時節の変わり目には必ず置かせて頂いている、 / Diary674
18.2.2019

 


 
毎年打っている花粉症用の御注射ですが今年ワンクール遅れましたら喉にガツンと悪影響及びまして、いやぁ、参りました。声が出ないもんですから。SS立ち上がり初日より異例のささやきスタイルで迎えました。そうはいっても熱が入りますと声のボリュームが上がるもんですからノイズ音を店内へ響かせてしまいまして、皆様、お聞き苦しく大変申し訳御座いませんでした。心よりお詫びを申し上げますと同時に、貴重なお休みの時間に弊店へ足を御運び下さった皆様、心より、御礼を申し上げます。

 

誠に勝手では御座いますが、本日から順を追って商品のご紹介をさせて頂きます。御暇つぶしにでも相成り得ましたら。お耳汚しの上お目汚しに至らぬよう精一杯努めさせて頂きますので、今シーズンもどうぞ宜しくお願い申し上げます。

 

 

 

 

ファーストコンタクトを交わしますのは時節の変わり目には必ず置かせて頂いている Utility Wear であり Practical Gear と捉えているまさにそう Hunting Jacket で御座います。意は尽くされたかのようにポジションを獲得している同区分を憶うとつくづく、東京という街はすごいなあと考えさせられるというか都心がファッション・フィギュアとしてマーケティングやブランディングの矢先に集中している点も勿論そうでありますし時流の早さと謂いますか時流形成の仕業と謂いますか情報浸透の軽やかさと謂いますか。ファッション・モードを前提とする/しないで見方はグルりと変わりますし前提としないを前提に致しますと女性史と比べ華やかでもなければ鮮やかでもなく総じて淡白な面持ちが歴史を紡いできた男性服飾史の味気なさといったら。さりとて、紡がれてきた其々から静かに分泌される男性特有の色気、というのはほぼ間違いがないもので、その力強さや精悍な顔つきは女性服飾を彩る其々には決して持ち合わせてはいない艶めかしさであり紳士服の紳士服がゆえの紳士服だからこその洗練性と想いますし横への広がりではなく深化を続けてきた紳士服飾史に隠れきれない濃厚な 旨味 で御座いますゆえ、紳士服専門店を掲げさせて頂いている弊店の軸をぶらさない、という意思表明のつまらないエゴではなく、純粋にその旨味をご堪能頂き、蜜のように甘いフレーバーを嗅いで頂き、そして男性である事への密かな喜びを集積頂けましたら幸いに憶います。

 

 

 


 

 

そもそも時流や形成循環に当て嵌まらない区分であるがゆえパッケージされた情報のように取っては過ぎ去られていくような懸念を拭いきれないと謂いますか、それは French Work も然りで御座いますし Blue moleskin も然りで御座いますし Hunting Jakcet も全くを以て然うと憶いますのは懸念という言葉では足りない寂しさやら哀しみやらのブルーな感情に乗っかる切迫として在り在りとした 危機感 で御座いますが、常に前へ進み続けるファッション・モードが懐古的アプローチや資料拝借をラン・ウェイに視たところで消えるわけでもなく、むしろ熱狂的な時流という名の渦に呑み込まれてしまう危惧はやはり在り在りと御座いますが、そうはいってもファッション・モードに否を述べるつもりは毛頭なく敬意の火を絶やさず今を生きておりますし形成循環という性質に収まるファッションと密接に生きておりますので、ただただ、取っては過ぎ去られていく(良い意味での)モード思想に組み込まれてはいけないとささやかな想いをささやかに運ばせたい小さなエゴという名の危機感で御座いますので、考えを手放すつもりも毛頭なく、そもそもこの狭き深き【狩猟】という嗜好区分に添うジャケットが時流という名の渦に、形成循環という名のファッションにどっぷり没入した様子を視た事が御座いませんので切迫も危機感も机上の感情ですが、情報のみで取捨選択を繰り広げられる視えない何かを恐れる気持ちと、他国に比べ深く浸透した狩猟嗜好が16世紀から文化として息づくフランスという国のヘヴィデューティーウェア本来的な御創りの素晴らしさを動機として評価を格別に上げて参りたい小さなエゴで御座いまして、変わらぬ位置で泰然と待ち続ける 野外活動着 を、時節の変わり目には必ず置かせて頂いている素晴らしき Hunting Jakcet を沸騰するような熱い想いで提案を続けて参りたい所存であります。

 

 

 


 

 

 

 

 

ホワイトトーンまで抜けたカラーテクスチャと洗い込まれたコットンキャンバスに加わる無数かつ乱雑で秩序性や美術性より確実性を優先した修繕痕はコントラストステッチと称するほど御洒落に息づくものではなく歴然としたフィールドジャケットの目的性にどこまでも従うマテリアルと同時に歴代オーナー様が注いだ愛の結晶で御座いますゆえ、継承理論が通用するならば2019年元号が変わろうとする時代へ向かう少年、青年、男性、今を生きる紳士の皆様、厳然たるタウンギアとして分泌される濃厚な旨味を少しばかりでもご堪能頂けましたら。

 

尚、ハンティングジャケットを愛するひとりのお客様より、大体を持って設置されている背面の巨大なゲームポケットの活用法につき、 “ レコードを入れるのに便利なんだよね ” と御言葉を頂戴した際にはなんとも嬉しく憶いました。

 

 

 

 

 


New arrival 50s France cotton hunting jacket

 

 

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来期に関して / Diary672
14.2.2019

【駄文】の定義とは幾つか存在するのだろうと思いました。例えばそう「想い気ままに書く文章」とか「自由意思による筆の運び」とか、タッタっと調べてみましたら「くだらない文章」しか出てきませんで少し笑いました。くだらない文章を書こうと精神エネルギーを注入するものでは当然御座いませんが、弊店のDiary(世間一般的に謂うBLOG)というのは想い気ままに書かせて頂いているうえ専ら、自由意志による筆の運びで御座いますもので、と、なればわたくしが思っていたところの【駄文】という事で本日を迎えることが出来ましたら貰えもしないチョッコレイトこと世間一般的に謂うバレンタインデイを忘れる事が出来るかもしれませんし、そもそもくだらない文章の提供にならねば宜しいと心より,切に願いながらも結局のところ、わたくしが思わないところの【駄文】に成りかねませんので恐縮の至り。

 

 

これまた私的内容にて恐れ入りますが何事にも 完全な成熟 を好むわたくしは、ロールプレイングゲームは石の上でじっくり参りますし、ビール→ビール→ビール→ビール→ビール→焼酎お湯割り→焼酎お湯割りはティプシィコンディションという名の完全な成熟で御座いますし、あるいはだんだん足に筋肉がつき、健康的に焼け、精悍になるように、物理的幸福へ向かう成熟 とでも謂いましょうか 成熟への追求 とも捉えましょうか【熟して適当な時期に達する】事への欲を常温に保って参りまして、完全な成熟を手に入れるまでの運びは必ずしも快調である必要はなく、そして物理的にも精神的にも完全な成熟に達したと憶う “さらに先” が御座いますもので、つまりは 過程 を愛してやまず、ビール→ビール→ビール辺りで未だ熟していない幸福を感じ、主人公LV38くらいで喜びを感じ、完全な成熟へ直と向かう運びに、浅くも深くも哲の学がある気が致しております。

 

謂わずもがな成熟過程論を当て嵌めているマテリアルに【服飾】が御座いまして、衣食住の先頭に落ち着く衣に半ば強引 成長 を求め、完全な成熟へと太いベクトルを向けさせるわたくしもサディストであり耐え得る喜びとマゾヒストで御座いますが(松本人志の放送局で松本人志が唱えておりました、それぞれは裏表であると)ところでいつの日か道具のお話をさせて頂いた記憶も御座いまして「壊して、直して、使う」理論を大切にさせては頂いておりまして、通常道具の運命となれば「使って、壊す」が正論であり宿命ですし「壊す美学」に基づく其れで御座いますが、「直して、使う」貧乏性も道具の完全な成熟を手に入れるために必要な行いであり、人様の前に堂々と向けれる事柄では御座いませんがそう【完全な成熟】を手に入れるために必要な行いだとわたくしは憶いまして【完全な成熟】へ向かう大切な運びであるように強く想いまして、衣食住の先頭に落ち着く衣にさえ、道具の私的理論と在り方を期待するわたくしもサディストであり耐え得る喜びとマゾヒストで御座いますが、以上の熱い想いを受け止めてもらうには基本的設定が【タフ】でなければならず、生地であるか、組成であるか、縫い方であるか、フィッティングであるか、ときにウール×モヘヤで御座いますし、ときにシルクでありますし、ときに木綿で御座いますが、精力的であり強靭的であり総じて【タフ】である強さを有するは「壊せる、直せる、使える」ポテンシャルが備わるかどうかの唯唯一点。
 
約11年付き添わせている片割れも、壊して、直して、使っておりますが未だ未だ完全な成熟に辿り着く気配すら無く、これも私的感覚にて誠に恐れ入りますが本文において登場させている完全な成熟とは専ら「壊して、直らなかった」時に表出される美しさだろうと想えてならず、永い歳月をもって御付き合いをしてきた片割れが20年後に完全な成熟に近づいたところで “さらに先” が御座いますもので、壊して、直せなかった哀しみと哀しみから滲み出る美しさこそ完全な成熟ではあるまいかと物思いに耽る本日バレンタインデイ、20代後半、社会的経験値も一般的経験値も男性的経験値も何もかも足りぬ足りぬの只今ですので、じっくり、じっくり御付き合いをして参ろうと改めまして時節の題目、大辞林第三版「酷使に耐えるさま。耐久性のあること」を意味する言葉であり、弊店オープンより大切に使用させて頂いてきた事柄で御座います。解釈によってはファッション・モードから遠い性質でありますし、時流形成のシーズン・ファッションにそぐわない性質と解りながら、ミリタリー/ワークの凄味に立ち返り、メゾンのデューティー×エレガンスに舌鼓を打ち、紳士服の無垢な美しさを学び、ただただ純粋にお洋服を大切に御付き合い頂きたい想いを乗せまして、

 

 

 


 

 
2019 S/S 題目【Heavy-Duty】

 

整いますまで、しばし御待ち頂きますようお願い申し上げます。

 

 

 

 

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装いの四季 / Diary671
13.2.2019

時にゆっくりと時にめまぐるしく移ろいゆく諸々ですが、旅から戻ってきたら嗜好品が 460 円から 500 円に変化していたり、馴染みの歩道橋降り口が無くなっていたり、古き良き書店と近くの川が商業施設に変化していたりと特に世間と街の変化には驚かされるもので、老舗百貨店の改装や消え去る公園や新たな建造物などを目にしますと 10 年ほど前に通っていた呑み屋で常連さんが “ 先々渋谷駅一帯に巨大な地下空間ができて、地上を歩かなくなるらしい ” と予言していたことと “ まさか~ ” と反論した私の愚かな赤ら顔を想い出すものの、世間や街の変化に対して私は良い印象も悪い印象もございませんで、単純に “ おっ変わっていっているな~ ” や “ この重機格好良いな~ ” や “ 寒い中お疲れ様です ” と想うくらいで基本的には頭の中では柔和な時間が流れております。泰然自若。

皆様方には様々な区分や方向性で 好きな装い があることと想います。それを仮に移ろいゆく “ 装いの四季 ” と呼ぶとしたら私は A な気分 → B な気分 → C な気分 → C+A な気分 → B+C な気分 → D な気分 →→→ と春夏秋冬の四季よろしく心の期と機に応じて主軸が変遷を遂げて 1 年を過ごすことが続いているのですが、年々それら装いの四季におけるそれぞれの特色が色濃くなり、差異の濃淡が明確になっておりまして、その中でも特に存在感を強めているのが研ぎ澄ませた装い, 小林の言葉を借りるとヘヴィーデューティーな装いでして、私は好みになったらそれだけを着ることに一切抵抗がないうえに、例えば瞬間的に写真を撮りたくなったら道路の上でも厠の中でも寝っ転がってしまう非社会的社会人ですので、結果的に着倒すに相応しい研ぎ澄ませた装いの優位性が高くなる生活を今現在過ごしているのですが、それは弊店で申し上げるところのいわゆる Work や Military に限らずテーラードジャケットでも同じくですので、仮に呑み屋の厠でスーツを着た人が寝っ転がってカメラを構えていたら私, もしくは泥酔したカメラ好き, もしくは泥酔した私かと想いますのでどうぞ宜しくお願い致します。

 

 

 

 

 

 

世間と街の変化を眺めながら時に呑み屋で酩酊しつつ泰然自若に過ごすうちにまたも時節の節目が近づいてまいりました。弊店は誰に言われたでもなく頼まれたでもなく、節目ごとに新たな題目を設けて象徴となる物質を御用意しており、それは直近でいうところの “ イタリアの風 ” であったり100年前の秤だったりしまして、新たな題目に想いを馳せることも象徴物との出逢いを模索することも自然におこなえるかつ愉しい時間なのですが、昨年頃その行為に “ こだわっている ” もしくは “ 捉われている自分 ” に対して違和感を覚えるようになりましたので、今後その行為を 必ず行うことにこだわる という考えに捉われることを止めさせて頂こうと想います。が、題目があれば設けますし象徴物に出逢えればそれを据えますので弊店としての在り方と空間は結果的に変わらないことになると想いますが、捉われることに捉われることを止めたという毒にも薬にもならない私の考えを綴らせて頂きました。毎度の駄文を心より御詫び申しあげます。

 

 

SURR by LAILA 福留

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