謂わずもがな、ミリタリーは、エレガンスと対に位置するステージで御座います。「エレガンス」や「ラグジュアリー」とは横線で並べない、がしかし、「ヘビーデューティー」というワードが確実に適合する最高水準の耐久性。
(中には異例も御座いますが)
日常レベルの活動、運動、動作、アクション、モーション、意図するも意図せずも繰り出されるあらゆる “ 動き ” に応えるリアルピース。例えば、ライトウェイトでありながらも “らしさ” が叶う屈強な面持ち、確かなタフネスさを証明してきたとあるジャケットは、1着の衣類としての “軽さ” と単にオンスどうこう、生地がどうこうという次元ではない “頑丈さ” を全面に発動しているマスターピース。オーソドックスな香りを漂わせながらも無造作に横たわらせるだけで圧巻なる迫力性。後継モデルが確認出来ている中で、そのファーストモデルに位置する衣類が驚異的なチャームポイントを秘めて御座います。
内在する耐久力、貴重性、1stか後継か、そんなことはともかく、男性的な魅力を最大値まで引き出す佇まい、純粋なまでに格好宜しく、背筋が伸びましょう。シャツにタイドアップ、いえ、お気に入りのTシャツとジーンズに。これをデイリージャケットとして日々着用する喜びないし、そんなマキシマムな引力にグングンと引き寄せられ、出逢いが叶いました唯一の2着。
素直にも、大変お勧めな逸品で御座います。
40s US military M42 jacket “ 1st model ” 2 piece
さて、表題の通り3点目に参ります。この1着を目にした時にはミリタリーのステータスを細かく反映してありながら「エレガンス」のステージまで昇華させている“ありえない”面持ちを理解するまで数分の時間を要しました。
話は逸れまして、約11ヶ月前に1点のみエントリーが御座いましたとあるデザイナーによる作品。此方の逸品は、自信のパーソナリティと見事に溶け込ませたお客様の手中にてお収めを頂きましたが、オーセンティックでもアバンギャルドでもなく、そう、ミリタリーでもなく、際どくモードでもない。どこの溝にも合致しない其のスリーブレスは圧巻の面持ちで御座いました。
さて、本作を目にした際、以前の其の作品と近しいポテンシャルを感じましたが、首もとに縫い付けられたミニマムかつ控えめな黒地のタグに浮かぶ5文字を視界に捉え、漸く理解が追いつきました。
仮にも0か100かでしかない世界において彼が目にしてきた記憶や知識を独自の目線と解釈を保って、「0から100を構築していく」のだろうと、本日の1着を見て、ふと想いました。ミリタリーを再構築ではなく、彼なりのミリタリーを構築した着地点が例えばこの1着なのだろうと。恥ずかしい話、伺う術が御座いませんので確か不確かの領域でモノを申すことはできませんが、ああだろう、いや、こうでは、違うきっとこうだ。と、想い考えるのもまたファッションの醍醐味であり愉しさであると、拙いな文章で僭越ながら、想う次第です。
グッジオグッジを地から見事に救い上げたひとりの天才の仕事。敬意を表し、私はこの1着を敢えてミリタリーピースとしてエントリーすることに致します。
90s GUCCI by Tomford military jacket
それでは、皆様のご来店を心よりお待ち申し上げております。
SURR by LAILA 小林
03-5468-5966
[email protected]
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“ Y ” のジェンツに向けたプロダクトにおいて最も出逢うことが困難であろう「バッグ」というカテゴリー。
エネルギッシュなボストンタイプより、約280日振り。
クラシカルかつ最高にマニアック、
プラクティカル、何よりステーショナリー。
70s Yves Saint Laurent Folding tote bag “ Canvus & Leather ”
御無沙汰を致しております。
引き続き、どうぞ宜しくお願い致します。
SURR by LAILA 小林
03-5468-5966
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「でき得る限りの上質を求める」
1890年、ノーザンプトンの一角にて靴を作り始めてから約127年。発足から間も無く爆発したひとりの男の才気は、確固たるシンプルな信念と卓越した技術力によって支えられ現在に至りましょう。使われる素材の殆どは最上級のカーフスキン、追求に追求を重ねたグッドイヤー製法。頑丈で、軽快。革新より伝統。ファッショナブルの学びではなく、ジェンツのため美しい靴への追求。箇条書きにすると溢れてくるセンテンスはあくまで言葉同士の繋ぎで御座います。
この度、イギリスの地で出逢いが叶いました一足のメイドインノーザンプトンは、1970年代のフルブローグ。
褐色にエイジングを遂げた肌
5アイレット
鈍く輝くゴールド色のハトメ
括れが柔らかなラスト
外羽はダービー仕様
箇条書きにすると溢れてくるセンテンスはあくまで言葉同士の繋ぎで御座います。何より、見事なほど包み込むフィッティングは、ありきたりな文句で恐縮ながら、どうか騙されたと思い、先ずはお試しを頂きたい一足。続けざま、説得力に欠けますが、本当に素晴らしい靴だと感服致しました。
70s Edward Green full brogue darby shoes
技術云々、メーカー云々というより、例えば悪天候や硬い石路から主であるイングリッシュジェンツの足を護り、すれ違う視線から仕立ての良いスーツを汚さぬよう、顔を立て続けた目の前の一足、丁寧にポリッシュを施しながらチューニングが続けられた事跡、ただ簡明直截な程に「恰好が良い」という第一線的感覚、あまりにも素直に、「良い、靴だ」と後味が残る。 “ 一流 ” と認めるにはそれのみで十二分な気さえ致します。それらを享受し、シューボーンの助けを経て、気持ちがよい音とともに足が吸い込まれた刹那「でき得る限りの上質を求めた」着地点を垣間みることができましょう。私はそう思います。
ただ、もうひとつだけ申し上げるならば、“ R ” ではなく、“ E ” であればパーフェクト。皆様へご提案させて頂く手前、でき得る限りの上質を求めシャッターを切りましたが、こればかりは。
SURR by LAILA 小林
03-5468-5966
[email protected]
紳士の嗜みとしまして、ご縁が御座いましたらどうぞ宜しくお願い申し上げます。
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