない人生を過ごしてきましたので昨今のヴィンテージフックアップ・モードアプローチの御陰もあって特に新しく知る機会が増えるのと同時にデザイナーズヴィンテージの文化においてもいかにアメリカンデザインが多いかを、ヨーロピアンデザイナーたちがいかにアメリカンカルチャーを吸収していたかを再確認するここ数年ですが、だからと言ってアメリカンヴィンテージを勉強しようと思うかというとそうでもないのは結局のところファッションを好きになったあの頃の自分の根っこがまだ腐らずにあるんだなぁと独り言ちます。もっともっと月齢を重ねまくったら興味を抱くかもしれませんねもしかしたら、還暦からのG⚪︎Pとかカーハー⚪︎とか。

でもやっぱりモードカルチャーとヨーロピアンデザインが好きだし、何よりヨーロピアンデザイナーによるアメリカ解釈が好き。だから引き続き私の中でのアメリカンカルチャーの解釈はワンクッション入っていてイコール捻くれているんだと思う。とは言え特に油が乗り始めるのがやはり80年代に突入してからで、となると往々にして生産背景の精査によってメンズウェアはヨーロッパ圏外アトリエでのクリエイションがほとんどになってしまいまして、もちろんそれらも立派なデザイナーズプロダクトだし素敵な品も存在するのですがなかなかどうして個人的に比喩じゃなくて本当の意味で手が伸びなくてもどかしい限りですが、その傾向は昨今国内でメンズヨーロピアンヴィンテージの提案店が増え始めたなどは全く関係なく遥か昔からそうでしたので、ある種諦めの境地に達しているレベル。まぁ心境的に一番健康なのは生産背景を気にせずにブランドラベルで選ぶことですが、それをしたら私ではなくなってしまうもんなーと。

だからブルーデニムとグリーンピケのコントラストが心地良いこの一着との出逢いは嬉しかった、80年代Yves Saint Laurent Jeanswearクリエイションのイタリア・アトリエによる一着。これまた心地良いアメリカンSTYLEで濃度はきっとほぼMAXに近いけれど明らかに服飾史的美意識が際立つ立体構築と色彩感覚が光ってくれ増すし、なんと言っても最大の個人的求心点は生地感で、イタリアの糸と染料だからこその上品なエイジングは同時代・同ヨーロッパ圏外アトリエクリエイションではほぼ間違いなく辿り着けませんし、良い意味でオリジンカルチャーとも異なるベクトルの説得力。これは本当に稀有な到達点です。

 

 

 

 

 

New 80s Yves Saint Laurent Jeanswear quilting lining denim & pique half coat

 

見た目で一目惚れして掘り下げたら驚きと喜びに満ち溢れた納得の実情。生産背景にこだわり過ぎるのは時に野暮ですがしっかりと条件が揃った際には徹底的な意義と圧倒的な価値になります。仕立てに長けたイタリアの立体構築で糸も染料もイタリア本国が手掛けたことが無意味なんてことは絶対にあり得ないでしょ。

 

 

SURR 福留

1995-2014SS PRADA Uomo / Diary1439
18.9.2026

New 1995-2014SS PRADA Uomo Selection

 

今回は最初期から2014SSコレクションまでとなりました。これは結果論ではあるのですが、ミウッチャ・プラダのランウェイ表現歴を今まで以上に振り返ることができるセレクションになったのは個人的にとっても嬉しい限りで、もっと彼女のキャリアハイである(私が勝手にそう定めました)2018YEARに近づきたいとすら思った次第です。“6年前の2018年を扱ってヴィンテージショップって言って良いの?”となるかもしれませんがこれに関してはその論点は関係ありません。

あとこれも結果論なのですが、今回は今まで以上にしっかりとした数量のご用意が叶いました。となると概算ではありますが三年とか五年とか御披露目しなければSURRの空間全てをPRADA Uomo Selectionで埋め尽くすことができるかもしれなくて、それって私にとってかなり夢の風景なので猛烈に惹かれるのですがまぁ我慢できんだろうなぁ。

 

 

 

ランウェイを行わずプレゼンテーション形式で発表されていたので資料そのものがほとんど残っておらずルックという概念も基本的にない時代からランウェイを行なって徐々に男性用のモードブランドとしての側面を強化してゆく時代まで。古典的な紳士服の要素性を色濃く残した時代から徐々に特に研ぎ澄ましたミニマムモードの要素性を反映させてゆく過程の各時代まで。それぞれに様々な角度と側面がありますが言うまでもなくいずれも等しくミウッチャ・プラダの哲学そのもので今回のセレクション過程でも改めて思いましたがなんとまぁ最初期から既に完成されまくっていたか。あの時代とあの時代が時を越えて繋がって、それぞれに違った良さがあるといった彼女なりのヘリテージの連なりはきっと新体制になった2021年以降も多々あるんだろうなと思います。

このDiaryは悲しくも私にとって現時点で最後となった“最新のコレクションをオンタイムでワクワクドキドキしながら買う=ファッションを楽しむ上で最上の幸せ”体験である2018AWコレクションのナイロンコートを着ながら書いています。その年はランウェイ画像とキャンペーンビジュアルを見た時点で個人的に堪らないコレクションだったので絶対に何か買いたいと息巻いていたのですが(その時点では外部デザイナーを招集するニュースは発表されておらず、彼女のキャリアハイになるなんてつゆ知らず)買い付け旅順の隙間時間にパリのSaint-Honore店にふらりと立ち寄った時に見つけた一着で“ちょうど今日入荷したんだよ”って言われちゃったもんですから御縁として購入。6年経ちますが今でも新鮮さを味わえる大切な存在で今年は特にジーンズとの組み合わせが楽しそうだなって。

 

そういう存在になり得る一着を弊店のPRADA Uomo Selectionから御提案できたら幸せですねぇ。

 

 

SURR 福留

Aloha Sweat shirt / Diary1438
17.9.2026

 

皆さんは、スウェットって着られますか。

私はかなり好きで、普段からよく着用します。寝巻きから近所のスーパーに行く時、店頭ではテーラードジャケットのインナーとしてなど、この利便性の高さに惚れています。 今年もすでに3着以上は購入しています。ただ、気がつけばほとんどが無骨なものばかりで、1枚で楽しめるくらいの迫力と、アヴァンギャルドな1着も欲しいなと思っております。

察しの良い方は、本日ご紹介する商品がなんとなく想像できたかなと思います。

そうです、今回はスウェットです。

 

 

2014SS PRADA

このシーズンは、リゾートを軸にイタリアンクラシックやアメリカンを融合させたミクスチャースタイルで、明るく開放的なリゾートというより、どこか陰のあるムードが印象的。深みのある色使いや無造作な着こなしも魅力的で、私自身もすごく好きなコレクションの一つです。 

 

2014SS PRADA Uomo Aloha Sweat shirt

リゾートと聞くと明るく華やかなイメージですが、良い意味でイメージを壊されました。このスウェットは黒ベースに赤のハイビスカスが散りばめられていて、一見すると分かりやすいリゾートのモチーフですが、どこか無機質で、少し距離のある見え方をするのが面白く、少しひねりの効いた1着です

 

海辺で騒いでいるっていうよりかは、陰でビールを飲んで楽しんでいる感じ。

 

全然難しくなく、いつものパンツにさらっと合わせるだけで楽しんでいただけます。

 

19日(土)12:00、オープンと同時にお披露目です。 

 

 

SURR 古川

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