フィニッシュ・メンテナンスが完了致しまして、やっとお披露目できる一品はイギリスで出会ったクリエイターから譲り受けたもの。彼がヴィンテージを選別する目線はいわゆるコレクターとは一味異なり、感性の手本とするため世界中からセレクトする一種のライフワークなのですが、膨大なそれらピースを集約するリソースルームの一角、照明もまともに当たらない片隅にポツンと佇む一つハットに心を射貫かれました。詳細は何も知らず、そもそも興味が無いようで、あまつさえ 『 私はヴィンテージ・プロではなくクリエイターだ 』 とはっきり言い切るスタンスを逆に心地良く感じつつ、無理を言って譲って頂きました。
1930~40年代頃に荒くれ者が被っていたリアル・カウボーイハット。重厚なフェルトはブルハイドでしょうか。時代に流されず風化しない屈強さと、そこはかとない品位。頭をすっぽりと覆い隠すクラウンボリュームに、雨風を防ぐワイドなブリム。本物だからこその本格仕様でありながら決してヘヴィーデューティーでは終わらない絶妙なバランスには、類似の無い存在感を感じます。私にとってここまで一瞬で惚れさせてくれるハットは、そう出逢えるものではありません。
ちなみに、フロントに小さな裂傷があったのですが、その場にあった革紐を用いて彼がアレンジリペアを施してくれました。
さも “ 私はヴィンテージ・プロではないが、クリエイターだからね ” と言いたげな表情に暖かな人間味を感じつつ、愛猫に別れの挨拶をして彼のアトリエを去りました。
30-40s Real cowboy hat
SURR by LAILA 福留
03-5468-5966
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新入荷より、趣き異なる2つのアイウェアを御紹介。
職人文化を引き継ぐ英国のオプティカルブランド, Savile Row 。一般的な金鍍金より百何倍の厚みを誇り、金本来の質感に最も近しいゴールドフィルドを 14K で施した贅沢な仕様とセル巻きの芳醇なコントラスト。着地点の難しい真円のラウンドフォルムも歴史的な感性と何より上質な素材使いによってキャラクター・ライクではなく、あくまでパーソナルに寄り添った自己演出でお楽しみ頂けると思います。
80s Savile Row , optical , deadstock
機会ございましたら是非に。
続きましては、ヨーロッパで出会う事の出来たアメリカの伝統と格式を御紹介させてください。
元は飛行士の明瞭な視界確保を目的に軍からの依頼で生まれたティアドロップ。下方に向けて大きくカーブした名称通りのフォルムはサングラスの代名詞とも言えるほど説明不要の存在感とアイコン性を誇り、今では老若男女や国籍,職業問わず、真に世界中で愛されているアイウェアです。時に石畳みの街の中で、時にスナップサイトで、時にムーヴィースターのプライベートシーンで、時に銀幕のシンボルとして見かけるティアドロップですが、私の主観と致しまして国内で見かける機会は少ないように思います。
10年程前は 『 ( 時に一人のロックスターを引き合いに出し ) 珍しい眼鏡だね 』 と揶揄された金縁眼鏡も近年においては “ 普通 ” と成り得たように、国内でのアイウェアやサングラスの認識はここ数年で大きく変わったように思います。ことティアドロップにおきましても、市民権の獲得を今か今かと思っているのですが、まだ時期尚早なのでしょうか。
と言うより、その機会は訪れないのかもしれませんね。
しかしながら、初めて買ったサングラスが何故だかティアドロップで、友人に “ ○○警察 ” と言われ続けた私にとっては、当時も今も素直に格好良いと思わせてくれるアイウェアです。特に海外の街中で着用している男女様々な人々を見ると心から思います。他のアイウェアと同じく力強いアイコン性と純粋なスタイルを感じますし、何よりかけている人々がさも 『 視界が広くて快適だから 』 と言わんばかりの自然体で楽しまれているように見受けられますので。
70s Rayban , each
餅は餅屋 ではないですが、ティアドロップはレイバンがまずは心地良い。
サングラスは目を守るため。機能性を求めた選択とその末のスタイルには確かな説得力がありますので、例えアウトレイジと言われようとアウトサイダーと言われようと、私はこれからも愛用し続ける所存で御座います。
例えモデルをやっている友人が最近レイバン・ティアドロップを愛用するようになり、ぐうの音が出ないほどに似合っていたとしても、私はめげずに愛用し続ける所存で御座います。
“ 人は人。自分は自分 ” の合言葉と、今日も飲み過ぎてしまえアイツ!という嫉妬心を胸に。
SURR by LAILA 福留
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先週のコートに今週のミリタリーと新作が続いておりまして何から御紹介すべきか悩みましたが、ここは一つ個人的に思い入れの強い一着を選ばせて頂ければと思います。
押しも押されぬアウトドアブランド, Barbour 。最近人気が高いとの話を聞きますが、やはり今年もなのでしょうか。例えどのように捉えられようともこれまでの長い歴史で愛され続けていた事は事実ですし、実際に着用すると機能性と利便性に向かってひた走るプロダクトとしての完成度に頭が下がります。
そのバブアーにおいてのバイカーモデル, “ INTERNATIONAL SUIT ” は、私なんぞが御紹介するなど恐れ多い名作です。空気抵抗を加味したタイトなフィッティング、効率的な各所ポケット、極上の利便性である各部調整機能。全てが要素が純粋な出発的でありながら、着地点は見事なほどに洗練性とコミットしているのです。
私自身、幸運にも以前に入手する事が出来、長らく愛用しておりますが、着用を重ねてすぐに心から思いました。 “ あぁ、これは愛されるわけだ ” と。
まず着用していて不満点がございません。特に温度調整の分野は見事で、カフスを絞る → フロントを留める → ネックを留める → ウエストベルトを留める。この順番で微細に防寒性を高める事ができるのです。そして各所のポケット。フロントはフラップの部分も2重生地になっておりますので防水性が抜群で、右胸部分にはジップも付いております。更に左身頃に内ポケットも配されており収納力は申し分ございません。
そして何よりも想うのは、スタイルとして格好良い。これらの要素が揃えば、愛されないわけがありません。
80s Barbour , INTERNATIONAL SUIT , excellent condition
この度は、大変喜ばしいサイズバランスとコンディションに出会う事が叶いました。
余談ですが、先日の旅でもメインアウターとして活躍してくれましたので、次回も主要メンバーとして参加してもらう事になると思います。コレクターやデザイナーと逢った時に着ていましたら幾人か褒めてくださいまして、嬉しかったです。
そう、私は滅多に褒めてもらう事がないので、すぐ嬉しくなってしまうたちなのです。
SURR by LAILA 福留
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