下半身の衣類は皆様方にとってどのような存在でしょうか。私は以前より本当に何故だか何故だか好きでして、明日何着ようかと夢想する際には下半身から考えることが多く、と申しますかほんの一、二年前まではほぼ 100% そうでして、最近になってやっと上半身もしっかり考えられるようになったほどなものですから、太い・細い・暗い・明るい・軽い・重いetc、ハーフパンツの類を覗いた全てを旬に合わせて愉しませて頂いておりますので、弊店でも不定期的に積極的な御提案をさせて頂いておりますがここまでの種類種別を一挙に御披露目したことはございませんで、ここ一、二年でやっと落ち着いたと想った下半身欲が大いに疼きます。 というのは都合の良い言い訳で、結局のところ私は下半身の衣類を一年中探している煩悩の塊なのです。
“ 丁度良い下半身の衣類は? ” の解は年齢や環境によって時に徐々に時に一挙に変化致しますので、どなた様においてもいつまでも辿り着くことと存じますが、いずれにせよ装いの約 50% の面積を占めるその部位は様々に彩らない手は愉しまない手はありませんので、1930 年代から 1990 年代まで、ウエスト 27 インチから 40 インチまでのこの度の新作群にてなにかしらに想って頂けましたら幸いです。
New arrival,Trousers collection 2020.
SURR by LAILA 福留
03-5468-5966
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とあるお客様は当時を懐かしみ、「これもってたなぁ」「これあったね」とお言葉を頂き、とあるお客様は「僕の生まれた年です」と新鮮な目で感じて下さる。当時を体感して改めてそのものに触れる感動や 90 年代のクリエイションに対して既視感すら無く斬新に映る、前情報無しに単純に一つのものとして興味をそそられる事や不特定を愉しむのも一つの方法だと想いますが、今回は私の おうち時間 でまだ未完成ですが Dries Van Noten の 90 年代コレクションを年代毎に画像をまとめていまして(非常に時間と手間が掛かりますが)、現状ご案内の叶う商品をコレクションルック共にご覧頂ければと綴らせて頂きます。また、オンラインショップには全て掲載済みですので併せて見返して頂ければ新しい発見があるかも知れません。
1995AW Dries van noten striped wool sweater.
スポーツ&スクールスタイル
1995 年秋冬コレクションを代表する横縞
クラシックとの調和
1997AW Dries Van Noten military-style hooded coat.
ミリタリーインスピレーション
重ね着をする為に裏地を排除した潔さ
ビックシルエットスタイル
1994ss Dries Van Noten geometric gilet.
シルク×コットン×リネン
表が裏、裏が表
最後の男女合同ショー
1997ss Dries Van Noten multi color cotton sweater.
色彩豊かなコットンセーター
色×柄、柄×柄、色×色
フランシス・ベーコンの様な毒付いた配色
1997AW Dries Van Noten wool tailored jacket.
90 年代の同社を代表するフロントからヘムに架けての鋭いカッティング
計算された一枚仕立て
ボディコンシャスなフィット
いつもと違う目線でそのものを見たとき、また触れたときの感じ方は個々で異なると想います。当時私がカスタマーの頃、 SURR で出会った 90 年代の Dries Van Noten 。古いタグに何故か惹かれインディゴカラーのワークジャケットに一目惚れした事がきっかけで このジャケットはいつのコレクションでどんなイメージで着用していたのか と興味本位に調べに調べてやっとのことでそれを目にした時の0から1になる感覚と言いますか想像を超えた着こなしの感動たるや。
同じ感覚をとは想いませんが、同じ空気を御愉しみ頂ければ幸いです。
SURR by LAILA 鈴木
03-5468-5966
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それでですね最近ふと想ったのですが、不変にプラスアルファで何かの要素が注がれた時に、不変の要素をしっかりと突き詰めていればいるほど、そしてプラスアルファが稀有であればあるほど怪物のような品が産まれる と。まぁそもそも数多くのファッションピースが不変を踏まえたうえで様々なアルファを注いで看板を掲げたりなんだりを行っておりますので、結局のところ全部当てはまると言えば当てはまるのですが、その際に不変に軸足を置くかアルファに軸足を置くかによって在り方が変わりまして、弊店は純正の雑食姿勢にてヴィンテージ / アンティークの様々を御提案致しておりますが、感覚的には不変に軸足の方がその化学反応は際立ち、怪物としての存在感は高まるように想います。
不変に軸足を置き追及すればするほどに、稀有ななにかしらのアルファをプラスした際に炸裂する存在価値。弊店における御推奨としてもかねてより、そしてこれからも申し分ございませんし、私は自身の衣としても大好物であります。
不変の追及といえばこちらの看板が代表的な一つでしょうか。“ 手に取ってくれた人が元来持つ魅力を損なわず、邪魔せず。陰ながらそっと押し上げるような存在を創りたい ” という理念を胸に秘めた一人の親愛なる女性が手綱を握って三十年以上経ちますが、その以前から感覚的には同じくなクリエイションを積み重ねていた同社。ですが、ここまで古い時代の Homme ピースは存在自体が未確認な UMC ( Unidentified Mysterious Clothing ) なために驚きを隠し得ないと共に、“ 本当にずっと変わらない目線であり続けて現代に至るんだなぁ ” と物質から再認識でき心が暖まります。
不変の追及に加えて申し分のない品質目線なうえで、この度更に加わりましたプラスアルファは時代性でして、服飾史におけるモッズと申しあげると端的なのですが、紳士においてもシャープでスタイリッシュで様式としてのゴージャスさ ( 時に性を越えるほどの ) が際立っていた時代ですので、各所に注ぎ込まれたディティールデザインとしての基本を押さえたうえでの豪奢さと、何よりもシルエットの美しさがこれまでに御提案してまいりましたどの同社トレンチコートよりも際立ちます。
しかしながら最終的な着地点は、悠然と “ 純・レインコート ” としているところが何よりもたまりませんでして、時代に即した要素を注ぎ込んだ個性が在りながらも、結局のところは何かと言えば身体を守る羽織りだぞ と。あわよくば雨も防げると尚良いぞ と。真にそう思っているからこその、なんとも言えない心地良さが秘められた一着でございます。
60s Hermes raincoat.
と綴っておりましたらほんの僅かですが雨が降ってまいりました。普段は億劫な心持ちになりますが、このような存在のお陰で悪くない気分です。
SURR by LAILA 福留
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