昨日にエントリーにてちらりと触れさせて頂きました此方のニット。「快晴の元どこかで書かせて頂きたいものです」と詠いながらも早速のエントリーとなり恐縮な心持ちですが、一歩、家の敷居から外界へ踏み出しそして空を見上げたその瞬間に、思わずにはいられず。「あぁ、今日が書く日か。」
サングラスで光を遮るなんて勿体がない程に快晴、快晴。天気予報で花粉注意報のアナウンスを耳に入れながらも臆することなく街へ繰り出したいものです。本年度は昨年に比べ花粉の量は落ち着いていると、どこぞの研究者が仰ってましたがそれでも花粉は容赦なく舞い上がるもので、そんな時にとあるTV番組にて朗報を目にしました。なんとレンコンが効果覿面との事。1日1本の半分を摂取すれば良いそうですが、あらゆる調理法を実践しながらも毎日食しており、気が付けば然程の症状は出ておらず、今年はレンコンに救われながらも出逢いの春を満喫できそうです。失敬。
ビッチに緩急を付けたストライプ調。マテリアルはコットンのみ。驚愕する程にしっとりしたテクスチャーは、恥ずかしながら初見ではシルクが混合されていると思い込んでおりました。やはりイタリ製は良い仕立てだ、と、納得の落し所としてはむしろ悔しいところ。上質という2文字が適う逸品。ともあれ、あまりにも美しいカラーリングパターンは約6色もの染色された糸を用いておりますが、明度と彩度の絶妙なバランスは扨措き、キーカラーとなるYellowについては言及し難い程に素晴らしく、最も近しい色合いを調査したところ、「Chrome Yellow」が最有力。ペイントカラーのように色の主張性を保ちながらも、どこかお茶目で、どこかかわいらしく、どこかユーモラスな印象を発揮する中で、やはりアダルトな印象へ急激に昇格させるのはマテリアルの選定と柔らかく仕立てられたライトオンスの細やかな織り。昨日申し上げたように、いつものジーンズとの余裕あるスタイリングで緑のあるベンチへ腰掛けたいものです。好きな書を片手に。
という事で、ここらで一時脱線。最近面白い書を発見しまして。
又もや推理小説の類で恐縮ですが、先日街の本屋に立ち寄った際、アメリカの巨匠レイモンドチャンドラーの傑作中の傑作「The Long Goodbye」(日本題で「長いお別れ」)が目に留まり、普段は陳列の陰に埋もれているはずのレイモンドチャンドラーが何故か表舞台に。それに表紙が何やらオシャレに仕上がっておりました。「今、何故」と思ってしまう辺り申し訳がないのですが、ともあれ、翻訳者名を覗いた際に成る程、理解に到達しました。村上春樹氏の全訳だったのです。レイモンドチャンドラーの作品ともあれば読者のみならず執筆者も敬意を表するという意味ではこれもまた成る程、と腑に落ちたのですが、数ページ読んだ後に気が付いたらレジへ。長期作品のロンググッドバイですが、通常1行から2行で済むセンテンスを村上氏は3行で表現している箇所もあり、それも一興かと愉しむ事ができますので、レイモンドチャンドラーは読んだ事がないけれど村上春樹氏の作品は一通り読んだ、という方にもハマりやすいのでは、と、申す前におそらく狙いとしては其処なのでしょうが。「飲むのなら自尊心を忘れないようにして飲みたまえ」この名台詞も本作で登場しますが、恐縮ながら私も、お酒の席では自尊心のみならず時間まで失わないよう心がけております。主人公のフィリップマーロウも酒好き(ギムレット好き)なので、お酒好きな方であれば戒めとしても有効な作品が多いはず。大変お勧めで御座います。これまた失敬。
80s Missoni striped cotton knit
本を読むも読まぬも其々。
コットンニットを着るも着ないも其々ですが、折角選択できる自由が有りますから、春先はウール地からコットン、ジーンズは濃紺から淡いベビーブルーへ。手元には何処でも読める文庫本に限ります。
with early70s Levis 501 “66model”
村上春樹氏といえば新作「騎士団長殺し」ですが、俄然文庫本派の私は未だ読んでおらず。既に読まれた方は店頭での内容語りに御気をつけを。
それでは次回の エントリーまでしばし「短いお別れ」としましょう。
SURR by LAILA 小林
03-5468-5966
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約8ヶ月程前に同モデルについてエントリーさせて頂きました、通好みで知られる名盤。
BIGEの延長に位置する格別な織りと生地でありながらフラットな立て落ちが素晴らしくもノーマルであり、其の境地に君臨しながらも絶妙なシームツイストと際どく残像のように表現されるインディゴは、まさに凡常、故の美。
突き詰めると60年代のBIGEでもなければ80年代のREDLINEでもなく、Mede in USAのみでは理解に到達できないポテンシャルは、やはり約6年間のみ存在していたこの1本ならでは。一通りヴィンテージジーンズの面を撫でてきた猛者好みの終着点とは腑に落ちる傑作。
early70s Levis 501 “66model”
with 80s Missoni striped cotton knit
イタリ製の贅沢なコットンニットとのスタイリングは格別。
(あまりにも素晴らしいイエローですので、快晴の元どこかで書かせて頂きたいものです)
本を片手に緑のあるベンチなど最高の休日では。
とはいえ本日はまだ週の真ん中。気を抜かずまいりましょう。
SURR by LAILA 小林
03-5468-5966
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コットン×シルクから織り成される上級の生地。
絵の具で描かれたような見事なストライプパターンは、生地の凹凸に際どくも緩急をつけることにより叶う表現。
洗いざらしでも獲得される独特の皺感は、コットン主体にシルクの特性があってこそ。
さらに驚くべきはレギュラーカラーではなくボタンダウン仕様。表生地にボタンが出現しないよう、スナップボタンという一択。その上、襟芯もございませんのでドレスダウンにジーンズとも合わせて頂けます。
ダブルカフの振り幅ならば此方でご紹介させて頂いた通り。
ウィットに飛ばしてまいりましょう。
80s Hermes striped bottom down shirt “cotton & silk”
(90s British caff links “COLD & HOT” )
このシャツのポテンシャルは自然光の下において最大値に発揮される模様。
デートの際は太陽も見方です。
説明不要の名作中の名作。
2016A/Wシーズンにて一度エントリーさせて頂いた際は、カーキ色とネイビー色。ネイビーのシルク地の面はホワイトベースで御座いました。2017S/S 今シーズンに際しましては同色ネイビーながらシルク地はブルー。さりげなくも確かな対比色は、美しさは扨措き凡庸性という内容も獲得しているのでは。
「どちら面がシルクですか」とよくご質問を頂くのですが、仰る疑問は初見の際にわたくしも感じました。
無地の面、ポリエステル主体のマテリアルは其れこそシルクと誤る程のテクスチャー。
極上な程にしっとりとした瑞々しい柔らかさ。将又、高密度のコットン、いえ、極上のモールスキン地の最表部のみを切り取ったのか、強さとなめらかさを保持したテクスチャーのような錯覚に陥るのもトップメゾンの見事な術中。本当に見事。このエントリーにて初見の方はお察しの通り、本品はリバーシブルの特性を保持してございます。
どうぞ、春爛漫の元で。
80-90s Hermes reversible blouson “the best silk” Navy × Blue
おそらくリネンで構成されたリラックススタイル。
推測の域は十中八九適切なものであると自負がございます程に、軽やかで、適度な張りと柔軟性を確認できます。文頭ストライプシャツと同様で、編みの凹凸により表現しているメソッドは、当時のHermesならでは。
ウエストはドローコード仕様のゴム張り。バックポケットを排除し野暮ったさも極力排除。収納はスラッシュポケット2カ所のみ。これでいてボタンフライと各パーツのクオリティの高さ。あっぱれです。
80-90s Hermes linen trousers relax style
是非ともバーカウンターに座って頂きたい面構え。
例えば洗いざらしのコットンシャツをオーバーフィッティング。例えばダブルカフのシルクブラウス。例えばロングノーズのレザーシューズ。況してやタキシードやディナージャケットと合わせようものなら、四厘馬車に悠々と乗車したも同然。
其々お好みの解釈にて、心ゆくまでどうぞ従属させて下さい。
SURR by LAILA 小林
03-5468-5966
[email protected]
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