真緑のレザー / Diary1347
28.10.2025

弊店が愛し敬愛するヴィンテージカルチャーの一つにEast Westがあります。ちょうど10年前にささやかながら弊社の真のアーカイヴを交えたエキシビションを催したりと弊店では勝手ながら馴染みの深い存在ながら深淵まで御紹介するとなるとちょっとした小説ぐらいの文字量になりかねませんので、元々楽器屋だった会社が興したレザーウェアブランドのため正式にはEast West Musical Instruments Companyという長名であること,サンフランシスコに居を構えていたこと,当時のミュージシャンや銀幕のスターたちがこぞって愛用していたこと,突如現れたレザーテーラーリングという新たなファッション哲学によってその業界が盛り上がり結果的にパイオニアであったEast Westが10年弱で姿を消したこと,そして生み出すデザイナーも受け取る顧客たちもドラッグ愛用者が多数であったこと,そして弊店の感覚ではありますが服飾史を彩ってきたモードデザイナー全員が影響を受けた存在であること。触れるのはこれくらいに留めておきます。

控えめに言って伝説的なブランドであったEast West。前述の通りレザーテーラーという新たな哲学と称されることが多いかと思いますが私はそれ以上にモードなレザーウェアの原点がそこにはあると思います、バイカーだったりアヴィエイターであったりといわゆる防護服・防寒服であったレザーの洋服にファッションの概念を,後のモードデザインの源流を見出したのがEast Westであると。そして様々なモデルが存在しそれぞれに名前が付いているという素敵さでも知られていますが、私はこれまでそれぞれのデザインに過去のファッションカルチャーの気配を感じることはありませんでした。あくまでEast WestのデザインはEast Westから、それ以前には無いと思い切っていたのです。そしてそれはドラッグカルチャーという時代と土地の縁があって育まれたものであると。

ゆえに個人的にこの一着との出逢いは衝撃的でした、アレ?日本だと人気ランキングTOP10には食い込むであろうモデル,Winchesterじゃんか、がその実クラシックでオリジンなフレンチワークプロダクトだったのですから。

 

 

でも実際問題としてはEast Westメンバーがこれらフレンチワークだったりのカルチャーを見ていたか・知っていたかで言うと、私は見ていないし知っていなかったのではと思います。いわゆる御手本としてリソースとしてヴィンテージカルチャーをヨーロピアンカルチャーを探求していたか,追求していたか,勉強していたか、うーんどうなんだろうなぁ正直全然想像つかないなぁ。とはいえデザインチームを組んでいたのでその中にいたのかしら?フレンチワーク好きのドラッグ愛用者、うーん正直に言って分かりません。でもこれもEast Westが唯一無二過ぎてこれまでに一度たりとも頭の中で繋がったことが無かったのですが、考えてみると観察してみるとEast Westにおけるデザインラペルのサイズ感だったりバランスにフランス服飾史特有の大きな襟の文化を感じることができます。

 

 

 

 

 

New 50s French Work Government Worker sheep leather green coat

 

それと同時に単純明快にアラヤダこのレザーコート、グリーンだなんて素敵過ぎるしコンディションも良過ぎるしシルエットバランスとスタイル性も申し分無さ過ぎて最高!と心の中でガッツポーズを取ったのも事実です。これまで様々御提案してきたフレンチワークのGovernment Workerプロダクトですが、真緑なんて存在したんですねぇ。いやーシンプルに滅茶苦茶格好良い。

ちなみに実物からはきっと御想像以上に真緑を感じて頂けると思いますし、きっとその点もより一層楽しく感じて頂けるのではと思います。真緑のレザーコート、良いなぁ。

 

 

SURR 福留

ジェットラグ / Diary1346
24.10.2025

規則正しく夜中2時に目が覚めるという著しく強烈なジェットラグに襲われている今回。皆様方とお会いすることで諸々を吹き飛ばしてなんとか日々が過ごせておりますが体感的には過去最も引きずっています、だってまだ治っていない気がするから。前回の旅順では帰国日に眠くても寝ないで強引に日本時間と合わせる大作戦によって初のゼロ・ジェットラグを実現したので今回も同作戦を敢行したのですが残念ながら功を奏さず、参ったねしかしって感じ。まぁ特段取り組んでいることも無くケセラセラにしてしまっていますが、シンプルに万全ではないですねぇ。あと今回は帰国してからお米と豚汁しかほぼ食べていません、なんだかどんだけ食べても美味しくて美味しくて。日本もしっかりと寒くなってくれたので豚汁作り置きが無理なくできて嬉しい限り、今年愛用のスープジャーが活躍してくれる楽しい季節がやっていました。スタンレーは本当に凄いよ。

そう、寒くなりましたので皆様御風邪などはひかれませんようにお気をつけくださいませね、この風邪はパリのかリヨンのか分からない福留との約束ですよ。危ないなと思ったら豚汁食べてください明太子おにぎりと共に。

 

 

 

ヴェロニク・ニシャニアンの大傑作であり弊店が誠に勝手ながら御愛顧くださる皆様方のクローゼットに一着づつと思い続けているプロダクト。48サイズ表記ブルーカラーと50サイズ表記クリームカラーのハントに成功しました。ヴェロニクさん、勇退ですね。是非ともより一層ごゆるりとお過ごし頂きたい!

 

 

キルティングヴェスト。Olems Carrettiさん感バッチリなので何気ないようで何気なくない感じが好き。

 

 

今回の旅順でもジッパーネックセーターにだいぶと救われました。年々手が伸びる率が高まっているような気がしないでもありません、いや間違いなく高まっているな。この世界観は良い意味でニット“メーカー”には出せないデザイナーの業有りなんだよなぁ。

 

 

ライム色のスポーツジャケット、洒落ています。未使用品というのも引き続き嬉しい限り。

 

 

弊店にとっては滅多に出逢えない良い意味で普通な感じのスーツ、なのですがV狭めで4ボタンでエロティックなシルエットとDolce & Gabbanaらしい強さで社会からしたらほぼ間違いなく普通ではないんだろうなぁ。こんなんだから親戚の集まりで悪目立ちするんですよね。

 

 

Levisらしいボアライナージャケットながらディティールが小さくない?な感じやなんかやたらとゆったりしてない?な感じにやはり本国ではないヨーロピアンクリエイションらしいファッション目線の美学を感じます。1984年の個体なのですがMADE IN FRANCEってそんな古くからあったのですねぇ、これ大好き。

 

 

 

 

 

New

 

以上、今週の新作群でした。もう一度言いますが風邪引かないでくださいね。豚汁ですよ、豚汁!

 

 

SURR 福留

そろそろコートを/ Diary1345
23.10.2025

 

急に寒さが増してきましたね。ここ数日は、朝外に出るとひんやりした空気に包まれて、思わず肩をすくめてしまうような気温になってきましたし、そろそろコートの出番かと。 コートはただの防寒具ではなく、冬のスタイリングを考える上で欠かせない存在。シルエットや素材感、カラーの選び方ひとつで、その日の印象がぐっと変わりますし、シンプルに羽織っても十分に決まり、逆にインナーや小物をどう組み合わせるかで全体のバランスや表情も大きく広がっていく。だからこそ、この季節は「どのコートを主役にするか」から考えるのが楽しいんです。 ということで本日は、そんなコートを主役に据えたスタイリングをこれからご提案していきます。自分らしい着こなしを意識してみましたので、是非イメージを膨らませながら見ていただけたらと思います。

 

 

 

 

インナーは、カシミヤのニットにカシミヤシルクのベストを重ねています。やわらかくて軽いカシミヤの心地よさに、シルク特有の光沢感が加わることで、ただ暖かいだけじゃなく、着る人の気分まで上げてくれるような組み合わせで、インナーだけでしっかり存在感がありつつ、あくまで自然に馴染むところが気に入っています。 パンツはヴァレンティノ。落ち着いた色味とほどよいゆとりのあるシルエットで、全体を下から支えてくれる存在で、ラフさもありつつ綺麗に見えるバランスが、このスタイリングの土台を整えてくれています。 そして羽織ったのはジョルジオアルマーニのトレンチコート。自分は重厚感のあるコートよりも、軽さのあるオーバーサイズ気味のものを好んで選ぶことが多く、インナーをしっかり重ね着することで、調整するスタイルが好きなんです。そうすることで肩肘張らずに着れますし、レイヤードそのものを楽しめるのもポイントかと。アルマーニらしい余白のあるシルエットが、そんな自分の好みともぴったり合っています。

 

 

 全体としては、インナーは、カシミヤを重ねて暖かさを作りながら、外側は軽やかに仕上げるスタイリングで、防寒だけじゃなく、着ていてストレスのない心地よさや、自分らしい空気感を大事にした冬の装いです。

 

 

 

SURR 古川

1 2 3 4 5 6 447
Copyright © SURR All Rights Reserved