超自然的エレガンス / Diary226
22.1.2016

今回の御紹介は、同じく 99s Mens 1st コレクションより。男性が楽しむスタイルとして前回とは比較にならないほどのオーセンティックを秘めた一着です。

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ペンキコーティング、タトゥーコレクション、シガレットショルダー、フーシア、ドールコレクション、仮縫い、トアール、フラットガーメンツなど、古き良きを解釈したうえでの独創的で革新的なデザイン, スタイル, アプローチを経て世に放たれた MENS コレクションが、従来とは驚くほど異なる究極的なスタンダードナンバーであったこと。そして同時期に、歴史が裏付けるトップメゾン, Hermes のクリエイションを担っていたこと。この二つに相互性があるかはどうか定かではありませんが、マルジェラが歩んできた道のりは私にとって超自然的に感じ、非常に心地良く合点します。

独創的な WOMENS を仕掛けていたからこそ MENS 1stがオーセンティックに成ったのか、ゆくゆくオーセンティックを表現する事を心に決めて取り組んでいたのかは推測の域を出ませんが、私が想うにマルジェラにとって男性の答えの一つがオーセンティックであることは、最初から決まっていたのではないかと思います。
前述の独創的なデザインの数々も紐解くとスタンダードに帰還し、ファッションの歴史にリンクします。それを自分なりのフィルターを通して表現した結果、大胆なスタイルになったとしても、氏にとってはあくまでオーセンティックだったでしょう。だからこそ異なるように見える MENS のオーセンティックも、結果的に Maison Martin Margiela として認知され、人々を熱狂させてきたのです。

 

 

 

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その第一歩の一つとなったコートは、表立った “ ブランドの主張 ” は一切ございません。前回と同じく極めてマニアックな箇所で発揮されてはいますが、まず認識されないでしょう。セットインスリーブのエレガントでフォーマルで静かな MENS スタイルですが、本当にさりげない塩梅のオーバーサイズ・パターンやアームの長さ、少々違和感を覚えるほど確信犯的な着丈の短さなど、オリジナリティ溢れるスタイル提案が満載です。それを上質なウール&アルパカの起毛テクスチャーで輝きを纏わせることで、最終的には無機質なほどのオーセンティックでありながら、その実どこまでもマルジェラらしい表現が成り立っています。

 

 

なお、余談ではありますが、肩線とアームの縫い合わせが一直線に繋がるディティールデザイン。着用時に違和感的なアイキャッチとなるこれはドールコレクションで行われたアプローチと同一。それまで歩んできた道筋を刻むさりげなさには、相も変わらず舌を巻いてしまいました。

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99s Maison Martin Margiela , wool & alpaca coat

 

 

御存知の方も多い事と思いますが、マルジェラの初期作品は既にアーカイヴとしての地位を獲得しておりますので、その意味合いでも判断材料としては充分ですが、やはり私としては、最善のリアルクロースとしてお認め頂くのが一番光栄に思います。既に現段階で既にコートそのものが人と同じパーソナリティを獲得しているとすら感じさせてくれますので、袖を通す事で貴方のパーソナリティと混ぜ合わせ、そう遠くない未来に自分自身として頂けましたら、至極御同慶の至り。

 

 

SURR by LAILA 福留

03-5468-5966
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獰猛なエレガンス / Diary225
21.1.2016

自らに芽吹きモードシーンで発展を遂げた革新な発想力を糧に、教科書であるヴィンテージへの敬意や誠意を色濃く反映させたマルタン・マルジェラ MENS 初期の世界観。個人的な主観ですが、大体2003年までがより顕著に思います。まるで氏のクローゼットにひっそりと佇むヴィンテージ・ピースを忠実に再現したかのような極地的にオーセンティックの数々は、それまでに行っていたコレクションとある意味真逆なベクトルでしたが、だからこそ、熱量の大きさを感じさせてくれます。

先日の新入荷から御紹介させて頂くのはその中でも特に振り切った、良い意味で異端的な一着です。

 

 

 

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リアル・シープスキンのムートンという驚異的なスペックを秘めたベスト。素材特有の獰猛なエレガンスを収める器は U.S. ヴィンテージそのものと見紛うほどのタフさを備えた質実剛健なスタイル。しかしながらライダース・アプローチの前立てや色調のコントラスト、スリムに調整された身幅やダブルジップ・ディティールなど、マルジェラならではのマニアックかつ繊細なモードエッセンスが存分に注ぎ込まれた意欲的かつ挑戦的な逸品です。

初期はいわゆる四つ留めステッチが表に出ていないモデルが数多く存在し本品もそれに該当致しますので、一見マルジェラと気付かせてくれる要素は皆無。マルジェラが求め続けた無記名性がより濃く反映されているのも特徴であり大きな魅力ではないかと思います。なお、唯一マルジェラらしさを感じる要素がございまして、それはセブンティーズライクなラペルのサイズ感なのですが、初期作品を相当数目にしていないと気付けない事と思いますので、御自身だけの愉しみとして御認識頂けたらと思います。

 

 

 

 

 

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99s Maison Martin Margiela , mouton vest

 

 

コート、デニムジャケット、ライダースetc。様々なアウターを更に包む込むアウトフィットとしてお楽しみ頂ける逸品です。そのレイヤードはきっと気取らず自然体なリアルパーソナリティ。

 

 

 

 

 

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“ こんなに寒かったら、羽織らずにはいられないさ ”

 

 

SURR by LAILA 福留

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Newarrival0119 / Diary224
19.1.2016

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ファッションに対しての敬意と誠意と、何より意欲をより力強く感じさせてくれる MENS 1st コレクション。削ぎ落としと独自性で新たなモードを手繰り寄せた確信犯的革新デザイナーの初期衝動を新作にて。

 

 

 

 

 

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