静かな時が人知れず流れ続けてきた弊店ではお陰様で幾人もの御客様方が様々な品々をお試しくださってきましたが、その際に “ 似合うか? ” と問うて頂いたり、あまつさえ “ 似合わないのでは? ” と問うて頂くことは多々ございまして、弊店の御客様は極めて高い確率で大変に御似合いになる方が多くあまつさえお試し開始から数分経つだけでも印象が変化し一層に御似合いになられますので、傍らで拝見していて愉しさしかございません。 “ 似合い ” は一種の猜疑心も含んでおりますので、それを受け入れるか入れないかは等しく正しいものの、時に静かに時に強く感じる似合いのエナジーを目の当たりにしたうえでそれを一旦保留にされそうになると、生業云々を差し引いて鼻息荒く申しあげたくなってしまいます。そんなに御似合いに成るのに御自身のものにされないなんて勿体ない。ハァハァ。 と。
更に私が面白く想うのは、似合いに身体の縦横比が関わらないという点でして、世の中には衣類を身に着けることを生業とする人々が居られて、その方々は往々にして頭や顔が小さかったり手足が長かったり身長が高かったりとする傾向に在りますものの、私のささやかな経験と致しましてはだからといってバツのグンに似合うかと言えば必ずしもそうではなく、瞬間を切り取る静止画では形に成れど日々を過ごす動画では形に成らず なんてことが往々に起こるだけでなく、あまつさえそのような生業ではない御方がとてもとても御似合いに成られることが多々、いやかなりの頻度で在ります。
物理的に論理的に似合うはずの GOOD プロポーションよりも NORMAL プロポーションの方が似合う。これは本当に面白い現象です ( 余談ですが私のような眼鏡顔理論もこれに含まれることと想います ) 。ボディバランスが良くなくとも, 高身長でなくとも, 筋肉質でなくとも, 手足が長くなくとも、圧巻な “ 似合い ” というものが圧倒的なほどに在るのです。私は長らくその現象を面白いなーと眺めておりましたが、ある時に愉しんでいるか・興味を抱いているか・求めているかなどといった感情のベクトルが強く向いている時にその現象が起きることに気付きました。( 余談ですが弊店の鈴木くんはコンチキショウな GOOD プロポーションかつ純粋に愉しんでいるようで様々がかなり似合います。是非人知れず何かしらの損を被っていてほしいものですね )
となると興味を抱いた瞬間に似合うという、身も蓋もないなんともざっくりとしたことに成りますが、私はまさにその通りだと想っているのです。感情のベクトルが向いた時点で、なんとなし眺めていて目線が留まった時点で既に似合うことはほぼほぼ決定しておりますので、その上で自身に必要であるか否かの判断。似合うか否かとは別の必要であるか有用であるか否かの論点・スタイルとして似合うかライフスタイルとして必要かの論点。
それを今まで以上の大切に捉えることが 2020AW の弊店の主題となります。

着たいか、気になるか、似合うか、便利か、気持ち良いか、満足感を得られるか、今着れるか、一週間後着れるか、一か月後着れるか などなど。様々な好みが在ってスタイルが在るうえで感情のベクトルが向くか否かと、それがライフスタイルに沿うか否か。それを大切にすることそのものが 2020AW 期のメインテーマと申しますか課題で、更に言えば今までの好みやスタイルとは異なり、なんだったらライフスタイルにも沿わないにも関わらず惹かれる何かを一つでも一瞬でも御提案するのが裏テーマです。まぁそれはそもそもの野望と言うか根本的な課題なんですけどね。2020SS 期に突入の頃はうまく頭の中でまとまっていませんでしたが、様々を経て少しずつ形作られてきているように感じます。

Coming soon 2020AW
プロローグを経て新章突入です。どうぞ宜しくお願い致します。
SURR by LAILA 福留
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週に1,2回程映画を鑑賞していまして、最近目にしたのは80年代の呪われた車に憑りつかれる話とハリケーンによって街が水没し、大量の鮫に襲われる話。ホラーやスリラー好きな私としてはどちらもフィルマークスで言うところの3点を付けたくなる、世で言うB級な内容でしたが、それはそれで面白いですし、作者の意図やこうだったら最悪じゃない?怖くない?と愉しく製作されたのであろうと考えると怖いより笑える点に見えてくるのがホラーの醍醐味だと感じています。が、それにしても避けて通ってきたスプラッター映画を一昨日鑑賞したのですが、描写のグロテスクなものは苦手でして。と言うのもタイトルが食人と言う極めて残酷なジャンルでしたので、存在は知りつつも避けていたのですが、タイミングも合ってつい観てしまったのです。しかし、予想を上回るしっかりとした内容に、つい没頭して見れてしまったのが感想ですが、恐らくこの世の何処かで本当にあるのであろうと考えると、怖さより歴史を知りたくなる視点で見入ってしまいどっちつかずになってしまいまして。その映像のリアリティの追求は凄み(一部だいぶ気持ち悪い)と共に頭に血が上る感覚は久しぶりでしたので、当面はジブリでも観ようと思います。
ふと、何故ホラーやスリラーを好み観るようになったのかを考えると、恐らく学生の頃に見た The Mist と言うスティーブンキング原作の映画の影響が大きく、映画を見終わった後の虚無感に嵌ってしまい、そこからスティーブンキングが好きになったのは言うまでも無く、あのどうしようもない感覚を味わいたい欲求に駆られているのですが、中々最近は出会えず。強いて言えば US は軽くやられました。是非、ご覧になられて見てください。何故好きになったか、と言う話の発端は定期的にいらして下さるお客様と先日にお話した際、そのお客様は色使いがいつも素敵でその際も色彩の豊かなものを選択されたので、どこでその感覚を培ったのか、何故鮮やかなものを好まれるのかとご質問した際に「幼少期に赤やピンクしか着てこなかったんです」と、なるほど。潜在的に、習慣から繋がる好きなものを好きになるのには理由があり、それは映画も然り、衣類にも当て嵌まり”何故好きか”を掘り下げてみるのも習慣付いてしまいがちなものに対しての解釈を改めて愉しく、見つめ直すことが出来ました。

New arrival, 1993s Dries Van Noten wool & cotton & rayon knit tailored jacket.
テーラードジャケットであり、襟付きのカーディガンでもある。それに軽いし、色も良い。
さて、何故 Dries Van Noten が好きなのか改めて考えたいと想います。
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あの期間はそもそも外に出る機会が少なく、なんと言っても一時休店によって御客様に前に立つという機会が無くなったこともあって、これまでは人知れずと三週間から一か月に一回のペースで通っていた美容院に行かない時間を過ごしたからか、もしくは別の理由かもしれませんが、運営が再開して久方ぶりにマンションの前で会ったご近所の Nさん ( 呑み屋に行くと知らない人と必ず友達に成れる柔和でちょっとお茶目な紳士 ) に “ マイルドになったねぇ ” とふとした一言をかけて頂いた時、私は長らく人柄の形容詞やニュアンスにおいてセクシーであったりアヴァンギャルドであったりといった表現は思い浮かべていたものの、一度としてマイルドという表現を思い浮かべてこなかったこと、そして今の自分にとってマイルドというニュアンスが驚くほどに心地良く感じたことに気付きました。

そうかマイルドか。マイルドねぇ。想えばこの生業に就いてから周囲がほとんど ( 色々と圧倒的な ) 年長者で埋められ、常にその人たちと一日でも肩を並べると言うか認めてもらうと言うか、それを念頭に置いて過ごし続けてきましたが、装いにおけるモードであったり人としての在り方におけるセクシーであったりアヴァンギャルドであったりを意識する過程で様々な衣類に手を出しては右往左往し、純金髪にしたりモヒカンにしたりしながらリッチやハイエンドを目指してきました。その道中でマイルドな人としての在り方を想い浮かべたことは紛れもなく無かったです。
OK。私は齢をとったのだ。もちろん社会においてはまだまだ引き続き若輩者で未熟者ですが、この生業に就いた頃と比べると圧倒的に齢をとったのだ。まずその点をしっかりと咀嚼して呑み込もう。そしてどうやら今の私は想った以上にリッチを装ったり元からハイエンドですよというふりをしたり、そう想われるためになにかを盛ったりすること行為やマインドを自分から遠ざけたく成っていること。イコール自然体で居ることに, 自然体な人の在り方に, 気持ちとして頑張っておらず実際頑張っているように視られないマイルドな自分の在り方にこれ以上ないほどの心地良さを感じていることを自覚しよう。 これが割合最近の気付きでした。生きていると様々在って、やはり愉しいですね。

また、マイルドな在り方によって自身の装いにおける一つ一つが生まれ変ってくれたことも何より愉しいです。不変や素朴の強み、上質さや職人技術の有用性、看板の価値観 etc.etc. また更に熱が高まりそうな予感。依然変わらずいや俄然愉しいヴィンテージ / アンティークの世界において、取り急ぎ今までで最もワークとミリタリーに惹かれています。自分が着る要素として。
SURR by LAILA 福留
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