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2017 Autumn/Winter Pre Collections
Only 5 pieces
8 / 12 (土)〜 on sale
SURR by LAILA 小林
03-5468-5966
[email protected]
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“ 金 ”という天然素材を土台に。1700年後半から1800年中頃にかけて周辺諸国より飛び抜けて産業革命が発達したその国は、歴史的4文字そのまま、産業,工業, 造形,製造並びに、ものづくりという分野で確固たる技術力を手に入れたにも拘らず、そのたった4文字の背景により金の価値が急上昇、しかしながら鉱脈開拓も実らず、という地団駄を踏みたくなるストーリーなわけですが、“ ですが、” より先の内容を、 “ジュエリー” という区分を事例に少しばかり綴らせて頂きます。(前述のセンテンスは順を逆にしましても叶いまして)鉱脈開拓が実らなかったから金の価値がぐんぐん上がり、よって1800年後半から1900年〜にかけて金を潤沢に使用したジュエリーのような逸品は、当時は極極少数。ゴールドラッシュが開始されてから金の価値が落ち着き、本当に贅沢そのまま,金のジュエリーを愉しむことができた良き時代が、先日御伝えしたヴィクトリア期なわけですが、その良き時代と比べますと、産業革命期では同等,同量に金を使用できる背景ではなく、よって、当時は抑制的なベクトルで貴重な金と向き合っておりましたが、当時の作品において共通項としてひとつ挙げらるのが、「繊細巧緻な金細工」。煌煌なる金を “ 補う ” という方向で重ねに重ねられ発達した職人技術の境地。刺繍のように細やかで美しさを纏ったジュエリーは、歴史的背景をディープに反映させた代表的なステージでしょう。
弊店において、久しくも最古の年代を更新することが叶ったその1点は、当然、“ 古くて貴重だから ” というベクトルのみで選定したものではなく、謂わずもがな現代の選美眼をもってしましても、質の高い天然素材を用いて創られた上質なジュエリー、で御座いました。とはいえ、ヴィクトリア期のジュエリー群に比べますと、決してリュクスな印象も贅沢な装飾も持ち合わせているわけではない、セーブコントロールされた出立ちながら、12Kが持つ確かな鈍い輝きと、ミニマリズムな外形に施されたセンシティブな細工、紳士的なグレイッシュなストーン、すべては本文の通り、当時の背景を色濃く映し出している内容でしょう。イギリスという連合王国の、1800年中頃に誂えられたリングというだけで御座いますが、普段ジュエリーやリングを付けないという方にこそ、素直にお勧めをさせて頂きたい想いです。
mid 1800s Georgian 12K pure gold with Grayish stone
約20点のラインナップの中、最も控えめ。
ご縁が御座いましたら、是非。
SURR by LAILA 小林
03-5468-5966
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しかしながら “ 鉱石 ” という区分を検討する際、「良いモノである」ことは初見でお認めを頂きながらも、男性とジュエリーの関係性を前提に考察すると、リジェクトシールドが自然と発動する方も少なくないと思います。金無垢のゴールドに対し、丁寧にチューニングされた天然素材,自然鉱石は主に、当時の職人のハンドワークによりカッティング、研磨が繰り返され、光を跳ね返す「宝石類」を指しますが、宝石とジュエリーというワードのみを拾い上げますと、ファッションとの結びつきについて直接性を帯びないイメージが少なからずは存在するのだろうと憶測します。とは謂いながらも、仮にそのイメージが実在するとして、それに対し否定的な言葉を述べるつもりはありません。かといって、「ご理解頂ける方にのみお認めを頂けましたら」なんとも失礼なまでに上からの姿勢を格好宜しく貫くつもりも当然になく、先日のエントリー通り、広く認知されていないであろう男性向けのステージにおいて、ファインジュエリーをより広くお伝えしたいという不躾がましい想いのみで御座います。この度のfine jewelry collectionに際しまして、天然鉱石について少しばかりでも触手を伸ばして頂けましたら、幸いに思います。
今回、お披露目が叶いましたファインジュエリーは約20点前後。その7割近くが天然鉱石を伴った作品で御座います。そしてご用意が叶いました天然鉱石の9.5割は、以下の2種類。
Diamond / ダイアモンド
Sapphire / サファイア
上記載の鉱石を単種のみ丁寧かつ完璧に配置、または複合的に構成,設置されたジュエリーが目立ちます。数ミリのカッティングながらも力強く存在するシャイニーな面立ち、膨大な時間を吸収した事実を明瞭に反映したように鈍くマットに輝くもの。デザインやイメージの具現化,そんなもの到底追いつけない地球物質ならではの魅力とムードは、言葉の通り、“特有性” そのものでしょう。鉱石のみに着眼しますと、多数存在する中でそれぞれの特色ないし古くから伝わる意味や神秘的効力なども伴うようですが、いつもなら「そんな事は扨措き、」と申し上げているところ。折角ですのでこのようなベクトルでお愉しみ頂くのも。
early 1900s Victorian 9k pure gold with Diamond
1900初頭、英国はヴィクトリア王朝期の作品。9kの金無垢に嵌め込まれた7粒のダイアモンド。地球上で最も硬い鉱石とはご存知の通り。古代ギリシャ語で「強者」を意味するadamazeinの頭文字が取れた派生語が語源とされております。和名は「金剛石」。諸説様々と御座いますが、権力,力,武力という意味合いも存在していたそうです。また強さの波形で、愛や永久という意味合いも。力の証明として、指元に宿すのも一興でしょう。腕力を得意としない柔らかい方にこそ。
early 1900s Victorian 12k pure gold with Diamond & Sapphire
同様に1900初頭、英国はヴィクトリア王朝期の作品。本品はダイヤモンド2粒、サファイア3粒で構成。互い違いに嵌め込まれた鉱石は、クリアホワイトが引き立てるサファイアの深いネイヴィブルー。元来、ラテン語の派生とされてますが、和名では「蒼玉」。あらゆる曇りを見透かすブルーは地球色として好まれ、誠実,真実,徳望など意味が込められております。一途性も内容として保持しており、一度決めたら微動とも動かない頑固者や、過去を偽らない正直者にこそ。
early 1900s Victorian 18k pure white gold with Diamond & Sapphire
本品もまた、上記2種と同じくヴィクトリア王朝期の逸品。今回、唯一のホワイトピュアゴールドは18kというスペシャリティと、道端に転がるストーンを具現化したようなゴロりとしたカッティング、そこへ傭兵の如く設置された17粒のダイヤモンドが護るのは、中央に君臨する大粒のサファイア。控えめな5カットは鈍くも静かに輝くディープネイヴィ。光の入射角度によって芯のブルーが明るく垣間見える瞬間は、透明性と不純物のない天然鉱石ならでは。地球色とは皮肉でしょうか、我々が住む地球も争いない透明な色を保ちたいものです。これは失敬。
年に数点叶うか叶わないか、単純にも “年代による貴重性” が主な事由として挙げられますが、1800年代後半〜1900年代初頭のヴィクトリア王朝期の品々は、当時の歴史的背景を色濃く反映している作品が多い印象です。アンティークファインジュエリーを代表するような顔立ちは、ヴィクトリア期,特有の壮麗さこそ物語りますが、兎にも角にもプロダクト自体の精密さと品質の高さが突出して目立ちますので、強くお勧めを致します。
なんにせよ、このワイン、開けてしまいたい心持ち。
SURR by LAILA 小林
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