口ヒゲ / Diary1211
11.4.2024

前回のDiaryのように私はこれまでに幾度かミウッチャ・プラダというファッションデザイナーを心から愛しオタクのように楽しんできたことを書いてきたと同時に、何度か2018年が彼女のキャリアハイに感じていることと新たにラフ・シモンズが加わり世界観が変化したことで、何年も続けてきた“毎シーズンPRADAの新作を楽しみにし、あわよくば何かを手に入れる“という私にとって極めて重要なルーティーンが終わりを告げたことを書いてきました。もちろんラフ・シモンズの加入は多くの人々にとって喜ばしい出来事であり事実業績も上がり2022年(2023年だっけ?)なんかは注目度が高まったファッションブランドの第一位として挙げられるなど、より多くの人々が楽しんでいることと思いますので、私が愛する愛するPRADA Uomoから離れたのは単純明快に私の好みと気分。ただただ、ただただそれだけの話です。

しかしながらついに、ミウッチャ・クリエイションではなくミウッチャ&ラフ・クリエイションでバババチコンとくる一着に出逢えました!

 

 

23SSマルチポケットベスト、本当にバババチコンとグググッときました(あのビジュアルも大好きです、まんまカー⚪︎ートのあれ)。ファッションを楽しむ方の中にはこういう系はもう何年も前に流行ったじゃんという見解も有られることと思いますが私はその頃から今に至るまで全くもって惹かれなかったんです、これ系のベスト。もちろんお召しになっている姿そのものが素敵な方は沢山おられましたが、自分が着るプロダクトではなかったというか何というか、SURRという容れ物で御提案するビジョンもほとんど浮かびませんでした。

でもこれは大好き、堪らない。PRADAだから?もちろんその看板を背負っているからというのもありますがそれだけではないぞと、直感的に思いそれが何なのかクエスチョンの正体は何なのか心の片隅で考えていた時、パリのコレクターの元で出逢った一つのプロダクトが答えを教えてくれたのです。

 

 

私は全くと言って差し支えないほどにアウトドアカルチャーに触れてこなかったのでミレーというブランドのことを知りません、ミレーって口に出したこともないかもしれません。このプロダクトに出逢って初めて知りました、フランスのブランドであることや100年近く続いていることや主に鞄を製作していることなど。この口ヒゲのおじさんが描かれたMountain Flight by Milletが一体全体どういう存在なのか、正直に言って知りませんがとっても格好良いプロダクトだと思ったし素直に滅茶苦茶着たいなと見た瞬間に一目惚れしてしまいました、こういう便利ギア系そのものを着たことがないにも関わらず。そのきっかけが23SS PRADA Uomoであることは間違いありませんが、それと同等のエネルギーでこのマルチポケットベストに惹かれたことによって心の片隅のクエスチョンが解けました。

 

 

 

 

 

New arrival,80s Millet multi pocket vest.

 

“お前が惹かれた理由、それは品の良さだろう?“ 口ヒゲのおじさん、教えてくれてありがとう。あの頃のマルチポケットベストは私にとってリアルではありませんでしたが、23SS PRADA Uomoとこのヴィンテージ・ミレーのマルチポケットベストはリアルもリアル、大リアル。タフギア感満載でクラシックでヴィンテージ感を備えていますが、意匠の絶妙な洗練性とバランスとちょっと薄ピンクを感じさせてくれるカラームードによって隠そうとしても滲み出てしまう、モード本国のDNA。

どうなっても結局私は品が良いのが好きみたい。

 

 

SURR 福留

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