Oliver Peoples_clip on / Diary014
4.7.2014

 

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今月末のアレに関して書こうと思ったのですが、

メモリーUSBを自宅に忘れてしまいましたので予定変更。

新入荷から、久方ぶりに出会えた逸品を。

 

 

 

 

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80-90s Oliver Peoples

 

 

ピープルズにおいて代名詞的な要素であるクリップ ON は、

通常のクリアレンズの上に色付きレンズを被せる

一挙両得の機能デザイン。

当時は、購入する/しないを任意で選択する事が出来

“ より贅沢 ” なスペシャリティとして楽しまれていました。

 

そのためヴィンテージにおいての希少性は一層高く

これまで幾つかのピープルズをご紹介してきましたが、クリップ ON は数える程度

 

 

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単体でも秀逸なライン,フォルムにクリップ ON することで生じる繊細な迫力

これはピープルズの醍醐味とも言え、ただでさえ味わい深い金属装飾の質感,表情

一層力強く引き立ちます。

 

それでありながら、どこまでもエレガントな佇まいは

流石 オリバーピープルズな着地点。

ブランドの品格実力の成せる妙技です。

 

 

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外した際のフォルムは大変ノーブル

メタルフレームの特性を最大限生かしたミニマムな構成ですが

細部の仕上げやちょっとしたラインの角度など、一筋縄ではいかせません。

 

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簡単に申し上げますと、物凄くマニアックです。

ボストンとキャッツアイの中間に位置するコンパクトな収まりで

マットゴールドの冷たさが際立ちます。

 

( 特に復刻において ) 従来のピープルズとは結び付きにくい

濃い知性と、そこはかとない危なさ

一見難しく感じられるかもしれませんが、ここまで振り切ってしまえば受け入れやすく

何より、目元という狭い面積がパーソナリティを牽引するという事実に驚かれるはず。

 

 

 

 

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テンプルが見事。

バンブー調のセル装飾は、個体としてのクオリティの高さと

それを生み出すピープルズの格式をヒシヒシと感じさせます。

 

 

 

 

 

 

 

知性、危なさ、ソリッド、シャープ。

そして上質でエレガント。

何度も申し上げますが、物凄くマニアックです。

 

だからこそ、この一本には意味があります。

 

 

 

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少しでも琴線に触れられた方は是非とも対話してみてください。

そして勇気をもって飛び込んで、実用的に味わってみてください。

きっと心地良い中毒性が何かを閃かせてくれるはず。

 

これがオリバーピープルズの本質です。

 

 

 

 

昨晩、定例のスタッフ食事会を美味しく楽しく過ごした

SURR by LAILA 福留より

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Lieve Van Gorp_Antwerpen / Diary013
3.7.2014

アントワープからのご紹介。本日はリーヴ・ヴァン・ゴルプを。

 

注:今回のエントリーでは 違和感 というキーワードが何度か登場致しますが

全てポジティブな意味合いです。

 

 

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ドリス・ヴァン・ノッテンやマルタン・マルジェラの7年後輩にあたる彼女は

1993年、小物のデザイナーとしてデビュー。

 

後にフルコレクションに発展するデザインの数々は主にモノトーンで構成され

音楽への造詣を活かしたアントワープ出身者らしい濃密さと、

良い意味でのマニアックさでハイファッションにおいて際立つ存在でした。

 

しかしながら2001年、惜しまれながらも引退。

僅か10年未満と儚くも色濃いデザイナー人生を歩んだ彼女の感性は、その後人財育成の分野で発揮され

現代のファッションシーンに脈々と引き継がれたとされています。

 

限定的な活動期間も相まって耳馴染みの無い方もいらっしゃる事と思いますし、

何より現代においては、彼女の作品を手にする事はなかなか出来ませんが

そんな状況だからこそ、稀有な品々に出会えた時の驚きと楽しさは、一興。

 

 

 

 

 

 

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絶対的に定番な白シャツにも関わらず

先立って抱く感情は “ 違和感 ”

 

1970年代中期頃から目にする機会の増えた、裏表を逆転させる手法,インサイド・アウトを取り入れたこちらは

文字通り、普段はひた隠しにするロックミシンの処理をデザインに反映。

 

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認識以前に「 無くて当たり前のもの 」を表立たせる事で生じる急激な違和感

それをそのままデザインに直結させるミニマムな発想と落とし込みには

非常に繊細な感性を要する事でしょう。

 

それに留まらず、非常に構築的なパターンも特徴的で

取り立てて『細見』ではないにも関わらずスマートなライン。かつ

スマートでありながら窮屈ではないフィッティングが、

オーセンティックな白シャツを特別な一着に仕立て上げているのです。

 

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90s Lieve Van Gorp , plain shirts

表記は46。一般体系でいうところの M size フィットです。

 

 

 

 

 

この巧妙な違和感、自然に忍ばせた不自然からも

( 簡単な言葉を使うと ) “ 独特 ” なデザイナーである事が分かりますが

そんな 彼女らしさ が最も反映されているのがレザーアイテムです。

 

 

 

 

 

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フラット

一にも二にもフラット

 

重厚感を醸しつつ洗練されたレザーはリーヴ・ヴァン・ゴルプの象徴的なマテリアルであり

バッグというアイテムは、小物からキャリアをスタートした彼女の代表作

 

 

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フロントのみならず、全体の形状そのものがフラットであるこちらは

実際に身体に合わせた時の、沿わない沿い方がデザインの一つ。

ここでも発揮される違和感はファッションアイテムを( 夢のある )プロダクトと捉えているからでしょうか、

構築的でありながら不思議とマッチする、中毒性の高いアンバランスなバランスです。

 

 

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洗練性の中に潜む工業的な匂いも、これまた良質な違和感

 

 

 

また、個人的にはこの点が最も秀逸だと思ったのですが

物を収納してフラットが壊れた時が、また良い表情 なのです。

 

これには感嘆致しました。

実用時に一層魅力的。素直に素晴らしいと思いました。

私はあまり簡単に感嘆するタイプでは、多分ありません。

 

 

 

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90s Lieve Van Gorp , shoulder bag

ほとんどのノートPCがすっぽりと収まる、横50cm × 縦44cmのBIGサイズです。

 

 

 

 

 

 

 

彼女が今のファッションシーンに居た場合、どんなデザインを行うのだろう。

そんな、ある種考えても仕方のない事を考えずにはいられなくなる出会いも

ヴィンテージの楽しいところ。

 

いずれにせよどこかの誰かが、彼女らしさを踏まえつつ

自分なりに解釈して、時に再構築して楽しんでいる姿は

デザイナー本人にとって嬉しくある事なのではないでしょうか。

 

街中で、海外の女性に突然肩を叩かれ微笑まれ、親指を立てられたら

リーヴ・ヴァン・ゴルプ、その人かもしれませんよ。

 

 

 

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今回のエントリーはわけあって数日遅れてしまいました。

という事で明日も書かせて頂きますので、お付き合い頂けましたら幸いです。

題材は皆様ご存じ、今月末のアレ です。

 

 

SURR by LAILA 福留

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Maison’s gently / Diary012
27.6.2014

 

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私は「品」という言葉が好きです。

人にせよ物にせよ店にせよ、様々な表情の「品」があって

それらに触れられた時は驚いたり感動したりと、楽しく感情を鼓舞されています。

 

今までヴィンテージに限らず、それなりに様々なファッションアイテムと触れ合い

様々な「品」に魅了されては、折に触れご紹介してまいりました。

 

Military も一つの国家という規模の『ブランド』、Work もカルチャーそのものが『ブランド』と認識していますが、

ネームの付いたいわゆるデザイナーズは、それらとは違ったベクトルの「品」を味わう事が出来ます。

本日は、新入荷の中にそれが特に顕著な逸品がありましたのでご紹介させてください。

 

 

 

 

 

 

 

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90s Hermes, silver necklace

 

馴染み深い佇まいの、究極にプレーンなチェーンネックレス

チャームの類はございません。

 

一見、見どころが無さそうに感じられますが

こちらには極めて繊細かつ芳醇な “見どころ” が秘められているのです。

 

 

 

 

 

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チェーンを構成する 2mm × 2.5mm のリングパーツは

面・エッジ・曲線が組み合わされた、非常に凝った形状を成しており、

各部が光を受ける事で、一般的なそれと一線を画すニュアンスを醸し出します。

 

 

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見落としても概ね支障無しとされがちな、こういった細部まで手を抜かず

自分たちのクリエーションを遺憾なく発揮するところに、「メゾンの品格」が現れると思います。

長い時間をかけて (時に国と関わりながら) 培った “名” を背負うという事は

プライドであると同時にプレッシャーでもあるでしょうが、

それを妥協せずやり切るからこそ、その “名” は時代を超えるのでしょう。

 

「私共○○から世に出させて頂きます、●●でございます。」

この段階に至るまでには、長い歴史と膨大な配慮が込められているのです。

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元々、120%尊敬していたメゾンでしたが、

今回のネックレスとの出会いで、その想いが一層強まりました。

もちろんブランド至上主義ではありませんので、

名前が付いていれば良しというわけでは無いのですが、

純粋に物として、素晴らしい逸品に思います。

ミニマムだからこそ,オーセンティックだからこそ、ダイレクトに痛感致しました。

 

 

 

 

 

 

ご覧の通り、「「「 存在感抜群 」」」といったものではありません。

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時代も性別もトレンドも関係無く、ひっそりと静かに引き立てる装飾品。

 

 

ですが、この優しい主張はパーソナリティーを形成するにあたって

非常に重要なキーとなるはずです。

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『別に気づいてくれなくてもいいよ』と言わんばかりに、

さりげなくやってのけられたメゾンの品格の具現化

当たり前のようで実は尊い心意気を、

気づかれないほどにさりげなく調和させるスタイル、本当に素敵だと思います。

 

 

 

おそらく、身に着けていて「それエルメスの?」と聞かれる事はないでしょう。

でもそっちの方が良くないですか?

 

 

 

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