私は4年ほど前まで袖が無いジャケット(いわゆるベストと言うのでしょうが、なんかまだしっくりと来ないんですよねベストって呼ぶの。まぁベストでも良いんですけど)は着ませんでした,いや着ないというより苦手でした,いやもっとはっきり言うとダサいと思っていました。なぜなら自分の周りに袖無しのジャケットを着て格好良い人がおらず、なんなら格好良いと思えない人が着ていたから。でも4年前の買い付けの旅順で出逢った一着の袖無しジャケットに魅了され私の中で袖無しジャケット=ダサいの方式が=超格好良いに逆転したのです。今では袖無しジャケットを着ずに一年を,特に秋冬を過ごすことはありません。
みたいな内容をきっかけプロダクトお披露目した4年前くらいにDiaryd書いていたと思ったのですが見つかりませんでした、アレアレ?書いてたと思うんだけどなぁ。まぁとにかく私は昔袖無しジャケット苦手だったんですよ。
そんな若輩野郎が選ぶ袖無しジャケットなんて説得力も求心力も無いかと思いますがすみません、今週の新作は袖無しジャケットです。
狂ったラグジュアリーのカシミアに同じく狂ったラグジュアリーナイロン、そしてリアルアウトドアのコットン×レザーによる様々な角度からの袖無しだからこその有用性と存在価値、そして楽しさ。これらもまた御愛顧くださる皆さまのクローゼットに少なくとも一着は納めていただきたい世界観です。
ちなみに今回のカシミアは4年前のきっかけプロダクトと全く同じくの個体でして、再開した時それはそれは驚いたと同時にだいぶと久しぶりに心の中の物欲悪魔が耳元で囁いて来ましたねぇ、もちろん御馴染み鋼の心で我慢しましたけど(いかんせん仕事にならなくなってしまうので)。と言うことでそちらは4年ぶりの御提案。
New,Sleevless jacket selection
一言で袖無しジャケットと言っても今回は特に三者三様、多角的に“ちょうど良い“を探って頂けますので袖無しジャケット好きはもちろん普通派も、なんなら苦手派も機会ございましたら是非に。良い感じに涼しくて最高ですから、もう夏のリターンはいらんぜマジで。
SURR 福留
△
毎年毎年言っています、ニット大好きと。そんな私にとって無理なくニットがカシミアが着られる最近は本当にベストシーズンで毎日ルンルン、日によっては汗かいているけど(今もかいているけど)それでもルンルン、ニット大々々好き。
ということでKnit selection 2024。SURRに成った頃は定番的存在だったものの即国内でもだいぶと名が浸透したこともあって全くもって御提案が難しくなってしまった“本物のカシミア“ことBallanyune Cashmereから愛する彼女の地元が好き過ぎて城を買い取って会社をつくったで御馴染みの親愛なるBrunello Cucinelli、正統派の上質なクラッシックムードに独自の完成を注入したデザイナーズプロダクトまで今年も様々な角度と選択肢を御用意致しました。
ここ数年、特にクリエイションに関わる立場の人々から“本物のカシミア“ ないし“本当のカシミア“という発言を度々耳にしまして、その時に誰もが哀愁を漂わせているというか物悲しげというか深刻なご様子なことがとても印象的です。モードカルチャーやラグジュエリーカルチャーのカシミアにリサイクルという概念が定着してもう10年は経つのでしょうか、もちろんそれは良いことですし時代にも即しているのですがクリエイションの先頭をひた走る人々がヴィンテージの特級に上質なカシミアと向き合った時にそのような心持ちにになってしまうということは本当に様々感じて考えることがあるんだろうなぁと、そのような環境も状況も現実も目の当たりにしていない私ながら胸が詰まる思いです。
これまで幾度と口にしてきた“ヴィンテージのカシミアって良い“という言葉、その重みは年々増しています。
New,Knit selection 2024
今年もまずは一枚、一生一緒に過ごせるパートナーを増やしましょう。
SURR 福留
△
弊店にとって、そして私の人生において欠かせない存在なのが90年代Hermes hommeのリバーシブルボンバージャケット。国内において価値観がアップデートされ続けている(大部分の古着カルチャーは弊店の区分ではありませんが)群雄割拠なヴィンテージ戦国時代において,いやだからこそ御提案したいと思ったのです、46・48・50・52サイズを着比べてMyベストを見定められるという状況を。
46サイズのブルー,48サイズのクリーム,50サイズのベージュ,そして52サイズのオリーヴ。これまでに幾度か御提案してきたリバーシブルボンバーですがいつもは一点のみでしたので四サイズまとめて四点というのは弊店史上初でして、実際にズラリ目の前にするとCARREテキスタイルの違いによる趣味嗜好をはっきりと探れますしポリエステルモースルキンのカラーリングの個性にワクワク、どれも本当に綺麗なんです。しかしながらなんといってもフィッティングの違いが明確でして、丸い設計のカジュアルでアクティヴで実用的なボンバーシルエットながらサイズによって明らかに異なるフィット感とスタイル印象の差異には驚かされます。鳴々本当に丁寧に綿密に繊細に製作されているものなんだなぁと、当たり前のことではあるのですが改めて感動しました。
余談ですが私は昨年頃から雨などではない限り総柄のCARRE・フェイスでしか着ていません。これは心が華やかさを求めているのだなと後々になって分かったのですが(加齢でしょう)、過去弊店で同プロダクトを御認めくださった皆様はきっと無地のポリエステルモールスキン・フェイスでしか着ていないと思われます。数人のヒアリングさせて頂きましたがやはりそうでしたし、きっと世界中に点在する愛用者たちも同じくでしょう。でも私はきっと今年もCARRE・フェイスが圧倒的なメインになると思います。だって複雑かつ的確なテキスタイルの配置や実はシンメトリーな両袖の柄合わせなどの職人愛情満載のデザイン哲学から成る明るさと華やかさが楽しくて仕方がないんですもの、あとポケットの中まで総CARREのシルク素材で感動すると同時に手が気持ち良いんですもの。
New,early90s Hermes homme reversible bomber jacket selection
御愛顧くださる皆様方全員に一着づつ御提案したい、私は引き続き本気です。
SURR 福留
△