
移ろいゆく時節に応じて定期的に発表しております弊社表現。昨今における考え方によっては “ 古き方法 ” とされるかもしれませんが、弊社にとって紙に載せる表現は “ 良き方法 ” と捉えておりまして、2018AW 期も遅ればせながら完成致しましたので本日からお届けさせて頂いている方もおられることと想います。なお、仕上がり形状の都合により、御人によってはポスト投函不可が想定されます。その場合は手にして頂くまで御手数を頂戴せざる得ないかと想いますが、御容赦頂けましたら幸いです。
従来であれば先月の半ば頃にお届け出来たらと想ったのですが最善を精査しましたところ今と相成りましたので、結果的に私の心情と致しましては 2018AW お披露目を 2 度おこなえるようで、なんだか得した心持ち。
つきましては 9/15 ( 土 ) に 2018AW 期弊社表現 “ Slow Motion ” の掲載新作を一挙に御披露目致します。これまた最善を精査した結果、全てが既に御披露目致しました品と同じく極めて濃厚な布陣となっておりますので、御都合叶われる暁には御期待お寄せ頂けましたら幸いに想います。

SURR by LAILA “ Slow Motion ” LOOKBOOK Collection
9/15 ~
SURR by LAILA 福留
03-5468-5966
[email protected]

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弊店の空間に並ぶお洋服の、主に設計を手掛ける、つまりは製作者=デザイナーに対する憶いというのはおおかた、1着を通じて理解し、好意を寄せ、精神的レヴェルにおいての 敬意 が生じるものですが、国や時系列を飛び出しても尚、総括製作者の意図や考えや願いというものが、まるで紙に書いて記されているように、其の1着を通じて受理することが叶う此のシステム、プレタポルテというのは物事の程度に見当がつけられないナニカのように、あるいはとてつもなく美しいConfection(仏訳)と憶います。僭越ながらわたくしには、心の内に神のように崇める方はおりませんで、精神的支柱の如くスピリチュアルフィールドに内在する特定者もおりませんで、常時熱視を注ぐデザイナー様も居りませんで、販売業を生業としながらなんともつまらなく寂しい人生なわけでして、前述の通り、1着より感動を憶える実例が数多く、その刹那、確かに特定者への圧倒的敬意が発生致しますが、同社同氏の作品すべてを素晴らしいと讃える程の圧倒的敬意、では御座いませんで、感動を憶えるはあくまで其の1着なわけであります。

そのように敬意や好意やらを遥かに凌駕する感動、を憶える程の訴求力に近い熱量をもつ其々は、わたくしがそう感じるのみであって皆様其々違う種類の感情を抱くことと存じまして、ミッソーニの良き一例とも存じますが、そんな蟠りをも越える程の熱量を感ずるは、正真正銘どころの 感動 であろうと自身で自身の背中を押す始末。わたくしの中ではそれほど感情が動かされる基準点なるものは、何一つとしてなく、共通点も見出せず、そこをアグレッシブルに追求していけば自ずと視えてくるナニカが有るのでしょうが、敢えてと謂いますか、フラットな平常心を意識的に保ち続けているもんで、結局何も視えてこないというのが常。
ただひとつ、ただひとつだけ強いて申し上げますと、ただひとりの人物については奇妙にもゆっくりと心惹かれる静謐な情調、のようなものが御座いまして、常時厳しく精察してしまう癖然り、特にそう、メゾンにおいては「美しくて当然」が基準であり、さぁその基準をどこまで超えてくるものかとフィジカルな期待を寄せて眺めるなんとも偉そうな無礼者で御座いまして、ただひとつ、ただひとりの人物がつくる其の衣服だけは、弊店設立より約4年の間エントリーさせて頂いた9点の作品も同様、一貫として、こゝろ動かされる事実を横に、ほとばしる熱量を必死で抑えながら、いとも簡単に「美しくて当然」を超えて良いものであろうかと憶う事実も横に、マイクローゼットへ迎え入れて仕舞いたい人間らしい欲望を多重設計の蓋に押し込み、途轍は当然のように無く、あるいは紙に書いて記されているようなメッセジを受け取ることも困難で、無垢な少年性とフレンチ・シックな服の在り方は理解し、あとのすべては体感のみで承知し、わたくしの中では異例であり、不規則的であり、変則的であり、極めて特例的ポジションを陣取るわけであります。 Jean Paul Gaultierという人物と、同氏が設計する作品というのは。


この度、ご用意をさせて頂きました個体は、製作年代で謂いますと同社紳士服レーヴェル始動から3年後の着手、そしてオートクチュールコレクション直前の其々で御座いまして、いずれも異彩と圧倒性を見事に放つ、10着目と11着目の極品で御座います。
何卒、御賢察の程を。





Newarrival 1987s Jean Paul Gaultier sport blouson







Newarrival 1996s Jean Paul Gaultier short jacket
SURR by LAILA 小林
03-5468-5966
[email protected]

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私は Gianni Versace や Best Company や Ermenegildo Zegna と同じく、佇まいや風情における “ イタリアの風 ” の要因を担った一つとして C.P.Company を捉えています。それぞれ異なる初期衝動や運営意図であったかと想いますが、その根底に流れる素材への尊敬心や機能美への探求心が共通していると美しき作品群を目にすると, 手にすると強く強く感じるからです。設立者マッシモ・オスティが居た時代と居なくなってからの時代を分けることはもちろんですが、それ以上に現代の品との違いとして直感的に感じるヴィンテージ・ピースそれぞれが目指していた ( であろうと想像させてくれる ) 豊かな出で立ちや、よりクラシックを基軸とした知的な構築などに類似のない個性を感じ御提案してまいりましたが、この度の御紹介はそれらの感情を全て一蹴する、ある意味一着の服としての力でねじ伏せるほどに圧倒的な、私にとって問題作とも言える一品です。
オスティ氏が個人収集していたミリタリーピースがクリエイションの根幹となっている背景と、同社において重要な研究課題であった素材によるコントラストを単純明快に表現し、かつ現代に至るまで象徴的なモデルと相成った当モデルは、元々 1988 年に同社が主催したモーターサイクルレースのために設計されました。極めて特殊な防具から着想を得て生み出された、衣類としてのみならず根本的な機能装飾の観点でも明らかなる異物と捉えられてしかるべきなパーツは、しかしながら着用において不要かと言えばそうではなく、日常において一切活用されないかと言えばその逆であろう、誕生からちょうど 30 年たった今においても独創的であり独善的でもありながら現実的な、C.P.Company の哲学と存在価値をそのまま具現化したかのような要素です。



世界中に収集家と専門書が存在する同社において、前述の通り現代においても象徴とされている当モデルですが、私にとってそれらの要素が野暮に感じるほど純粋に格好良いと想わせてくれる, その点において一着の服として全ての理由と背景を一蹴するほどの力を持っていると素直に感じることの出来る稀有な一着。同モデルもしくは当要素を用いたモデルは現代においても目にすることが出来ますが、私はより永く相棒として愛でたいと想う判断において、素朴とも言える初期の研究素材表情と初期時代ならではのクラシックを基軸とした不変性に軍配が挙がります。


1990s C.P.Company goggle jacket
SURR by LAILA 福留
03-5468-5966
[email protected]


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