御人によっては必要ではないもの / Diary698
4.4.2019

“ 若い頃の貴乃花に似ている ” と祖母に言われた幼少期、周囲の親戚達が そうだね やら そうかね やら言う中で心の中に芽吹いた素直で率直な感情は 知らねぇよ と 小遣いくれよ だったのですが、その頃はこんな私になるなんて祖母も親戚達も知る由がありませんで、私も当時は警察官になりたいと確か想っておりましたので、まさかこんな私になるなんて, 定期的な職務質問対象者になるなんて知る由もありませんでしたので、今心の中に芽吹いた素直な感情は なんかすいませんねぇ と 逢いてぇな なのですが、想い返してみますとその頃既に御人によっては必要ではないもの, こだわらないものに対して時に強い必要性を感じて強くこだわっておりまして、例えば当時の私にとって最も価値ある装いであったのがタンクトップと短パンだったのですが、なぜその二つなのか, その二つのどの点がそうさせたのかは覚えておりませんが、ただ一つ、当時の自分にとって最高に格好良いと想えていたことだけははっきりと覚えております。それはもう頑なに真冬でもタンクトップと短パンでした。

この生業において、御人によっては必要ではないものという存在があることに度々気付かされます。それはテーラードジャケットであったりレザーシューズであったりファインジュエリーであったり、またはシャツであったりと本当に様々で極論誰もが必ず必要なもの “ が無い ” と想うほどで、だからこそそれを御伝えしたい, その愉しさを共有したいという衝動が私の根本的な原動力と欲求であります。この度新作として御披露目させて頂きます直近の旅で幸運な数に出逢うことができました品は、御人によっては必要ではないものの如実な用例の一つなのかもしれませんが、いつもと同じく心より御推奨させてくださいませ。先日の月曜日に私は本社におりまして他の社員とともに一つの画面を注視するという珍しい時間を過ごしておりまして、終わった直後に小林に LINE を送りました。確か 11:30 をほんの少し過ぎた頃だったと想いますが、その頃彼はちょうど御人によっては必要ではないものの如実な用例の一つであるそれを、巻いていたようですね。

 

 

数多が各年代で製作し続けている品ですので同社でなければいけないということは一切ございませんで、弊社では品を定めるあたり可能な限り知識と固定概念を排除するよう努めておりますので、こと同品に関してはそれを容易に静かに遂行しているのですが、触覚と嗅覚 ( 特に触覚 ) に基づいた結果同社となることが多いため、それは単なる感覚的な好みであるのだろうと現段階では感じております。また、それこそ同社において現代に至るまで一度も途切れることなく製作され続けておりますので、ヴィンテージでなくてはいけないということは一切ございませんが、私にとってはヴィンテージのそれらと現代のそれらには、それこそ即座に知覚できるほどに触れた指先と香った鼻先の心地良い違和感が感じます。この度は幸運にも 35 年間に分布する品々の御用意が叶いましたので、御興味頂けましたら是非に御体感くださいませ。

 

 

 

 

 

Coming soon
1951 – 1986s Hermes, silk tie collection

巻く御人は巻きますが巻かない御人は巻かないことと想いますし、それこそ御人によっては煩わしい存在として御認識されている方もおられることと存じますが、私は巻きますしその行為と存在価値を純真無垢に愉しんでいるがゆえに弊店では御推奨させて頂きますので、引き続きの独善性を御容赦御了承頂けますと幸いです。また、もし僅かでもこの職人技術と愛と感性が集約された小さな小さな物質に御興味頂ける暁には、相も変わらず無粋にも全力でその彩りが首元に在る豊かさを御推奨させてください。

4/6 ( 土 ) 12:00 より御披露目させて頂きます。

 

 

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