『 なんとまぁ、ひたむきで純真ですこと 』
これが今回の一着に向き合って、まず思った事です。
収まりの良いウエストシェイプに対して極端な構築で広がったヘムライン、従来であればポケットの内側に入れる事を加味されるにも関わらず出す事のみを考慮したフラップ、深く深く切り込んだセンターベンツ。これらは全て腰を落としてまたがった時に最も美しく見えるよう設計されてました。
それはそう、ホースライディング。
乗馬用に作られたテーラードジャケットです。
言わずもがな英国ど真ん中な一着であるがゆえ、圧倒的なツイードの存在感。
同国においては馴染み深いマテリアルであり、近年ではツイード×自転車といった現代的なバリエーションも存在しますが、こちらはツイード×乗馬という英国紳士の歴史に120%則って仕立てられました。
主にワーク等で専門用途の衣類を目にする事が出来ますが、 『 乗馬 』 という限定的過ぎる、しかもここまで上質な一着との出会える機会は滅多にありません。圧倒的なクオリティによる、一かけらの曇りもない純真無垢なインスピレーションから成るスタイルには心が震えます。
機能と美学が同時に成り立っているのが本当に本当に素晴らしい。
肌に吸い付くカッティングとデコラティブなフラップから成る横姿は乗馬時、それはもう凛々しかったことでしょう。
娯楽であったりスポーツである分野にも “ 格好良さ ” 欠かさない。そんな英国気質が大好きです。
60s British, horse riding tailored.
尊敬できる伝統性が有り、現代的な目線で格好良いと思える。
異論無しで不足無し。
SURR by LAILA 福留
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様々紡がれ様々品質が存在するニット。
クオリティがそのままフェイスに直結しやすいがゆえに、
良い意味でごまかしが効かない素直なアイテムだからこそ、
セレクトは重要です。
上質が全て。では勿論ありませんが良質であるにこした事はありませんので。
Made in Scotland の “ プレーン ” という言葉が何より何より似合う
実直好青年的なカーディガン。
爽やかなウールにはさりげない織りの秀逸さ、
ぴったり真ん中細見なシルエット、
プレーンに潜められた各所の丁寧な作り。
良い意味で “ 無記名 ” なアイテムだからこそ、選別が非常に難しく
そういった一品はシーズンを思い返すと最も活躍していたりするものでして。
歴史上、様々なスタイルが存在する英国製ニット。
その伝統性を引き継ぎながらも現代流にモデファイした 90s の一着は
結果、現代のモードに極めて近しい立体感を保有していました。
編集と打ち出しによって印象が180°変わる、良し悪しの境界線に有るアイテムは
“ 良し ” にピッタリとはまった時、圧倒的な求心力を得るものでして。
紳士服の基礎と独自の概念を混ぜ合わせるドリス・ヴァン・ノッテンには
なかなかどうして隙がなく、ニットもご存じの通り高い評価を獲得しています。
織りの世界においても、彼の感性は遺憾無く発揮され、
各所に細やか散りばめられた “ 伝統 ” と “ デザイン ” のミクスチャー、
引き続き気持ち良くて仕方ありません。
フォルムの着地点も見事でしてね。
数ある新入荷の中から、まずご覧頂きたい3着でした。
ニットもやはり、着用者によって印象を変えてくれるアイテムですので
その万別な千差っぷりを、是非存分に。
SURR by LAILA 福留
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ミリタリーパンツと呼ばれるアイテムはその特性上、各国で様々なスタイルが作られてきましたので
ヴィンテージにおいては見事なまでに多彩なバリエーションが人々を楽しませ
デザイナーに刺激を与え続けています。
カジュアルな要素のものから本格的なものまでふり幅は広く、角度によって味わいが異なりますが
そのバリエーションゆえ、未だに未確認の個体に出会える機会も少なくありません。
今回ご紹介するのは “ 本格的寄り ” な一本であり、
背景を解き明かしきれない、初めて出会う一本です。
所属はフランス軍でおおむね間違いございません。
しかしながら不思議なまでに別国の気配を各所に漂わせております。
それがなんともまぁ、最高にそそられるわけで。
この生地感、縫製、パーツ使いが英国のロイヤルアーミーに酷似し過ぎているのです。
と申しますか、ほぼ同一。
フランス軍の名作, M47 に近しい要素もありながらどこまでもロイヤルなスペック。
非常に面白い。
こちらはフランス軍のトラウザーズでありながら、
イギリスのロイヤルを製作している工房で作られたと推測される一本。
当時としては、あまりない事ながらあり得ない事もない背景です。
裾にバンドが付いておりますのでこのような表情も可能となります。
解放するとワイドストレート、絞るとシルエットが極端に変則的。
この見え方はずるいです。
ファッションを目的としていない、どこまでもファッションな見え方は、毎度ずるい。
奥深い背景にはそそられますが、何より純粋に格好良いミリタリートラウザーズです。
古い年代による生地の風合い、屈強ながら繊細なディティール、屈強な佇まい。
数あるミリタリーパンツの中には、
モードスタイルこそ、ハイエンドこそ、大人こそ穿きこなすべき一本が有ると思います。
こちらは是非、その目線でご認識頂きたい特別なミリタリートラウザーズです。
50s French military, trousers
かく言う私も、そんなモダン・ミリタリーに激しく心寄せる一人。
本物特有の “ 強さ ” を、フラットに取り入れるのが楽しくて仕方ありません。
常にリスペクトしつつ、楽しませて頂いております。
SURR by LAILA 福留
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