New arrival, early00s Dries Van Noten red selvedge indigo jeans, limited piece
ニューノーマルという言葉が飛び交っている今日ですが、ワードを拾い上げるとどうも恥ずかしくなるのはわたくしの悪い性格。当然、ノーマルに愛せよとも申し上げませんし少しばかりエゴを置かせて頂けるならば、某米国王者の正統的レッグラインを知る者にこそ、アントワープ鬼才の此の仕事というのを慎重に御潜考頂きたく存じます。昨年末のエントリーより心を奪われている同社製ジーンズ、今シーズンも引き続き。
New arrival, early00s Dries Van Noten double-breasted cotton trench coat
天然木綿による組成、美しき塩色。
論を待たず、素晴らしい外套で御座います。
90s J.M WESTON full-brogue shoes
メゾンが美しさの先を見出そうとする世界と同義、こと、レザーシューズではブローグによる意思表示。なにを以て履物を選択するかは自由で御座いますが、ハウスの美的結晶,ブローグの敷居の上では、ラストのフィッティングやらナンバリングやらトゥのフォルムやら巷に充満している各情報より先行する視覚的、圧倒的な “ 美しさ ” 。何故、このブローグが美しいかを外枠から中核まで深く理解し、とにかく履く。その習慣的痕跡を、“ 履き皺 ” として保存させていくプロセス。粋ではありませんか。
New arrival, 90s-early00s Dries Van Noten pure cotton shirts
釦の大きさ、カラーのフォルム、裁断、運針間隔、整えられたフィッティングバランス、ダーツの位置。
おそらくは、ちょっとしたことなのでしょう。良きシャツで御座います。
New arrival, early00s Dries Van Noten military basis, superior cotton shirt jacket
ミリタリーへの深い愛執というのを感取できる作品は、90年代から現在まで一貫された同氏の中軸的表現スタイルであるように思います。プレタの世界で其の深い愛執というのを注ぐに注いだ痕跡を垣間みれる瞬間たるや、あるいはより厳しい視線をより細かいところまで落とす試みも、必然に。ファッションを愛する慎重な男たちを虜にし続けるその振り幅の自由度と厳格な制限性との均衡。本作もまた。
SURR by LAILA 小林
03-5468-5966
[email protected]
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美しい四季があるこの島国において、季節を感取するタイミング/モノ/コトというのは皆様其々と存じます。弊店においては、それはおおかた植物で御座いまして、4面の窓から覗くバージニアクリーパーの移り変わりこそ、四季を感取するタイミングと、常日頃,通年を通して愉しませて頂いておりました。それは私どものみならず、道往く人々も同様に、時折写真に収めていく方も多く見受けられます。2階の窓からそんな姿を目撃しますと美しさの共有とまで大袈裟に申し上げませんが、少しばかり嬉しく思うのも正直なところ。春には花を,ときに果実を実らせ、小鳥やイタチの親子(おそらく)が様子を伺いに集まる。梅雨の雨と夏の日差しを浴びて緑力しく生い茂り、秋には焦げた褐色を帯びる。厳しい冬の寒さでは生命まで凍らせないように力強くツルが絡み合う。それらは「情景」として見事に成立する四季の凝縮で御座いました。
バージニアクリーパーが永くに渡り保存されてきた向かいの建造物を含む、一定域の区間が撮り壊され、新たな商業施設(聞くところによると)が建築されるようであります。7月初旬よりその工事作業が開始されるようでありまして、まもなく、着工されるとの事。わざわざここで綴らせて頂く内容では御座いませんが、4面窓からの景色というのが大きく変化することは、それらを心から愉しみ、あるいは心の栄養を頂いていた私からしますとワールドカップで開催国ロシアがスペインに勝利した歴史的トピックスよりも大きく、米朝国際進捗より気にかかる内容で御座いました。誠に勝手ながら。
正直申し上げまして、哀しいの一言に尽きます。それは隠す感情でもありませんし、カレー屋で愛すべきパートナーに突如別れを告げられるように隠せる種類の悲しみでもない、率直な感情で御座います。しかしながら、難しいことはなにも分かりませんが、街の移り変わり、発展、あるいは其々における「成長」という概念性においては、北青山3丁目にとって必要な成り行きやもしれませんし、より良く、成る、ことを切に祈ろうと、夕暮れ時、初夏の此の頃にまた眺めているわけであります。
上述の通り、わざわざここで綴らせて頂く内容では御座いませんが、弊店にとって此のバージニアクリーパーは視覚的魅力、それ以上に、なにかもっと深く、熱く、おおきな存在で御座いました。我々が、1点物という特性が強いヴィンテージピース、メゾンの大作、100年前のリアルクロース、名も無き傑作達を、想いを込めてシャッターを切るのと同じように、そして文章と写真各カットを保存していく作業と同じように、誠に僭越ながら本文を迎えております。そうはいってもアンチテーゼのように何かを申し上げたいのでは当然なく、わたくしと同じようにこの窓から覗く景色を気に入って下さるお客様へ勝手ながらご報告とさせて頂いております。何が建つのでしょうね、と期待を寄せながら。また弊店では椅子もご用意致しておりますので、緑ある内、ときに避暑地代わりに、ゆっくりと御過ごしを頂けましたら。引き続き、皆様のご来店を心よりお待ち申し上げております。
2018/7/2 17:40
SURR by LAILA 小林
03-5468-5966
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我々が “ アントワープ・シックス ” に成ったのは、皆が共通して衣類の歴史や伝統を重んじると共に独自の野心と創造力を持っていたから この言葉をまさに現わすピースが、この度お披露目した Dries Van Noten の新作群には幾つもございます。
これまで Dries Van Noten は 90 年代のみを御提案してまいりましたが、 ( 人知れず告知無く ) SURR にとっての焦点年代を改訂させて頂きました今期より 00 年代の初期も我々の区分とさせて頂きましたことで一層に色濃く映ることとなってくれた、氏なりの衣類の歴史や伝統を重んじる姿勢と独自の野心と創造力によるコントラスト。
海上という時に過酷な環境で従事する人々のための強固なダブルブレストとラペルサイズという着飾ることを目的としなかった設計に、鮮やかながら品位に溢れるイエローを朴訥とした上質な綿で構築する選択感性と、レイヤードを模した目が覚めるようなホワイトカフスの独創性。 French military pea coat ≠ Dries Van Noten
過酷な環境において身体を包む, 守るという純真無垢な目的によっての設計を限りなく忠実に受け継ぎ、その時代だからこその素材選別によって実現した似て非なる男性像。何より何よりその素材に対する探求心あってこその何にも代え難い和名:茄子紺, 英名:Eggplant という名の極上繊細色の静かに強大な存在感。 French military M64 coat ≠ Dries Van Noten
想像と創造が叶う環境で育ち豊かな環境に身を置いていたからこそ、何より外的要因と内的要因に豊かな心を育てたからこそ成しえる着地点。今なお美しい氏の表現が、なぜ今なお美しいかを証明する品々です。
SURR by LAILA 福留
03-5468-5966
[email protected]
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