同じようにAFP BB NEWSの取材で「男性のワードローブで欠かせないアイテムを2つ選ぶなら」という質問に対してヴェロニク女史はこう答えました。 “ 美しいネイビーのフランネルのジャケットとレザーのものなら何でも ”
メゾンフィールド各社において丁寧に選ばれる 材料 を根拠に出典先を割り出す御家芸はそう容易いものでは御座いませんし雅やかな佇まいやハウスイメージに見合う数字を決して裏切らない 材質 というのは最前線で保たれなければならない基本的設定と憶いますが、仮にメゾンフィールド各社において丁寧に選ばれる 材料 を根拠に出典先を割り出す御家芸が成功される唯一例を挙げるならばFrance Hermes社で精選されるまさに 皮革 ではありませんか。弊店における同社最古のご提案であった1930年代のカーフを拡大鏡を駆使し検分を行わせて頂いた際に 時代 という要素を敢えて大袈裟にポジションさせたところで其の他一切の引けを取らない勇ましさや艶かしさを事実確認した瞬間から馬具と皮革製品から息づく同社への理解と今まで漠然と抱いてきた “Hermes社の皮革製品は良い” が決定的なものへ相成りましたが通常、道具として認められる鞄や財布やベルト等の使用頻度ないし使用時間によるポテンシャルの低下との付き合いは不可避で御座いますし例えば其れ等の道具が謂わずもがな 皮革 であるならば材質を最高維持し続ける御付き合いの仕方など保存環境が優れたところで休ませる事と使用頻度を抑える試みに落ち着くのが世間一般的な其れでありますが約90年近く経過している材料ないし材質つまりは 革質 のポテンシャルが最高維持されている明確点にケアリングという5文字では決して説明がつかない根拠点として “明らかに使われていた” 面構えが純然たる道具として能力を維持し続ける上、材質までも潤いを保ち続けるFrance Hermes社で精選された 皮革 に何かの本質を視ました。わたくしの中でもとても大きな信頼がより硬さを帯び、より強固な信用を得ることができた次第です。
“小脇に抱える” 後継型として製作発表された本作Quirusは “小脇にも抱えられる” 小型設計にて永い歳月愛されている傑作中の傑作で御座いますが1950年代、ミッドセンチュリー製作の事実個体との御縁を結べるとはわたくしも人生捨てたもんじゃないと想いに運べました。かたや、当時の材料ないし材質つまり革質は “当時” が最も素晴らしいと世界中の知識者達が口を揃える発信に共鳴はしないものの(過去も現在も素晴らしいと想いますので)明らかにカーフの属性が異なる材質感取および皮下深くまで潤う瑞々しさ並びに驚異的なキメの細やかさは疑いの仕様もなく、あるいは手入れが行き届いた推測点のみでは解決に至らない強烈な肉感がこのように70年経過してもなお証明されるHermes社の皮革製品は “物持ちが良い” と囁かれる世間一般論も同様に、同社,伝家の宝刀を芯の芯まで太刀浴びた感動という名の傷はあまりにも,あまりにも深いものでした。どうぞ御手に取って掴んで御手荷物を入れてみて下さい。この純然無垢な道具を【Hermes】と謂わずして何と呼びましょう。
late50s Hermes leather bag model “Quirus”
2019ss Pre collection
【Vintage Hermes】
2/9 (土)12:00〜
明日より一挙御披露目とさせて頂きます。
大寒波にて雪の恐れも御座いますので、皆様呉々も御気をつけ下さい。
ご来店を心より御待ち申し上げております。
SURR by LAILA 小林
03-5468-5966
[email protected]
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“ 男女に限らず、自分の服装にスタイルをもっている人間が好きだった。「なぜその服と靴と鞄を選んだのか」という理由を持たない人間とは気が合わなかった。しかしかつてはスタイルをもっていた人たちも、徐々に自分を律する力が弱くなり、体型を崩し、一貫性を放棄していく。私の好みは明確だった。男だってスタイルは重要だ。
香水にも違いが出る。フローラル、シトラス、スモーキー、パウダリー。彼らの香りはきちんと性格に合っていた。このような話をすると「いい歳して外見しか見てないの?」と見当外れなことを言う女がいる。バカだと思う。三十代、四十代になってもきちんと自分が身につける服装に気をつけている人間は、ほとんど例外なく賢くて、ストイックだ。知的で心の強い男を探すのであれば、まずその服装を見るのが一番分かりやすい。”
柴崎竜人氏が作中で謂う「知的で心の強い男」が女性から求められる絶大な魅力点だとするならば、自身を律する力を維持し、体型を崩さず、一貫性を保つ内的な強さが、良い男の条件を満たすマテリアルになるということですが、確かにそのような男性は自身にフィットする図を想像しうる力があり、選ぶ事が出来、着ることが出来、例外なくストイックだろうと思いますし、自身の選択をきちんと説明できる理解と知性も持ち合わせているのでしょう。ところで、
Hermesでお買い物をする男性とHermes hommeを悠然と所有する男性とHermes hommeを泰然とお召しになられる男性に対し(年齢に関わらず) “知的で心の強い男性像” を接続してしまうのはわたくしだけかもしれませんが、服飾に興味関心を抱いた思春期より漠然と憧れていた紳士像をわかりやすく言語化下さった柴崎氏のセンテンスとHermes hommeの逸物と厳然とした関係を続ける男性との接合性が硬いものに成りましたので引用をさせて頂きまして、あるいはハックルベリーフィンとトムソーヤのような親密で揺るがない相互性は、金銭の有無では決して到達できない精神の豊かさに通ずるように、結局のところそのような在り方がとても大切なのだろうと近々迎える2019s/s Pre collectionを目前に色々考えを煮詰めております。
“男性のコート”を確実なものにするバルマカーンは知的で心の強い男を助長する上では限りなく有能で、どこまでも有益であります。微調整の連続によってリリースされる逸物は、綿密な設計力と歴作のデータによる総合性に加えヴェロニク女史の数滴の調味料によって磨き上げられた完成度の高さ,原石を丁寧に磨き上げながらも燦然と輝かせない “ 慎ましさに内包されたエレガンス ” は魔術的であると同時に疑いようもなく伝統的で、Hermes hommeが有する波のように穏やかな求心力で御座います故、手に入れた途端イニシアチブを握った感覚に陥るのは決して錯覚でも勘違いでも、ましてや夢なんかでは御座いません。禁欲的なネイヴィ色、指の平で感じる水牛釦の厚み、決然としたスプリングコートの出立ち。蜜月を重ねた所有者のみが得られる感動は、Hermes hommeの銘物をご提案のみさせて頂く我々が何度往復しようと決して到達できるものではない、デザイナーと顧客だけの『秘密』であると、2014年AFP BB NEWSの取材に回答したヴェロニク女史の笑顔に敬意を表し、弊店3着目の邂逅である本作をそっと見守りたいと想います。
Coming soon
90s Hermes homme balmaccan coat
SURR by LAILA 小林
03-5468-5966
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Hermes Homme における彼女の創作指針として、時代を超えることのできる品であると共に選ぶ人, そして身に着ける人の元々持つ魅力に “ 寄り添い、かつさりげなく押し上げる ” という考えがございまして、不変性であったり時代に呼応した個性であったり圧倒的な品質で表現されるのですが、いずれも触れ合ってみると感覚的にも体感的にも味わうことのできる物静かでありながら明確な意思を感じさせてくれる指針の実体化でして、時に普通のニット帽子, 起毛のカシミアテーラード, 総羊革のシャツで現わされるそれらにおいて、一見不変的なようで裏を返せば大胆不適な姿かたち、かつ綿密で創造的な構築が付与されている一着が視るものに与えてくれる、頭が混乱するような摩訶不思議で革新的な矛盾という喜びたるや。
1990年代に生まれた本品は、編みの表面にその輪を露出させることによって表地が裏地のようでありながら、その実両面に同等の施しがなされた穏やかにこだわりぬかれた生地と、古き良き米国文化をそのまま踏襲した装飾を身体に寄り添わせた時にゆっくりとだが確実にモード本場の匂いが嗅覚器の感覚細胞を刺激してくれる粋な構築と、柔和な白の不変的な肌着類の姿かたちでありながら、たっぷりと織り込まれた綿による見た目からは想像しづらいもったりとした重量感によって、無口でありながら雄弁という論理的には矛盾している, しかし存在としては矛盾していない、それこそ不変的でありながら圧倒的な品質による一種の “ 普通 ” によって身に着ける人に寄り添い本当に本当にさりげなく底上げしてくれる一着に仕上がっているのです。私は本品を肌着類のスウェットに留まらずニットとも形容しがたい極めて不思議でそれこそ革新的に矛盾しているシャツの一つと捉えております。
Coming soon
90s Hermes pile shirts
生地、構築、重量感からなる波状表現を締めくくるのは大胆不敵で美しいヒッポカムポスの刺繍。ギリシャ神話におけるポセイドーンの相棒を、一見すると不変で “ 普通 ” でありつつも穏やかにこだわりぬかれた無口でありながら雄弁な姿かたちの背中に置くという、これまた単純明快に無垢に愉しい こうでなくては な一着です。
SURR by LAILA 福留
03-5468-5966
[email protected]
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