濃い / Diary899
14.8.2020

私事ですが、 8 月を以て SURR に属し 1 周年を迎え、本日切り良く歳を重ねました。まだまだ至らぬ点も御座いますが、改めて宜しくお願い申し上げると共にお客様方に変わらぬご自愛の程を宜しくお願い致します。私にとってもですが、皆様にとっても激動の濃い半年になったと想います。普通とは?と今を順応するにも以前の様なリズムでは生活する訳にも行かず、何かのせいにする訳にも行かず。この状況下でも私は只々洋服が好きでそれに携わり、同じ感覚、もしくはそれ以上の尺度で一つのプロダクトに集中する、夢中になって下さり日常的に寄り添うお客様方に多大なる御礼と多少の嫉妬(私も欲しいものを沢山見送りました)を想い、感じています。お客様にとってのヴィンテージ、お客様にとってのアーカイヴと言う視点でご満足頂けるよう精進すると共に、この状況下では不要ではと感じる方へも着て・感じて頂き、装うことで今を愉しく我々のセレクトをご体感頂けたら幸いで御座います。

 

さて、今回はご案内の叶うトラウザーズの中でも一際シンプルながらに濃い一本と出会いましたのでご紹介させて頂きます。

 

 

ブルージーンズ=の存在とも言える Levi’s 社がアイロン要らずをモットーに 1963 年、永続的な折り目を入れたトラウザーズを発表。STA-PREST、通称スタプレで御馴染みのこの革新的なアイデアは女性衣料メーカーのプリーツ加工を参考にしていまして、コーティングされた衣料を独自のシステムで ”焼く” ことで生地と樹脂を定着させることによって生まれています。この今までにないアイデアを呈した責任者は「この事業が成功しない場合はパンを焼いて生活する」となんとまあアメリカ人らしいジョークは当時ウケたのかは定かではありませんが。コットン × サテンの試作から最終的には合成繊維と天然繊維の混合が耐久面に優れていることから現スタプレと変わらぬマテリアルの配分となりますが、本品に関しましては「これ、スタプレなのか?」と非常にライトオンスなマテリアルが魅力でして。開発段階で生まれたかのような、シャンブレーの様なシャリ感にチャコールグレーの色調は素材の軽さと色味の重厚感が良いバランスを生み出しています。Levi’s Spotswear とは STA-PREST の表記の無い前進に当たり、”Never Needs Ironing” と言うスローガンを掲げていまして、当時、一部の担当者は実際に履いていたトラウザーズを脱いで、携帯式の洗濯機に入れ、「ほら皴にならずに、折り目も残ってるでしょ~」と小売り店に営業をかけていたそうです。そんなアメリカらしい大胆な売り文句で販売さられていた訳ですが、本品はフランスの商圏へ向けての一本ですので、どこかモダンに品良く感じてしまうのはそのせいなのではと、履いてみると解る腰回りのゆとりから裾に向けての美しいカットラインを是非、ご体感頂ければと想います。
 

60s Levi’s Sports wear summer trousers for France.

カジュアルにもドレスにもと汎用性の高さも勿論素敵な一本ですが、ミニマムな設計からタブも付きませんので、外見では Levi’s としての情報が無いもの、私には堪りません。

 

 

SURR by LAILA 鈴木

03-5468-5966
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週末は / Diary896
5.8.2020

ブレザー、Oh ブレザー。世間的にはもっと広義かもしれませんが、弊店ではミッドナイトブルーカラーのテーラードジャケットのみをブレザーと呼ばせて頂いております。Oh、ブレザー。
 
貴方はどうしてそんなに永久不滅的格好良さで、基本的には大人しい存在感による行儀の良い端正な表向きで社会において安定感の高い立ち位置を確保しているようで、その実何かと化学反応を起こした際には突如として強烈にスパイシーと成り笑顔で触れるものを皆傷つけるような極めて危険な色香も備える、確実過ぎる存在価値。ブレザー、Oh ブレザー。

 

オールシーズン向きの重過ぎないウール素材によってのブレザーしか御提案したことがなく、しかしながらそれで良いと, それで充分さ我が儘なんて言わないよと想っていたところに彗星の如く姿を現してくれた一着のブレザーは、明らかなるドライな質感と触感に、“ これなら真夏も着れるだろう、坊や ” と言わんばかりのサルトリアによる確かな技術力に、豪奢さと危なさの際々を攻め込んだ文字通り装飾が盛り込まれたイタリアン・モードの雄による、あざとさの欠片もないリネン・ブレザーという、爽やかで涼しげで、それこそ化学反応による強烈にスパイシーな目もくらむような求心力でした。ブレザー、 Oh リネン・ブレザー。



 

 

 

 

形骸化されたリッチな暮らしもどこかの誰かがある時にパッケージングして徐々に肉付けられて現在に至る上質さも心から興味はありませんし、それこそリッチな “ ふり ” も上質と偽るための “ 盛り ” も近年特に私にとって不要の極地ですが、本品との縁を結んでくれた土地は観光地とは程遠く危険か危険じゃないかと言われたら大変に危険な地であり、かつ形骸化やパッケージングとは真逆でまぶしいからサングラスに手が伸び, 鳥の声や風の音が聴こえるから音楽を止め, ご飯が美味しいから一服したくなり, iphone がどこにあるか忘れてしまうような人間らしいリッチな心と上質さを極々自然体で秘めた土地でしたので、本品のような強烈にスパイシーな危険な色香はパズルよろしくぴったりとはまっておりました。

New arrival,70s Valentino uomo linen blazer

そのピースを外し今こうして御提案させて頂いておりますが、元々の土地と同じくどこかの貴方様とぴったりはまる御縁に成ってくれることを確信しております。

週末は Oh ブラザーでも観よう。

 

 

SURR by LAILA 福留

03-5468-5966
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自分 / Diary897
7.8.2020

急遽明けた梅雨明けからの猛暑、皆様御身体は大丈夫でしょうか?

 

 

この状況下も相まって心身的な疲労感、てか暑くない?と若干の気怠さにも関わらず冷えたお酒は抜群にと、夏生まれ、夏嫌いの私の救いはそこにしか無く、まあ大丈夫だと言い聞かせるしか無いのですが、何か変えなければ、発散しなければと心に決め、中野にある海外輸入専門の自転車屋さんで奮発したのは梅雨明け前の話、だいぶ心と身体が豊かになりました。昨日仕事終わりに外で一杯、久方ぶりにあった友人と話した訳ですが、様々な情報が飛び交うご時世の中で確かなものとは?という話になり信用とは?と外で酒を片手に話すには重すぎる題材を投入された訳ですが、一つのものにある情報量の中でも確かなもの、そうではないあやふやなものがある中で、如何に正しい情報網にありつけるかは洋服に置き換えると私の仕事でもありますし、仮に自ら命を絶った方のそれまでの言動や行動を追ったとしても事後に答えは無く、誰にも真相は分らない、確かな情報源とは自分の中にしかなく、自分なんだ。なんてエヴァンゲリオンの様な話をしてもしょうがないのですが、自分が一つの正解であり、自分を見つめなおすタイミングだと想い精進するしかないのです。と、話が逸れに逸れてしまいましたが、新作です。どうぞ。

 

 

夏のトラウザーをメインに展開させて頂きますが、私はもう夏服への欲求は皆無な為、通年、または3シーズンくらい履ける軽さはあるけどウールがいいな、と言う欲が今回は叶う、14本のそれらはデザイナーズを筆頭にパターンやマテリアルに重点をおいたラインナップ。トップスにおける比重の高さに隠れるボトムスの強化を。とスタイルの幅を是非。明日から展開させて頂きます。

 

 

 

 

SURR by LAILA 鈴木

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