店頭でお魅せすることは叶いませんが、
わたくし小林は、“とても足が速い” という自負がございます。
コンクリート、アーバン、土、芝、フィールドは選ばずそれは発揮されます。
その特技を生かすべく、常にランニングシューズ、といきたいところですが、
嗜好するのは9割が革靴。
シューレースを固く縛り、気にせず疾走します。
理由は明快。「格好が良いから」そこに尽きます。
足を外敵から守る鉄壁な守備力は勿論、都会走り終えた後、女性とディナーに、なんて時にも恰好がつく。そんなところです。
“いつも履く靴” には、嗜好や理由はそれぞれあるかと思いますが、
革靴ユーザーのみならず、ジーンズにスニーカーがスタイル、という貴方にも是非ご紹介したいフランスの逸品。
70s J.M WESTON single monkstrap shoes
J.M WESTONでは、3ケタの数字をその型番としておりますが、
180のローファーや641ゴルフなど周知のモデルとして思い浮かべる方も多いと思います。
当方は隠れた名品として50年以上も製造され続けている、531シングルモンク。
シューレースを必要とせず、山頂のストラップによって固定するもの。
元は修道士が履いている靴をデザインソースとし、フォーマルな場で嗜好されてきたものですが、
トラウザーズには勿論、いつものジーンズに是非とも合わせて頂きたいお品です。
インソールには、現行のものとは異なる旧ロゴの仕様。
飾らないが、確かな存在感を醸し出す真鍮製のバックル。
マットな質感のゴールドに、Wのロゴはプライドの証。
ボディは一枚革で仕上げられているので、余計なステッチが入らず、
プレーンかつミニマムな表情。
皮質がきめ細かく、しっとり。
それ故、多少の雨でも問題がなく履けるのはWESTONならでは。
ノーズが長すぎない絶妙なバランスは、走って頂いても女性とディナーでも。
今でこそ、市民権を獲得したモンクストラップシューズですが、
シングルモンクを街中で履かれている方はそう多くないはず。
是非、ワードローブの一足に。
これまた余談ですが、青山、代官山界隈で小林を見かけた方、
「あのひと全然走ってない、自転車乗ってる」と思うかもしれませんが、
どうぞ誤解なさらずに。
革靴は自転車もいけるんです。
皆様のご来店を心よりお待ちしております。
SURR by LAILA 小林
03-5468-5966
[email protected]
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Newarrival
フランスのシンボリックなマテリアルによる、メゾンのシンボリックな色調表現。
10種の三日月が物語る、煮詰めに煮詰めたクリエイション。
Newarrival , 70s Hermes linen shirt & silk shirt
SURR by LAILA 福留
03-5468-5966
[email protected]
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【我々は海底へ45m潜り、沈没したキャビンから何か持ち帰れるものがあるか探した。結局見つかったのは、腕時計だけだった。
陸に上がったとき、それははまるで何事もなかったかのように動きだした】
1962年、アメリカの飛行艇が沈没した際に、その救出に向かったダイバーが放った実際の言葉。
50s OMEGA seamaster , with MORFLEX’s belt
大戦中イギリス軍からの発注により、ねじ込み式の裏蓋を使用した防水時計「マルーン」が開発され、
この軍事用のムーブメントを、市販向けにベクトルを合わせ開発された作品「シーマスター」。
戦後1948年の事。
1948年といえば、アガサ・メアリ・クラリッサ・クリスティの著作「Taken at the Flood」が執筆された年です。
皆様ご存知のベルギー人、エルキュールポアロが登場する長編もの。
あらすじですが、あー、はい、よくあるやつね、です。
「未亡人」 「大富豪」 「一族」 「遺産」
遺産を手にする未亡人が鍵役なのですが、当然、一族の者は思うわけです。
「彼女さえいなければ。」
よくあるやつ、なのですが人間関係がまぁそれは複雑でして、何が布石で何が真実なのか。頭の良い運動になるかと。
真相を理解して初めて気付く伏線もございまして、「ミステリーの女王」の名に相応しい隠れ作、です。
まさに「She’s master」
余談がすぎました。
当方は1950年代のもの。
自動巻き、オリジナルのキャリバー、金張りのボディ。
日常使って頂くに十二分なポテンシャルです。
『究極』を意図して名付けられたギリシャ文字列最後の名に相応しく、
あらゆる装飾を排除し、水への支配のみを只管に追及した至ってシンプルな面構え。
梅雨が明ければTシャツ、ジーンズに。夏が終われば是非ともニットに。
そして、スイスのプライドが生んだこのムーブメントに相応しいと、今回セレクトさせて頂いたのが、
『MORFLEX』というベルト。
USAのメーカーでして、之もまた1950年代のもの。
デッドストックです。
取り外せます。
そして、伸びます。
一度、各ピースを取り外して調整してしまえば、着脱はすごく容易。
御好みにサイズ調整が可能ですので、お機会が御座いましたら、是非、女性にも。
因みに「Taken at the Flood」は原題。日本題ですと「満潮にのって」。
シェークスピアの『ジュリアス・シーザー』文中の台詞がこの日本題の元ネタとなっております。
「人の世の事柄には潮があり、満潮に乗れば幸運へとたどり着くが、乗り損なった者の人生の船旅は浅瀬にとらわれ不幸に呑まれてしまう」
満潮のタイミングを見極める目と、そのタイミングを逃さない勇気が必要ということでしょうか。
わたくしも不幸に呑みこまれないよう、今夜も酒の満潮に乗ってきます。
これもまたタイミング。
それでは皆様も良い週末を。
SURR by LAILA 小林
03-5468-5966
[email protected]
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