「Winter coat」をお披露目する前に / Diary443
12.9.2017

 
 
「冬用のコート」ないし「男性に向けた質の良い冬用のコート」は、同じく “質の良いソファー” を選ぶベクトルと近しいものを感じます。質の良いソファーを見極めるためには、見識や知識、そして軸となる哲学、何より経験が重要な要素となること、これはわたくしの偏見のひとつ。考察した後、深く腰を落とした際に、「これは質の良いソファーだ」と感覚で確証を得られるプロセス。立派な額面やメーカープレートに頼らず目を瞑り、質の高さを見極められる術も男性には必要ではないかと。これは偏見ではなく、わたくしの心得。ソファーやベッド、クラシック、食事(特にフレンチトースト)、質の高さを見極めるためには知識や見識の他にも哲学と経験が必要になるものと、ある種の気構えとしまして、心の引き出しにしまっております。
 
「冬用にコート」におきましても、同じように。考察した後、身体に纏わせた際に、「これは質の良いコートだ」と感覚で確証を得られるプロセス。立派な額面やメーカープレートに頼らず、目を瞑り、質の高さを見極められる術が100%通用する男性的カテゴリー。
 
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さて、ヴィンテージの区分において、「冬用のコート」は大袈裟に申し上げずとも見つからないものでして、見つからないとは語弊が混じりますが、弊店がご提案したい「男性に向けた質の良いコート」を前提としましても、素直に “ 着たい ” と思える1着1着との出逢いがまぁ少ないと感じるここ数年。
 
じっくりと時間をかけ、丁寧に、かつ神経質に、そして慎重に、選考を致しました。幸運という2文字そのままの出逢いも叶いまして、皆様に少しでもお愉しみを頂けましたら、何よりと思います。要らぬ偏見の話と、勝手な心得の内容でややばかり脱線となりましたが、ひとりの男性のための上質なコートを模索し続けた、例えばの着地点を、引き続き「原点回帰」のテーマとともに、ヴィンテージの区分から約20点もの「Winter coat」のお披露目とさせて頂きます。自由な哲学と経験に基づき、心行くまでご賢察の程を頂けましたら。
 
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Winter coat for gentlemen
 
9/15(金)12:00〜 on sale
 

 

 

SURR by LAILA 小林

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Newarrival0908 怪作 / Diary442
8.9.2017

不定期的ながら SURR において欠かせない要素の一つとして御提案してまいりました、トム・フォード氏の手掛けた Gucci は、モードの歴史や服飾史や文化などの様々な要素を咀嚼し、独自に解釈したうえでの Gucci という入れ物において表現するその創造力と実行力が、それはもう言葉では語りきることのできない、どんなに言葉を重ねても足りないであろうほどに豊かで秀逸なクリエイションです。
これまでに御提案してまいりました品々はどれも傑作ばかりで、どれも私の頭の中のアーカイヴ・ルームにしっかりと貯蔵されておりますが、この度の御用意が叶いました氏の Gucci クリエイションにおける最終期の一着は、ついに傑作から怪作のフィールドへ。

 

こちらにおいて抽出された文化は、一も二もなくウエスタン・カルチャー。これもまた、モードの歴史においても今においても欠かさず取り上げられる文化の一つではありますが、その濃度計の目盛りを最上限に設定する決断力が、同じ一人の漢として悔しくなるほどに流石であり、それをモードとして, もとい Gucci として成り立たせる創造力と実行力にはやはり感服せずにはいられず、要するに “ 悔し ( くなるほど格好良 ) い一着 ” と言えるのが本品となります。

世界中の人々に旅や移動という豊かさをもたらしたルイヴィトンやゴヤールなどが最初期にお手本としていた古い時代の水夫の服。素朴で朴訥であるからこそ上質で、どこか不器用な愛嬌を備えるどっしりとしたそれを連想させる無垢なキャンバス素材と、お手本となったウエスタン・カルチャーのリアルさと共通項を感じさせつつ、しっかりと色気を備えるヌバックとのマリアージュはもちろん、パール・テクスチャーのスナップボタンにまで及ぶ徹底した各所再現と再解釈の表現力に、じっくりと時間をかけた対話をしたくならざるを得ない一着です。

 

 

 

 

 

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early 00s Gucci by Tom Ford

様々な要素が織り交ざって、私見としましては “ 強い服 ” と感じます。だからこそ、自身の個を彩る要素としてこれもまた極上かつ最上位に御推奨したい一着であり、何より、長い時間をかけて積み重ねられた服飾史 ( もちろんモードも含む ) を受け止めて生み出された一着は、これからの服飾史においても綿々と受け継がれてゆくべき一着だと思うからこそ、こちらを御提案できることが喜ばしくてなりません。

 

 

SURR by LAILA 福留

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触れれば切れてしまいそう / Diary441
6.9.2017

フルブローグの一足、そして一つの編集点と昨期から一層に強く御推奨させて頂いております英国靴。ドレスシューズにおいて不動の存在価値と絶対的な品質基準によって、やはりなかなかどうしてセレクションが容易ではない区分でして、今期も数足のみという相も変わらず傍から見たらやる気に疑問を感じえずにはいられないような御用意と相成りましたが、御理解と御容赦を頂戴出来ますとこれ幸い。
だからこそ、私の勝手な基準点に基づく皆様にご紹介したいと思える英国靴に出逢えた暁にはやはり受ける感銘の濃度が高く、そして、そのスタイル性と履くことで感じる熱量も圧倒的です。

 

 

 

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御愛顧くださる皆様のために、そして陰ながら私自身のために常に頭の片隅で探し求めていながらも、探し物に限って見つからないメソッドよろしく願いの届かないジョージブーツ。私自身の一足、いずこに。

 

 

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“ ベージュのドレスシューズ ” という表現はおそらく初めてかと思います。英国靴の最高峰の一つが仕掛ける強さと優しさと色気の具現。

 

 

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私にとって John Lobb と肩を並べる英国靴最高峰の一つが Edward Green 。革の質とそれに伴う表情、各所の仕上げ、モデルによって異なるスタイルの方向性と履きこなしのベクトルなど、全ては職人の技術力が注がれているからと、実物を見て直感し履いて実感させてくれる稀有な存在です。今回出逢うことが出来、弊社 2017AW LOOKBOOK にも掲載採用された一足はドレスシューズにおいての代名詞スタイルであり、ゆえになかなか御紹介が叶わないストレートチップ。 数ある職人技術の中でも特に難しく、更に品質水準が高くなくては実現できない一枚革仕様のアッパーが醸し出す、研ぎ澄まされ過ぎているエレガンス。その無機質なまでの品と相対する、屈強で繊細な3本ステッチの装飾機能美。革靴において “ 触れれば切れてしまいそう ” な存在感を感じる機会は、私にとって滅多にございません。

 

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90s Edward Green

とは言え、まず最も強く御紹介したいのは英国靴ならではの履き心地の良さと、耐久性の高さ。履き心地に関しましては足の形状とその一足との相性がありますので一概には言えませんが、私の実体験としては、Edward Green と John Lobb が頭一つ抜きん出ておりまして、職人技術には相応の対価を用意する価値があると改めて想う次第です。

お人によっては年を重ねると革靴が辛くなるとおっしゃる方もおられますが、先日街中で仲代 達矢さんに良く似た老齢の紳士が上質であろう革靴を美しく履いて美しく歩く姿を目にしたことで、引き続き革靴を履ける骨格形成を強く御推奨しようと心に誓いました。その紳士を目にしたことは、直近において特に目の保養となった瞬間でして、その直後に謎の老人に軽く追われるという謎の恐怖体験を経てもなお消えない喜ばしい記憶として、渋谷って怖ぇという体験と共に心に刻まれています。

 

 

SURR by LAILA 福留

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