最近改めて物の価値に関して考える機会が多くなりました。例えば母親のカレーが定食屋で出たとして、150円では安いけど1200円では高くて、まぁ700円くらいかな?的なことで正直言って個人感情が大きく作用される正解がない戯れの類ではあるものの、弊店は以前から物の(物質的な)価値と販売価格の関係性をリンクさせるように努めてきましたが少し前からその思いがより強まりました。もちろん私の母親のカレーは5000円でフェアプライスだという考えも正解。想いに自分の筋が在れば全部正解だと思っています。
また弊店は平行してかねてより物の(物質の)正当的な価値というのも強く意識してきました。母親のカレーが150円で販売されていたら“流石に150円は安くない?600円とか700円とか、どう?”的ネゴシエートと言いますか、例えば職人がコツコツと手縫いで紡いだジャケットを1000円で販売してはその職人に顔向けができないというか物に失礼というか、こんなにも情熱的で美しい作品が1000円で流通しては“いけない”という思いを胸に皆様から御代金を頂いております。物があって需要があるから価値が決まる、物そのもので価値が決まる。その二種で言うところのまんま後者。と言うか弊店は前者を加味する機会が少ないです。ファッションには一定のボーダーを越えると贅沢という要素性が加わる傾向がありますので、そのボーダーをどれくらい越えるかは人それぞれですが、私は仮に弟が弊店の品を購入しようとしたとて胸を張って“うん、これなら買って良いと思う”と言いたいです。いや、言います。ちなみに弟はファッションを楽しむためではなく生活するためのものとして向き合っているようで、一度ふらりと遊びにきただけで一ミリも興味を示してくれませんでした。大学入学記念で贈ったゴアテックスのバックパックは使ってくれているのだろうか(あの後お兄ちゃんも同じの買って買付旅順で主に使っているんだよ)、一人暮らし記念で贈ったアンティークキリムは使ってくれているんだろうか(あれ本当はお兄ちゃんが自宅で使おうと思って買ったんだよ)。
しかしながら弊店においてその逆、150円のお母さんカレーが一種だけあります。それはアンティークファインジュエリーです。
この区分を初めてお披露目したのが2016年。当時私の感覚だとファインジュエリーをファッションとして身に着ける男性は少なく、まだシルバー全盛でゴールド=時にトゥーマッチな煌びやかさという印象を抱かれていた方が多かったように思います。しかしながら私はファッションとして金無垢であったり貴石であったりのジュエリーを身に着けることを好んでおりまして、またかねてから存在するアンティークファインジュエリーの世界を羨望の眼差しと共に楽しんでおりましたので、御提案するにあたり少しでも手に取りやすい価格帯にしたい,少しでもアンティークファインジュエリーを楽しむ人が増えてほしいという思いから自分の感じる物質的な価値及び業界的な価値基準よりもアンダーの額面にて御提案するよう意識しまして、それが今でも継続されている次第です。国内外に古くから存在するアンティークファインジュエリーの世界はすんごいですよー、物を目の前にして美しさから目が釘付けになり、額面には別の意味で目が釘付けになります。そういう世界で滅茶苦茶面白いです。

この度五つのブレスレットと一つのネックレスを御披露目させて頂きます。自分以外へのクリスマスプレゼントとして、または自分へのクリスマスプレゼントとしても御査収頂けましたら幸いです。ちなみにこれまで御提案してきたアンティークファインジュエリーはほとんどがリングだったのですが、それはいつも御世話になっている英国のおばあちゃん(孫が超可愛い)コレクターのコレクションバランスがそのまま反映されており、彼女がブレスレットを提案してくれるボリュームが少なく、またリング以上に男性に御提案したいと思えるデザイン及びサイズの出逢いが稀なものですから基本的にはセレクションが叶わないのですが、前回の旅順では五つもセレクションすることができました。弊店にとってはかなり幸運なことです。五つ並ぶと個性の違いがはっきりと分かって面白いですねぇ。ネックレスはやっと二本目。男性に御提案したいと思えるデザインが基本はありません。男性が身に着けるリアルパール、最高じゃあないですか。

New arrival,20-80s Fine jewelry bracelet and necklace.
14Kゴールドと真珠、9Kホワイトゴールド、9Kゴールドとダイヤモンド、9Kゴールドとルビー、9Kゴールドとオレンジサファイヤ、そして9Kゴールドとガーネット。1920年代から1980年代に分布するファインジュエリーにおけるブレスレットとネックレス。この機会に物質的価値と美しさに満ち溢れて日常に溶け込むアンティークファインジュエリーを手首もしくは首元に。
SURR 福留
03-5468-5966
[email protected]
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私は個人的な好みで御洒落だと想う人が二人いて、うち一名は幸運にも友人関係なのですが、先日数年ぶりに御飯食べて酒を酌み交わしまして、本当に久しぶりなので大層リラックスした楽しい気分を味わうことができました。“あぁ友達と遊ぶのって楽しいんだな”そう想うのなんていつぶりだろうか。元々友人も少ないですし外食や外呑みはすっかり皆無になって大分経ちますが、ああいった時間を過ごせるのであればまた機を見つけて行きたいですねぇ。久しぶりの夜の街でほとんど忘れていましたが時間を追うごとに徐々に想いだして訪れるとまだ残っていてくれていたりと、そこはかとなく心がホッコリした日でした。
その時にふと友人から“最近欲しいものはあるか”問われた時、全く答えられない自分がいたんです。もちろんセーターやらスラックスやらフィンガーレスグローヴやら頭に想う浮かぶのですが、それらは全てワードローブやギアの存在。新たな出逢いや刺激を求める私からするとセーターやスラックスであれば今までに出逢ったことがないものを求めてしまうのですが、じゃあどんなのだと言われると頭に浮かばずそれ以外に欲しいものが思い浮かばなかった自分に少々驚いた次第です。ちなみにフィンガーレスグローヴは先日の旅順で時間があった際に各国で探したのですが、バイカーモデル以外にメンズのそれは皆無で愕然としました。ウィメンズはあるのですがメンズの需要はないのかと。これまた厄介な課題を残してしまった気分です。
そんな私ですが先日久しぶりに“買い物した!”という気分にどっぷりと浸ることができました。きっかけはSURRのインスタグラムフォロワーさんで、その方が“We made it”とスニーカーをポストしていたのですが、かねてよりスニーカーを課題としていた私はそれに一目惚れしてしまいまして、かれこれ何年振りかも分からないほど久しぶりに“スニーカーを買う”ことができました。ちなみにそれは内側が全てレザー張りなのでほぼ革靴。事実初日に靴擦れをしてしまった次第です。でも最高、足元見たらスニーカー履いているんですもの。もう一足くらい買おうと思います。ちなみにその体験で改めてニューバランスってファッションではなくライフスタイルギアだなと思いました。引き続き散歩や公園時に活用しようかと思います。
そう考えてみると買付の旅順では様々な出逢いと刺激があるから本当にありがたいよなぁ。それが例え自分のモノにならなかったとてです。本国だからこそのローカルを煮詰めたような存在であったり大看板でもその国だからこそ出逢える個体があったり、四角い硬い板では知ることも見ることもできない世界が沢山ありますから自分の中にある需要と供給と価値のバランスと尺度が改めて整うように思います。他にもSURRを捉える角度をアップデートできた感じがあって本当に良い旅順でした。おそらく以前だったらその考えと感情を綴っていたと想うのですが3年前くらいから自分の中でこだわらないことがテーマとなり、のべつ幕無しに語る行為そのものがトゥーマッチになったのでやはり今は文字に起こす気にはなりませんでした。ちょっと考えたんですけどね、こういうことっていつまで経っても難しいです。
ということでつべこべ言わず好きか、着て格好良いか心地良いか、スタイルとライフスタイルに合致しているかで御判断頂きたい冬の品々を11点御披露目させて頂きます。帰国してもだいぶ暖かい日が続いていたので先日からしっかりと冬らしい寒さになってくれて嬉しい限りで、私もレザーグローヴの香りやスコットランドカシミアの首触りなど、冬にしか味わえない旬を存分に楽しみたい所存です。

New arrival,WINTER STUFF
向かって左からイタリア老舗スポーツメーカーのリバーシブルベスト(これ最高),ゼニアのウールカシミアジャケット,サルトリアによるピュアカシミアジャケット×2(後ろのは内モンゴル産カシミア、Wao),アルマーニ氏によるヴェルベットバイカージャケット,トラサルディのチェスターフィールドコート,アルマーニ氏のデザインコート,Burberryのピュアカシミアコートとウールカシミアコート,トラサルディのウールアルパカコート,そしてパリの老舗テーラーHOLMESによるCROMBIEピュアカシミアコート(これスッゴイです)。前回の旅順で各国各地でコツコツ集めた出逢いと刺激の品々です。
SURR 福留
03-5468-5966
[email protected]


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皆様こんにちは、今日も東京は暖かいですし日差し150%のSURRは暑いです。15時くらいまで汗ばむほどの店内で窓全開で過ごしており心地良いです。先日買付の旅順から帰国したのですが、現地は肌寒いものの例年よりも暖かくて、曇天&急な雨ながらも快適に過ごすことができました。バケットハット大活躍。
今回もまた実り多き旅でしたが、それ以上にはっきりと前回よりもクリアなマインドで過ごすことができたのは私にとって良きことでした。様々ありましたが最大のハイライトはレストランで軽く逆ナンされたこと、この想い出だけで白飯3杯はいけるよね。あとはバーのお姉ちゃんに眼鏡を褒められたことと10年ぶりくらいにスニーカーを買ったこと。すげー久しぶりに“買い物をした”という気分になれました。
あとこのグラスが発見でした。厚口のロックグラスとビールって相性良いんですねぇ。探して焼酎ソーダ割飲もーっと。

と言うことで買付旅順からの初手の御披露目。Vintage ARNYS Paris CollectionとFrench government workers leatherでございます。


万能ポリエステルモールスキンとレザー襟、そしてアタッチドフルライニングという優秀過ぎます。


こちらは親愛なるアチラのトラウザー専門メーカーによる嬉しい一着。サイズ40も好相性の方多いのでは。


個人発注で製作されたビスポークシャツは全て同じサイズ感でおおよそSからM。手縫い美し過ぎ生地感極上過ぎです。




先日御提案させて頂きましたFrench government workers leather。今回もコンディションが未着用に近しい個体、シルエットの均整が整った個体、そして何より軽量な個体のみに限定したところ2着のみと相成りました。前回はブラックでしたが今回はブラウンでまたも半世紀以上前のフレッシュなラムレザーを御体感頂けます。前回の御披露目で拝見した皆様の着こなしが本当に本当に素敵過ぎて、私このシリーズ一層と大好きになりました。
SURR 福留
03-5468-5966
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