先にインスタグラムで御挨拶させて頂きましたが既に10日となってしまいましたが、こちらでも謹んで新年の御挨拶を申しあげます。今年も皆様の日々が少しでも豊かで穏やかになりますように、そしてその過程においてファッションやカルチャーと触れ合う際に、そして時にショッピングで心身の栄養補給をする際に弊店が僅かでも御役に立てますよう精進致しますので2024年も機会ございましたら宜しくお願い致します。
さて今年はどんな刺激に出逢えるのやらどんな初めましてが待ち受けているのやら、かねてから心に留めていたアレやコレとの念願の出逢いはあるでしょうか一度も思ったことはないにも関わらず圧倒的に惹かれる何かはあるのでしょうか。服飾史には世界中の様々な文化にはまだまだ魅力的な何かが沢山ありますし世界には初めましてだらけで、探しているものに限って見つからないメソッドがありますが引き続き頑張りたいし衝撃的に惹かれる出逢いは時に困っちゃけどやっぱり喜ばしいもの。いずれにおいても引き続き皆様には家族や生活や仕事が第一なことは前提なうえで服飾史及び世界中の様々な文化から魅力と刺激を得て頂きたい所存です。なお私の今年の目標は減酒、休肝日ルーティーンの確定がファーストフェイズです。
私はこの生業において定期的に新たな刺激や出逢いを味わうことができるのは役得というか本当に贅沢であり有難いことであると思っていると同時に、それらが必ずや自分の物にはならないというのは因果応報というか宿命であることを胸に刻みながら仕事をしています。しかしながらその喜びと宿命を胸に刻んでいながらも“プロダクトとしての出逢えなさ度”と“自身の身体にフィットする度”が高ければ高いほど宿命に抗いたくなる=自身の物にしたくなる欲求が心を沸騰させます、それが私の愛するクラッシックカルチャーであればあるほどに。
1945年より外から見えるロゴを必要とせず、例えば買って着た数ヶ月後に“ここがこうなっているから美しく心地良いんだ”などと着用者本人だけに服そのものが語り掛けるようなプロダクトを製作し続け、自らを流行ではなくファッション及びスタイルそのものと定義し、ラグジュアリーなビスポークテーラリングに特化し続けてきたBrioniが“ローマ(設立地)人のスタイル”、そして“メンズハイファッション”とイタリア語で正々堂々と刻んだラベルが縫い付けられたこのジャケットの存在感と価値は、私にとって目が眩むほどに高いです。
しかもなんとモーニングジャケット、モーニングジャケットです。旧体制では何度か、SURRになってからはアンティークカルチャーから一着御提案させて頂いたくらいのプロダクトでして、近年でも存在するとは言え正装(礼服)以外で御目にかかる機会は私の環境下では皆無な、1850年頃よりテーラードジャケットに至る進化を遂げたほぼロストプロダクト。それがBrioniのハンドメイドによって現代のファッションシーンに投入されていただなんて熱過ぎるったらありません。
純礼服として機能させないことで現代のスタイルとして、それこそBrioniが想うRoman Styleとして楽しんで欲しかったのでしょうか、チャコールグレーの繊細な密度なフランネルもモーニングジャケットとしては新鮮ですし、ちょっと大きく感じる襟も低めに感じるボタン位置も良い意味でアンティークカルチャーには属しません。なんと言ってもシルエットが美し過ぎて震えます。
モーニングジャケットをファッションに落とし込んでいる実例に出逢う機会は前述の通り皆無なので、きっと日常でこのプロダクトに出逢っていたらラグジュアリーなメンズスタイルがやはり心地良く適正に感じていたのだと思いますが、日本から遠く離れた建物に一歩足を踏み入れるだけでWifiの電波がゼロになるような僻地にて買付旅順Ver.のカジュアルスタイルの上から羽織ってみたらそれはもう素敵に感じられまして、なんならオリジンヴィンテージ的なミリタリーパンツやらジーンズなんか合わせたい気分にすらなってしまって、まだ自律神経の乱れが整っていない心がとにかくとにかく掻き乱されまくりまくったことは今となっては良い想い出。
New arrival,90s Brioni hand made morning jacket.
いやぁまさかモダンかつ着崩したいと素直に思えるモーニングジャケットに出逢えとはなぁ、驚いた驚いた。本当、世界にはまだまだ素敵な物があるなぁ。
SURR 福留
△
いつもSURR、DE CHIRICO及びLAILA CO.,LTD.各店を御愛顧くださり誠にありがとうございます。2023年の営業は 12/28(木)19:30をもちまして終了致しました。2024年は 1/5(金)12:00 より、以降通常営業再開となりますのでどうぞ宜しくお願い致します。なお、お休みの期間中に頂いた御問い合わせに関しましては営業再開の1/5から順次御対応進行させて頂きますこと、御了承くださいませ。
今年も例によって大掃除など諸々が完了したSURRにてこれを書いています。去年はバッテリー不調で思うように動かなかったポリッシャーでしたが今年は新バッテリーによって大活躍、今までで一番ピカピカの店内になってくれたと同時に今までで一番膝が痛いです。来年は膝当ても必要かしら、ずっとテディベアみたいなポーズで床磨かなきゃでしたから。あと今年はMYワードローヴに以前入手したロイヤルエアフォースのメカニックワーカーオールインワンがあったことを想い出せたのもピカピカの要因でしょう、これほど大掃除にうってつけのプロダクトはないですね、恒例化確定。
今年の新作御披露目はのべ523点で撮った写真は計2563枚でした。来年はもっと沢山御披露目したいですがなんかいつからか決め打ちみたいな感じで撮るのが好きになってしまって、構図は練るけど撮るのは一枚みたいな、なのでシャッターを切る回数は減らしたい。地味な目標。
皆様、無事年内買い納めは済まされましたか、もしくは来年の買い始めに移行でしょうか。いずれにせよ引き続き心と身体と日常を豊かにする何かしらに出逢って頂きたく思うと同時に、その中に一つでも弊店の何かが入れるよう願わせてください。私も今月の頭に“これで買い納めかな”という嬉しい出逢いがありましたが実際にそうでした、しかしながら今年のベストバイはファッションアイテムではなく椅子、折り畳み椅子だったのです。
かねてから欲しいなぁと頭の片隅にあったイタリアンプロダクトながらなかなかどうして長らく決心が付かずに宙ぶらりんになっている状況で前回の旅順にてパリのポンピドゥーセンターで写真の歴史展的なエキシビションが開催されており、ちょうど半日時間があったのでこれは行かなきゃと数年ぶりに訪れて、大いなる刺激と図録を持ち帰って大満足していたら飾ってあったのです、その折り畳み椅子。そしたらもう駄目ですよね帰国して即取り扱い店のMOMAに電話して希望のカラーを取り寄せてもらって、ちょうど大きな事務業務が終わったタイミングで入荷の連絡あり、勝手ながら自己御苦労様品として購入したのですが、いざSURRの空間に置いてみるとまぁ使いやすい使いやすい。プロダクトとしての好みと歴史が裏付けた座り心地の良さは言うまでもありませんが、もしかしたら店頭オぺーレーションでも有利なんじゃないか折り畳み椅子と予想していたものの、ここまで便利だとは思いませんでした。SURRにとって最適な椅子は折り畳み椅子だったのです。ようやっと気付けましたよ、ありがとうジャンカルロ・ピレッティさん。
未曾有のヴィンテージ人気でありどんどん“良いもの”を見かけられない触れない昨今ですが、弊店にとってはまだまだ心躍る品が世界には沢山ありますしもっと心が躍れるよう様々更新したい所存ですので2024年も新たに出逢えるよう発見できるよう、仮に“全世界素敵顧客様選手権”があったとしたら相当上位に食い込めると常々妄想するほどに弊店はかねてから御客様に支えられて成立してきた店ですので、そんな皆様に少しでも御納得頂けるよう及第点を頂けるよう精進致します。2023年も本当に本当に御世話になりました、2024年も機会ございましたらどうぞ宜しくお願い致します。
2024年最初の御披露目はこれらとなります。元日明けからインスタグラムにて告知致しますので今年もほろ酔いもしくは泥酔状態にて御査収頂けましたら幸いです。それでは皆様、そして皆様の周りの方々、良き御年をお迎えくださいませ。
SURR 福留
△
のべ523点の新作を御披露目した2023年、締めはこちらです。
New arrival,Vintage Hermes products.
明日23日(土)12:00より、年内営業も残すところ土曜から木曜の6日間となりました。皆様引き続き御自愛くださいませ。
SURR 福留
△