“親愛なる老舗ワークウェア各社様及びワークカルチャー様。貴方たちが紡いできたファイヴポケットパンツというヘリテージの糸は無事ピュアロウシルクに繋がっていますよ。安心してくださいね”
私は胸の内で虚空に呟きました。実用性とスタイルに直結したクレイジークリエイションは本当に尊い。変人万歳。



ランドリーバッグやコーヒー豆の保存袋で御馴染みのヘンプ生地。その見事なまでに容赦なくざらついた独特なテクスチャーを時になんとか滑らかにして、時にざらつきですら面白みとしてファッションクロージングに作り変える手法はこれまでにも幾度となく行われてきましたし、その中には時にアップサイクルと呼べるようなクリエイションもあったことと思いますので、こちらと出逢った時には“いわゆるそれらね”と独り言ちたのですが、いざ触れてみて驚天動地。全くもってざらつかないどころか異常なほどに滑らかで美しい光沢感を有していたと思ったらピュアシルクときたものですから、冒頭の呟きに至ります。
揃っているようでやはり揃いきっていないものの充分過ぎるほどに丁寧かつ圧倒的な暖かみが共存する手織り機であろうと想像できる異常なテクスチャー,オーガニックなカラーリング,時代性を感じさせながら独特な洗練性を感じずにはいられない風土の滲む世界観。このファイヴポケットパンツという王道に意外性と異常性をマリアージュさせたクレイジーな一本を製作したのは80年代後期に誕生したフランスのローカルメーカーで、レディースメインのそこが90年代の最初頭に数シーズンのみ製作したHommeのクリエイションピースという、これまた本国ならでは本場ならではの出逢いでした。
T:3と記されているのがサイズ表記と推測できまして、フレンチワークの文化でも0,1,2という表記があることからもLくらいなのかしらと思い足を通してみると普段48サイズの身体で丁度良かったのですが、それ以上にトロンないしトプンという音が聴こえてきそうな(聴こえたかも?)生地のドレープ感とナチュラルなレッグラインイメージからかけ離れた異次元のシルエット表現に驚かされました。それらはこれまでに体感してきたどの素材感にも当てはまりません。ピュアロウシルクで手織り機でヘンプ調にどっしりと織るとこんな感じなるのかと勉強になりましたが、近似値に出逢える気が全くしないので勉強は無駄になりそう。ちなみに全然涼し気でした。きっとシルクの特性上寒くなったら暖かく感じるのでしょうねぇ。



New arrival,early90s French pure raw silk 5pocket pants.
寿司を食べたらステーキも食べたいようにスラックスと同じく惹かれるカジュアルの代名詞ファイヴポケットパンツをピュアロウシルクにて。希少な構築で実用的で格好良くて王道の要素性もあって快適、“これぞファッションデザイナーの仕事”の中でも最高位だと思います。
SURR 福留
03-5468-5966
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しかも英語が通じなくて建物の中に入ったら電波が無いような私の大好きな田舎町でバッグに一目惚れしたんです。





ロゴがどこにも無いものの、バックルやベルトループの裏側の小さな小さな留め具にまでしっかりと刻印を刻んだクラシック年代らしい“姿勢”が際立つなんとも可愛らしいバックパックは70年代のGucciクリエイション。いかんせん私はバックパックに明るくないのでしっくり加減が分かりませんし弊店でも数年御提案していない鞄スタイルなのですが、これは問答無用に完全に一目惚れ。巾着型の小動物的フォルム、背嚢だからこそのフラップないしバンドないしの独自設計、不可思議なピスタチオカラー、しっかりとエイジングが効いた上質なレザーテクスチャー、大型犬宜しくガンガンがつがつ日常を過ごしたくてたまらない、類似の無い存在感。これもまたGucci一族の美意識あってこそでしょうか。彼ら/彼女らなりの鞄におけるカジュアルとデイリーの在り方を静かかつ確かな贅沢で具現化すると、こうなると。

New arrival,70s Gucci leather backpack.
私はだいぶ以前に意識的に時間をかけて鞄を探してとある一つに着地しまして、その時にあぁこれで私の人生における鞄探しは終わった(と言うか終わらせることができた)と一安心したんです。そもそも鞄あまり好きじゃなくて持たなくて済むなら手ぶらと方が良いし、でも仕事する時はやはり手ぶらというわけにはいかなくて、でもいざ向き合ってみると価格面において天井が高いアイテムなので探すのも大変だし必要予算もシビアだしで面倒な存在だったので、ガツンと手に入れて終わらせようと思っていたんです。でも終わらせたと思って過ごしていたら他のバッグスタイルが欲しくなり、人間は欲深い生き物であり自分は愚か者であること、そしてそう簡単に終わらせることなどできないことを再確認しました。道具として必要ですしねぇ鞄。ことヴィンテージで出逢える品々は見事に格好良いですしねぇ。
モノグラムでもシェリーラインでもないフルレザーバッグ、こんなのがあるとは。フルレザーのバックパックって滅茶苦茶格好良いですよね。憧れです。しかしながらタフ&エレガントの調和はヴィンテージならではハイエンドの老舗ならではで、似たものや近しいムードと出逢えることはなさそうに思った一目惚れでした。
やっぱり現地及び本場はいつまでも強いし面白いなぁ。
SURR 福留
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New arrival,30-50s French eyewear,deadstock each.
数年前から私たちの叶う範疇で叶う限り御提案を続けよう区分となった(なってしまった)ヴィンテージアイウェア。中でもまず弊店にとって過酷な存在となったフランスのヴィンテージ眼鏡より6本の新作を御提案させて頂きます。年代は30-50年代に分布しておりまして全て弊店にとっては良い意味でベタであり,だからこそ永遠に惹かれるマニファクチュアな個体、そして未使用品です。
旅に行けない期間丸々御提案が叶わなかったので久方ぶりにコレクターさんの部屋に入った時は嬉しかったです。御仁は生粋のフレンチアイウェアカルチャー専門家で、なおかつかねてよりヴィンテージのみではなく現代の作家にも積極的なコレクターなので、改めて丁寧に製作されたリプロダクトなどじっくりと拝見したのですが、素敵でした。しかしながらまだまだ御仁の下にはヴィンテージアイウェアがしっかりとございますので弊店はヴィンテージのみとさせて頂きますね。
生粋の目が悪い属なので、呼吸するかのごとくヴィンテージアイウェアを楽しんできたのですが、前述より数年前から公私共に触れ合う機会が激減したので本当に刺激的でした。ベタな形状,ベタなヴィンテージアイウェア感に特に惹かれたのは久方ぶりの刺激あるあるでしょうか、いやぁ楽しかった。現地ではとある一本に特に私的に惹かれたのですが、帰国したら別の一本に変わりまして、これにまぁもろに異国あるあるですね。
そういえば自分用に新たな眼鏡を全く購入していないことに気付きました。大人数のスタメンではなく意識的に少数精鋭をじっくりと楽しんできたのですが、流石に増やしたくなりますねぇ。
SURR 福留
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