この度御提案させて頂く親愛なるHermes社のバッグクリエイションはいつも以上に私の趣味嗜好(フェチズム)が反映されてしまっていること、先に記させて頂きます。
このプロダクトと出逢った(=フェチズムが発動)したのは今から5年前の2018年3月2日、何故日付まで正確に覚えているかというとその日はパリの美術館Palais Gallieraでマルタン・マルジェラ作品展のプレオープン日で弊社が招待されていたからです。
当時既に絶大な人気を誇っていたマルジェラの過去作品群が単独で展示されるのは初めてでどうやら本人が相当に気合入っているらしいとかなんとかいう噂が流れているくらいでしたから、大変に盛況な中私は粛々と展示品を見ていたのですが、スタッフが遠くにいる女性に声をかけて話している時、このプロダクトが目に入ってきてあまりの格好良さに衝撃を受けました。
まぁ結論から言うとそのもの女性当人が圧倒的に“格好良い”だけっちゃだけなんですけどね、私は彼女を認識しているものの交流したことがなく人柄もそのスタッフから小耳に挟むだけですが、盛況なプレオープンで至る所にフツーに有名ファッションデザインーがいる中で佇む彼女、デザイナーたちは今の時代見られるのも仕事だからでしょう着飾ったアノ人らやソノ人らの姿と比べるとだいぶと自然体だけども充分に美しい彼女、が肩にかけた“それ”はHermesのバッグプロダクトはそのものが記号となりロゴの役割を果たすことが多い中で圧倒的に記号性もロゴ性も低いアノニマス感で、ファッションとしての飾りではなく荷物を持ち運ぶためだけに持っている感満載の彼女のムードとそれに相応しい程好くくたびれたオーラが相まって私の中での“完璧なバッグ像”と成りました。
もう一回言いますけどただ彼女が格好良いだけなんですけどね、未熟で若輩者で御客様からもすぐ影響を受けてしまう私がこう成りたい/こう在りたいと心に留めるには充分過ぎるバッグスタイルでした(正直言って、こっそり写真撮っとかなかったことが悔やまれます)
そのプロダクトは幾つかのバリエーションが存在するので壁一面をデニムで埋め尽くしたり全ラックをヴィンテージブレザーにしたいとかねてから宣う私は大量のそれらで店内を埋め尽す妄想を何度もしましたが、デニムよりもブレザーよりも現実的ではないのでじっくりと集めた4つだけですが先に御披露目させて頂くことにしました。
New arrival,1989-1998-2005s Hermes big and small leather bag.
御覧の通り猛烈に大きいAとだいぶと小さいBとBよりは大きいけど充分小さめなC及びDという極端な容量差の4点となっております。“ある人にとっては物足りないもしくは持て余すけど、ある人にとっては抜群に丁度良い”をコンセプトの一つにしている(と私が勝手に思っている)Hermes社のバッグクリエイション、全人類のニーズに応えてやるぜと言わんばかりのバリエーションはいつも私を楽しませてくれますが今回のプロダクトは趣味嗜好(フェチズム)MAXです、御了承くださいませ。
ちなみにAとC及びDは私も愛用させてもらっていまして、彼女が私に与えてくれた完璧な像のおかげでHermesバッグは日常の存在かつ過酷に駆使して差し支えないことを身をもって体感できています。ボロボロになっても格好良いボロボロになったらもっともっと格好良いんです本当に、人間もこう在りたいものですねぇ。
ということで私は物凄く過酷にAを日常使いしています、容量が相当ありますが帰り道に食材をある程度買ったりなんだかんだ仕事で荷物ある機会も多いのでガンガン詰められて本当に助かっています。おかげでだいぶとエイジング効いているのですがカラーケアする気はありません、フレッシュな使い始めよりもボロボロな今(↓)の方が圧倒的に格好良いもん。
SURR 福留
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いつも御世話になっている御近所さんの花茂で“長めに楽しむならこれですね”と店員さんが選んでくれた一輪の薔薇、漫画かって笑っちゃうくらい綺麗に咲いてくれました。
ありがとう、店員さん。他にも地下のおひつ定食屋やギャラリーや食器店や天然木家具屋などありがたいことにSURRの周りは素敵な御近所さんが点在していて長らく御世話になっているのですが、顔を指しあう間柄は一箇所もありません。私、顔覚えられるのが昔からなぜだかちょいとばかし苦手で、人生で行きつけの飲食店と自認できたのは一箇所だけでそれも当時友人がBarで働いていたから無理なく行けていただけですから、すぐ店員さんと無理なく仲良くなれる友人知人なんかが単純に羨ましいです、きっとプラスはあれどマイナスはほとんどなさそうだし、それこそ行く度に綺麗に咲く花選んでくれたら最高だもんなぁ。そういえば愛煙家時代に唯一近所の煙草屋の御姉様が認識してくれており“今日もエグザイルみたいで格好良いねぇ”と言ってもらうために通っていましたがもう吸ってないもんなぁ。きっかけが無ければ未だに喫煙者でしょうが止めて良かったなぁと心から思うのは“煙草とライター分ポケットが空く”です、この点は本当に御薦め。でも楽しいよね煙草、好きですよ吸わないけど。ちなみに止めた後の一定期間“禁煙じゃなくて吸っていない状態を自ら選んでいるだけだ”と言うことで禁煙しているプレッシャーを少しでも軽減しようとしていましたが我ながらちょっと意味が解りませんね。
ということで私みたいな面倒くさい人が自然にさりげなく顔を若干潜ませることが可能なカシミアマフラーの旬がやってまいりました。これがあるから冬が楽しいんですと言っても過言ではありませんね。今年も親愛なるHermesよりTHEジェンツスカーフな140×40cmサイズのTHE日用品的屈強さを誇るスコットランド産のカシミアによるマフラーを軸に変わり種も幾つかと他メーカーもちょっとだけ御用意しておりますので、前回よりも若干バリエーション多めです。今年もゆっくりとじっくりと一本一本御縁結べますように。
そういえばTHEスペシャルなビッグサイズも一点のみですが出逢えました。
デカいです、デカ過ぎです。180×72cmなんで私の身長よりも長いです布団にできます、この面積のスコットランド産のカシミアで漆黒ってちょっと震えるよなぁ。一度巻くと外したくなくなる一枚です。
New arrival,90-early00s Hermes pure Scotland and more scarf selection.
これらもまた私にとって一本でおしまいにできる存在であり、明確に贅沢ではあるものの享受して然るべき日常の素敵な存在です。意外(?)にも“そういえば学生時代以降巻いてないなぁマフラー”なんて御言葉を頂く機会が度々あるのですが、そんな時私はテンション上がってしまいます、尻尾振っているワンちゃん状態です。この仕事において御客様の手を引っ張るような御提案は基本的にしてこなかったつもりだし何なら苦手なのですが、これほどまでに実用性においても有用性においても完璧な存在を未所有と言われた時だけは手を思い切り引っ張りたくなります。だって在って良いもの手元に!あと首守るの大事だし!
SURR 福留
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あーなんでこのリーバイスジャケット型にこんなにも惹かれるんだろうなぁという自問には明確な自答が二つあります。それは“全てのファッションデザイナーが製作しているといって過言ではない雛形だから”と“多くのファッションデザイナー本人が着ている形だから”。
私はアメリカンスタイルを好きになるような環境におらずなんだったらジーンズ以外は基本的に自分は着ない存在だと思っていたのですが、この生業に就いてファッションヒストリーとデザイナーズヴィンテージの文化を学ぶことでリーバイスジャケットがいかに不変性な存在なのかを知りいかに多くのファッションデザイナー本人が愛用しているかを自らの眼で目撃し、特に後者のファッションスタイルとして気に入っているのはもちろんだけどそもそもにおいて活動しやすいから仕事にも向いているしポケットの位置感とかも丁度良く便利だから選んでいるんだよ的な美的である以前に知的な“ファッションじゃないんだと”なムードに心底惚れこんで今に至ります。
なので最近でもスケーターブランドとLevis社の共作のピンクとかスケートボード一度もやったことないのに滅茶欲しいと思ったし、リーバイスジャケット型という時点でまず好きの引き出しに入ってしまうのは定石。単純よねーと思いますが最早フェチズムなので仕方ありません。
New arrival,1995s Italy Levi’s heavy leather 4th jacket.
これは格好良いって。
SURR 福留
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