手仕事 / Diary255
28.4.2016

4Saison での実験的な企みによって生まれたある種の偶発的な副産物でありながら、今の Karim Hadjab を表現するにおいて欠かすことの出来ないクリエイションラインである “ Hand finish ” は、チームに所属するたった一人の職人の手で一縫い一縫い、ミシンの一踏み一踏みが行われています。

彼女はいつなんどきアトリエに足を運んでも、常に黙々と洋服に向き合っておりまして。多ベクトルに渡る Karim Hadjab には、手仕事を加える必要のあるピースが数多く存在し、中には Hand finish がメインとなる、一着に対しての手仕事量が尋常ではないピースもございますので、彼女の集中力とマルチな状況に対応する技術力と独創性溢れる表現力と、何より純粋に手仕事を愛して楽しむ姿に、心から感動致します。

この度 2nd collection からご紹介するのは、彼女とカリームの感性と技術力無くして成立しない一着です。

 

 

 

 

 

SDIM2163
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4Saison の工程において、本体から別離させる必要があったライナー。それを “ 一着の洋服 ” として成立させるため、手仕事という彼女の長い旅が始まりました。

機能的、現実的に成立させるため、手縫い仕上げを各所で行い、必要に応じて別の生地を加えて完成された本品は言うなれば、彼女の人間力をそのまま表す洋服。身頃とアームが明確に異なる仕様も、特有のミニマムなスタイルもまさしくライナーならではの個性ですが、そこに完全手仕事の心意気と心配りが加わると、理屈ではない求心力を発揮してくれます。

 

 

SDIM2163
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純粋に存在感があり、繊細なモード力があり、何より手仕事ならではの心地良い際どさがありますが、これを完成させるに注がれた長い時間と仕事量を想うと、一層に響きます。また、各所に施された表情と色調豊かなステッチワークは完成品を目の前にすれば成り立ちも大いに納得ですが、ゼロから構築する, 創造することを考えると途方に暮れてしまう心持ちでして、私は洋服をゼロから生み出す知識も経験も、構築する技術も持ち合わせておりませんので、それを自らの頭と手で行う方々は本当に心から尊敬致します。そのクリエイションにハートとポリシーがあれば、なおさら。

 

 

 

 

 

SDIM2163

Karim Hadjab , 4saison / Hand finish , base : 60s European tailored’s lining

 

 

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