きたる三連休の御披露目に向けてDiary1039から三回連続で新作の御報告をさせて頂きますので、どうぞ宜しくお願い致します。
突然ですがこれは私のブーツです。更に言えばずっと履いているブーツで更に更に言えば買付の旅に行く時は必ず同行するブーツで、更に更に更に言えば手持ちで一番着脱に時間がかかる厄介なブーツです。
本当に本当にずっとずっと履いています。何度直したことか。私は手持ちのレザーシューズは全て猫可愛がりしておりませんで、鏡面磨きなどからだいぶ遠ざかっていまして、もちろん定期的にクリームを入れて補色もしますが、全て必要最低限の範疇です。おかげでこのブーツもだいぶこってりした風合いですが、自然に向き合って辿り着いた姿なのでもちろん気に入っています。スタート当初の一定期間は履く度に泣いていましたが、ある日を境に最も歩きやすく疲れにくい“バディ”となりましたので、前述の通り動き回り歩き回る買付の旅ではこれをメインにしています。と言うかその期間はちょっと出掛けるサンダル以外基本的にはこれしか履きません。ヨーロッパを文字通り踏破してきたブーツです。
でもマジで面倒くさいと言えば面倒くさいです編み上げブーツ。でもねでもね、本当に格好良いんですよね。そもそもスタイル面においてチート的である種反則級に格好良いブーツという足元の中でも、編み上げのタイトな足首と絶妙にドレッシーで絶妙にタフなは格別であると履く度に思います。なので(それこそ私的感情MAXに)積極的に御提案したい気持ちがあるにも関わらずなかなかどうして叶ってきませんでしたが(本当に全然出逢えないんですよ)、やっとです。約4年ぶり2度目の御披露目となります。
MYバディはジョンロブで、この度の御披露目も90年代のジョンロブ。言うまでもなく親愛なる敬愛なる最上級のレディーメイドシューズメーカーであり言うまでもなく最上級のドレスシューズでもありますが、そもそもにおいて創始者のジョン・ロブ氏は靴職人になるべく地元からロンドンに赴く際に自分で作ったブーツを履いて400キロもの道のりを歩いたことからも、根っこにこれらのヘヴィーデューティーでタフな世界観があることが分かります。400キロ。東京ー大阪の直線距離です。
あまりにも確かな要素性しかないジョンロブの編み上げブーツ。足型相性とサイズ適合がありますが御縁ございましたら是非この機会に着脱に時間がかかる厄介な存在ながら、それでも履かずにはいられない最良のバディとしていかがでしょうか。ちなみにサイズ表記はUK8。
Coming soon,90s John Lobb.
きたる19日。ヴァンプシューズと共に御披露目です。
そういえば前回の編み上げブーツの出逢いの際(2018年。この時はウェストンでした)にも今回と同じくMYバディと比較した写真を撮っていました。
進歩無し!
SURR 福留
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恐れ入りますがなってしまいました。例えば
レザーパンツ。これははっきり申しあげまして素直に申しあげましてCHIRICOディレクター鈴木からの影響です。これまでも幾度が御提案してきたレザーマテリアルのパンツは私にとって格好良い対象でしたがリアルな対象ではありませんで、そもそもにおいて私は着るアイテムの選択肢が少ないのでレザーパンツに限らずこの生業においても御提案・御推奨するとてそれがMYリアルか否かは様々はっきりと分け隔てられており、リアルだからこそ感情的に成ってしまいますし、リアルではないからこそ感情的に成ってしまっておりました。というかレザーパンツなんて選択肢も少ないし出逢いの機会も少ないですしね。
しかしながらCHIRICO鈴木と仕事をしていて時に彼がレザーパンツという存在を仄めかしてくれたおかげで今では私にとってもレザーパンツはリアル対象です。メッチャ格好良いぜ。肌がもう一枚被さる保護力ゆえでしょうか、この底知れぬ着用時の安心感は。
1991年カナディアンアーミー / ポケットの形状、設計、各所の機能装飾。相も変わらずのモード・ムードですね。幸運にも完全未着用品にて御提案させて頂きます。
2005年ドイツ警察 / ミリタリーでもなくワークウェアでもありませんが、特性上その両方を備えるポリスユニフォーム・ヴィンテージという世界。機能性と実用性への追及は尋常ではなく、かつ全てに注がれる高水準な美意識。アタッチド・フリースライニングに本体のライナーがゴアテックス、スナップボタンまでリフレクターですよ?異常なまでに高機能です。
そしてこちらも私的感情盛り盛り。
まぁそもそもにおいて全てを私が探し求め,選び,御提案しているのでどれのどこをどう切り取っても私的な感情が関わるのですが、こと私自身の生活や極めて限定的なスタイルにマッチする品となると特に私的感情が盛り込まれてしまいまして(まぁ単純に欲しいってやつですな!)、例えばこちらの1998AW PRADA Uomoニットジャケットは私にとって抜群にデイリーでリアルなスタイルでしたので、1月末の御披露目にてすぐに旅立ってしまったことやとても好きだったことを譲ってくれたコレクターとの雑談時に伝えたところ“実はこのモデルは一着自分用にプールしていた”と譲ってくれました。ラッキー。普段はコレクター本人が着ている品など声を掛けて譲ってもらうことはあるのですが、向こうからの案内は稀ですので、愛が伝わったと一人ガッツポーズでした。
平面というデザインコンセプトに伴うベルクローパーツやスリットポケット、開けて良し閉めて良しどっちでも良しでどっちも良し、ウール70×カシミア30で軽くてエレガントで自然体にタフな素材感、そもそも純ニットプロダクトでありながらテーラードジャケットの形状。私的感情大爆発で120点のファッションプロダクトでありラフスタイルプロダクトです。
以上。今週の新作群でございました。暖かかったりしっかり寒かったりな日々ですね。皆様引き続きしっかり御自愛御自衛なことと存じますが、何卒お気を付けくださいましね。
SURR 福留
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私はまだまだまだまだ経験不足で爆裂未熟者ですので、時に一度も見たことがないスタイルやデザインやそれらが組み合わさるバランスに出逢うことがありますが、言っても年に一回あれば良いくらいの頻度ですので、やはり出逢うと興奮しますし時に混乱します。私は共感欲求が高い(と自分で思っている)ので知っている味は伝えたいですしその味が好みであればあるほど強く御推奨したいと鼻息フンフンですが、知らない味はまず驚いてしまいますしそれが知らないけど好きな味だったらもう混乱の極地です。知らない味はどう伝えたら良いのか。
先日御披露目した2000年最初期のPRADA Sportsによるレザーハーフコートがまさしくそう。デザインとしてスタイルとして在りそうで絶妙に無い知らない味。試着しながら興奮して無意識に変な声が出ていたようでスタッフに怪訝な顔をされてしまいました。
ストイックなタイトフィッティング、部分的に微妙に“〇〇の〇〇”的な連想が出来るものの微妙に異なる機能装飾と美意識、絶妙に長い着丈による絶妙なスタイル個性。サイドポケットがもう最高で、いわゆるマフポケットとジップが一直線に繋がっており上下にスライダーが付いているのでそれぞれが開閉するのですが、中央位置にステッチを入れているので上下のスライダーがそれぞれ止まるという仕様によって(これ書いてて正確に伝わらないの自覚できます)アバラから裾までジッパーが走っているにも関わらず凹凸が極端に無いという美意識を実現しているのです。この凹凸に対する探求心はしいて言うのであれば鬼才キャロル・クリスチャン・ポエル氏が浮かびます
様式を総合的に鑑みるとバイカージャケットスタイルのレザーハーフコートなのですが、各所全てが知らない味。でも猛烈に好きな味。背中の裾になんかでっかいリベットが二つ付いてるし。しかもそこに暗号みたいなの書いているし。なんなの?と混乱した頭でこの爆裂な格好良さをどうやって皆様方に御推奨すべきかを一晩考えた挙句に辿り着いたのが“このレザージャケットはバブアーのヴィンテージピースで、ミウッチャが秘密裏にデザインしていたリミテッドモデルだ という方がしっくりくるVintage PRADA Sportsの一着です”という表現だったのですが、翌日かねてより本当にありがたい限りに御愛顧くださっている顧客様にこの御案内をさせて頂いた際に押し隠しきれない“は?”な顔をされてしまい、以降口にしていません。相当懇意にしてくださっているかつ大変に御優しいあの方であの顔なら、もう絶対にだめですよ。そもそも書いてて意味不明ですもん。辿り着いた時はこれだ!って思ったんだけどなぁ。
知らない味は貴重ですし興奮しますし楽しいですが、混乱しちゃあ駄目ですねぇ。そりゃ PRADA Uomo ではなく PRADA Sports ですからそれぞれスタートもゴールも異なりますが、それにしてもこの創意性は絶妙に異端的過ぎやしませんかねぇ。だって以下(今週末に御披露目します新作です)が2005年の PRADA Uomo なわけですよ、レザーテーラードジャケット。
まぁこれはこれで絶妙に個性的ですが。ここまで正統的なテーラードジャケットの構築でレザーも稀有ですから。しかしながらこの個性は興奮させてくれますし、テーラードジャケット好き(私は一番着易い上着の形です)ですがレザーは未だ出逢えていないので猛烈に欲しいですが、PRADAマニアの私は混乱はしません。濃密なミウッチャイズムを感じますから。
SURR 福留
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