かねてより弊店で御提案致しておりますレーベル “ KARIM HADJAB ” ならびに、今期より LAILA TOKIO での御提案が始まりました新レーベル “ APRÉS ” を手掛けるアーティスト, カリーム・アジャブ氏のインタビューが Them MAGAZINE 様にて公開されましたこと、ご報告させて頂きます。
【インタビュー】Karim Hadjab as《APRÉS》
先日 LAILA TOKIO 1F にて開催された新レーベル “ APRÉS ” の御披露目インスタレーションにて実現しましたこちらのページを拝見しまして私は、出来るだけ沢山の方々に御一読頂きたいという想いが素直に強く溢れました。氏から発される特殊な言葉と表現をこうも素敵な形で綴ってくださったライターの Ko Ueoka 様、氏のそれらを日本語に変換するにあたって大変に御尽力くださった通訳の Shoko Yamashita 様、当企画に携わってくださった全ての皆様に心より御礼を申し上げます。本当にありがとうございました。
今回の来日において氏と沢山の時間を共有し様々な貴重な感情を抱いたことによって、KARIM HADJAB という存在は一層難解になりました。しかしながらそれは私にとって極めて良い感情です。なぜなら、彼から得た感情を皆様に伝えきれない, どれほど尽くしても言葉で表現できないというこれまでに感じていた “ もどかしさ ” は、KARIM HADJAB という存在を手掛けるカリーム・アジャブという人間が、これまでの約半世紀を真摯に生きてきた軌跡あってこそ ということに気付けたからです。引き続き弊店にとって、小林にとって、私にとって KARIM HADJAB という存在は, カリーム・アジャブという人物は難解であり続けると想いますが、引き続き氏をより沢山の人々に知って頂きたいという初期衝動と共に御提案を続けさせて頂けましたら幸いです。
SURR by LAILA 福留
03-5468-5966
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わたくし自身、この素材がどのような特性を持ち、どのような働きを魅せ、どのように時間と共存していくか、いささか勉強不足なものでざっくりとした輪郭や未来の実相を描けぬまま、あるいは到達点というものがあるならば、そこまでの直線ルートは愚か、アウトラインさえ引くこともできない、まるで留意の散在であります。勉強不足というより、経験不足という表現がおおかた正しいのかもしれません。どのような性質を保ち、どのような種類の皺を刻み、どのように呼吸をするものか、着用し、生活を共にしなければ存在そのものの本質は決して視えてこないという種類の経験不足。圧倒的に足りないのです。ピッグスキンという極上特異点。
それがピッグスキンの防具を纏った3rd typeの正統的実体だとしましたら尚更。歴史的所産の再解釈というひとつの行いは「素材」ひとつでここまで変則的に深化するものかと感興を抱くと同時に、茫然自失な心境もまた正直でありまして、ピッグスキンで3rdを構築するなんて一体どこの変質者が試みたのかと思うわけであります。仏の80年代後期、革を極専門的に操るひとつのマニアックネームが仕掛けたという事実を知るまでは。
そしてミラノコレクション某社の絶大な色気を保存させる方式とはまるで異なるように、ファッショナブルかつ美的感覚を淀みなく与え、固有の空気を保存させた見事なまでの空間演出、求心力のある大きさこそ極めて特異的であると認めるに充分な要素であり、同社の作品であれなかれ、次はないと完結的な姿勢すら感じる、やはり猛烈に特異的な存在であるように思います。鉛筆で線を引いたように荒々しくも的確な縫製、行き過ぎてしまった運針やら構築的要素やら、もしくは創業初期頃の年代であることから同社が発信する名作(を生むための)プロトタイプであろう印象も拭えず。
というわけで、可愛くてたまらないのです。
late80s France Chevignon pigskin leather jacket 3rd style
SURR by LAILA 小林
03-5468-5966
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デニムジャケットの教科書をつくりあげた米国某社の功績というのは言わずもがな計り知れぬほど偉大なものでありますが、その正統的実態の素晴らしき一例をたとえばレザーで構築するアプローチというのはそう少なくはないプロットで御座いましょう。それすらも、米国某社の功績に既に含まれているように、あるいは既視感すら存在する部門のように思えます。3rd typeのレザージャケットというのは。
とまぁ、そのような安易な思案を根本から取り除き、大いに反省し、腰を折らなければならない羽目になった突然の邂逅。許されるならば完璧なる感覚更新というのが実際的に行われたとポジティブに向き合いたいもの。だってそうでしょう、先ずはディアスキンだなんて反則じゃないですか。天然鹿革というのはどれほど神経質に考慮を払ったとしてもそれはもう見事な資質に溢れた自然所産であるのでしょうが、厳しい自然環境を懸命に生きたであろう痕跡を証跡として視認できる傷、瑕疵、仰々しい限りの各所変調、後、初代オーナー様が生活に付き添わせた形跡やら事蹟。それらを大いなる魅力として認めることができる限りなく深い許容メモリ。軽さと力強さの共存。自然淘汰の顕示。
そしてミラノコレクション某社の術である絶大な色気が保存された正統的実態など、いまとなっては正統性などといって包容することも叶わず、むしろ超特異的、超変則的、猛烈にイレギュラーな実態と認めたほうが気は楽なもので、上質なイタリア産ディアスキンのコクのあるい表情、追求を重ねメインレーヴェルでもマストパーツとして採用された釦、さらに力釦で丁寧に縫い付け、着脱を考慮した袖の裏地やら、マニアックショップで佇むノーネームの其れであるような面持ちをステッチの幅感と運針技術で荒々しく表現した綿密さやら、ここまでは副次的ラインとはいえ素直にも深く感慨に打たれるものですが、しかしまぁ、何かの決意の表れのように採択された潔が良すぎるショートスタイル、に、対する、アームレンジの長さというふたつの均衡が、全体を統括し、実践的に支配し、正統的実態であるはずの歴史的所産が禍々しいほどの色気を纏ってフィールドバックされた80年代初頭の同社手仕事というのは。
それはもう、
絶望的に見事な。
early80s Emporio Armani deer skin jacket, 3rd style
SURR by LAILA 小林
03-5468-5966
[email protected]
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