もう一月も終わりますね。
中途半端なこの季節に春物とまでは言いませんが、
軽いけど重厚感があり、軽量だけど暖かいをキーワードにイタリアンクリエイションから 3 点今週の
New arrivals で御座います。
80s Ermenegildo Zegna silk & wool & cashmere tailored jacket
シルク × ウール × カシミア。” 最高の素材こそが最高のデザインを引き出す ” と言う同社の信念が伺えます。混紡と色彩のバランス。結果、生地の迫力と奥行のあるホームスパンの様の独特なマテリアル。イタリアの仕立てにしてはショルダーラインの強調性を感じさせますが。羽織ると落ち着きの良い絶妙なテーラーメイド。また、シルクの分量が半数を占めている為、是非とも通年付き合って頂きたい素材感です。
80s C.P.Company padded hoodie short jacket
80年代に製作されたジャパン・リミテッドモデル。シャリの有る和紙の様な表面にインナーはキルティングライナーを採用した変態性。これぞ軽 × 重。フロントボタンの上に更に比翼仕立ての前立てとスナップボタンが配置されたミリタリーの要素とマテリアルのクリーンな乳白色による既視感の無さ。モードって言葉に嫌悪感のある私ですが、Massiomo Osti 氏のクリエイションはとてもモードだと思います。
90s Loro Piana Superfine wool bal collar coat
カシミアかと思いきや、この色味、艶、軽さでウール 100 %。同社開発の Superfine wool 地にミニマムでイタリアンメイドの手仕事による縫製。カシミアも勿論良いですが、生地の強さやそこまでデリケートに扱わずガシガシっとご利用頂けると個人的にご推奨させて頂きます。ナチュラルでタイムレス、生地メーカーによるマテリアルに対する妥協の無さと同社の素材には妙に色気を感じます。一家に一着ですね。
明日 1 月 30 日 ( 土 ) 12 : 00 より上記新作をお披露目させて頂きます。通信販売も承ります、お気軽にお問い合わせ下さいませ。
SURR by LAILA 鈴木
03-5468-5966
[email protected]
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高水準なエレガントモードを得意としていたブランドにアンダーグラウンドモードの人間が加わることで、元々ブランドが所有していた職人技術力や開発力に新たな視点や閃きが産まれ、足し算ではなく掛け算的に圧倒的な世界観が完成する というプロセスは服飾史において過去に幾度かありますが ( 今本当にどうなのだろうと私は想いますが ) 、本品の成り立ちもまさにそれであると感じます。
エレガントテーラーメイキング・ミーツ・スポーツ。肌はドレッシーですが筋肉はカジュアルで、骨はダンディですが心臓はベーシックな一着。ドレッシーも強いですしカジュアルも強いですし、ダンディも強いですしベーシックもそれこそ強いので、つまりは本品は相当に強敵なハーフコートということ。
90s Hermes wool carcoat.
早くも若干の春の気配を鼻の奥に感じて頂ける一着かもしれません。本日御披露目です。
SURR by LAILA 福留
03-5468-5966
[email protected]
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昨年から続いている、とにもかくにも ナチュラルが良い, カジュアルが良い, ( マイ・ ) ベーシックが良い という気持ち。それは着心地の良し悪しに関わらず、感覚的には一層気取りたくないというか作為性が不要というか、自分の性格に合致する機能性が必要というか。それは片手に時計+片手にブレスレット一つというのすら “ 多め ” に感じられ、どちらかしか付けないという一時期があったほどで、今はまた両方付けられる心持ちに戻りましたが、その期間は久しぶりにどちらかの手首が軽やかな日々でした。
それには間違いなく自分の内面が関わるのですが、その一層に化粧をしたくない気持ちや飾りたくない気持ちによって秋や冬の装いがまた新鮮でして、十年くらい?毎年被っているビーニーがより自分に似合うような気分であったり, 昨年沢山着たコートを着なかったり, 七年くらい?お休みしていたジャケットが活躍したりと例年以上にレギュラーの入れ替わりが激しくて激しくて楽しいです。引き続き皆様方におきましても、例え登場の機会が減ったとて意図がしっかりしている品、上質な品は適宜保管しておいて頂きたく思います。
一個人的な心持ちとしては、端的に言うと一層カジュアルに回帰している, 立ち返っているのですが、変わらぬことも一部ありまして、スニーカーは一足新調したのですがまだ履いていません。近所の公園に散歩した時だけだったと思います。表参道近辺には文字通り足が向いておりませんで、まだまだ時間がかかりそうです。
あとは引き続きイノセントとレザーグッズは真の愛用品。靴はもちろん、可能な限り持ちたくない鞄をしぶしぶ持たなければいけないのであれば、やはりレザーが素敵な気持ちは変わりません。そういえば今後は一層身の回りの品々が小型化するんですよね?パソコンを使わなくても仕事できたりと、様々がスマートフォンで解決する傾向には多角的な捉え方がありますが、便利になることは引き続き良いことであると私は思います。まぁ引き続きカメラを肩から下げて行動していたりとスマートフォンで解決しようと意図的にさせないことは幾つかありますが。
可能な限り持ちたくない鞄ですから、その判断基準は厳しく設けるべきかと存じます。本当に鞄選びは大変ですし極論嫌ですし、予算面に特に豊富なスタミナが求められることもありますから、幾つも買うよりは要素に応じて絞り込みたいところで、言ってしまえば “ これを買ったら終了 ” と最初で最後の逸品に出逢えたらベストなのですが、そう簡単にはいきませんね。気持ちは, 内面は, 自身の環境は変わりますし、弁護士から登山家への転身も可能性ゼロではないので。
私は前述感覚で長期間悩んだ挙句にショルダーバッグを選択し、ほぼ毎日楽しく愛用していますが、強く思いました。パッと持てるハンドルバッグは、とても便利だなぁ と。
1950年代の後期頃に一人の医者が Hermes に依頼して製作した個人発注によるドクターバッグ。様々なファッションデザイナーのリソースとなり “ ドクターバッグ ” という言葉そのものがモデル名感覚で扱われますが、それらとは全く異なる形状であるのはやはり一個人が求める有用性があったからこそ。 機動力が有しながら内容物の安全性が保たれる特殊なハンドル設計と開閉設計、消毒用などの液体を精密に収納できる内部構築。人の命を救うという生業ゆえ、そこで用いる鞄に求められる “ ものごと ” の真剣味は尋常ならざるものであったことと存じます。
Hermes でオーダーしたら格好良いという気取りでも着飾りでも見栄でもなく、求める機能や安全や実用の水準をクリアできるのが Hermes だったからこその成り立ちによって産まれた本品。貴重な男性向けの Vintage Hermes bag でなおかつ約七十年前という希少性を踏まえたうえで、欲を言うならば単純に格好良く有用性の高い一つレザーグッズとして、まず向き合って頂けたら幸いです。
1950s Hermes, personal order Doctor bag.
いいなぁ、このサイズのハンドルバッグ。結果的に突っ切って突っ走っているので、逆にどうとでも成れるであろうと踏んでいます。
SURR by LAILA 福留
03-5468-5966
[email protected]
P.S. 遅くなりましたが本年もどうぞ宜しくお願い致します。
引き続き様々思わざる得ない御方が多いことと存じますが、仮に様々思うことが後ろ向きな気分にさせたとしたら、その反対側には前向きになれる様々が在ると私は勝手ながら思っておりますので、皆様が 2021 年を振り返った時になんだかんだ良い年だったなぁと独り言ちて頂けるような一年に成ると、これまた勝手ながら確信しております。どうぞ引き続き御自衛・御自愛くださいませ。そして御近くにいらして御時間ございましたら、お気軽にお立ち寄りください。弊店はいつでもお待ち申し上げております。
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