ファッションは愉しく美しい / Diary709
25.4.2019

弊店には 僭越ながら静かにじっくりと強く御提案したい と想う区分や世界が幾つかございまして、そのうちの一つは 2017AW 期に始まったのですが、それはこれまでに多くとも年間 5 着という文字通り静かな御提案でしたので、これまた自分の不甲斐無さを噛み締めずにはいられないものの、年間 5 着ほどしか出逢えないそれら全てから私にとって最大の原動力である ファッションにおける最上の力 を絶大に感じることができたり、その製作者の半生を描いた音楽劇を体験し帰国後すぐに幾人かの知人に “ 私には能力も権力の無いからお願いだ、その音楽劇を日本でも開催させてほしい ” と酒の力を借りずとも, もちろん借りたならなお強く懇願したり ( ただいま公式サイトを確認しましたら、引き続き PARIS 公演と LONDON 公演のみでございました ) 、時に “ その音楽劇のためだけに御旅行を是非 ” と心から申しあげさせて頂いたりを経て、心折れることなく現在に至ります。

御提案数の少なさは私の実力, 努力不足と並行して “ 良縁を結んでくれる所有者が一人しか居ない ” というのが現段階での要因でして、既に服飾史に深く名を刻んだ人物であるがゆえ氏のヴィンテージピースはある程度存在するのですが、 ( あくまで私の判断基準において ) 最上の力を感じられる出逢いがあったとしても、それはモードの世界における他の製作陣と同じく全て女性のための品でして、逆に申しあげますと一回の旅でそれらの女性のための品には安定した周期で出逢えることは、それらがその存在感に相応しい品位で評価されていることを示し心から嬉しく想うのですが、心寂しいことに氏の男性のための品のおける私にとって最上の力が感じられる出逢いは、 PARIS の中心地にショールームを構える穏やかで優しい一人のコレクター様のもとでしか叶いません。

こちらで綴りましたテディベアやスケッチの逸話などの喜怒哀楽溢れる半生を描いた音楽劇の最期に氏がモニターに現れ、声高らかに “ ファッションは愉しい!ファッションは美しい! ” と終幕の言葉を口にした時、私は泣きました。とてもとても幸せな気持ちで泣きました。そして封切り二日目とあってか幕切りの際にピカソと同じくな縞模様に身を包んだ氏本人が壇上に現れ、それはそれは熱狂致しました。社会に属する様々な物事と同じくファッションの世界にも明るい側面とそうでない複雑な側面が表と裏で綺麗に合わさり互いに作用しあっておりますが、私はその明るい側面の中でも最上の純真で無垢な想いの力の強さを、今後も盲目的なほどに信じて愛し続けます。

 

 

 

 

 

Coming soon
1987 – 1992s Jean Paul Gaultier collection.

これまでと同じく独自性 / 独善性に溢れた一着の服として強い品々につき引き続き弊店にとっても “ 全ての御客様方に等しく御提案できる ” と捉えていない存在ですが、そこに後ろ向きな感情は一かけらもなく、ましてや強い愛 ( 偏愛 ) を無意識的に極限までに胸を張って注いでしまう存在でして、何よりどのように捉えて頂けたとしても、どこかしら何かしら大なり小なりで全ての御客様方に等しくファッションは愉しく美しいと想って頂けると確証の無い確信を強く強く抱く存在が Jean Paul Gaultier 。 4/27 ( 土 ) 12:00 より一挙に御披露目させて頂きます。

 

 

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and more.

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John Lobb, Lopez / Diary707
20.4.2019

 


 
セントジェームスストリートを縄張りとする紳士顧客の強い要望と期待により産声を上げたミッドセンチュリーの傑作は、上顧客等のアフターナイトを軽やかに愉しませたビスポーク・ローファーの最上種でありながらレンガ張りの硬い地へ効果的に働く性能と緩やかな傾斜に加わるエリプスフロントの控えめなシグネチャー、ハリソンズのフランネルから絵の具のような英国産ブルージーンズまで自動調律するオーセンティックフォームの素晴らしさ。ビスポークの発露よりブルジョワのみの嗜好品に留めないレディメイドへと舵を切り今日まで進んでおられる John Lobb, Lopes の邂逅ということで遡りますと2014年7月24日で御座いました。1950年代の創作から時も経ち,近年では二十歳の青年が金策を練りに練りながら購入されるお話など伺うと小さな島国の青年の足下まで職人の息遣いを結び合わせる内容に魔法でも幸運でもない深いところの実力を感じずに入られませんが、ここまで民主的に広く受け入れられても,ファッションデザインーの就任や変遷事実をオープンされながらも一切衰えない 格 や 敷居の高さ というのは服飾史やワラント付与の情報証明ではない,履物としての純粋かつ純真な御作り、圧倒的な品質に勝るマテリアルなど御座いませんで、2014年7月24日の言葉を借りるなら “品質に見合った正当対価によって人々の手に渡り、対価以上の満足感を与え続ける” 殊の外、遠く離れた島国の、成人様の財布を苦しめる理由などありえはしないでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


New arrival, 80s Lohn Lobb loafers model “ Lopez ”

 

英発祥ローファーという怠け者の手助けを御完結いただくに当たって濃いでは辿り着くゴール地点の秀作、其の一種と存じますJohn Lobb, Lopesの皮革の弾力や厚みを保たせたキャンディーフォルムのトゥ、気品のあるシェイピング、キュッと締まったヒールカップ、熟成された御色を除いて履いては忘れるほど心地よい其の John Lobb, Lopes の甘みどころを愛でながら呑む酒は、最高に旨いことでしょう。

 

飲み過ぎ注意。

 

 

 

SURR by LAILA 小林

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New arrival, leather shoes / Diary706
19.4.2019

“自分が読んだ本、読んでいる本、近いうちに読む本、いつの日か読めるようになることを信じたい本、いつの日か読めるようになるなら「我が人生に悔いなし」と云える本、そういった本の集合体であって、そこには過去と未来、夢と希望、ささやかな見栄が混じり合っている、自分の心の内部のように。”  以上は、本棚とは一体何たるかを説いた作家様の表現ですが、ミステリー小説しか読まなかったわたくし自身,自己追究しましてもTSUTAYAで借りて気に入った映画と同じ監督様,主演様の他ナンバーを借り続ける一例と謂いましょうか、明智小五郎の呼吸と合えば江古川乱歩ノンシリーズも拝読し続ける一例の集積版とも謂いましょうか、そもそも祖父の時代よりたんまり在ったものですから漫画より十津川警部ということでドラゴンボールを経験しておらんわけでありますがここ数年、様々な様式の様々を拝読するようになり様々な魅力と好みではない様々を分別するようになり、気が付けばスツールの上はカオスティックジャンルと化し、気が付くと本棚は要領を得ておらず、しかしながら自分が読んだ本も、近い将来読もうとストックしている本も、畠中 哲夫氏の精神性をいつの日か読めるよう信じている1冊も、過去と未来、夢と希望、ささやかな見栄が確かに入り交じり、構築されて往く図は、規則正しく整頓されていた西村京太郎の5年前とは想像も付かぬ人生図のように其れは其れは物思いに耽る一瞬が御座いました。

 

 

 

衣服革小物をお好きな皆様ならば、ファッションを追究される御人ならば、クローゼットという神聖地こそ本棚と太い楔で結べるイコール理論のように感じ、御人の歳を重ねてきた投影図であろうと憶い、御人の感性内心そのものの投影図であろうと憶い、ときに手放す1着もあれば、同品種のみが並び,同属性が一列する節目もありましょうし、シャツ,タイ,ブレザー、あるいは自身を外界へと連れ出してくれる 御靴 の構成図も面白いように御人それぞれ異なる嗜好と申しますか、驚くほど “異なっている” と感じるもので、驚くほど “趣味嗜好が顕われるもの” もしくはその御人の内面を綺麗に的確に映す鏡のような役割もある、かのような先入性もわりかし然うであろうと思いまして、自己投影を履物に顕す御方は世間一般的に 趣味が良い と云われるのでしょうが、いずれにしましても在ると想うのです。自身が履いた靴、履いている靴、近いうちに履く靴、いつの日か履けるようになることを信じたい靴、それぞれの構成がセミブローグ3足の御方もいればローファーをこよなく愛する御方も居、ダブルモンクのフィギュアを人生の支柱に納める御方も居、カオスティック本棚現象を受け入れる御方も澱みない個の性と存じます。其の様なわけで3足のレザーシューズ、4月20日 12:00より御披露目とさせて頂くわけですが共通成分を占める当方シューメーカーは本棚理論で謂うところの “いつの日か読めるようになるなら「我が人生に悔いなし」と云える” に的確した想いを抱いておりました10代,20代前半から時も経ち、レストランのストックホルダーも増え、嗜む酒も増え、読む書物も多様化し、コンビニエンスストアおにぎりのグレードも上がり、有り難い事に英国同社の御靴を1足手に入れる機会も御座いまして、日々わたくしの足を護っていただき、ときにわたくしというつまらない男性像を此れ見よがしに立ててくれるもので、本棚理論に添えると “読んでいる本” ということになりますが、初恋の抱きはとんと変わらない不思議が御座います。それは1866年より続く看板を足に従える精神性と申しますか、あるいはHermes製品の分泌物と同属性なる魅力でしょうか、年齢職種に問わず同社1足の選択に悔いを残さぬ御作り、とでも申しますか、それはもう分け隔てなく包み込む御足下のように感じずにはいられず、“丸の内でセミオーダーして来ましたよ” とご満悦な外科医様も、初獲得なる皮革靴が同社であったスニーカー愛好家の学生様も、静まり返った夜の内ベランダで煙草を吹かし管理人より御叱咤があった弊店ディレクターも、未だドランゴンボールに触れていないわたくしも、40数年履き続けるチャールズ皇太子も等しく、ひとしおに平等で御座います。近い将来、万が一動物保護法的な路線で「皮革靴の製造禁止令」なる法律が可決しましても今のところ我が人生に悔いはなく、在るのは未来と夢と希望と、例えば手持ちのJohn Lobbと、おにぎりのグレードを上げたささやかな見栄で御座います。

 

 

 

 

 

 

 

 


New arrival, 90s Lohn Lobb monk strap short boots model “ Varese ”

 

 

New arrival, 80s Lohn Lobb loafers model “ Lopez ”

 

 


New arrival, 90s John Lobb double monk shoes model “ Williams ” for YT

 

 

SURR by LAILA 小林

03-5468-5966
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