カルチャーであったりパーソナリティーであったり歴史であったり伝統であったりは元々好みな傾向と言うか分野ではございますものの、それらを愉しみ大切に親しみたいからこそ、一着の服や一つの物と向き合う時にはそれらを無くして捉えられるようにと、訓練というわけではないのですが意識的に想っておりましたが、ここ最近は “ こう成りたい ” や “ そう成りたい ” とはちょっと違うかもしれませんが、それらを無くして向き合えるようになったと言うか、生業においても私的においても情報を取り入れる・取り入れないをある程度意図できるようになったような気も ( なんとなしに ) しますし、一着の服や一つの物と向き合う際に、カルチャーやパーソナリティーがどうとか歴史や伝統がどうとかではなく今の自分が “ 良いと想うか ” 否か、“ 必要に想うか ” 否かを、真正面の一番大きな題目に掲げられているように想います。
今まで以上に服の必要性を狭めた A さんも居れば一層に肌触りの良い素材を求めるようになった B さんも居て、一層に文化継承を意識している C さんも居れば世間の評価に全くの興味を抱かなくなった D さんも居て、新たな歴史の側面を知って自分の装いが愉しく成った E さんも居ればちょっと久しぶりに改めて良いよね LEVI’S と今までで最も強く穿きたくなった F さんも居りまして、こと彼に関しましては LEVI’S というよりはファイヴポケットのトラウザーの類そのものらしいのですが、となるとほとんど全てのデザイナーやメーカーが作っておりますので選択肢は膨大に在りそうでありながらもコク深く癖の強いヴィンテージならではの肌質であったり近年のそれらに比べると余白は広いもののなんだかんだでその方が生きるうえで優位な設計であったりアーキュレイトステッチの存在価値であったりで結局のところ LEVI’S に帰結するらしく、ファイヴポケット・トラウザーが穿きたいイコール、ヴィンテージの LEVI’S が穿きたいとのことで ” 良いよね LEVI’S 。やっぱり格好良いって言うか ” というはっきりとした意思と意識ながら薄ぼんやりとした言い回しに成っていました。
老舗ならではの王道と老舗ならではの非王道を共に。しかしながらいずれもやっぱり格好良いよね、うん、やっぱりな感と言うかなんと言うか。
New arrival, Vintage LEVI’S
ちなみに F さんは、数年前からジーンズを履く人が一気に減っているという評論を眼にしたとも言っていましたが、それに関してはどう想うわけでもない、見事なまでに落ちがない話でした。
SURR by LAILA 福留
03-5468-5966
[email protected]
△
ふと調べものをしていた際に何故か懐かしい漫画を思い出し、夜な夜な読み耽って睡眠不足な日々を送っています。男性ならば誰もが通る週刊少年誌の忍者を題材とした、と言えば私より一世代上のあれか、それになる全 70 巻程の大作。歳を重ねてか、人情や家族を題材としたものを見ると涙腺が脆くなってしまいまして、初めてのおつかいのコマーシャルでも涙腺が熱くなってしまう程の私ですが、小学生の頃もこんな泣いていたっけ?と思い返し、意外と登場人物やちょっとしたストーリーを覚えていないのがはまってしまった一つの要因。書きながら思い出しましたが、福留からお薦めされたタイトルが以上に長く覚えられない漫画も読まなければ。
メゾンのブランド名と言えば、創設者、デザイナーの名前がそのまま採用されることが自然ですが、今回ご紹介する C.P.Company 、元の名は Chester Perry と言いまして、ファウンダーである Massimo Osti 氏が Stone Island より以前に発表しています。しかし、当時のブランド名の類似した 2 社(一つは Chester が被り、もう一つは Perry が被り、、)から訴訟を起こされた為、改名を余儀なくされたそうです。その改名される前の Chester Perry の由来はある漫画に登場する主人公の働く工場から採用されていまして、ミリタリーやワークスタイルを得意とした強い男性像、素材への探求心に余念の無いブランドからは想像もつかない意外性と言いますか、とても親近感が勝手ながら湧いてしまいました。
late 90s C.P.Company cotton & linen tailored jacket
ワーク・ミリタリー・テーラー、其々の要素が混在した一着。ベースがテーラードジャケットの為、クラシカルな雰囲気を醸し出しつつワークウエアから抽出された襟裏や各所におけるステッチワーク。敢えて白糸を使用する事により、土臭さを払拭したクリーンな佇まい。コットンリネンのマテリアルの軽さとダークトーンの色調や 4 つのポケットデザインから生まれるギミックによって独自のバランスが調和し合い成立しています。テーラードジャケットでもあり、ワークジャケットでもあり、ミリタリージャケットにも感じられる、着こなしによって別の顔を持つ一着は正統的にも関わらず、一癖も二癖もあるスタイルレス、ジャンルレスなジャケットになります。また、まさかの本切羽仕様の拘りも面白い。
ジャケット、又はコートのインナーに忍ばせても、非常に汎用性の高い一着です。
SURR by LAILA 鈴木
03-5468-5966
[email protected]
△