Yves Saint Laurent Rive Gauche homme。
1965年にひっそりと始まっていつぐらいまで続いたんだろう、70年代が終わってクリエイションが細分化される頃に一旦無くなった(休止?)のではと思っています。そして今回御提案クリームプロダクトが1997年に再始動した頃の品なのでセカンドピリオド、こちらも変わらず弊店にとって最重要なモードクリエリションの一つです。
ムッシュ・サンローランが在籍し、しっかり師として君臨していた時代のエディ・スリマン(のはずですが、それよりも前の未記録クリエイションの可能性もあります)によるこちらは一見すると無垢で無機質で非デザインなようですが秘められる美意識とモードフィロソフィーは強烈で、久しぶりにこのチャンネルでドキドキできたなと嬉しく思いました。フレンチカルチャー特有のVゾーンのネックを少し拡大したりより構築的なスプリットラグランスリーヴを配置したり、なんでもないフラップポケットなようでしっかりと美的なカッティングを取り入れたりと、良い意味で着用時に大きく主張しないバランスながらしっかりとスタイル性に影響を及ぼすデザインの加減、これぞビッグメゾンに“在るべき“説得力であり存在感であり“デザイナーの仕事“、本当に感服しますし色々と考えさせられます。
New arrival,late90s Yves Saint Laurent Rive Gauche homme oversized design coat.
トドメは生地感。これまた写真に写らず実際に御着用頂かないとほとんど御伝えできない要素性なのですが、このようなオーヴァーサイズコートでは新鮮な裏地ゼロの設計によって異次元の軽やかさと揺れ感とシルエットバランスを生み出してくれるので前述の美意識とモードフィロソフィーと相まって一着の洋服としての存在感が計測不可能です。時代性とデザイナーの個性もあってかこの時代のRive Gauche hommeもまた後の00年代に繋がるミニマムなフィッティングが軸となっていましたから、このプロダクトもオーヴァーサイズコートでありながらそちらを向いていたのか、52サイズ表記にしてはだいぶと大きくない印象を抱くのもまた良い個性。46の御身体でも全然御提案叶うと言うか、ましてや逆に“ちょうど良い“感じになる可能性大です。
いやぁ、痺れる服って良いですね。
SURR 福留
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