ちょっと先、ちゃんと春 / Diary1195
8.2.2024

数年前からもうなんとなくいらないかな時代的に な気分になったのでそれまで定例であったシーズンの立ち上がりという概念と言うか感覚と言うかを無くし、より今着たいし着れるようなその時その時の旬を意識するようになっていますが2月ってだけであら不思議、一気に春な気分がムクムクと沸き上がってきてしまいまして、MYプライベートインスタアカウントの何着てたか投稿を遡ると去年の3月1日は薄くないけど暑くもないカシミアセーターにレザーシャツを被ってブルージーンズとけっこうしっかりと春な格好をしていたので(何着たか投稿、こうやってかなり重宝しています)、あと一か月もすればそんなテンションかぁということで雪も降ってやっぱりちゃんと寒くなりましたがやはりちょっと先、ちゃんと春な御提案をしたくなり今週の新作群に至ります。気分的にはSPRING SUMMERの1stセレクションです。

 

 

 

相変わらず秀逸な80年代ヴァレンティノのアウターシリーズ、こちらは名門Jeansレーベルによるバルカラーのデニムハーフコートwithワークディティールという秀逸な一着です。ヴィヴィットなグリーンのロゴ刺繍ハーフライニングって、粋過ぎー。

 

同じくヴァレンティノクリエイションでこちらは滅多に出逢えないRainレーベル、PUREコットンツイルのリバーシブルという素晴らしい一クリエイションです。ちなみに首後ろのブランドラベルが縫い付けてあるのですが、もちろん気にしない人はそのままどうぞ。

 

CHIRICOからもろに影響を受けてセレクションしたAdidasトレーニングパンツ、いざ向き合ってみるとジョガータイプじゃなくてクラッシックな70s個体って、地味に稀有な気がしました。

 

猛烈に久方ぶりなGucciのビットローファーはAdidasと同じコレクターさんの下で出逢えたのですが、目に入った瞬間にトレーニングパンツと合わせてほしいなと思ってしまいました。バンブー付きってまた洒落ていますねぇ。

 

これこそ真のスリーシーズンコートなフルセットトレンチコートもまた猛烈に久方ぶり。ほとんど着られていない真っ新なコンディションと様々な御提案が叶う理想形に近しいサイズ感ということもあって、真っすぐで圧倒的な説得力の衝撃破をしとどと浴びてしまいました。そうだよなぁこれが本物だよなぁ、ずっと店頭に並べておきたいなぁと心から思う弊店にとってのスペシャルです。

 

これも問答無用にスペシャルな真っ新に近いコンディションで理想的なオーヴァーサイズ、色も王道なようで絶妙に個性が宿っているんです。先のトレンチと異なるベクトルながら同じくの衝撃波を浴びせてくれた一着。

 

モードヒストリーには時代やデザインの転換期を創った特に最重要な人物が幾人かいますが、私はジョルジオ・アルマーニもその一人であると心から思っています。女性を解放しスタイルを飛躍的に進化させたシャネルに対して、それまでの文化に女性的な要素性を混在させることで男性を解放したアルマーニ、1976年に発表されたその独自服飾論によって男性の可能性が格段に広がったからこそ昨今の幅広いメンズモードが在ります。このコートはその初期衝動性を特に秘めた80年代初期のクリエイション、弊店はこれをトレンチコートと呼びません。トレンチコートを再構築(REBUILD)したデザインコートと呼びます。

 

 

 

 

 

New arrival,2024SS 1st Selection.

 

 

SURR 福留

新しい顔その2 / Diary1194
2.2.2024

リュネット・カルティエに続きましては不変で不朽で王道のフレンチフレーム、新作15点中13点です。高まり続ける市場価値や復刻によって既に市民権を得た感があるクラウンパントの存在価値などヴィンテージアイウェアの世界もここ数年でだいぶと変化してきましたが、例え姿かたちが近しい現代のそれらがあったとてヴィンテージカルチャー特有の職人技術力の尊さは変わらないし時間を吸収した素材感の説得力は圧倒的なので私はやっぱり眼鏡はヴィンテージ一択で在り続けてきましたしこれからもそうでしょう。初めて買ったのがフレンチフレームってのもあってこの世界観は馴染むと言うか落ち着くと言うかしっくりくると言うか。好きよ好き好き。

 

 

 

40年代から60年代まででメタルフレームが4本、プラスティックフレームが9本。今回は全て室内でもかけられる薄めなカラーレンズに統一したのですが私が初めて私用した薄めのカラーレンズが濃さ30%のブルーだったので今回のレンズセレクトは13点中4点がブルーになってしまったことを先にお詫び申しあげます。当時は周りに薄いカラーレンズかけている人がいなかったのですこぶる不評だったのですがなんだかんだで好きなんです。もちろん必要に応じてレンズ交換してくださいませね。

 

 

 

 

 

New arrival,40-60s French Frame Selection.

 

視力が良い人はフィッティングさえすればすぐにかけられるしより感覚的に選べるから羨ましいなぁと思いつつ、まぁ視力が悪いからこそ素直に眼鏡がかけられるし羨ましがっても仕方ないかと思いつつ、皆様の素敵な新しい顔を横目でチラリと覗かせて頂けましたら幸いです。ちなみに私は長年のアイウェア生活によってどんな眼鏡でも私は似合うと思い込むようになり、事実その気持ちで向き合うのでほとんどが似合います。もちろんレンズの中央に黒目の中心が位置した方が良いなど幾つかのガイドがありますが、それもあくまでガイドな印象でその他ファッションプロダクトと同じく“まずその物が好きに成れるか”が最初であり最大の必要条件ではないかと思う次第です。

やっぱり寒くなってくれましたね、御自愛くださいませ。

 

 

SURR 福留

新しい顔その1 / Diary1193
1.2.2024

弊社事ながら二月が切り替え月なので勝手に節目な気分になっていますが、年明けだねぇと年末年始休み感に後ろ髪を引かれていたら1か月経って、まぁ言ってもやっぱり寒くなるでしょなるでしょと思っていたら先日エントランスの管理人さんに“もう春感じているかい!”と粋でいなせな挨拶をされて、えっ極寒に腹くくってるのって私だけ?もう皆春気分?と思いながら週間天気予報を観ると一桁の都内最高気温がちょこちょこありつつもまたすぐに二桁に戻ったりして、そうなるとすぐに三月で極寒だとしても去年以上にギュッとした日数に成るのかしら なんて独り言ちてみたり。

さりとて最近も寒い夜は寒いですし、風邪系も流行っているとかいないとかなので気を付けなきゃだし、寒くなるにはなるはずなので引き続き覚悟です覚悟。皆様もお気を付けくださいませね。

 

さて、二月ですよ二月。前述の通り個人的に節目な気分と言うことで新しい顔を御提案させて頂こうと思います。なんだかんだ8か月ぶりになってしまいました、ヴィンテージアイウェアの新作御披露目。いつもは平均して18点ほど店頭に並べていますが、新作15点とお出ししていなかったメンバーも含めて倍の36点をズラリ並べておりますので眼が悪くティーンネイジャー時代からヴィンテージアイウェアの顔で人生を送ってきた私は楽しいです。余談ですが“眼が悪い”ないし“視力が悪い”って表現にかねてから違和感を感じています。悪いってなんか適切じゃなくない?と。視力が弱いもなんかしっくりこないしなぁ、なんか良い表現ないものだろうか。御客様との交流で“眼は悪いですか?”ってお伺いするの、ちょっと嫌なんですよねぇ。

 

 

 

 

 

 

敬愛なるカルティエ社において時計部門と同じく顧客の“作ってよ”の一言がきっかけとなり1983年に発足されたリュネット部門。それまで専門外だったにも関わらず既存の宝飾分野技術力によって一挙に世界最高峰の地位に躍り出て、あまりにも好評ゆえ生産が追い付かなくなってしまったので“良かったら一緒に仕事をしましょう”という手紙と共に部分パーツと製作指示書を世界各国の眼鏡職人に送り協力を仰いだものの、誰一人としてカルティエが求めた技術力に辿り着けなかったため結果的に自社職人のみで製作せざるを得なかったプロダクトであり、現代のカルティエ職人もその技術力を有さなくなってしまったがゆえ今となってはロステクノロジーとなってしまったプロダクト。大々好き。

今回はレンズをぐるりと囲むFULLリムの後継として90年代に製作されたHALFリムシリーズより、18Kイエローゴールドのヴェルメイユ個体と750カラットプラチナのヴェルメイユ個体をそれぞれ1点ずつのみではありますが御提案させて頂きます。これまた余談ですが買付の旅でヨーロッパを深堀りしていた時、フランスの端っこの田舎町の駅から遠い住宅街にポツンと眼鏡屋があってこれらのヴィンテージカルティエを大量に扱っていたのですが、全てPARISなどで出逢えた際と全く同じ価格帯で取引されていて、エリアによって水やビールの値段が大きく異なるのが通例だったこともあってとっても驚きました。こんな端っこの田舎の住宅街でも中心地と同じ存在価値ならサハラ砂漠のど真ん中でも堂々と鎮座してんじゃないの なんて今となってはちょっとよく分かんないことを思いながらその地のちょっと癖がある伝統料理を食べて教会だけ見学して帰ってきたのは良い想い出です。

 

 

 

 

 

New arrival,90s Lunettes Cartier gold vermeil and plutinum vermeil.

 

 

SURR 福留

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