こう言ってはなんですが、ネイビーのトレンチコートなんてずるいですよ。格好良いに決まっているじゃないですか。
その反則的なほどの凛々しき紳士性を Hermes が表現すると最早完膚なきまでに叩きのめされるようなもので、さりげなくバランスを精査されたディティールデザインや、シルクのようでその実ウールギャバジンのマテリアルチョイスなど、言葉でなく感覚で認識できる暴力的なほどに美しい一着のコートと相成ります。
これは、前回のエントリーで小林が御紹介した一着にも通じるのですが、ファッションの世界にプレタポルテが生まれ、より男性性とモードが密になった創成期から全盛期にかけてのスタイル提案は、やはり良い意味で現代と比べて “ クラシック ” という要素が色濃く反映されるため、おのずとその出で立ちや居様には男性としての 強さ が圧倒的なまでに際立ちます。それを現代のスタイルにそぐわないとするか、その強さを自身の個として用いるかは、お人によってスタイルによってお好みによってそれぞれですが、SURR はこれまでもこれからも後者を圧倒的に御推奨し続けます。私は男性であれば楽しまずに過ごすのは勿体無いと心から想う要素が様々ありまして、男性的強さもその一つ。ゆえに SURR があります。
こちらはプレタポルテ全盛期であり、Hermesに純粋なメンズ部門が設立された最初期の一着。その濃ゆい鼻血が噴き出んほどの強さを御賞味あれ。
70s Hermes trenchcoat
SURR by LAILA 福留
03-5468-5966
[email protected]
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仕立ての良いシャツに、身体を暖めるセーター、ウールスラックス。丁寧に革靴を履き、たっぷりとコートを羽織る。色合いはやわらかなグレー、英国的なチャコールやバーガンディ。優しいブラウン、ベージュ、グレージュ。スタイリッシュなネイヴィ、そしてアンティークブラック。
雨風を凌ぐバルマカーンコート、ダンディズムなトレンチスタイル、日中に着用する目的のモーニングコート。ビスポーク、ミリタリーディテール、シンボリズム。アントワープデザイナーが提案するオーバースタイル。
何度も申し上げる文言では御座いませんが、“ こう着なければいけない ” というルールブックは存在しませんので、自由な哲学と経験に基づき、心行くまでご賢察の程を頂けましたら幸いに思います。
さて、ご紹介しなければならない(ある種の使命感に駆られる)作品が多い印象ですが、今回は私的な気分を一切合切排除し、“しなければならない”想いに引き寄せられる1着から順にエントリーとさせて頂きたいと思いまして、そして気が付けば、先日のDiaryより自然と中核を担うようなポジションを陣取っているこのミッドフィルダーは、1960年代というプレタムードの波が広がるまえの時代、世界各国で生産ラインが確立し、より広い層に、より深いデザインで愉しめる80年代とはまた別次元の素晴らしき時代ですが、その素晴らしき時代に、ビックメゾンの旗の下、紳士向けの仕立てが今でも尚存在する事実は、事実として容易に受け入れられないように、それほどに、極極少数なものとして、丁重に慎重に扱うのは入荷段階のお話。
流行だのファッションフローだの、どこぞの誰が着ていただの、そうではないクラシカルなオーバースタイルを、素直にそのまま受け入れるお心とその上で、プレートネームの真下の文字を視界に捉えた際は、そういうスタイルでそういうプロダクトなんだと、判断材料の要素に加えて頂けましたら。
そしてこの1着もまた、どこぞやのアーカイブストレージ行きではなく、素晴らしき時代の素晴らしきメーカーの素晴らしき衣類として、人の身体を包んでこそ認められると確信致しますので、どうぞ日常に添うバルマカーンコートとしまして注意深くご賢察を頂けましたら、何よりで御座います。
1960s Givenchy balmacaan wool coat
SURR by LAILA 小林
03-5468-5966
[email protected]
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Autumn & Winter / Vintage coat for gentlemen
20s 〜 80s
about twenty pieces
various vintage wool / autumn cotton / super silk / and more..
maison vintage / recent maison vintage / antique / military / bespoke
9/15(金)12:00〜 on sale
SURR by LAILA 小林
03-5468-5966
[email protected]
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