昨日のエントリーにお問い合わせくださった皆様、ありがとうございました。
やはり “ 今 ” に食傷気味でマニアック求めている方、沢山いらっしゃいますね。嬉しいです。
私は 『 マニアック 』 が大好きです。最高に楽しい。
もし犬を飼う事があったら、マニアックと名付けて マニ とでも呼ぼうかと思います。
という事で本日は、マニアックが到達したゴールの一つをご紹介。

モードにおいては勿論、幅広いファッションシーンで定期的にトピックされるシックスティーズ。
この時代は特にファッションが盛んで、沢山の名作が生まれており
それらデザインは現在進行形でメゾンの脳内ストックに収納されている事は揺ぎ無い事実です。
シックスティーズにおいて欠かせないのはスペース・エイジ,もしくはコスモ・ルックと呼ばれるコレクション。
それに欠かせないメゾン,クレージュが1965年に作り出したアイウェアが本日の主役。



常識に囚われるな。概念を覆せ。
スタイルを作り出せ。金太郎飴でどうする。
とアンドレ・クレージュが思っていたかどうかは分かりませんが、少なくとも60年代当時、
クチュールにおいて “ 無し ” とされ、時に醜悪な存在とされていた膝頭を解放した立役者ですので
決して遠からずではないかと。
その結果、スペース・エイジの一環として生み出されたのはレンズレス・サングラス。
あるはずのものが無く、あってはいけないはずのものがある。
アイウェアの理念をいとも簡単に超えてくれたスタイルです。



絶妙に上品な樹脂素材、哲学的な理念と造形美。
クチュールに精通し、伝統と格式を学びに学んだクレージュだからこそ辿り着いた極地的マニアックは
約半世紀経った今でも脅威の衝撃。
これは正真正銘、当時の代表作で
紙面,ルック,ポートレートなど膨大なビジュアルアーカイヴが存在します。
本当に凄まじい量です。
いわゆる “ 販売してはいけない ” ミュージアム・ピースなのですが
それを実際に手に取って頂けるのも、
ファッションの歴史との対話して頂き,楽しんで頂く事を目的とした SURR にとって大切な事ですので
他と同じくお値段付けさせて頂いております。
何より SURR の語源であるシュルレアリスムの代名詞、サルバドール・ダリも愛用していた事が
私たちにとって嬉しくて楽しい歴史的事実。

そんな逸品が、長い年月をかけて弊店に辿り着いてくれた事が最高にシュール。
物と人との繋がり、人と人との繋がりはいつもご同慶の至り。御縁にかんしゃー。

1965s Courreges , space age sunglasses
言うまでもなく実用可です。
おそらくご想像以上に広い視野で驚かれる事と思います。
そして、身に着けた時に分かる小さなサプライズがあるのですが、
それは隠し味的な面白さ。あーなるほど と誰かに体感してもらいたくなります。
スタイルに組み込んで頂くリアルピースとしてのご提案でした。
これも言うまでもなく。
SURR by LAILA 福留
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今月末のアレに関して書こうと思ったのですが、
メモリーUSBを自宅に忘れてしまいましたので予定変更。
新入荷から、久方ぶりに出会えた逸品を。

80-90s Oliver Peoples
ピープルズにおいて代名詞的な要素であるクリップ ON は、
通常のクリアレンズの上に色付きレンズを被せる
一挙両得の機能デザイン。
当時は、購入する/しないを任意で選択する事が出来
“ より贅沢 ” なスペシャリティとして楽しまれていました。
そのためヴィンテージにおいての希少性は一層高く
これまで幾つかのピープルズをご紹介してきましたが、クリップ ON は数える程度。


単体でも秀逸なライン,フォルムにクリップ ON することで生じる繊細な迫力。
これはピープルズの醍醐味とも言え、ただでさえ味わい深い金属装飾の質感,表情が
一層力強く引き立ちます。
それでありながら、どこまでもエレガントな佇まいは
流石 オリバーピープルズな着地点。
ブランドの品格と実力の成せる妙技です。



外した際のフォルムは大変ノーブル。
メタルフレームの特性を最大限生かしたミニマムな構成ですが
細部の仕上げやちょっとしたラインの角度など、一筋縄ではいかせません。

簡単に申し上げますと、物凄くマニアックです。
ボストンとキャッツアイの中間に位置するコンパクトな収まりで
マットゴールドの冷たさが際立ちます。
( 特に復刻において ) 従来のピープルズとは結び付きにくい
濃い知性と、そこはかとない危なさ。
一見難しく感じられるかもしれませんが、ここまで振り切ってしまえば受け入れやすく
何より、目元という狭い面積がパーソナリティを牽引するという事実に驚かれるはず。

テンプルが見事。
バンブー調のセル装飾は、個体としてのクオリティの高さと
それを生み出すピープルズの格式をヒシヒシと感じさせます。
知性、危なさ、ソリッド、シャープ。
そして上質でエレガント。
何度も申し上げますが、物凄くマニアックです。
だからこそ、この一本には意味があります。

少しでも琴線に触れられた方は是非とも対話してみてください。
そして勇気をもって飛び込んで、実用的に味わってみてください。
きっと心地良い中毒性が何かを閃かせてくれるはず。
これがオリバーピープルズの本質です。
昨晩、定例のスタッフ食事会を美味しく楽しく過ごした
SURR by LAILA 福留より
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アントワープからのご紹介。本日はリーヴ・ヴァン・ゴルプを。
注:今回のエントリーでは 違和感 というキーワードが何度か登場致しますが
全てポジティブな意味合いです。

ドリス・ヴァン・ノッテンやマルタン・マルジェラの7年後輩にあたる彼女は
1993年、小物のデザイナーとしてデビュー。
後にフルコレクションに発展するデザインの数々は主にモノトーンで構成され
音楽への造詣を活かしたアントワープ出身者らしい濃密さと、
良い意味でのマニアックさでハイファッションにおいて際立つ存在でした。
しかしながら2001年、惜しまれながらも引退。
僅か10年未満と儚くも色濃いデザイナー人生を歩んだ彼女の感性は、その後人財育成の分野で発揮され
現代のファッションシーンに脈々と引き継がれたとされています。
限定的な活動期間も相まって耳馴染みの無い方もいらっしゃる事と思いますし、
何より現代においては、彼女の作品を手にする事はなかなか出来ませんが
そんな状況だからこそ、稀有な品々に出会えた時の驚きと楽しさは、一興。

絶対的に定番な白シャツにも関わらず
先立って抱く感情は “ 違和感 ”
1970年代中期頃から目にする機会の増えた、裏表を逆転させる手法,インサイド・アウトを取り入れたこちらは
文字通り、普段はひた隠しにするロックミシンの処理をデザインに反映。



認識以前に「 無くて当たり前のもの 」を表立たせる事で生じる急激な違和感。
それをそのままデザインに直結させるミニマムな発想と落とし込みには
非常に繊細な感性を要する事でしょう。
それに留まらず、非常に構築的なパターンも特徴的で
取り立てて『細見』ではないにも関わらずスマートなライン。かつ
スマートでありながら窮屈ではないフィッティングが、
オーセンティックな白シャツを特別な一着に仕立て上げているのです。

90s Lieve Van Gorp , plain shirts
表記は46。一般体系でいうところの M size フィットです。
この巧妙な違和感、自然に忍ばせた不自然からも
( 簡単な言葉を使うと ) “ 独特 ” なデザイナーである事が分かりますが
そんな 彼女らしさ が最も反映されているのがレザーアイテムです。


フラット。
一にも二にもフラット。
重厚感を醸しつつ洗練されたレザーはリーヴ・ヴァン・ゴルプの象徴的なマテリアルであり
バッグというアイテムは、小物からキャリアをスタートした彼女の代表作。


フロントのみならず、全体の形状そのものがフラットであるこちらは
実際に身体に合わせた時の、沿わない沿い方がデザインの一つ。
ここでも発揮される違和感はファッションアイテムを( 夢のある )プロダクトと捉えているからでしょうか、
構築的でありながら不思議とマッチする、中毒性の高いアンバランスなバランスです。

洗練性の中に潜む工業的な匂いも、これまた良質な違和感。
また、個人的にはこの点が最も秀逸だと思ったのですが
物を収納してフラットが壊れた時が、また良い表情 なのです。
これには感嘆致しました。
実用時に一層魅力的。素直に素晴らしいと思いました。
私はあまり簡単に感嘆するタイプでは、多分ありません。

90s Lieve Van Gorp , shoulder bag
ほとんどのノートPCがすっぽりと収まる、横50cm × 縦44cmのBIGサイズです。
彼女が今のファッションシーンに居た場合、どんなデザインを行うのだろう。
そんな、ある種考えても仕方のない事を考えずにはいられなくなる出会いも
ヴィンテージの楽しいところ。
いずれにせよどこかの誰かが、彼女らしさを踏まえつつ
自分なりに解釈して、時に再構築して楽しんでいる姿は
デザイナー本人にとって嬉しくある事なのではないでしょうか。
街中で、海外の女性に突然肩を叩かれ微笑まれ、親指を立てられたら
リーヴ・ヴァン・ゴルプ、その人かもしれませんよ。

今回のエントリーはわけあって数日遅れてしまいました。
という事で明日も書かせて頂きますので、お付き合い頂けましたら幸いです。
題材は皆様ご存じ、今月末のアレ です。
SURR by LAILA 福留
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