異彩な作品群 / Diary664
31.1.2019

発案から約 20 年間実行され続けている Karim Hadjab の創作区分 4Saisons は 1 年間放置という特性ならびに根本的な彼自身の意向によって、いわゆる SS や AW などの区切りに捉われることなく常に進行し数多の発見や失敗を繰り返し続けてきましたが、昨年に彼がフランス国内における創作者に向けた協議会にて賞を得たことにより北部のルーベという地区そのものからの支援体制を獲得し、拠点をそこに移したことによってどうやらまた新たな 閃き / 気付き に至ったようで、その後に逢った際には改めて目を燦燦と輝かせて創作意欲を語ってくれまして、どうやら今まで以上に 4Saisons の “ 面白さ ” と Argile の “ 本質 ” に文字通り憑りつかれているらしく幾つかの新作を御披露目してくれたのですが、それらは私にとってそれぞれの概念と原理は変わらないにも関わらず極めて極めて革新的であり、何より異彩でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

長年にわたる試行錯誤によってこれまでも、普通に置くだけでなく大木に吊るしたり土に埋めたり、オブジェクトを配置して大地に寝かせたり 2 着を繋ぎ合わせたり風車の羽根に吊るしたりと様々な方法で実行されてきた 4Saisons ですが、彼は長年拠点を置いていたパリ中心地から離れ朴訥な土地と風と空気のルーベに心を置くことで、新たに Origami という手法を獲得しました。“ 自然界に置く ” という行為においてこれまで以上に特殊な作為性によって、品それぞれによって異なる豊富過ぎる 4Saisons の個性にまた新たな一面, 真に文字通り新たな一面が加わった結果となります。このような彼の閃きと実行力、“ 表現における躍進力 ” には素直に驚くことしかできませんので本当に頭の中を覗いてみたいものでして、もちろん A という問いを投げると話が飛躍に飛躍を重ねて D という答えが返ってくるなどの微笑ましい ( もしかしたら身近な人にとっては深刻な ) 点なども多々あるのですが、やはり Karim Hadjab による KARIM HADJAB は全て彼の正真正銘に純真無垢な尊い心と精神あっての存在ですので、彼がやりたいことをやりたいようにやれることを, やれる世界で在ることを引き続き心から願います。取り急ぎ現状においては彼のやりたいことが主に KARIM HADJAB の創作であり、その意欲によって新たな異彩が生まれたことを心から嬉しく想います。

新作群は御披露目してくれた時点で最新収穫であり、実験的取り組みが成功した結果のため厳選数となりますが御了承くださいませ。なおその中には Origami 4Saisons とは異なる新たな創作区分として Argile と 4Saisons を組み合わせた品がございます。彼にとってこの一着は本当に心に残る、それこそ新次元を予感させる一着だったようで、“ 欲しがる人が何人もいたけど、一番最初に SURR に判断してもらいたかったから断ったんだ ” と興奮しながら語ってくれました。ほら、カリームったら。もう本当に人たらし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Coming soon
KARIM HADJAB new creation, Origami 4Saisons and Argile+4Saisons

近日御披露目させて頂きます。

 

 

SURR by LAILA 福留

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まともではない作品群 / Diary663
30.1.2019

つい先日に過去6年間の社歴を振り返る必要がありましたので、様々な記憶と感情が錯綜しました。元々設立のきっかけが一個人が勝手に日本に存在しない感じた概念と文化を根付かせたいという想いであり、その現在進行形で変わらぬ想いを軸に服飾に関わる社会における ( いまだ分からないことだらけですので、あくまで自身の体感とそれに基づく推測ですが ) 慣習や風習, それら傾向, 予定調和や空気的なしきたりなどの優先順位を意識的に低くする, 意図的に排除する, と申しますか不要に想う考えを有しているがゆえ、いまだ私の親や兄弟は私がなにを生業としているか皆目見当が付かないように弊社はほとんどの方に知られていない、本当に まだまだ な小さな会社ですが、服飾に関わる社会における小さな会社として精一杯取り組んできたかと問われたら食い気味に “ はい ” ですので、今となって過去6年間を振り返ってみても濃密だったと申しますか、今となって考えても本当に類まれなる御縁によって類まれなる方々と触れ合い, 取り組ませて頂けてきているな と素直に想えますし、その中でも Karim Hadjab は誤解を恐れずに申し上げますと様々な意味合いにおいて 浮いているな と想いました。

私には両親以外にファッションデザイナーで 3 人、芸術家で 3 人、音楽家で 1 組。計 9 人の心から尊敬する人物がおります。もちろんまだお逢いしたことが無い方もおられますが、基本的に人柄にしっかりと触れ合ったうえで心の尊敬引き出しにしまうのですが、中には 10 年以上前にしまった方もいれば昨年しまった方もおりまして、それこそ一人が Karim Hadjab 。2018年5月のことです。 

 

 

 

 

彼ほど純真無垢な人物, そして表現における推進力を有した人物は本当に貴重だ と社歴を振り返っていて改めて想いました。服を放置するという行為は何度御客様に御説明していても口にしていて不思議な気持ちになりますし、愛用して幾年経ってもそれらはやはり誤解を恐れずに申し上げますと社会的な ( 大して知りもできておりませんが ) 存在感として異質な, まともではない作品群であると想うと同時に、だからこそ彼という人物が貴重であると心から想います。初めて自身の一着である 4Saisons のテーラードジャケットを手にしてから 5 年経ち、短いとは言え私自身にも心身ともに変化が少なからずあったのですが、必殺の一言 “ 付け髭です ” を会得した今でなおそのジャケットを着た時に想うのは “ 5 年前より今の方が似合っている ” という幸せな感情でして、それこそカリームからすれば 服は生きている なのでしょうが、私からすれば単純かつ無垢に 良い服だ という感想です。私はいくら服に出逢ってもどんな経験をしても想うのですが、上質な組成の品や理念や感性はいくら時を経ても色褪せるどころか輝きが増し、こと服飾に関しては身に着ける人の様々をさりげなく押し上げてくれるような存在であり、良いか否かは言葉も知識も必要がないそれこそ感性のみに基づくことができると。

 

 

 

 

 

なお、上記の紐付けに際しまして “ Karimへの想い / Diary540 ” は接続詞や単語を一部改正致しております。私は過去に行った事柄に時を経てから部分的な改正を加えることや時を経て改めて行うことに対して前向きでして、その考えは前述の 9 人のうちの 2 人である電気グルーヴから学ばせて頂きました。

 

 

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改めて宜しくお願い申し上げます / Diary661
25.1.2019

 

 

約2年と数ヶ月前にご紹介させて頂いた本作という事は約2年と数ヶ月の間、弊店空間の何処かで息を潜めているという事ですが、服飾に対する動物的嗅覚理論が正しければ動物的方々のアンテナに反応し得る個体ではないという紛れも無い事実はソッと置いておいて、息を潜めて何方様の御迎えをジッと待ち続ける御品は本作に限らず、上記事実の他にあとひとつ付け加えるならば、そういった品々が脚光を浴びてから時の経過と共に恐ろしく馴染んで往く光景,それはまるで纏う生命エネルギーや活気を自ら取り除き、存在性を消し、空間の一部であり全部となる擬態化現象を察知致します。そうか、おまえもキャラクターと成ったか。がしかし、だからこそ、悲しむべき事柄ではなく対象品々に対して謂えば其のままジッと待てば良いと心底想いますが、擬態化現象から解放される瞬間というのは謂わずもがな、温かな御手に触れて頂けた時で御座います。袖を通し、姿見越しに自らを映して頂けた時で御座います。息を吹き返したように本来的な資質がカラフルに色付く様子を捉えますと、決して失われない純真かつ絶大な強さに、都度、心酔致しております。だからこそヴィンテージは、

 

 

服飾に対する動物的嗅覚理論が正しければ動物的方々のアンテナに反応し得る個体ではない事実が揺るがないものだとしましても、本作に限ってはそもそも時流に添い続ける健気さもなければ、女性に愛されるシンボル性もなく、英国他社の広告力に隠れ、ファッションストリームから離れた場所を動かず、いつの時代も表舞台で脚光を浴びる日は来ないのだろうと此の様な機会の度、長考に帰しております。以上は紛れも無い事実かもしれませんし私の野暮な想像かもしれませんし、がしかし、いずれにせよ、いえだからこそ、本作に対して謂えば触れて頂ける温かな手をジッと待てば良いと心底想いますし、貴重なお時間を頂戴し弊店へ足を御運び下さる皆様はこゝろの琴線に触れて頂けた際にはじっくり御考察頂けましたら引き続き光栄に想いますし、本作と世界との隔たりが如何に巨大なものだったとしましても、決して悲しむべき事柄ではないと想いますのは天の邪鬼かつサイケデリックな性格故で御座いますし、研ぎ澄まされた個性を希求し続ける漢の性で御座いますし、“コットンジャケット” と “ポケット” をこよなく愛する私の高熱なわがままで御座います。そもそもとして、

 

弊店の総意で御座いますが、もしくは意思で御座いますし、主我で御座いますが、1924年から歩みを続けるBelstaff社に対する評価はとても大きく、あるいは服飾史を彩るメゾンハウスと全くを以て同じく、それは服飾史を支える重心部分,限定性や狭き目的性、総じて専門衣料の存在と発達は男性世界ゆえの色香であり、特有の引力が御座います。表舞台で輝くファッションシーンの形成因子を担ってきた紳士区分、声のボリュームを上げますが、Belstaff社の功績と軌跡と姿勢に対しては、恭敬の意を置かせて頂いております。

 

 

2016,3,26【素直になれ、自分 / Diary244】

 

 

 

 

 


 

 

トライアルレースの更新記録に挑むプロレーサーへ向けた製作事実と本作【トライアルマスター】の名ナンバー。防風と防水を実現するオイルドコットン、転倒時にも身体を護るエルボパッチ、運針強度、操縦時の快適性を目的としたアームフォルム。英国王室直属軍への納入品製造を請け負っていた時代と一致する60-70年代。以上が恒久性をもって名作と残り続ける事実詳細と憶いますが、弊店において誠に恐縮ながら特段立派な金額を設定させて頂いている本作は【パーソナルオーダー】成るオプションと個体偉力に尽きる事実追加、通常、前方4フラップポケットが定石のデザイングでありますが背面2カ所に追加オーダーされた計6カ所のコンパートメントは当時の注文主(ブリティッシュ・レーサー)によるオフィシャルオーダーであった事実痕跡で御座いますゆえ、大変リッチな金額と相成りますのは企業努力の足りなさと謂いますか、同社への心酔に尽きる評価と謂いますか。Belstaff社の刮目すべき躍動年代に製造された傑作に加わる世界唯一の御品という偽りのない情報はそっと引き出しに仕舞って下さいと常の文句も謂いきれない心情ながら、結局のところ染み渡ったワックスが風化していく様とコットンの発育性、木綿裏地の見事な配色美、ポケットは在れば在るだけ良いという単純明快なロジックを叶える収納席には例によって文庫本が入りますのでこれ以上の筆舌もなく、もしかしますと時流に添い続ける健気さもなければ、女性に愛されるシンボル性もなく、英国他社の広告力に隠れ、ファッションストリームから離れた場所を動かず、いつの時代も表舞台で脚光を浴びる日は来ないかもしれない本作トライアルマスターで御座いますが、がしかし、いずれにせよ、いえだからこそ、本作と世界との隔たりが如何に巨大なものだったとしましても、暑かろうが寒かろうが常に店内何処かで置かせて頂いている本作であり、此の様な機会に一度温かな御手で触れて頂けましたら心の底より光栄に想いますし、同社ハウスプレートの翼に込められた “ いかなる時代も困難を乗り越えて飛び続ける ” 意味性をソッと御査収頂きまして、皆様、改めて宜しくお願い申し上げます。

 

 

 

 

 

 





 



1960-70s Belstaff model “TRIALMASTER” , Pro – rider’s custom order jacket

 

 

SURR by LAILA 小林

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