何故好きか / Diary901
18.8.2020

週に1,2回程映画を鑑賞していまして、最近目にしたのは80年代の呪われた車に憑りつかれる話とハリケーンによって街が水没し、大量の鮫に襲われる話。ホラーやスリラー好きな私としてはどちらもフィルマークスで言うところの3点を付けたくなる、世で言うB級な内容でしたが、それはそれで面白いですし、作者の意図やこうだったら最悪じゃない?怖くない?と愉しく製作されたのであろうと考えると怖いより笑える点に見えてくるのがホラーの醍醐味だと感じています。が、それにしても避けて通ってきたスプラッター映画を一昨日鑑賞したのですが、描写のグロテスクなものは苦手でして。と言うのもタイトルが食人と言う極めて残酷なジャンルでしたので、存在は知りつつも避けていたのですが、タイミングも合ってつい観てしまったのです。しかし、予想を上回るしっかりとした内容に、つい没頭して見れてしまったのが感想ですが、恐らくこの世の何処かで本当にあるのであろうと考えると、怖さより歴史を知りたくなる視点で見入ってしまいどっちつかずになってしまいまして。その映像のリアリティの追求は凄み(一部だいぶ気持ち悪い)と共に頭に血が上る感覚は久しぶりでしたので、当面はジブリでも観ようと思います。

ふと、何故ホラーやスリラーを好み観るようになったのかを考えると、恐らく学生の頃に見た The Mist と言うスティーブンキング原作の映画の影響が大きく、映画を見終わった後の虚無感に嵌ってしまい、そこからスティーブンキングが好きになったのは言うまでも無く、あのどうしようもない感覚を味わいたい欲求に駆られているのですが、中々最近は出会えず。強いて言えば US は軽くやられました。是非、ご覧になられて見てください。何故好きになったか、と言う話の発端は定期的にいらして下さるお客様と先日にお話した際、そのお客様は色使いがいつも素敵でその際も色彩の豊かなものを選択されたので、どこでその感覚を培ったのか、何故鮮やかなものを好まれるのかとご質問した際に「幼少期に赤やピンクしか着てこなかったんです」と、なるほど。潜在的に、習慣から繋がる好きなものを好きになるのには理由があり、それは映画も然り、衣類にも当て嵌まり”何故好きか”を掘り下げてみるのも習慣付いてしまいがちなものに対しての解釈を改めて愉しく、見つめ直すことが出来ました。
 

 

New arrival, 1993s Dries Van Noten wool & cotton & rayon knit tailored jacket.

 

 

テーラードジャケットであり、襟付きのカーディガンでもある。それに軽いし、色も良い。
 

さて、何故 Dries Van Noten が好きなのか改めて考えたいと想います。

 

 

SURR by LAILA 鈴木

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在り方の話 / Diary900
15.8.2020

あの期間はそもそも外に出る機会が少なく、なんと言っても一時休店によって御客様に前に立つという機会が無くなったこともあって、これまでは人知れずと三週間から一か月に一回のペースで通っていた美容院に行かない時間を過ごしたからか、もしくは別の理由かもしれませんが、運営が再開して久方ぶりにマンションの前で会ったご近所の Nさん ( 呑み屋に行くと知らない人と必ず友達に成れる柔和でちょっとお茶目な紳士 ) に “ マイルドになったねぇ ” とふとした一言をかけて頂いた時、私は長らく人柄の形容詞やニュアンスにおいてセクシーであったりアヴァンギャルドであったりといった表現は思い浮かべていたものの、一度としてマイルドという表現を思い浮かべてこなかったこと、そして今の自分にとってマイルドというニュアンスが驚くほどに心地良く感じたことに気付きました。

 

 

 

そうかマイルドか。マイルドねぇ。想えばこの生業に就いてから周囲がほとんど ( 色々と圧倒的な ) 年長者で埋められ、常にその人たちと一日でも肩を並べると言うか認めてもらうと言うか、それを念頭に置いて過ごし続けてきましたが、装いにおけるモードであったり人としての在り方におけるセクシーであったりアヴァンギャルドであったりを意識する過程で様々な衣類に手を出しては右往左往し、純金髪にしたりモヒカンにしたりしながらリッチやハイエンドを目指してきました。その道中でマイルドな人としての在り方を想い浮かべたことは紛れもなく無かったです。

 

OK。私は齢をとったのだ。もちろん社会においてはまだまだ引き続き若輩者で未熟者ですが、この生業に就いた頃と比べると圧倒的に齢をとったのだ。まずその点をしっかりと咀嚼して呑み込もう。そしてどうやら今の私は想った以上にリッチを装ったり元からハイエンドですよというふりをしたり、そう想われるためになにかを盛ったりすること行為やマインドを自分から遠ざけたく成っていること。イコール自然体で居ることに, 自然体な人の在り方に, 気持ちとして頑張っておらず実際頑張っているように視られないマイルドな自分の在り方にこれ以上ないほどの心地良さを感じていることを自覚しよう。 これが割合最近の気付きでした。生きていると様々在って、やはり愉しいですね。

 

 

 

また、マイルドな在り方によって自身の装いにおける一つ一つが生まれ変ってくれたことも何より愉しいです。不変や素朴の強み、上質さや職人技術の有用性、看板の価値観 etc.etc. また更に熱が高まりそうな予感。依然変わらずいや俄然愉しいヴィンテージ / アンティークの世界において、取り急ぎ今までで最もワークとミリタリーに惹かれています。自分が着る要素として。

 

 

SURR by LAILA 福留

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An Exciting summer waiting for you ! / Diary898
11.8.2020

当時、学生時代から親しい友人にある日、「台湾でアイドルになる」と冗談の様な話を唐突にされてから早6年程が経ち、今や立派なバラエティータレントに。最初の話と違くない?と思いながらも活躍している彼から久方ぶりに夜中電話があり、テレビ電話を通じて、学年は違えど髭も無くTheアイドルな髪形な彼に、こちらは髭の濃い今や長髪の一歩手前のおじさんになりつつある自分との生活のギャップを感じたのは少しのショックでしたが受け入れつつの長電話をしまして。お盆の時期も相まってどこかに行きたいと言う話題から数年前に訪れた台湾にまた行きたいね。なんて今のご時世では難しく、計 4 週間の隔離を考えると最早夢の様な会話から、年 2 回旧正月と丁度お盆の時期に帰国していた彼にとっては今回の影響は辛過ぎる。”どこかに行きたい”事柄より”母国に帰れない”事実は旅行したいという欲求より計り知れない程のもどかしさだろうと話を聞きながら他人事ですら危機感を覚えました。そこから派生した共通の趣味であるアニメの話から最近配給された日本が沈没する作品の話題になり、更に彼の気持ちを沈めた結果となったのはさて置き、ハッピーな話題でもと考えましたが、まぁ思い浮かばないので装いぐらいはパッと明るくいきましょう。
 

 

New arrivals,80s Best Company Tee shirt.

素晴らしく夏(派手)をご体感頂けるデザイン。何故イタリアを本拠地とするベストカンパニーがハワイ島のモチーフ?と考えると80年代のイタリアにおけるファッションから生活に影響を与えたムーヴメントである”パニナロ”が頭を過りました。そのムーヴメントが起きる前、発端は1970年代に起きたイタリアからアメリカの留学ブームが一つの要因だと考えられ、アメリカで学生時代を過ごしたイタリア人達による感じ方や憧れが形になったパニナロと言うカルチャー。そのアメリカ州の一つハワイも彼らに取って憧れの存在として挙げられるのではと解釈しています。その彼らから絶大な人気を誇ったベストカンパニーのデザイナー、オルメス氏の過去のインタヴューではパニナロ達の為には洋服を作っていない、自分の作りたいものを提案していると綴られていましたが、私の解釈では真意はどうなのかが気になるところ。それはさておき、ブルージーンズにティンバーランドなパニナロスタイルより、トラウザーズにタックインして足元は革靴かサンダルのスタイルでTシャツとのミスマッチ感を御愉しみ頂きたい品々です。

 

 

Tシャツにガゼットを施すデザインは同社のスウェットシャツを看板として作り続けたオルメス氏ならではのハーフスリーブスウェットシャツと言うニッチな解釈。

飾りでは無いジグザグなステッチワークは熟視しなければ分らない程の繊細なタッチ。変質的な拘りを感じられますが、柄は敢えてなのか合わさない自由さ。

An Exciting summer waiting for you!
刺激的な夏があなたを待っています!
逆に今着たいメッセージの破壊力。

 

 

来年こそは何処かへ行きたいものです。

 

 

SURR by LAILA 鈴木

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