8月の後半頃だったでしょうか、突然に物凄く寒い日が都内であったのでそれを期に勤務スタイルにブーツを解禁しサンダルとショーツを停止しました。それと同時にウール系統のセーターも解禁しようと思ったのですが私の肌感的には湿度との兼ね合いでまだ着用が叶わず(頑なにOn素肌が原因かと)、最近ようやく着れる気候になったので畳んであったニット類を風に当ててリフレッシュし、一部仕舞ってあったニット類を順次ハンドクリーニングを行っている最近です。今日もお気に入りの90s PRADA Uomoのコンセプティヴにタイトなスーパージャージーウールのセーターをサスペンダーパンツにタックインして鼻歌交じりに過ごしていましたら、御客様にフィリピンの警察官みたいでCOOLだねと言われました。ありがとうと答えておきました。
今週の新作は三着シリーズと題して三つの区分を御披露目させて頂きます。まずは三着のセーター。
狂おしいほどにクレイジー(に感じる)なテキスタイルデザインは当時のBrioniにとっては真面目なアートワーク、結果的にスタイルとして惹かれるのはやはりハイエンドな背骨あってこそ、でもやっぱりクレイジークラッシックアヴァンギャルドな一着。“最初期の時点で全ての要素が備わっていた”で御馴染みのミウッチャクリエイションより最筆頭株であるプレーンな一着。そして弊店初の御提案となるBrunello Cucinelliクリエイションの結果論的デザインシルエットな一着。私、かねてからずっとブルネロクチネリ愛用していましてヴィンテージピースを御提案したいなと思っていたのですが御初となったのがこちら。今後も不定期で御提案が叶うかもしれませんし叶わないかもしれませんが私は本音を言えばあまり期待していません。出逢えたらラッキーだな的な存在です私にとって Vintage Brunello Cucinelliは。
New arrival,三着のセーター
SURR 福留
03-5468-5966
[email protected]
△
2004年オランダ陸軍のカモフラージュジャケットはより近年だからこその高性能素材感と高機能プロダクトデザイン感の調和がこれまた良い意味でミリタリーピースとしてではなくモダンクロージングとして向き合いたく成らせてくれます。着ると合点がゆく格好良さ。
ミリタリーの区分におけるレインコート=重ね着要員のためヴィンテージ特有の生地感の“コク”がしっかりと備わっていながら特に軽い生地感というのが魅力的なギア。様々のヒント及び教科書となったオリジナルプロダクトですが、ことフレンチアーミーのこちらは既に充分過ぎるほどにファッショナブルです。
農夫:「仕事で必要なので自分で縫いました。鞄?というよりは単なる袋ですよ」 的な空気とでも言いましょうか、現代の洗練されたファッションアイテム“鞄”ではなく物を入れて運ぶただの道具であった“袋”的な空気とでも言いましょうか。原始の気配とアーティスティックでノスタルジックでメランコリックな職人技術のエレガントなエッセンスが混ざり合う、独特過ぎるプロダクトバランス。やはり自身の名の後ろにわざわざShoemakerと据える氏だからこそ生み出せる逸品ですね。1989年から1998年の期間にスコットランドの工房で製作されたレザーバッグです。
それこそ袋なこちらは1941sイギリス王室直属陸軍のキャリーバッグパック。当時ギア系グッズを製作していたメーカーが手掛けたこちらは需要のバランスゆえ相当数が少なかったらしく目線と切り口を変えればガラスケースの向こう側系の御品ですが、私は独特なコットンクロスの質感になんとも言えないレザームードに惹かれて手に取った結果そういう個体だったまでですので、引き続き現代の鞄(袋?)として御提案させて頂きます。ちなみに滅茶苦茶に独特な一品で超楽しいです。
物として純粋に良いイングランドクリエイション。ド直球、可愛い。
Uomoクリエイションにおいて珍しいフェルテッド・キャメルヘアが多用された2005AWコレクションのこちら。程好く細身なシルエットとモードなブラックカラーに美しい光沢、このミウッチャ女史によるミニマムエレガンスは来期2023SSのクリエイションと勝手ながらリンクを感じています。
何度か文字化したか否かは忘れましたが店頭では折りに触れて言葉にしているように思います。40年代までのアメリカ軍のミリタリーピースは震えるほどに格好良い と。そしてそれらは以前から既に幻的な伝説的なマスターピースになっており、ずっと御提案したいと思っているが未だ叶っていないし、もう正直諦めている と。ティーンエイジャーの時に湘南の古着屋さんから始まってヴィンテージの世界に触れ今では生業にしているもののアメリカンヴィンテージにはほとんど触れてこなかったにも関わらず、買付の旅においても一度もアメリカに行ったことがないにも関わらず、何らかのきっかけで心が震えた幾つかの“40年代までの”アメリカ軍のモデルの一つがこちら、40年代USマリンコープの一着なんです。フランスのコレクターの下で出逢ったこちらは氏がリアルに着用していたものを強奪してきました。曰く“一番格好良いアメリカ軍の服だ”とのこと。分かるよぉ。
弊店は取り扱い区分の一つとしてかねてより不定期でヨーロッパのアンティークテーラードジャケットを御提案してきましたが、こちらは私にとって歴代トップクラスの構築個性、シルエットの美しさ、コンディション、そしてスタイル性となります。初めてのアンティークサルトリアの一着でフィレンツェの工房による一着でフィレンツェのコレクターの下で出逢いました。きっと地元から出るのは初めてなのではないかな思います。どうだい、140年くらい経った日本は。まだ現代のテーラードジャケットが産まれる前、モーニングコートから移行する過程だからこその独特なスタイル性は使用感皆無のコンディションだからこそよりモダンな印象に。1800年代後期で背抜きのジャケットってあったんだってこの一着で思いました。これまで出逢ってきたアンティークテーラードジャケットはガッチリとした総裏だったので。
以上、2004年から1800年代高貴に分布するこの度の新作を簡単ながら御紹介させて頂きました。
SURR 福留
03-5468-5966
[email protected]
△
New arrival,60-80s French leather wear.
この度の新作は60年代から80年代にかけて製作されたフランスのレザーウェア。ワークカルチャーとミリタリーカルチャーからの抜粋で4モデル計7着を収集、と言うか文字通り抜粋しました。元々の所有者はかねてより濃くお世話なっている私にとってフレンチカルチャーウェアの第一人者的な師でして、これらは毎年提案してくれる区分(アヴィエイタージャケットは除く)なのですが7年前に1着セレクトして以降一度もセレクトしてきませんでした。7年前のそれはお選びくださった方も含めて今でも覚えています。当時フランスで会った時に着てくれていたなベ〇君。今も手元に置いてくれているかは分かりませんが。
そして今回も大量に用意されていたものの5着以外は未セレクト。理由は“重さ”です。
重い服は絶対に選ばないというわけではないのですが、これらミリタリーであったりワークに属するレザーウェアは重い=硬いとなり結果的に日常着としての有用性が落ちるという傾向にあったため、いくら格好良かろうとも選んできませんでした(もちろんコンディションはサイジングなども論点となりますが必須条件なのでここでは除外です)。しかし今回5着のみ重くない個体がありましてもちろんそのカルチャーらしいガッシリとしたアウターなのですが私の経験則としてはかなり軽い仕上がりで、事実ゴートレザーであったりラムレザーであったりとハイクラスクリエイションにおいても軽さを特性とする革が用いられていたりと合点の行く構築でした。そしていざ改めて向き合ってみるとなんとまぁ舌を巻く贅沢な衣類でして、政府関係の役職であったり国が管理する職種であったりに支給されていたいわゆるフレンチワークウェアの分野やミリタリーの分野なのですが、王室所属部隊の品々が特出してスペシャルであったのと同じくで国背負ってる度が高い分贅沢な仕上がりになるのはやはり必然なのでしょうか。当時も仕事用と私服用に2着所有することも多かったそう。確かに圧倒的な個体ですものねぇ。
ちなみに結果的に全てが相当のGOODコンディションでした。4着がほとんど使用感が感じられないデッドストックと推測できるコンディションで1着は当時の管理用紙ラベルが付属したデッドストックピース。これらのカルチャーレザーウェアでこの条件は相当に喜ばしいのですが1点予想外な事柄がありまして、コンディションが良過ぎてボタン留めが物凄く硬いです。私一度手の筋がピキッとなりました。御覚悟を。
ちなみに前述の通りアヴィエイタージャケットは毎年提案してくれる個体ではありませんし私も毎年なんておこがましくて言えません。コンディション,サイズ感,個体性の条件が揃ってセレクションが叶ったのは本当に久しぶりでした。このモデルは初めて知った時驚きましたねぇ。はっきりと“こんなのがヴィンテージであるならデザイナーいらねーじゃん”と思ったのを強く覚えています。その頃はまだビッグメゾンがビッグメゾンらしい仕事ぶりと存在価値でしたから、今はより一層かもしれません。
ラムレザーとゴートレザーのそれぞれ、相変わらず抜群に男前。
SURR 福留
03-5468-5966
[email protected]
△