絶対的な『個』 / Diary403
31.5.2017

 
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地中、水中、雨風、森木、昆虫、生物、そして太陽。あらゆる自然環境と時間,空間を共有することにより生じる多面的な変化を、ヒトと同様に “成長” と捉え、究極なる「個」に置換する“ 4Saison ” ( フォーシーズン )。障害物のない北フランスの風車機や、時に燦々と降り注ぐ灼熱の太陽光が適切な北アフリカの地上。仮に同一同地に同色,同素材の衣類を共有させようとも、端倪すべからざる自然環境直下では、全く同一の成長を確認することは不可能に近く、よって、完璧なる「個」を世界の地に堕とすクリエイション。
 
 
天然素材を食すというバクテリア(微生物)の特殊性を活かすべく、培養した液体に衣類を浸けるクリエイションライン “ Bacter ”によってコットンやウールなどのナチュラルファブリックに独特の変化、変調を齎します。バクテリアの食すスピード,範囲は、当然ながら人為的に操作できるステージではないため、推測が及ばない偶発的な美しさを説いた極点の一種。
 
 
例えば4SaisonやBacterのプロセスを経て生じた不規則的な瑕疵や変調。当然ながら自然環境や自然作用であるからこそ予測がつかない不可避かつ必然の項目でございますが、それらをカリーム氏が絶大なる信頼を寄せるアトリエ在籍のたったひとりの女性、彼女の多種多様なアプローチにより修繕、調整、整合、チューニングを行う “ Hand finish ”
 
 
西アフリカに位置するマリ共和国。そのマリに存在する死海の泥に衣類を浸け,染め上げるアプローチ、“ Argile mali ”。固体と液体の狭間である「泥」は、世界各地それこそ千差万別なる存在が当然なる自然物質でございますが、「マリの死海の泥」でなければ発生しない特質的な変調。2nd Collections時に新たに生まれたクリエイションライン。
 
 
 
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上記載のクリエイションラインは、一部の紹介内容でございますが、『 衣類=ヒト つまり、1つ1つの自立性 』という理解に到達したカリーム氏のアプローチングは、その1つ(1着)に命を吹き込むきっかけを作っただけと、彼の口癖のように、全体におけるコンポーネントにすぎない内容でございます。各種クリエイションはその1着を自立させる目的に対し局所性を帯びたエレメントであり、ヒトと同様に『 個 』が何より重要だと、彼の内なる想いが具現化された例えばのメソッドでございましょう。『個』が確立された1着には魂が宿るとカリーム氏は表現しておりましたが、数在る内よりその1着に引き寄せられる独特の体験は、当時ハンドメイドで仕上げていたアンティークジュエリーと近しいものを感じますが、ご自身の感覚体に全心を委ね、自然とお手に取られたその1着にもまた、全身を御委ね下さい。後に選ばれたそのたった1着は、生涯の付き合いとなりましょう。
 
決して、誇張して申し上げるわけではなく。
 
 
 
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Karim Hadjab , Bacter & Argile mali , base : 70s French knit
 
 
SDIM0057
 
Karim Hadjab , 4Saison in North africa , base : 90s Tee shirt
 
 
SDIM0060
 
Karim Hadjab , 4saison & Hand finish , base : fabric from 30s french dead stock. Kalim made jacket
 
 
SDIM0064
 
Karim Hadjab , 4saison & Argile mali , base : 60s French work ,waiters tailored
 
 
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Karim Hadjab , 4saison & Metaphor , base : 90s US military MA-1 jointed cotton scarf
 
 
 

 

 

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