先週のバッグに御興味くださった皆様方、誠にありがとうございます。これまでと同じく一点ものゆえ御一人への御案内しか叶わないことは相も変わらず心苦しい限りですが千古不易だからこそヴィンテージはアンティークは心躍るというもの。しかしながらその節は弊店においては身に余るほどの御興味と御注目を承りまして嬉しい限りでしたので、その御礼と言っては偉そうですがその気持ちをささやかながらフロントポケットにこっっそりと忍ばせまして今週もバッグを御披露目することにしました。
皆さまクロスボディバッグはお好きですか。私は好きです、というか人生で初めて特に強い意識と意志を胸に秘めて選択した“ちゃんとした鞄”がクロスボディバッグでした。その選択は自分にとって急ぐべきではないし急げるものではなかったので結果的に数年を費やしたのですが、その期間様々なブランドやメーカーを調査して精査した結果辿り着いたのがHermesのそれでした。せっかく人生初のちゃんとした鞄なのだからレザーが良い→このブランドのこれは格好良いけど本体が重い→そのメーカーのこれはシンプルに好みに届かない→本体が重くないしレザーの風合いも格好良いしシンプルにデザインが好み=Hemresだったわけでして、この経験がSURRで御提案する鞄のほとんどがVintage Hermesである要因なことは言うまでもありません。形状は迷いましたが当時の私は自分が必要とする適切な容量のサイズ感が好みかつ両手が空けられることの優先順位が高かったのでクロスボディバッグを選択したのですが、まぁ余裕がある容量の強みであったり身体にストラップの負荷がかからない良さであったりとクロスボディバッグと日々を過ごすことで感じることも思うことも様々。とはいえ人生のフェイズにおいて変化する必要条件ながら今でも愛用していうことはこれまた根幹にある性と合うのでしょう。
今回御提案するクロスボディバッグは共に同一のモデルで色違いなのですが、これは本当に良いプロダクトです。男性的な要素性が強いクロスボディバッグが著しく少ない歴代Hermesバッグモデルですが、こちらは申し分なくメンズスタイルにフィットするサイジングとデザイン性とストラップの長さ。それこそ某ファッションデザイナーのメンズクリエイションの初代レベル?で最初期に製作され今なお探している人が多いであろう象徴的な鞄はこちらのプロダクトが元になっているほどですから、シンプルにストレートに男性のチャンネルに合わせていただけると思います。あと容量がとってもとっても良い感じ、結構入りますが構造がシンプルな箱型ですのですっきりと御利用頂けるかと。外側のスリットポケットが間違いなく猛烈に便利なんですよねぇ。

New 1998−1999s Hermes Taurillon Clemence cross body bag
Hermesレッドカラーが1999年のクリエイションでブラック×キャラメルフラペチーノカラーが1985年のクリエイション、バックルの配置やジッパーなど細かな違いがありますが同一の個体です。ちなみにキャラメルフラペチーノカラーなんて色名はありません、ただ私が気分で名付けました。ちなみにHermesレッドという色名はあります、素敵やん。
SURR 福留

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店内の入り口近くにディスプレイしているマネキンが、肩にセーターを掛けたスタイリングだったことから、ふと「この着こなしのインスピレーションはどこからきているのだろう」と気になり、福留にお伺いしたところ、2013年の『POPEYE』を数冊持ってきてくださり、ページをめくると、そこには複数の“肩掛けセーター”のスタイルが並んでおり、少しラフで、力の抜けた雰囲気がとても新鮮に映りました。


今でこそたまに、コレクションルックで見かけることのある肩がけスタイルですが、まさか10年以上前の2013年からすでに提案されていたという事実には素直に驚かされました。そして何より惹かれたのは、難しく考えずに「家にあるセーターを、マフラーのような感覚で自然と肩に掛ける」という、純粋さです。

スタイルを作り込むというより、日常の延長線上で生まれる自由さが感じられ、改めて考えすぎない大切さを実感しました。
SURR 古川
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皆さまトートバッグはお好きですか。私は好きです、というかガバッと手にとって1日を過ごせる感じや開いた口にサッと物を出し入れできる感じや仕事終わりに葱や大根などの長物を買っても滞りなく刺せる感じや家に着いたらポイっとできる感じが根幹にある性と合っています。と言ってもまだ“これぞ”なトートバッグを持っていませんというかここ数年ずっと探しています。そしても最も欲しいプロダクトデザインがこれ、世知辛いったらありゃしない。
なのでガバッとやサッとや葱やポイっが性に合わない人には必要ない存在なのでしょう、まぁそれはトートバッグに限ったことではないけれど。可能な限りバッグを持ちたくないスタンスからちゃんと鞄を持っていた方が諸々と…流石にさ…ねぇ…なスタンスになってからまだ日は浅いですがさほど物が詰まっていないスカスカ気味の鞄を持ち歩くのにもようやく慣れてきて、逆に俺は鞄を持っているから何がきても(買っても)大丈夫だぞという安心感がこうもポジティヴかとようやく実感し始めました。皆さまこんな心持ちだったなんてズルイや。
あと毎日共にすることで成長しても,いな使い込んでボロボロになっても格好良いって本当に大事だなって、元々強く思っていましたが自分がいかに鞄を道具として愛しているかが分かったのでより切実に思いました。一体全体鞄というプロダクトの中に,鞄を手掛けているブランドやメーカーの中にここまでラフに雑に無頓着に扱って特にメンテナンスせず色褪せも気にせずに、もし近年が良いものと丁寧に向き合って長く使い続ける傾向があるとしたら,まぁ無いかそんな傾向なんて昔から丁寧に向き合うか、まぁそんな傾向があるとしたら反時代的なほど雑にラフに無頓着に扱っても格好良いままで居てくれるレザークオリティや縫製やその他素材感やパーツの鞄ってどれくらいあるんだろうって思います。もしかしたら今の私にとっては最大の判断基準かもしれません格好良く育ってくれるか否かって、個人感情で恐れ入りますがほとんどないと思う。あと価格と釣り合ってるか否かね、これももちろんとっても大切。

New 2008s Hermes Taurillon Clemence tote bag
持ち手が長めだから多くの男性が肩にも掛けられますよーとか、Hermesバッグレザーの中でも特にしなやかで何よりも頑丈な実用性特化型押し素材Taurillon Clemenceですよーとか、裏地も同一だから言ってしまえば無双仕立て的な贅沢構築だし汚れも拭いやすいから助かりますねーとか、内ポケットも一つあって有難いですねーとか、通称Hermes redの御洒落な色調ですよーとかまぁ諸々もの現実的な利点,個性,要素性がありますが、個人的にはまず直感的に合うか合わないかを感じて頂きたく思います、根幹にある性と。
SURR 福留

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