春物が少しずつ気になり始める季節ではありますが、朝晩の冷え込みや日によって変わる気温を考えると、まだまだアウターを手放せないという方も多いのではないでしょうか。実際、私自身も含め、今の時期は「春らしさ」と「防寒性」のどちらも妥協したくないと感じている方が多いように思います。 そこで今回は、インナーを調節することで冬から春先まで長く着用でき、オンタイムで即戦力として活躍してくれるハーフコートをご紹介いたします。



ピエール・カルダンの中でも、特に実験的なアプローチが際立ち、デザイン性の高さが魅力となっている「ESPACE」(エスパス)というラインのデザインハーフコート。随所に前衛性を感じさせながらも、可変的な首元の仕様は決してやり過ぎた印象はなく、日常のスタイリングにも自然に取り入れやすいバランスで、シルエットはカジュアルに寄り過ぎることなく、すっきりとスタイリッシュで、どこかドレッシーな雰囲気も感じました。また、ライニングには軽量なパデッドを採用しており、寒暖差の大きい春先の不安定な気温にも柔軟に対応してくれる点も魅力です。

今の時期のインナーには、カシミヤの上にカシミヤを重ねる、いわゆる“カシミヤONカシミヤ”のレイヤードを取り入れています。最近はほとんどこの組み合わせばかりで、完成度の高い着心地で、肌に直接触れてもストレスがなく、柔らかさと軽さがありながら、保温性も申し分なく、シンプルに言ってしまえばとにかく暖かいのが魅力です。 今の時期によく耳にするヒートテックなどの機能性インナーも、防寒性という点では非常に優れていると思いますが、個人的には一枚で見せることのできる「魅せられるインナー」を選びたいと考えています。アウターを脱いだ際や、レイヤードの隙間から覗いたときにも様になるインナーの方が、スタイリング全体の完成度を高めてくれるように感じます。

個人的には、春先になると自然とシャツを手に取る機会が増え、つい出番が多くなってしまいます。軽やかさがありながらも、きちんとした印象を与えてくれるシャツは、季節の変わり目のスタイリングにおいて欠かせない存在だと感じています。昨年は、サックスブルーのシャツを探している方を店頭でも多く見かけましたし、各コレクションや街中でも目にする機会が多かったように思います。 今年はそこから少し気分を変えて、トーンを抑えたラベンダーカラーなどを選ぶのも良いのではないかと感じています。淡い色味でありながら、ほんのりと個性があり、春らしさも程よく演出してくれる点が魅力です。襟元をラフに開けてみたり、アウターやニットの袖口からあえてシャツの袖を覗かせたりと、着こなし次第で表情が大きく変わるのもシャツの楽しさのひとつ。細かなバランスを意識することで、スタイリング全体に奥行きが生まれ、春先ならではの装いを存分に楽しめると思います。
気になりましたら是非に。
SURR 古川
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“フレンチワークウェアにおける最象徴” そう言って差し支えないのでしょうか?どうなのでしょうか?私はかねてよりそう思っているのですが、モールスキンジャケット。ファッションの嗜好もスタイルの思考も様々で然るべきだからこそ時と場合と時代と気分において推移するのは必然だしなんだったら気分がちょっとずつ変化して装いの心持ちも同じく変化するのって楽しいじゃん良いじゃんと思うのですが、その度に思うのが“なんだかんだ帰結するプロダクト”ってあるよなって、そしてそれがこのモールスキンジャケットであったりそこから発想を得た別の名作であったり。まぁ後者も含めると現代装いのほとんどが含まれちゃいますけどね、ハッハッハッ。まぁいずれにせよ完成された良い服というのは良いものです、50年代個体特有の個性に奇跡的に成立しているアートリペアの圧倒的な求心力は言うまでもなくね。



セイリングカルチャーからのインスパイアを得たお国柄満載なイタリークリエイション。独特な軽やかさ,いや重くなさ?なんとも不可思議な重力の感じさせ方に良き時代性を感じさせるマルチポケットのプロダクトデザイン感、フンワリかつモッタリとしたドレープと全てにおいてモダンの可能性を予感させてくれます。シンプルに良い一着だとシンプルに思いました。



スポーツジャケット型と思わせて胸ポケット付きでテーラードジャケットのスタイルバランスという相も変わらず“読めない”ミウッチャさんのファッション哲学でこのバランスは初めて出逢いました、そんで1995-1997sのメンズ最初期ピリオド と。でもね私はもう逆に驚かなくなりましたよって言ったら変な物言いですが、自分なりに真摯にVintage PRADA Uomoのファーストラインに向き合い続けることでいかに彼女の世界観が高度過ぎる成熟具合から始まったかをこれまでビシバシと容赦なく実感してきましたから。最初期ピリオドの時点でシルエットバランス及びスタイル提案の軸がない自由型だし独創度合いもクリエイション目線も完成され尽くしていたし ということでそれ以降って最初期ピリオドのアレンジであったり再解釈であったりREテイクの連続じゃない?と思っても致し方ないくらい成熟して完成されていたので。ですからこのようなキメラ系統と出逢ったとしても驚くけど驚きません。



親愛なるセラファン、の中でも特に愛すべきはヴィンテージ年代における創始者エンリ・ジョルジュ・ザックスによるモード目線のデザインクリエイションライン。既存のセラファンがファッションブランドとしてではなくレザーウェアメーカーの側面が強かったために相反する世界観として存在したそれは、各社に提供していた最高峰のレザークオリティをザックス自らの手でモードデザインに昇華させたという上質な目線と贅沢な要素性を煮詰めに煮詰めたある種の究極的なクリエイションでありイコール変態的なクリエイション。御手本のようなボンバーシルエットと特徴的な意匠からは心地良いモードの迫力を,信じられないほどに美しいと同時に強度も兼ね備える最高峰の革質からはファッションの喜びを,ウールカシミアのライニングからは上質な目線の尊さを,そして落としたら絶っっっ対に替えが効かないであろう染色鹿の角ボタンからは変態的クリエイションの中毒性を。本当に凄まじいです、これ。



撮っててミカンみたいーって思いました。今回もパッと持っていってきますでポイっと置いてただいまーでそれが何より幸せ。



防水コーティングが施されたSPECIALITY ALL WOOL “BURELLA”個体のご提案はかなりに久方ぶりな気がします、BURELLAって確かアンブレラからでしたっけ?可愛いネーミングですよね。いわゆるウールギャバジン系統かつ屈強な素材感なのでこちらのようにしっかりとしたヴィンテージ風合いも合うなって思えました、独特な光沢もやはり粋。時代を経たからこその茄子紺のテクスチャーも幸運にも条件が揃えばやはり最高に格好良い、生き様がそのまま現れるのは人も服も一緒だなぁとまたVintage Burberryに教えられました。デザイナーズよりもデザイナーズなオリジントレンチコートです。

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SURR 福留
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少しずつ春物が気になり始める時期ではありますが、実際にはこれからが冬の本番ですよね。まだまだ防寒対策は欠かせず、日々の装いにも冬らしさと実用性の両立が求められるかと。そこで今回は、今まさにオンタイムで活躍する、発色の良さが印象的なコートとニットをご紹介いたします。冬の装いはどうしても色味が落ち着きがちなので、鮮やかさを取り入れることで、重くなりすぎず、気分まで明るくしてくれる気がします。


弊店ではお馴染みのBallantyneより、スコットランド製ウールを使用したアーガイルセーターで、サイズ表記は46のリブ部分は強すぎず弱すぎず、全体のバランスが非常に取りやすい一着です。さりげなく寄り添うシンプルなセーターももちろん魅力的ですが、一方で、コーディネートの主役になるような主張のあるデザインにも惹かれるものがあります。このセーターは、伝統的なアーガイル柄が程よい存在感を放ちつつ、品の良さを感じさせてくれます。加えて、Vネックの深さも絶妙で、シャツとのレイヤードを楽しんでいただけます。



1940年代頃から、一般的な軍服にはカーキをはじめとする保護色が用いられていましたが、それとは対照的に、医療スタッフは「ロイヤルブルー」と呼ばれる鮮やかな色が採用されていました。このロイヤルブルーは、英国王室のオフィシャルカラーに由来するもので、戦場において軍医や医療従事者を即座に判別するために選ばれた、きわめて実用的な理由を持つカラーで、混乱の中でも一目で役割が伝わるよう配慮された色使いではありますが、初めて目にした際には、そうした背景を知らずとも、機能性以上に強いファッション性を感じさせる印象的な色でした。

コートは全体的にオーバーサイズなシルエットではありますが、肩まわりに癖のある張り出しはなく、細身の私が着用しても無理のない、自然な馴染み方をしてくれましたし、分量感がありながらも着られている印象にならず、バランスの取りやすさを感じました。そこからふと覗くアーガイルのセーターが、程よいアクセントを添えてくれ、ここで色を逃さず取り入れて良かったと素直に思いました。ブルーとグリーンという近接した二色が重なり合うことで全体に深みと表情を与えてくれます。
気になりましたら是非に。
SURR 古川
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