New arrival, 2003SS Gucci by Tom Ford collections.
官能的でミニマルなスタイルを主軸とした Tom Ford 氏のスタイルに加え、ジャポニズムを体現する2003年春夏のコレクション。
紳士服の基礎とも言えるミリタリーウエアは漢を感じさせる土臭さでしたり、部隊や国により異なる構築は様々なデザイナー達により再構築され続けていますが、氏の解釈は 構築はそのままにマテリアルで魅せる 他のデザイナー達と異なる目線のクリエイションは前衛的で静かなに何か訴え掛けくるような一着、一着からエナジーさえ感じられます。
昨年に引き続きご提案が出来る事を嬉しく想いつつ、いつかは手にしたい欲求を抑えつつ、明日よりお披露目させて頂きます。
ユーティリティシャツに加え、米軍初のフィールドジャケットを参考とした逸品まで。ミリタリースタイルに花を添える、独創的なハンドプリントによる其々の表情を御愉しみ頂けたら幸いです。
SURR by LAILA 鈴木
03-5468-5966
[email protected]
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”仕立て”に関しまして各国々の癖でしたり特色として捉えられる、縫製や生地の選択に至るまで明確な方向性を持ったものつくりを感じられます。モードの基盤となるフランスの仕立て、硬派で音楽が香る様なイギリスの仕立て。受け継がれる専門家が仕立てることによりその土地の空気感や感性が漂うプロダクトにおきまして、ではイタリアは?と考えますと繊細な縫製と滑らかなマテリアルの選択が上げられます。年々減少傾向にあるサルトリアルの文化は単純計算であと十数年で無くなってしまうとどこかの記事で目にしましたが、1980 年代に自ら仕立て屋を育成する学校を立ち上げた一人のサルトリアリストの存在をご存知でしょうか。
Franco Sagripanti 氏はローマの地で仕立て屋として、弱冠 22歳 にして 1964 年に自身のテーラーショップを創業。氏の情熱的で繊細な職人技術に惚れ込んだのは当時ローマからミラノへ拠点を移したハイメゾンである Valentino Garavani 氏。メンズ部門のテーラーリングを担当し、国までもが認めるサルトリアリストとしてのキャリアを積み、仕立て屋の育成を始めとする学校を設立。ヨーロッパオートクチュール協会の副会長を務めるなどの多岐に渡る活躍を見せた職人による ” 仕立て屋の作るスポーツジャケット ” は欠点が上げられない程に ” 美しい ” と言う表現方法しか私には浮かびませんでした。
ウールとビスコースによる綾織の透き通る様にライトウエイトでとろみのあるマテリアルの選択から精密な縫製、襟裏や袖裏に施されたスウェード調の化繊使いに色調の渋いオープンチェックを採用したコットンの裏地。大きなフロントポケットはサイドからもアクセス可能な二重構造(本当に便利なポケットデザインです)。現代も尚、メゾンから作り出されているこの様なショートレングスのスポーツスタイルジャケットで勝手ながらここまでの条件を満たしているジャケットにはもう出会え無いと感じています。
New arrival , 80s Franco Sagripanti Sartorial sport-style jacket.
SURR by LAILA 鈴木
03-5468-5966
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カラーレス・ジャケットっていつ産まれたんだろう。とふと想ってみましたが、あの職業用だとカラーレスではなくスタンドカラーだよなぁ であったり、あの銀行家のコートは 150 年くらい前だもんな、あれは格好良かったよなぁ であったり、そもそもミリタリーの仕立服でカラーレスってないんじゃないかな であったりと、ネット検索が気乗りしなかったので脳内検索で済ませたばかりに不明瞭な情報とも言えないほどの雑記しかヒットしませんでしたので、取り急ぎカラーレスは趣味嗜好に伴うアレンジ ということに勝手ながら着地致しましたが、見た目的な意味合いにせよ機能的な意味合いにせよもしかしたら思想的な意味合いにせよ、 “ 無くしてよ、襟 ” の一言で申し分なく仕上がるほど簡単な話ではないことはネット検索をせずとも解ります。この美は、なかなかどうして問題児であると。
首の周りに寄り添う、あの生地と芯地と重量が在って成立する前立て。それを無くすことでの身体への寄り添わせに必要なパターンメイクの精査とテーラーリングの技術力なんてお話しよりもまず ( 決してそのお話しが無意味というわけではありません。とても重要であり有意義ではありますが、まず最初に論点に成るべきは という意味合いです ) “ 見た目が格好良い ” じゃぁないでしょうか、カラーレスとやらは。カラーレスに限らず装いにおける神羅万象はまずその点の格好良い・可愛い・似合うなどから始まるべきであると本当に心からかねてより想う次第です。
そこに在るはずの襟がばっさりと消失したその顔立ちは、一見すると世にはびこる ( はびこる? ) はい切り落しました的リメイク・カラーレスと万が一つでも近しかったとて、それらとは土台から異なることを言葉を有さず即座に認識させてくれる様々な全ての要素。もったりとした素朴ながら小気味良く上質なリネンの揺れ動きと、それに呼応するドラマティックな形状変化。その根幹を成すサマーテーラードの様式各所に秘められたドラスティックなサルトリア・テクニック。その静かながら熱くプライドから成る、カーディガンのような着用感。そして実はテーラードジャケットではなくサックコートなため自然なルーズシルエットであるという、エルキュール・ポアロもびっくりの巧妙なトリック。
なんてお話しよりもまず単純に格好良い、リネン・サマーサックコート。
1992s Hermes homme collar-less linen sack-coat made by Sartoria
SURR by LAILA 福留
03-5468-5966
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