インディゴブルーとイエローステッチとレッドタブ / 在るべき部分に在る擦れ / 然るべき各所の修繕 / そして何より全体に降り注がれた濃と淡。
本来の存在理由に則って存分に穿きこまれ、それに伴う施しが注がれることにより、清々しいほどの風格を内包することとなった、 “ アーキュレイトステッチを尻に敷く意義 ” を切実かつ一直線に感じさせてくれる、ヴィンテージデニムという言葉の芯を捉えた一本。ここまでの王道を御紹介でき、藍らしい爽やかな愛らしい喜びを感じます。
どっしりとした落ち方が魅力の XX 時代を経て、よりテーパードという文言が相応しい洗練性を獲得し始めた頃のシャープでソリッドなレッグラインは、年々市民権を強める高めのウエストポイント、ないし ON ウエストが設計上相性が良く私個人としてもお薦めですが、投げ出す意味合いではなく素直な気持ちとして、どのように穿いて頂いても宜しいことと存じます。
60s Levis 501 Big E
それは、どのような一本を選ぶか否かという判断そのものが、もう既に一つの『 個 』 でありスタイルであると切に感じるからであり、そして King of Legline と言って差し支えないであろう 501 の “ リアルが潜むヴィンテージ ” は、どのような着こなし・穿きこなしも受け止めてくれる懐を持っているから他なりません。この考えは初めから変わっておらず、おそらくこれからも変わりません。
そして、このパーツがどう, 糸がどう, だからこう。という細部を論点の軸としてご提案するのではなく、それらを判断基準としながらもあくまで一本のデニムとして一つの服として “ 格好良いか否か ” に重きを置いたご提案を続けていきたいと想います。この考えも初めから変わっておらず、この点はおそらくではなく、これからも変わりません。
SURR by LAILA 福留
03-5468-5966
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弊店のセレクションにおきましては、精選する上で厳格なる基準を設けております。厳格なる基準を一文なり皆様にお伝えする事はいささか困難をきたす程デリケートな一線ですが、仮に厳格なる基準を細分化すると幾つかブロックに分けることが可能です。例えば「コンディション」。ヴィンテージやアンティークの作品ですと当然時間を吸収したポテンシャルが確認できますが、全てデッドストックの状態が好ましいか、というわけでは御座いませんで、時には当時の背景が昇華された生地、初代オーナー様による手解きやカスタム、確固たる意図を保ったリペア群。其れ等含めまして“最高のコンディション”として皆様にご提案させて頂く事もしばしば。其れはプロダクト自体をそのままお伝えする事ではなく、その1着が過ごした時間や空間までも切り取り皆様にお伝えしたい勝手ながらの想い。(勿論、熟練の職人によるクリンアップ、フィニッシングは致しております。)さらに細分化しますとネクストステージとして挙げられる「個体性」。厳格なる基準を通す際に最も重要視する内容であると認識しております。例えば、世界で最も履かれているであろうジーンズという衣類の内、最も多くのシェアを占めると推測する「Levis」というメーカー。生産国や生産時期、年代、タブに書かれたEの文字体のみではなく、“個”として確立されているかというフィルターは弊店におきまして絶対的なる眼目。
例えば其れが、Levis「606」というナンバーであれば。
1967年より僅かな期間のみ生産されていた名ナンバー。シームの独特な巻き縫い、縦長のヒップポケット、リベットではなく潔いバータック、膝下から急激に落ちるテーパード。歴代のナンバーの中でも特質的なステータスを保持。突出して挙げられる名目は謂わずもがな、フィッティングに尽きましょう。股上に余白を残しながらタイトフィッティングなレングスに取り付かれてしまえば他ナンバーを数えることは極めて困難。
そして絶対的眼目として構える“個体性”。606だからこそ叶うミッドナイトブルーとの濃淡や落差はヘビーデューティーというステータスを遥かに通り越し、ラグジュアリーな印象すら獲得。一見は百聞は一見に如かずという事で、確実なる自信の元、是非とも御試し頂きたい個体で御座います。
Late60s Levis 606 BigE
弊店におきましては、度々とご紹介をさせて頂いておりましたが、常日頃とお問い合わせを頂いているのが当ナンバー。皆様の思い立ったその時にご提案できれば最良なのですが、我々の力不足が申し訳ないところ。とはいえ、今回含め、最高のポテンシャルにて皆様にご提案致しますので、ご容赦頂けますと幸いでございます。
さて、大変に御待たせを致しております。
明日、5/13(土)12:00より店頭にて販売を致します。
多数お問い合わせを頂いている事から、今回に限りお電話でのお取り置きは控えさせて頂きます。其れは606BigEだからという事では御座いません。1本のジーンズの個体としまして実際お手に取り、脚を通し、十二分にご満足頂いた上で、お選び頂きたいという勝手ながらの弊店の想い。ご理解を頂けますと幸いです。また、今回エントリー品のみならず、店頭では最高の“別個体”をご用意させて頂いております。其れはまた後日のご紹介。
それでは、皆様のご来店を心より御待ち申し上げております。
SURR by LAILA 小林
03-5468-5966
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メンズコレクションに着手した後、約13年の月日を経て到達したオートクチュールコレクションは1997年の事。マルジェラ氏が敬意を表する師の顕示。過激さの中に美を見出す危険な発案群は、ファッション学を他に学ばず独自で解釈し続けた彼の軌跡と“感覚体”のみで世界を認めさせてきた驚くべき才能があってこそ。そう私が思い至ったトリガーは、1着のコートをラッキングした際。それはオートクチュールコレクションに着手する3年前のプロダクト。有り得ない程に極上の生地で仕立てられた其のコートは、ロングテーラーと解釈するべく立体的であり細部まで精密に、神経質に見届けられた1着。万人を受け入れるショルダーのホールド感。最高品質という語が適切な裏生地のとろみ。サイドにウエスト付近まで伸びたスリットとタイロッケン仕様のディテール。言葉で表現し足りない衝撃と同時に沸き上がった感情は、1997年への渇望。彼のオートクチュールのベクトルにて発進したプロダクトに対し、“見たい”という単純明快な欲求で御座います。
オートクチュールコレクションが開始されたファーストシーズン。彼の頭脳の中に思い描かれたファブリックと物体。“Leather”と“Bag”を線で結んだ際に彼の前頭葉に堕とされたイメージは、「ライダースを解体、再構築」というアプローチ。勝手ながら欲求が叶った刹那、それまでの渇望が衝撃に再変換された瞬間で御座いました。
極めてシンプルな構造のメールバッグをベースに、左方天井に伸びるライダースアーム部分。袖先のジップは其のまま。見事な前振りが残された内部には袖先から約15cm程で仕切られており、袖のジップを開閉すると小ポケットとして自立。アーム横にはペンポケット。メインコンパートメントへの侵入は中央の約40cmなる大開閉部分のみ。
1997s Jean Paul Gaultier leather shoulder bag “reconstruction of riders jacket”
1997年製、やはり万感胸にせまる思い。
宜しければ。
SURR by LAILA 小林
03-5468-5966
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