愛と情熱 / Diary1215
19.4.2024

コーティングコットンは知っていたしミリタリープロダクトで持ち運びを目的としたパッカブルも知っていたしラグジュアリーカルチャーならではのトラベル概念も敬愛していたけど、それら全てを兼ね備えた上質な目線の良質なコンセプトプロダクトはまだ出逢ったことがなかったうえに同素材のハットというおまけ付きだなんて。“こんなんあるんだ“シリーズは大々々好きなのでその度に心が泡立つというかテンションが上がるというか興奮することが多いのですが、今回のそれは興奮の前に猛烈に関心し感動しました。

 

 

が、ここまでの特出した実用性への探究心も実現する職人技術力と感性も、そもそもにおいて湖と川に取り囲まれ多湿で雨が多い環境で育ち前職ではレインコートメーカーに勤務し、戦後に廃棄された飛行機の油を染み込ませたコットンから着想を得てコートやジャケットなどのレインプロダクト専門メーカーを設立した創始者のジュゼッペ・マレンツィさんの防水プロダクトに対する愛と情熱を鑑みれば、このような圧倒的に実用的で抜群の有用性を誇りながらそれだけに甘んじずファッションとしてスタイルとして上質で良質な一着を生み出した上でそれを旅先や出先でも着られるような持ち運び型にしようと思いつき、そのために裏地を完全に除去するという困難に立ち向かったうえでせっかくだから帽子もあったら便利なんじゃない?という類稀なる着地点に至ったのは必然だったのでしょう。

 

 

 

 

 

New arrival 80s Herno coating cotton travel rain coat & hat.

 

持ち運び可能でコンパクトにまとめられるレインコートやジャケットはきっと,いや絶対に現代のプロダクトとして存在しているでしょうし大好きな渋谷ハンズに行けばきっと何かしら見つかるだろうし、この板を使って検索すれば一瞬で答えが出るのでしょうしそもそもにおいて全盛感が日に日に高まるTECHカルチャーですからそれらにも近しいレインプロダクトはあるのだろうと思いますが、王道でクラッシックで十分過ぎるほどに美しいパターンと畳むのが勿体無いほどの立体感でボタンの色味とムードを本体生地と調和させたりベルトバックルを綺麗なレザーで包み込んだと思ったら表にロゴやネーム一切無い,一切無くて当たり前な美意識と概念を集約させた上質で良質なトラベルレインコートは滅多に出逢えないのでは。重ねて言いますが帽子付き、しかも眼鏡着用者にも配慮したひさし付きのハンチングハット型。素晴らし過ぎますって。

 

 

SURR 福留

服の形 / Diary1214
18.4.2024

大々々好きな“こんなんあるんだ“シリーズでありそもそもにおいて考えてみると“こんな服の形あるんだ“シリーズなこちらの新作は80年代バーバリーの本国クリエイション。いつの時代も特別な存在感を発揮してくれる同社のレザープロダクトで今回はディアスキンでしょうか、特出して柔らかく軽いテクスチャーにまた惚れ惚れしてしまいシャッターを切るのが楽しかったです。

ボンバージャケットというより今回はスポーツジャケット、まぁドライヴィングジャケットと言っても差し支えないけどやっぱりスポーツと称したいサッパリ感スッキリ感なのですが、

 

 

ジャージみたいなネックのリブがそのまま前立てに直結するのも独特だしベストを重ね着しているような構築も不可思議だしレイヤードがそのままポケット口になるのも癖だし、じゃあそのノリで上にマフポケットもあるのかと思ったらそれは無いし。スポーツジャケットと呼びたいシンプルでコンパクトな形状で前立てが細いリブになってベストレイヤードしてるみたいな構築のこのジャケットの形って、何?っていうシンプルかつ結構気になるのが今回の一着です。どっかの文化にある形なのでしょうか、なんかすごく独特なんですよねぇ。なんとなく和を感じるのは私だけでしょうか。

 

 

 

 

 

New arrival,80s Burberry leather design sports jacket.

 

でもね、ここでもやはり上質なクリエイションであることが効いてくれます。いや、独特さによって特に効果的に作用しているかもしれません。明らかなるレザーの美しさにクラシックだけどちょっと個性を感じる明るいカラーリング、王道感が際立つスタイルバランスとボリューム感、まず“良い服“であることが真っ直ぐ伝わるからこそ独特さが毒ではなくデザインという味として無理なく馴染みます。表記がありませんがフィッティングは48の身体でナチュラルフィット、今回もやはりゆったり感を高めることがプラスになるプロダクトバランスなので、様々なフィッティングとスタイル性への適合が叶うと思います。特に軽くて上質なレザー、こちらも超優秀超優良です。

 

 

SURR 福留

気楽な羽織り / Diary1213
17.4.2024

造形美と色彩感覚、この類稀過ぎる二つ感性はやはり後のBerlutiに吸収された新体制では受け継ぎ切ることはできなかったのでしょうか。会社も時代も文化も違うので仕方ないと言えば仕方ないのでしょうが唯一無二の文化力が失われてしまったと思うとANRYSが消える当時に“買収なんかさせずに国が守るべきだった“と悲しみつつ怒っていたパリの友人の姿を思い出します。

 

 

造形美も好きだけど私は色彩感覚が一番好きな要素かな。創始者の奥さんが日本人だったから着物からの影響も大きかったという点も含めてシックなトーンもヴィヴィッドなトーンもペールなトーンも単体はもちろん組み合わせの感性が本当に唯一で無二、スタンダードでシンプルに組み合わせるのが好き(と言うかそれしかできない)身としては一着が放つ妖艶さだったり癖者感だったり明快に美しいオーラは本当に楽しいです。

 

 

これはテーラードジャケットのプロダクトバランスなのですが、物としてはハーフコート。しかもフォレスティエールのように室内で着たままでも支障がないカバーオール的概念と構築と設計かつフォレスティエールのように着る人を選ぶ(万人向けではないからこそハマると強い)シルエットバランスではなくスタンダードで王道的スタイリッシュさを秘めたテーラーメイド。

 

 

気軽に羽織れて気楽に過ごせてスタンダードに綺麗なスタイル性でリネンコットンの清涼感溢れるテクスチャーで優しさの中にしっかりと色の個が光るという控えめに言って相当に優秀な一着。この楽チン感なんかANRYSを当時楽しんでいた人々の全体的な世界観をまんま現していて、やっぱりそうですよねと合点がいく感じも大好きです。

 

 

 

 

 

New arrival,90s ARNYS linen cotton half coat.

 

もう一度言いますがテーラードジャケットではなくハーフコート、しかも室内で着ていても不自然じゃない気楽な羽織りです。それこそ当時楽しんでいた人々はほとんどがシャツでタイドアップでドレス系のトラウザーなのかな、革靴なのかな、ポケットチーフなのかな。もちろん言うまでもなく抜群な世界観だけど私は絶賛カジュアル勉強中とあってファイヴポケットパンツやジーンズが特に気分なのでARNYSの世界観と言えど今のカジュアルで合わせたいのですが、当時の人々からしたら眉をひそめる着方なのでしょうか、まぁいいけど。それこそ13年ぶりにスポーツスニーカーに惚れることができてよりカジュアルテンションが上がっているんですから!出張のたびに実用品として必要性をしとどに感じ幾度となくアレ買おうかとかコレで良いかとか思いあぐねていたんですが、適当に買わなくて本当に良かった。まだヴィンテージジーンズと合わせる勇気はないけどこれからの気分に合わせて色々と楽しみたい。もちろんARNYSともね。

 

 

SURR 福留

1 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 434
Copyright © SURR All Rights Reserved