明日、2月11日 ( 木 ) より、 SURR の 2016S/S フルコレクションをお披露目致します。
かねてよりモードの世界においてヴィンテージは、デザインソース, インスピレーションソースといった一種の教科書として存在し続けていますが、昨今、特に3シーズンほど前からでしょうか、その存在価値や意義が一層高まってゆくモードの流れの一つを感じていました。
デザインの分野で言えば、局部的に取り入れオリジナルの要素をほとんど感じさせない手法や、大々的にサンプリングしオリジナルの要素を活かす手法など様々ですが、近年後者がより顕著になっているように思います。何より、コレクションの全体像に “ ヴィンテージの空気感 ” を色濃く色濃く感じ、変化し続けるヴィンテージの捉えられ方がモードの世界において、より直線的な見え方と感覚に成っているように思いました。
ヴィンテージを尊敬する私にとってそれは、単純に嬉しく、純粋に楽しいことです。
ヴィンテージという世界観, 空気感は時に華やかで時に素朴で時に大胆ですが、基本的には様々な時代性や文化力と相まって “ 重厚感 ” があるものだと思います。そして、お客様方と接していると、その重厚感を現代のスタイルとして “ 軽やかに変換する ” という感覚的な行為が、今最もヴィンテージが求められている理由ではないかと感じています。
これまで SURR では、星の数ほど存在するヴィンテージを多面的に切り取り “ 編集 ” することに重きを置いて展開してまいりました。それを重要に想う気持ちはこれからも変わる事はありませんが、モードを感じていたら、 “ 素直なヴィンテージらしさを表現したい ” と強く想うようになったのです。
“ ヴィンテージらしさ ” というのは人それぞれですので、あくまで私というフィルターを通す形となってしまいますが、これまで念頭に置いていた編集性を一旦引き出しに納め、より素直で感覚的なヴィンテージの世界をご提案したいと思います。
しかしながら美的なものや創り手の心がこもっているものを好ましく想う気持ち、何より都会的であろうと想う気持ちは私の根幹ですので、それは欠かしません。
という事で2016 S/S コレクションスタートのテーマは “ らしさ ” です。今回も店内のほとんどが新作となりますので、どうぞ宜しくお願い致します。
SURR 2016 S/S collection , Feb 11. on sale
SURR by LAILA 福留
03-5468-5966
[email protected]
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立春を越えましたので、2016 S/S の新作を一部先行でお披露目させて頂きます。
これまで、ヴィンテージにおいての “ 編集性 ” に重きを置いて様々御紹介して参りましたが、来期は実験的な姿勢を強めて臨もうと考えております。近々詳細を書かせて頂きますので、宜しければお付き合いくださいませ。
先行のお披露目はいわゆるプレという取り組みでして、SURR はもちろん私がこれまでに携わってきた店舗展開において初めての試みなのですが、これも実験的な姿勢の一つと思い実現させて頂きました。定番化するか今回で終わりかは気分と感覚次第ですが、いずれにせよ僅かでもお楽しみ頂けましたら嬉しく思います。
SURR , Pre spring
SURR by LAILA 福留
03-5468-5966
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この度の新入荷は、主に過去着用者による愛着の形跡とその後の時の吸収によって、それはそれは相当に際どい個性を獲得した一着。生粋のメゾンピースでありながら、そこはかとなく Last people な出で立ちには、明治文豪の若き日の姿のような荒々しさと意欲と品位が同居しています。
ブラウンに潜むネップの極彩色によって味わい深い奥行きを獲得したテクスチャー。カジュアル・アプローチな素材感でありながら適切な判断によってエレガントに舳先が向けられた巧みな舵取りには、またも自然と背筋を伸ばして敬礼です。朴訥としながら精緻で技巧的なディティールデザインに、ストイックなほどにオーバーサイズなパターンメイク。
そう、本品は今期も心躍ってならない、そして来冬も恐らく、場合によってはそれ以上に心躍るであろうオーバーサイズにてご提案させて頂く一着でして、寡黙に鎮座する全ての要素は紳士的でありながら天真爛漫で、何より滔々とした際どさを主張する “ 個 ” の集合体。
late 70s Yves Saint Laurent , oversized wool coat
スタイリングによってモードにもトラッドにも振る事が出来ますが、いずれにせよ際どさのスパイスは効き続けてくれますので、飄々と颯爽に傾きつつも凛々しく、何より美的にご愛用頂けましたら幸いです。
SURR by LAILA 福留
03-5468-5966
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