Rive Gauche / Diary1329
28.8.2025

 

Yves Saint Laurent”Rive Gauche”by Hedi Slimane

このRive Gaucheとは、オートクチュール(高級仕立服)が中心だった時代にもっと多くの人々に、モードを自由に楽しんで欲しいって思いから誕生した、プレタポルテ(既製服)のラインです。私自身の認識としては、モード=高級という定着を、都会的で自分らしく表現できるファッションへと大きく変えた存在です。すごくざっくりとした説明になったんですが、これだけでも当時のファッション業界に大きな影響を与えた事実が、分かるかと思います。今回ご紹介するこの花柄こそが、今のSaint Laurentまで脈々と受け継がれてきたシンボルの一つだと考えます。花柄=フェミニンという概念を壊して、男性が花柄を纏う、イメージに縛られない自由なスタイルを定着させました。そこに、エディの、後のディオールオムに繋がる礎を築いた、ロックカルチャー、シャープなシルエットは、既存のメンズスタイルを更に大きく変えたと思います。

 

 

直線的ではなく、緩やかな弧を描くラウンドカットが施されており、動きに合わせて自然に揺れる為、花柄の軽やかさとの相性がよく、タックインすればすっきりと収まり、アウトで着用すれば裾のカーブが軽快さを与え、だらしなく見えず、上品さを保ちつつ、日常にも寄り添っている設計です。

 

 

サイズ表記は大きめで、過度にタイトでもルーズでもなく、程よいゆとりと直線的な落ち感で、細身の私がややゆったりと着ても、あるいは標準体型の方が自然なフイット感で着ても、良いサイズバランスだと思います。ケミカルウォッシュされた細身のリーバイスに合わせたんですが、シャツの落ち感を意識したIライン、このバランス感は最高に気分です。白のブーツとか合わせたいですし、振り切ってロングのスカートを履いても問題なくフィットすると思います。薄手の生地ですので、今時期でも活躍しますし、秋口は様々なスタイルにインナーとしてお使いください。

 

 

ちょっと気分を変えたい方に。

 

 

 

SURR 古川

セットアップ / Diary1328
22.8.2025

やっとこさ処暑の季節だっていうのにこれまた暑い日々が続いておりますねぇ、でも今週もしっかりとしたAWを織り交ぜた新作群です。書くってのはやっぱり重要なメソッドですねもはや気分はすっかりと秋でして、毎日何かしらの羽織が欠かせませんよ私は。暑い時間帯もあるけどインナーやらで調整、ここでも全身ゲージ100ロジック(ジャケットが涼しさマイナス10だからインナーは特に軽量な涼しさ60、パンツも薄手で涼しさ50、靴下も穿かないから涼しさ10みたいな)を採用しています。サマーニットも引き続き活躍中、“さぁ、もはや汗かきたまえ。私が思い切り吸ってあげるから。そして思い切り洗濯したまえ”の気概、やっぱり良いじゃないか。

 

 

セットアップはセットアップでもスーツに非ず。そんなプロダクトが昔からやたらめったら好き、好きというかやたらめったらツボ。スウェットセットアップなんて最高ですよ、過去に二度しか御提案したことないけどあれらも本当に最高だったなぁ…あとアディダスセットアップも一度だけありました、覚えているよ。ジャン・シャルル・ド・カステルバジャックの圧倒的なモード哲学とイタリア老舗スポーツメーカーであるエレッセのド直球ド真面目な協業、昨今においてファッションとスポーツのコンビネーションは当たり前というかなんなら旬な感が(きっと)強いですが、この頃はその芽生えというかなんなら先駆けと言うか平たく言って相当に早かったのではないでしょうか。事実デザインの概念がありながらも軸足は思い切りスポーツでしてその点がやはり良い意味で近年と違う、動きやすさを重視したコンパクトな着丈も短めの袖丈もまさに時代性を反映させた“ガチ”のスポーツ。でもイエロー楽し過ぎるイエロー、素晴らしい。

 

 

これはセットアップではないのですがセットアップの感覚にて(なので上下別々でお求め頂けます)、SURR今季初のピュアカシミアはこれらにて封切りです。鳴々親愛過ぎるブルネロ・クチネリのニットプロダクトよ今年も私を思い切り楽しませておくれ。現代ではなかなかどうして出逢えないアメリカン・カルチャーの影響を特に色濃く反映させた丸いボンバーシルエットのデザインスタイル性、ライトな内モンゴル産カシミアの素材表情と街中で見かけない絶妙な芥子色が最高。初っ端から優勝セーター。

そしてこれよこれ、ピュアカシミアジョガーパンツやっとこさ出逢うことができました。おそらく私は数年前から店頭にてカシミア愛に加えてカシミアパンツの尊さを幾人もの御客様方にお伝えしている はず、だってだって大好きなんだものカシミアのパンツ、でも本当に本当に全くもって出逢えないんです各メーカーないしニットプロダクトに強いブランドにおいても“ピュア”カシミアパンツは必ずしも用意してくれているプロダクトではありませんから、新旧問わず本当に探せない。でもいつか御愛顧くださる皆様方にピュアカシミアパンツをと願い続けて幾年、やっとこさ叶いました。しかも親愛なるブルネロクチネリの肉厚内モンゴル産カシミア、100億満点でしょ。引き続き探し求め続けますが、個人感情的には最初で最後です“ピュア”カシミアパンツは

 

 

 

 

 

New Castelbajac & Brunello Cucinelli Set-up

 

もっと沢山のスウェットしかりニットしかりのスーツではないセットアップと出逢いたいなぁ。

 

 

SURR 福留

軽さと存在感 / Diary1327
21.8.2025

 

2000年代初頭のARMANI JEANSのコットン・リネンのスポーツジャケット。 私自身、リネン100%の物を所有したことはなく、特有のネップ感のある表情は好きなんですが、ドライな肌触りが馴染めずに今現在に至るのですが、こちらは、コットン50%リネン40%ポリウレタン10%ですので、特有の表情は残しつつ、コットンの柔らかさが硬さやシワ感がやわらぎ、ポリウレタンによるストレッチ性により、着心地がラクで、身体の動きに自然についてくる1着で、リネンの良さを残しつつ馴染みのある肌触りですので、これなら欲しいって思いました。

 

 

 

 

スナップボタンにはFIOCCHI(フィオッキ)の刻印が見えましたが、FIOCCHIはイタリアの老舗金具メーカーでボタンからリベットまで金属パーツを手がけてきた名門で、その耐久性の高さから数々のメゾンご用達です。見えない部分なんですが、こういう細部のクオリティが全体の上質さに繋がるんだと思いました。

バックにはジッパー付きで、これによって機能のためのジップからデザイン性へと昇華しています。 ジップを閉じれば直線的なシルエットに、少し開ければ動きや軽やかさが出せる仕様で、大胆さがありながら、生地との調和で嫌味のない仕上がりで、クラシックな素材感の中にある遊びっていいですよね。

 

 

 

サイズ表記は50で、細身な私からしたらオーバーかと思ったのですが、そんなことはなく肩に沿って落ちてくれて、着丈も67CMほどで、丁度いいバランスで、身幅も後ろジップによって調節できますので、時期に合わせてインナーの枚数を増やせるのはこのサイズ感の強みだなと思いました。サイズ表記を見て判断することも大事ですが、やっぱり試着って大事だなと改めて思いました。 今気分のシャツ×ショーツのスタイルに羽織っただけなのですが、そのくらいがいいかなと思います。各々様々なスタイルがあると思いますが、今気分の夏の装いの上から羽織るほうが、自分の中の流行りを大事にしつつどこか新しい気持ちになれる気がします。

 

 

軽さと存在感、どちらも欲しい方に。

 

 

 

SURR 古川

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