ファッションとは着るアクセサリーである、とニューヨークのデザイナー様が謂っていたのを憶い出しましたが、デザイナー=精作主の商業性を例えば除いたとしまして、創り続ける精神性の深みなど計りかねますし、作家様も、芸術家様も、絵描き様も、表現性を生命線に据えている御人の精神というのはわたくしにとって宇宙と同様で、いつまでも神秘的な心の描きで御座いますゆえ、ファッションとは着るアクセサリーである、という意味性もスッと心に染み渡るかと問われれば販売員失格ですね、然うではない、と御答えする現状で御座いますし、表面的に受け取るしか学も能も御座いませんで、殊、Jean Paul Gaultier氏が創造されたJean Paul Gaultierという衣服達も着用するアクセサリーであるかは深層理解を必要としますが、例えば同氏創造物は御人にとっては着用するジュエリーでありますし、御人にとっては衣でありますし、御人にとってはハードボイルドですし、御人にとってはパンク精神の顕れかもしれませんが、いずれの感想にしろ御手に取られた創造物も御人の感性に従われた否定しようもない運びと想うと、なんといいますか、宇宙の理の片鱗に近づけた感覚に陥ると申しますか、神秘的な心の描きが結像したような気がするのもわたくしの気のほうが触れているだけかもしれません。
そういえば丁度、背面がくり抜かれたジレを探していたところです、という御方は先ずいらっしゃらないでしょうし、そういえば丁度、背面がくり抜かれた新鮮なジレが入りました。という応酬も奇跡に等しいですし、つまりは御手に取られる創造物は御人の感性に従われた否定しようもない運びと存じますし、探究物と御縁があったとしましても,どれほどロジカルに向き合おうと金銭を支払い迎え入れるかの究極地には御人の理由なき感覚以外、入り込む隙間などありえようもなく、そこでは蓮見氏が謂うところの内心の訴えが聴こえるのだろうと思いまして、ここにファッションが愉しく,美しいものである “ 核 ” のようなものがある気がしてならず、Jean Paul Gaultier氏はそうじゃないものを避けて創り続けてきたのかもしれませんし、そうであるものを創り続けているのかもしれませんし、もしかしたらその先のひとつに、ファッションとは着るアクセサリーである萌芽が芽吹くのかもしれないと、Jersey Boysの無限ループに陥りながらふと憶いました。
1992s Jean Paul Gaultier with 60s Charvet cotton shirt
90s Jean Paul Gaultier with 90s John Lobb
1992s Jean Paul Gaultier with early1800-early1900s pure gold & precious stone bespoke rings
1990s Jean Paul Gaultier with many pens
SURR by LAILA 小林
03-5468-5966
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小売店業を営む弊店においてお取り扱いをさせていただいている其々に対し私が何よりも重きを置いておりますのは謂うまでもなく、其々との対話 で御座いまして、其々へと自ら入り込もうとする能動的潜水 で御座いますので、大体をもって没入し、創り手の声や着用時代の匂いや其々が今どのような心境で居られるのか真実を知ろうとする意識の傾注、大変烏滸がましいですが総じた努力、というのは決して緩めてはならず、緩めた瞬間シャボン玉のように萎んでしまい死んでしまいますしSURRという小売店空間で小売業を営む我々の存在意義も遥かに死んでしまいますので、シャッターを切りながら、たっぷり時間を注いで各部検分しながら、神保町の古本店をノックしながら鋭い意識の刃を向けるわけですが、そこには各国に点在するコレクター様、ディーラー様、一般収集家様、エトセトラとの対話やら念じて叶った喜ばしきや金銭を支払いたくなるほど絶大な情報など、文頭からの運びを適えて下さる主人達には常に感謝せねばなりませんし、ときにSURRという小売店空間に向けたセレクション業に精神を捧げる福留という人間からナニカを受け取らねばなりませんし、共有せねばならんこともありますし、そのために社外空間の場で数ヶ月に一度酒を交わす機会もありますし、プロフェッショナルレディースに御酒をついでいただく機会も御座いますが、ここまでの運びの最終目的であり最上目的となるは謂わずもがな、皆様に御伝えする で御座いまして、皆様に愉しんでいただく、で御座いまして、その基底には我々も知り、我々も愉しむ、という必然性も追随しますゆえ、やはり感謝の日々でありまして、よりロマンティックに “ ファッションを愉しんでいただきたい ” エゴという名の萌芽を全的にオープンしたとしましても例えば目の前の1着へ深く潜りますと、その連続する日々に曜日を忘れるほど没入しますと、 “ ファッションの愉しさから遠のき, ただの衣服となる ” いよいよヴィンテージ衣類小物を商とする小売店主体から遠のき、ただの男となる瞬間、ただの探究者となる刹那、その一瞬を永久に受け入れてしまうとファッションの愉しさを懇求し、追究し、創り続けたメゾン / デザイナー様に対する不行儀と成り “戻らねば” と息をのむ時々もある中で、殊、Jean Paul Gaultierという主人が精作するJean Paul Gaultierという衣服達に限っては、どれほど真意に迫ろうと、意識の刃を向けようと、深いところまで潜り続けようと視えてはこない真の意は、自己推定にて恐れ入りますがフレンチシズム・アンティークに加わる巨大な+α、詮ずるところの “ 創作 ” なのだろうと憶いますし、そこまでしか視えず、だからこそ愉しく、だからこそ美しく、勝手ながら未だに “ 戻らねばならないところまで往った事がない唯一の創作主 ” で御座いますゆえ、 “ 戻らねばならないところまで決して辿り着けない唯一の創造主 ” で御座いますゆえ、セレクションへと旅支度をする前の閣議に際し、必ず名があるJean Paul Gaultierでありますし、平成最後の編集とさせていただくは最終目的であり最上目的である “ ファッションを愉しんでいただきたい ” 願いを込めまして、Jean Paul Gaultierの創作7体、御披露目で御座います。
1987-1992s Jean Paul Gaultier collection
4 / 27 (土)12:00 〜
New arrival, 1992s Jean Paul Gaultier gillet
New arrival, 1990s Junior Gaultier oversized textile shirt
New arrival, 1987s Junior Gaultier oversized striped shirt
New arrival, 90s Jean Paul Gaultier leather gillet
New arrival, 1992s Jean Paul Gaultier cotton shirts jacket
New arrival, 90s Jean Paul Gaultier leather,suede & unborn calf joint knit
New arrival, 1990s Jean Paul Gaultier cotton tailored jacket
SURR by LAILA 小林
03-5468-5966
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1980年代から1990年代ミラノを中心とするユースカルチャー【Paninaro / パニナロ】について幾度かご説明させて頂いてはおりますが、米国に憧れを抱いたシニョーレが市民へ向けて開始したプロジェクトはマーケティングの成果と謂うにはいささか疑問も残る “ 浅さ ” と謂いますか、採用されていたロゴやテキストには大変ディープな精神性があるのだろうと約2年間研究を重ねましたが得たひとつの回答は “ 意味なんてない ” ゆえの “ 浅さ ” で御座いました。イタリアで育った彼らの巧みなカラーチューニングセンスと、日に焼けた肌と、高い身長と、隣を歩く美しい女性と、あるいは制限性のない色彩選択や瑞々しいカラーパレットはサンバビラ広場を鮮やかに彩り、彩りを構築する【Paninari / パニナリ=個人】へ衣服提供を続けた栄養元こそ【Best Company】カルチュアの支柱的存在と申しますか、そもそもハウスネームも気が触れてるとしか謂いようがないのですが、とにかく英の語を使用したい少年のような無垢さや欲望が渦巻くテキストセンスは本当のところ皆無と謂って宜しいのではないか、無様に単純で偏狭で初見より見解はあまり変わりませんが砕いて申し上げましても、驚いた,なんてダサいのだ!!(褒めております) と思わずにはいられないパニナロというより同社の個体印象ですが、その抗えようもない純真さに加わるイタリア本国の徹底した製作背景や産地を拡大させることなくミニマルに収める社的意向も一躍を担い当時を愛するシニョーレに多く見られる収集家、マニアックコレクターの存在は我々の頭を悩ませるばかりで、彼らの収集導火線に火を付けた功績者こそ,時に英国のスポーツメーカーで多面的に才能をアウトプットしていたコントローラー【Olmes Carretti】その存在はあまりにも大きく、あまりにも濃く、同氏が情熱を注ぎ続けたテキスタイルはどれも決然としたもので、全体の構成から染色糸まで操縦する統制者としての才、ブランディングの舵取り、カラーチューニングの術、製作への落とし込み、当時の時流でしっかりドライブするディレクションの巧みさ、当時の評価以上に迸るなにかを感じるのは彼がメインパーソンとして躍動していたまさにBest Company同社で御座います。だって無いではありませんか。この様子で産地がイタリアですよ、が通用するディープフィールドなんて。
パニナリのクローゼットを構成していた主要成分がカラフルなコットン・スウェットやウールセーターに加え大概を占めていたブルージーンズの存在はやはり硬く、デザインソースが米国からのインプットの他,アウトドア・タッチな都会活動着も目につく同社表現の中で、ブルージーンズへ注がれるエネルギーには絶対的な質量が御座います。あるいは当時市民に愛されていたジーンズという名の穿き物にはゆったりとしたヒップバランスから脚軸に沿うテーパードの急激性,レッグフォルムの一貫性が存在し、それは国柄をストレートに顕すほどのマテリアルと存じながら同社製作の其れ等には偶発的に誕生した物体のように独立したエナジーと申しますか、非人工的な温かみと申しますか、水量調節をしたように魅せかける非デザイン性と申しますか、その非計算性が共通項に浮かび上がるように総じてカントリータッチな運動的バイオリズムという印象を肥大させていく一方な私的見解とはいえ、それは同国他社の功績軌跡を辿りますとより明確にくっきりと浮かび上がるのではないだろうかと憶うわけでありまして、産地本場のBest Company by Olmes Carretti製作ブルージーンズというカテゴライズは実のところもっとスケールが大きく、同年代頃に多く見られるヨーロッパ産ブルージーンズという拡大解釈で腑に落とすほうが馴染みも宜しいように、馴染みが宜しいようなブルートーンですし、ファッション・モードから最も遠い民衆的な香りが鼻を突くものです。
Levis社ワークトラウザーの一種701のヒップパターンのように魅せて其処までドラマティックではなく、おそらくバックポケットがただ巨大なだけではあるまいかと憶いますし、全体として基底要素が伺えない独特の着用リズムはスタイリングなど意図した瞬間敗北する気配が御座いますので是非とも無の心領域にて常用頂きたく存じますし、経験的推測で恐れ入りますが洗い込むとゆっくりとフラットに落ちて往く主張性も都会性もないエイジングとその非成熟未来に希望を持つ御方など100名いたら5名程の物好きと失礼ながら憶いますがいずれにしても、Olmes Carretti氏 唯一の魅せ処 “ 刺繍采配 ” 成るバックポケットの表現物にはハッとさせられた刹那、わたくしが勝手に認識している稀少種バードコレクション(鳥が主役の刺繍表現)がまさか犬に殺生されているとは哀しいとかモラリティがどうとかそんなお話ではない大変ディープな精神性があるのだろうと熟考に熟考を重ねて得たひとつの回答は “ 意味なんてない ” とお決まりの終着点ながら例えば解釈変更で道端で倒れていたバードがドッグに助けられている図として如何でしょう、平和に参ろうではありませんか。そんな珍品を強引解釈でマイジーンズに認定する御人が世界中に1名はいらしても、やはり世界は平和に廻ると思うのです。
New arrival, early90s Best Company blue jeans design from Olmes Carretti, Dog help the bird
SURR by LAILA 小林
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