マスターピースと呼ぶに相応しいのではなかろうか / Diary314
5.10.2016

 
今回エントリーさせて頂くお品に関しましては、
圧倒的なまでの存在感と「洋服」としての意義を超えているであろうそのステータスから、
隅々までご紹介させて頂きますとカット数だけでおそらく20枚は超えるのではと懸念しながらも、
ご閲覧頂いております皆様の目を疲れさせては申し訳が立ちませんので、
厳選した各ディテールを抑えながら、その「洋服としての意義を超えているであろうステータス」を感じて頂けましたら一筆の価値がございます。
 
 
 
では、まいります。
 
 
 
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90s British Royal Army aircraft carrier crews “Ventile Smock”
 
 
 
中世より“海上”というテリトリーにおいては絶対的な強さを誇っていた英国海軍。
ほぼ無敵と称されたその戦闘力においては、他国からも恐れられておりました。
今まで弊店におきましても英国王室直属軍を表す“ROYAL MILITARY”を度々とご紹介させて頂いておりますが、
やはり海軍となりますと、一線を画す強さを感じざるを得ません。
 
英国王室直属海軍、ROYAL NAVYからは、まさにマスターピースと呼ぶに相応しいであろうベンタイルスモックのエントリー。
 
 
 
 
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フードを外して頂くとこのような様。
言わずもがな、プルオーバーとなっております。
驚異的な身幅、機動力重視のアームホールと脇周り。
ラグラン仕様。
 
 
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フロントの釦は計4つ。
 
 
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ドローコードを備えておりますので、御好みに調整が可能。
 
 
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フードにはキャップも備わっており、さらにスナップボタンにより前後への調整が可能に。
雨天では抜群のポテンシャルを発揮します。
 
 
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前身頃に装着された4スナップのフラップが計2つ。
実はこれ、
 
 
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フェイクです。
正しくは、“フラップはあるが、ポケットとしての機能ではない” です。
ロイヤルのパターンメイクやディテールには、やはり最高のデザイン性も加味されていると納得しそうなところですが、
 
 
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流石、最高位に位置する英国王室直属海軍。
コードを通すがためのフラップです。
当時は、前身頃中央腹部に位置する小振りなポケットに無線機を入れ、
そこから絡ませることがないようコードを頭まで伸ばすためのディテール。
 
デイリーでは画像のように、モダンな使用でいきましょう。
 
ちなみに、フード内の耳に当たる部分には、音を通しやすくするためのディテールもございまして、
ヘッドホンを着用しながらフードを被れる仕様となっております。
 
あっぱれ。
 
 
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両サイドのポケットはしっかり機能しております。
 
 
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ただでさえ屈強な生地ですが、エルボーパッチのこの広域。
さらに、
 
 
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二枚重ねられております。
どれだけアーバンの上に跳ね飛ばされようとも、破けません。
着地はどうぞ肘から。
 
 
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以前、ご紹介したベンタイルという生地の特性ですが、
コットンとは思えないほどに、水への耐性がございます。
そのベンタイルの生地の下には、さらに別生地がライナーとして縫製されております。
海上という水に囲まれたエリアにおいて、水分一滴の侵入さえ許さないようなディテール。
 
これもあっぱれ。
 
 
ベンタイルの厚みと相俟って、真冬でも対応しそうな本品ですが、
ニットや敢えてワイドパンツと合わせて頂くにも宜しいかと。
 
3年ほど前になりますでしょうか。
個人的な旅行においてイギリスはロンドンを訪れたのですが、
そこでウディアレン似の老紳士が、チェスターコートの上にロイヤルスモックをばっさり。
足元はジョンロブのロペス。
それはもう衝撃的な格好良さでございました。
 
 
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コートの上に、ばっさりとスモック。
宜しいのではないでしょうか。
 
 
 
 
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皆様のご来店を心よりお待ちしております。

 

 

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ムッシュへの尊信 / Diary313
29.9.2016

 
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男性が最も美しくみえる瞬間は、テーラードを羽織り、サイドベンツの合間からシガレットを取り出すときではないか。
ムッシュは当時そう考えていたそう。
確かに、彼を思い浮かべるとき、深めのサイドベンツ、タイトフィットのウエスト周り、大振りのアモールというイメージが湧きます。
 
男性が最も美しくみえる瞬間など、日常的にはそう意識はしませんが、
この機会に自分を振り返るのは決してマイナスではないはず。
 
 
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70s Yves Saint Laurent tailored jacket “Black Velvet”
 
 
正直申しまして、70年代のメゾンおける漆黒のベルベット地はそう滅多に出逢えるお品ではございません。
 
コットン地のベルベットは艶感もそこまで感じられず、
どこか目の細かいモールスキンのような印象。
ラペルも強くなく、2釦は下げ目の位置に。
ポケットはパッチ仕様。
ベルベットという生地でありながらフラップにしない辺りが巧みです。
 
素晴らしいほどに日常的。
 
ディナーでは勿論タイドアップで。秋の休日にはニットやスウェットの上から是非。
 
 
 
 
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シガーを嗜まない方はチーフを忍ばせて頂ければ。
焦らず使う機会を待ちましょう。
 
そしてここぞという時に、サイドベンツに風を。

 

 

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“ これを見せるのは君が初めてだよ ” / Diary312
27.9.2016

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2016 A/W の編集意図が固まったうえでロンドンの街はずれ、ゲットーな空気漂う地区に住む熟練のコレクター、ヴィンテージに関わる生業を仕事ではなくライフワークとして心から楽しむ英国紳士のもとで出逢えた一着は、付ける事の出来ない順列をあえて付けるとしたら、今期の BEST 3 に属します。

“ 今はどんな気分だい ” と、親切な彼は時に問い掛けてくれます。“ コーヒー飲むかい ” とも。その時は頭に浮かんでいた想いに則って “ 100年以上受け継がれる要素やスタイル ” という世界観と、それを表現するにおいて最も喜ばしいマテリアルであるシルクのアイテムがあればベストである旨を、土台不可能であろうと決めつけつつ投げかけたところ、彼は “ イエス ” という答えと共に “ 最近手に入れたんだ ” “ これを見せるのはケンタが初めてだよ ” という最高のキラーワードを唱えつつ秘密の部屋から持ってきてくれました。

それは今から 100 年と少し前に、英国のとある環境において “ doorman ” という職種の人々が着用していたコート。アンティークでありユニフォームでありワークウェアでもあるそれは、奇しくも工業性を多分に含むヴィンテージプロダクトがデザイナーやアーティストの手で、また新たな角度のモードとして捉えられ始めているしている “ 今の今 ” に、さも示し合わせたかのごとくタイミングで私の前に現れてくれました。

 

 

それを差し引いてなお、心躍るそれ。ドアマンという要素に則った 100 年と少し前でありながら今なオーバーサイズのテーラーパターン、さりげなくありながら着用されていた環境に適したエレガントなディティールと色調、ユニフォームやワークに則った特殊なパーツ使い、何よりシルク 100 %という類稀なる条件。それがほとんど着用されていないコンディションで出逢えたことも、喜ばしくて仕方ありません。

 

 

 

 

 

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1910s Victorian , doorman silk coat

それこそ、近年のアーティストデザインによって、ドアマンという文言に馴染みのある方もいらっしゃると思いますが、そもそも相当に特殊な存在ですので、いわゆる “ 珍しいお品 ” に属するのですが、引き続きリアルクローズとして 120 %の魅力を感じた点が最もです。
なお、“ どの環境 ” で着用されていたかも判明しておりますが、ここに記すのは僭越ながら控えさせて頂きますので、僅かでもご興味頂けましたら店頭にてお気軽にお声がけくださいませ。普通にサラリとお答えさせて頂くと思います。

 

 

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