ようこそ男の世界へ / Diary649
8.1.2019

2019年度におきましても例えば U.S.ピースをアメリカンな空気であったり、ワークピースのみでの見繕いを御推奨したり、ミリタリーを全身で御表現頂いたりなど “ 何か ” を “ そのまま何からしく ” 表現することを端的に申しあげると弊店では避けておりまして、それはすなわち 〇〇 の最新コレクションで身を固めると同じくに感じており、それは完成された出で立ちであり満足度合いもきっと高いことと想いますがそれ以上に御客様方にはそれぞれ御追及頂いてしかるべきな個があるように想えてなりませんので大切にしていることなので重複致しますが “ 何か ” を “ そのまま何からしく ” 表現することを弊店は御推奨致しておりませんで、それはいわゆるアンティークの区分においては特に重要な論点でして、旅の道中ではそれはそれは数多くのアンティークな御品に出逢え、現代の製作背景とは様々が根本的に異なることが伺える美しい品々も多いのですが、前述の “ そのまま何からしく ” を論点とした時には私にとって選べる機会が極端に少ない特殊な棘の世界ではあると同時に、この一着のような比類なき輝きに出逢えた時身体の芯から湧き上がる牡としての達成本能を味わえるという意味では、麻薬のような ようこそ男の世界へ でございます。

 

 




“ 何か ” を “ そのまま何からしく ” 表現しないことは当然私自身の衣に関しても言えることなのですが、それを踏まえたうえで私はこの明確に古典的なチェスターフィールドコート, 現代におけるテーラードジャケットが産まれる以前のチェスターフィールドコートがその役割を果たしていた時代に構築された, 特出して身体に寄り添う品位溢れる仕立てによる容赦ないほどにそれはもう容赦ないほどにエレガンス溢れる, クラシカルの極致ともいえるアンティークらしい本品と、都心から容赦ないほどにそれはもう容赦ないほどに離れた英国都市のとある空間で出逢った際、私は改めて男の世界の脳内麻薬に浸ることができ、最終的にその日の移動時間が計 12 時間に及んだことですら至上の想い出と相成りました。

というのも私の個人的な趣味嗜好として紳士服らしい紳士服の出で立ちがございまして、それは今までに目にした物事や記憶が辿り着いた結論であると共に私自身の身体つきに向き合った際に社会人として社会に属した時最も胸を張れる衣がそれだったがゆえであり、例え食事会で敬愛なる姉に “ なんで休みなのにスーツなの? ” と奇異の目を向けられた後に愛する愛する甥っ子に号泣されたとて、新宿駅東口と東南口のそれぞれで “ ちょっと身分証明書を ” のやり取りがあったとて紳士服らしい紳士服を愛する気持ちは未だ変わらないのですが、これまた私の趣味嗜好としてそのエレガンスが強ければ強いほど愉しく惹かれる傾向にございまして、正直に申し上げますと一昨年より追い求めている夢想の一着に相応しい豪奢な紳士像であることが本品に対する熱情のほとんどを占めておりますので純然たる私情で大変に恐縮ですが、御人によっては全く触手が動かなくてしかるべきな本当に容赦のないエレガントな紳士服ですので、万が一私のように追い求めている方がおられましたら、また僅かでも御興味頂けましたら この人どうしたの? なほどに強く御推奨させて頂くことになるかと想いますので、こちらにて先に御容赦と御了承のほどお願い申しあげます。

 

 

 

 

 


early1900s British bespoke chesterfield coat

 

 

SURR by LAILA 福留

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上着としての馴染み / Diary648
6.1.2019

 

4,5日以上空けるとまるで長い期間訪れていないような錯覚に陥るのは勤務先であろうと自宅であろうと然う憶いますが(ショートトリップとか)それにしても年末年始の一線というのはより一層の新鮮さを感じずにはいられず、新たな西暦を手に入れるというのに弊店空間に入ると自身が馴染めていない違和感というか遠く懐かしさを憶える不思議で御座いました。たった数日というのに。通勤途中でさえもEMPORIO ARMANI CAFEとNespressoの間、グレースーツを纏ったジョージクルーニーに凝視される広告からタキシードに変わり誰かに微笑むジョージクルーニーに変更された事実すら巨大な歴史的変遷のように感じた始末。お前は漢として未だ未だだよ、と謂われている気がしたので目が合わなくなっただけでホッとしております。

 

さて、今年は声を発さず自宅に籠りきりの正月でしたので、皆様とお話させて頂き、人間を取り戻すことができました。貴重な連休中お越し頂いた皆様、こゝろより御礼申し上げます。インフルエンザも流行の兆しをみせつつ在るようですので、呉々も御自愛下さいませ。

 

 

 


 

誠に勝手ながら昨日より御披露目させて頂いているAntique woolの其々ですが、お素材や稀少度など此れまでしつこいようにお話させて頂いているので改めて本文を迎える事になにかと恐縮をしております。Diary647で綴らせて頂いたように突出したハイランク・ファブリックを有する異常個体でない限り【強度】において実際的能力を魅せるテクスチャが全体の殆どを占めるAntique woolというのは1世紀以上の時間を経過した例えばあらゆるお素材の中でも加水分解やら生地自体の生死からすこぶる遠い種類の物理的強さと恒久性を確保した唯一素材のように感じてなりませんで、まぁとは謂うもののわたくし生地のスペシャリストでは御座いませんので専門的分野における見識を述べるに知識が足りない身分ゆえ引き続き恐縮をしておりますが、本質的の織り上げに加え当時の外気環境にも起因するだろう湿気や油分をたっぷり吸収した目の詰まり具合の他に、一体なにをもって物理的強度と目の前の存在事由を証明しようものかと憶うわけで、時間経過に比例するように強度を増して往く特異性質も例のない唯一区分と憶えてならず、それらを総称してAntique woolと呼ばせて頂いているわけです。勿論、個体注文主、歴代オーナー様、コレクター様、ディーラー様等の綿密な保存提供無くして語れない存在証明も然りと存じます。有り難い。

 

 

 

 

 


 

それら殆どが個人注文主とアルチザンとの応酬によるBespokeの背景を有するわけですので、例によって恐ろしい程の特有性を獲得して御座います。そもそも鉛筆で設計図を起す運びのようにパターンの精密やパネル数の多さや生地裁断への手数、合理的量産体制を得ていない時代のゆっくりとした御仕立ては資料としてポジションされる視線も御座いますが、以上の基底に加わる個人注文主の意向,嗜好,好悪,アルチザンの裁量,判断,決断が混ざり合い、時として“妙な”ディテイルを魅せる個体との対面は、質と少しの差別化を好むわたくしにとっても喜ばしい内容でした。

 

【生地の強さ】と【個体威力】のお話をさせて頂きましたが、何より大切にしている精選基準としては引き続き総合的なプロポーション、フィッティングへのモダン性こそ決して外せない神経質ポイントなわけでして、Military、Work、そしてAntiqueのステージにおいてはユニフォームにならない現実的強さとコスチュームにならない実際性が必須項目に浮上致します。そこに匿名性が交われば謂う事は何も御座いません。いずれも身体数十カ所以上採寸を視る厳格なビスポーク・テーラードの方向へ収めては勿体がないほどプラクティカルな性格ですから、ヘヴィデューティー・ギアとして是が非でもご提案させて頂きたい所存は少しも変わらず、羽織る / 脱ぐ の連続をこなす習慣性もまた極めて男性的な【上着】として認めるほうが馴染みが凄く、例えば5つのBASIC ITEMの項目を数えるとすれば確実性を向けたひとつに加えて頂きたい Antique wool / jacket のご提案で御座います。

 

 

 

 

 

 

最後に申し上げたいのは、ブラック・テーラードの有用性で御座います。何処へ往こうと失礼に当たらず、何方様へもオフィシャルな印象を魅せることができる至極男性的な一張羅という意見も引き続き、そのうえAntique woolの即時実践力となればグレイセーターにブルージーンズくらい懐を設けて頂いても何ら差し支え御座いません。ところで本日ご紹介したい個体というのはヨーロッパ諸国の中でブラックというカラートーンをファッションとして受け入れた唯一国、フランスからの贈り物は1900年代初頭。妙な位置のチェンジポケットに妙な長さのセンターベント、愛が注がれたパッチワークによる証明、コシが強力な生地感取、裏地フラップポケットと防御力を与えるステッチアプローチ。表参道Nespressoの横を悠然と闊歩頂きたい素敵なデイリー・ギアで御座います。

 

 

 

 

 


New arrival, early1900s France bespoke tailored jacket

 

 

 

 

SURR by LAILA 小林

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[email protected]

 

 

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Antique wool bespoke selections / Diary647
4.1.2019

 

 

皆様、新年明けましておめでとうございます。
旧年中は多くのお客様にご来店、御愛顧いただき、格別のご厚情を賜り、誠にありがとうございました。
本年も変わらぬお引き立ての程、何卒よろしくお願い申し上げます。

 

 


 

 

 

ヴィンテージ・スーツを御披露目させて頂いてから1年という時間が過ぎていた事に驚きを隠せないというより時間平等の原則という絶対的な力を掃除しながら恐れた本日1月4日は、来年の同じ日頃に同じタイミングで同じような感覚と同じような文言をボヤいているのだろうと憶いながら、約2年と7ヶ月の構想が具を得る結びに至ったひとつの編集点を誠に勝手ながら明日より御披露目させて頂きたいと憶います。

 

引き続きエントリーを続けて参りました antique という区分の tailored  という上着については、様々な角度から御伝えをせねばならない詳細が御座います故、チャンネルの接続ポイントも多岐に在るのでしょうが、わたくしより重点的に御伝えしたい接続先が【生地の強さ】である事も引き続き声を大に申し上げたい内容で御座います。現代と比べ整合的かつ合理的に提供されていなかった当時の生地 / 織りの分野で「質」のみを検証項目に挙げましたら今現在の其れ等のほうがグンと宜しいのは当然、故に総合点で勝負が適う、織り純粋の強さに加点する日常的な摩擦やら湿気やら油分やらドラマチックに当時の情調や風情なんてものも永い歳月を経て吸収され,爆発的に威力が高まった羊毛本質的の物理的強度というところで、これはもう誰がなんと謂おうと決定的な魅力点と憶います。しかしながら其の矢先、まるで信じることが困難なほど良質なカシミアタッチが出土するもので全く困ったものです。

 

 antique という区分の tailored  という上着に bespoke という純真なる特質性が確保されたうえ可視化できる整合的釦位置や妙に深いシングルや妙に大きなフラップポケットや妙なetc達と black tailored である真実も次いでご提案したくてたまらないデイリーギアで御座います。さて、この度御縁がありましたのは、1800年代後半〜1930年代、フランス、イギリス、ベルギーの三カ国の御仕立てといずれも個性力の豊かな布陣と相成りました。この機会を勝手ながら嬉しく想っております。

 

 

 

 

 

 

 

 

Antique wool bespoke selections
late1800s〜1930s
France, British, Belgian
tailored jacket, coat

 

 

 

 

 

 

 

 

 


Special

 


 

 

1/5(土)より。
宜しくお願い申し上げます。

 

 

SURR by LAILA 小林

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